PLCの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介
PLC(シーケンサー)の選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。4つの種類の違い、制御規模、処理速度、通信規格、ツールと言語、供給状況と総額の見方と、よくある4つの失敗を整理します。

PLCは、センサーやスイッチの入力に応じて、機械や設備を決められた順序で動かす制御装置です。ただし、CPUの型式、入出力点数、通信、プログラミングツールの違いが大きく、カタログを並べても自社に合うかは見えにくい製品です。制御規模や通信が合わないと、導入後に「点数が足りない」「既存設備とつながらない」と気づくことになりかねません。この記事では、種類の違いと、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品名を比べる前に、まず制御する装置の規模と接続先を書き出しましょう。
- 制御規模:入出力の点数、サーボなどの軸数、将来の増設の見込みを決める
- 通信:EtherCATやEtherNet/IPなど、つなぐ機器と上位システムの接続方式を確認する
- ツールと言語:ラダーやSTなど、使うプログラミング言語とソフトの費用を確認する
- 供給と総額:現行品番か、電源やI/Oを含めた費用はいくらかを確認する
制御規模と通信を先に整理すると、候補となるPLCのタイプを絞り込みやすくなります。残りの条件まで確認すると、導入後の手戻りを抑えられます。
この記事でわかること
PLCの基礎知識
選び方に入る前に、PLCが何をする機器なのかを押さえます。役割が曖昧なままだと、使わない機能に費用を払うことになりかねません。基本的な用語は、PLCとはの記事でも整理しています。
PLCが担う役割
PLCは、工場の機械や設備を、入力に応じて決められた順序で動かす制御装置です。シーケンサーとも呼ばれ、生産ラインや搬送装置、検査装置などの自動化の中心になります。
用途は順序制御だけではありません。サーボやインバーターと組み合わせた位置決めも担います。設備の稼働データや異常信号を、上位システムへ渡す役割もあります。非常停止などの安全回路との連携や、古い制御盤の更新も主な用途です。最初に確認したいのは、制御する装置の規模です。
ユニットを組み合わせる型と一体型
PLCには、CPUに入出力や通信、位置決めなどのユニットを組み合わせる型があります。小型の一体型は、本体にこれらの機能を備えた製品です。
例えばMELSEC iQ-Fは、I/OとEthernetをCPUに内蔵した一体型です。位置決めの機能も内蔵しています。一方、MELSEC iQ-Rは、CPUの容量が10K〜1200Kステップまであります。小規模から大規模まで、同じシリーズでの設計が可能です。どちらの型かで、盤の大きさと増設のしかたが変わります。
選定でつまずきやすい理由
PLCは、比較する軸が多い製品です。処理速度、入出力点数、通信、ツール、保守部品の供給など、確認すべき事項が重なります。
メーカーごとにプログラミングソフトが異なる点も、判断を難しくしています。過去のプログラム資産は、メーカーを変えるとそのまま使えないことがあるのが実情です。価格を公開していない製品も多く、総額はカタログだけでは見積もれません。
編集部コメント:入出力点数、つなぐ機器、既存資産の3点は、見積もりの前にまとめておくと便利です。メーカーごとの提案が比べやすくなるほか、問い合わせ内容を具体的に伝えやすい点も利点です。
PLCの種類
PLCは、制御する装置の規模と、接続する機器の広がりによって大きく4つに分けられます。どの型を選ぶかで、入出力の点数も拡張のしかたも変わってきます。まず全体像をつかみましょう。
- 一体型・小型
- 汎用モジュール型
- オープン・IT連携型
- 大規模・二重化・安全統合型
一体型・小型
CPUに入出力を内蔵し、1台の装置を少ない構成で制御する型です。MELSEC iQ-Fは、Ethernetと位置決め、高速カウンタを内蔵しています。オムロン NX1Pは、デジタルI/Oを24点または40点備えた機種です。EtherCATで最大8軸のモーション制御も行えます。
IDEC FC6A形は、Webサーバとデータロギングを内蔵しています。Siemens S7-1200 G2は、小規模用途向けのベーシックコントローラです。いずれも、大規模ラインを1台で統合する用途には向きません。
汎用モジュール型
CPUに電源、I/O、通信ユニットを組み合わせ、中規模の設備に対応する型です。パナソニック FP7は、CPUやI/Oの標準価格を公式製品ページに掲載しています。キーエンス KV-Xは、モーション内蔵CPUで最大256軸を接続できます。
横河電機 FA-M3Vは、高速なスキャンが特徴です。TOYOPUC-Nano 10GXは、既存のTOYOPUCから更新しやすい機種です。B&R X20は、スライス型I/Oで盤内を省スペースにできます。デルタ電子 ASは、最大1,024点の入出力に対応します。
オープン・IT連携型
高級言語やLinuxも使える型です。PLCnext Controlは、IEC 61131-3と高級言語を同じタスクで動かせます。WAGO PFC300は、LinuxとDockerの上でIT系のアプリを同居させられる機種です。
日立産機システム HXのハイブリッドモデルは、C/C++プログラムも同じCPUで動かせます。Modicon M262は、MQTTやOPC UAでクラウドへ直接データを送れる点が特徴です。ラダー中心の現場では、IT系のスキルを補う教育が必要です。
大規模・二重化・安全統合型
多数の設備や安全機器をつなぐ大規模ラインで、機能を集約する型です。オムロン NX502は、最大254本の安全コネクションを備え、安全制御まで1台に統合できます。
ControlLogix 5590は、全機種にSIL 2/PLdの安全機能を備えた製品です。Siemens S7-1500は、冗長構成まで同じ系列で選べる製品です。富士電機 MICREX-SXは、二重化まで1シリーズで構成できます。東芝 nvシリーズは、計装制御と電気制御を統合できます。小型の単体装置には、過剰な構成になりやすい型です。
【目的別】PLCの選び方
同じPLCでも、何を実現したいかで優先すべき条件は変わります。製造現場でよくある3つの目的を取り上げました。目的が複数ある場合は、最も条件の厳しいものに合わせます。
単体の装置を低コストで制御したい
1台の装置を制御するなら、入出力を内蔵した一体型が候補です。ユニットを足さずに構成できるため、盤の設計と部品の手配が簡単になります。
MELSEC iQ-Fは、標準価格を公式の仕様ページで確認できます。FX5S-30MR/ESは、49,500円(税の表記なし)です。ただし制御規模は、リモートI/Oを使っても最大512点です。点数が増える見込みがあるなら、上限を先に確かめましょう。
古い制御盤を更新したい
既存設備の更新では、機能よりも、現行のプログラムやI/Oをどこまで生かせるかが条件です。移行のしやすさは、メーカーが用意するツールや互換の範囲に左右されます。
TOYOPUC-Nano 10GXは、TOYOPUC-Plusのプロジェクトを変換できます。日立産機システム HXはEHVシリーズとI/Oが共通です。ControlLogix 5590は、5580と同じI/Oを使えます。互換の範囲は、製品ごとに公式資料で確認が必要です。
稼働データを集めて上位へ渡したい
設備の稼働データや異常信号を集めるなら、ロギングと通信の機能がそろったPLCが候補です。専用のゲートウェイを足さずに済む場合があります。
パナソニック FP7は、SDカードへの最大16ファイル同時ロギングを標準機能で使えます。Modicon M262は、MQTTやOPC UAに対応した機種です。NX502は、DB接続とOPC UAによる上位システムとの連携が特徴です。
【部門別】PLCの選び方
PLCに関わる人は、設計する人、データを集める人、現場で保守する人に分かれます。導入に関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有するときは、条件の厳しい部門に合わせます。
設備設計・制御設計部門
装置を設計し、プログラムを作る部門では、プログラミングツールと言語が重要です。ラダーに加えてSTなどを使いたい場合は、対応言語を仕様で確認します。
MELSEC iQ-Fは、ラダーに加えてST・SFC・FBD/LDも使えます。FA-M3Vの対応言語は、ラダー・スクリプト・ニモニックです。ツールの費用にも差が出ます。KV STUDIOは182,000円(税抜)、PLCnext Engineerは基本版が無償です。
生産技術部門
ラインの立ち上げや改善を担う部門です。サーボなどのモーション制御と、稼働データの取り出しやすさが条件になります。軸数が多いほど、CPUの上位機種が必要です。
NX1Pは最大8軸、KV-Xは最大256軸まで扱えます。軸数と同期の周期は、仕様表で確認しましょう。NX1PのEtherCAT通信周期は、最短2msです。8軸を超える同期制御には、上位機が必要になります。
保全・設備管理部門
トラブル時に原因を素早く追えるかが、保全部門の条件です。診断や履歴の機能は、機種ごとに仕組みが異なる点に注意が必要です。
KV-Xは、トラブル時の状態をmicroSDカードに記録するドライブレコーダを標準搭載しています。MELSEC iQ-Rは、イベント履歴で異常を時刻付きで追える製品です。GX LogViewerで、状態をリアルタイムに確認することもできます。S7-1500は、チャネル単位で断線や短絡を検知できる機種です。
【企業規模別】PLCの選び方
企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。制御設計の専任担当の有無、設備の台数、予算の通し方の3点です。自社の体制に近いところから読み進めるとよいでしょう。
中小企業
制御設計を専任で担う人が少ない前提で選びます。価格が公開されている機種なら、見積もりや稟議の手間を減らせるでしょう。
IDEC FC6A形は、16点のAll-in-Oneタイプを67,500円から購入できます。注文合計欄は税別表示です。FP7のCPUは、AFP7CPS2Rが58,500円(税別)です。電源やI/Oは別売なので、総額で比べてください。
中堅企業
複数の装置やラインで、PLCの台数が増える段階です。メーカーとシリーズを絞っておけば、ソフトの操作や保守の窓口をそろえられます。
同じソフトで小型機から上位機まで扱える製品は、この段階で有力です。MELSEC iQ-FとiQ-Rは、共通のGX Works3でプログラムできます。オムロンのNX1PとNX502も、同じSysmac Studioで開発できます。
大企業
拠点や装置ごとにPLCがまちまちになりがちです。全社で標準を決めるなら、シリーズの幅と長期の保守体制が重要な条件になります。
安全制御や二重化、他社機器との接続を求められる場面も多くあります。上位機は価格が非公開の製品が中心です。構成を固めてから、見積もりを比べましょう。メーカーの変更を伴う場合は、既存のプログラム資産の移行費も見込んでおきます。
自社に合ったPLCの選定ポイント
目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な仕様に落とし込みます。確認の順番が大切です。上から順に見ていくと、手戻りを減らせるでしょう。
- 制御規模(入出力点数・軸数)を見積もる
- 処理速度とプログラム容量を確認する
- 通信規格を確認する
- プログラミングツールと言語を確認する
- 供給状況と総額を確認する
制御規模(入出力点数・軸数)を見積もる
最初に決めるのは、入出力の点数とサーボなどの軸数です。上限を超えると、他の条件が合っても使えません。拡張の方法は、製品ごとに異なります。
例えばMELSEC iQ-Fは、リモートI/Oを使っても最大512点です。FC6A形は、All-in-Oneタイプで最大404点、Plusタイプで2,044点に対応します。KV-Xは最大3072点、デルタ電子 ASシリーズは最大1,024点まで扱えます。将来の増設を見込んで、余裕をもたせましょう。
処理速度とプログラム容量を確認する
速い応答が必要な装置では、命令の処理速度が条件になります。プログラムが大きい場合は、容量も確認します。仕様の数値は、測定の条件が付く場合が多い点に注意しましょう。
FA-M3Vは、特定の条件下でラダー100Kステップを1msで処理できるとされます。MELSEC iQ-Rのプログラム容量は、10K〜1200Kステップです。TOYOPUC-Nano 10GXは240K語です。必要な処理を洗い出してから、数値を見比べてください。
通信規格を確認する
PLCは、サーボやインバーター、他社の機器と通信でつなぐ前提の製品です。規格は多岐にわたります。代表例は、EtherCAT、EtherNet/IP、PROFINET、CC-Link IEです。つなぐ機器の規格に対応するかを、先に確認しましょう。
CPUに内蔵か、ユニットの追加が要るかは、製品で違います。KV-XはEtherCATとEtherNet/IPを内蔵します。ただし標準モデルのKV-X500は、EtherCATに通信ユニットが必要です。
プログラミングツールと言語を確認する
プログラムは、メーカーのエンジニアリングソフトで作ります。担当者が使い慣れた言語で組めるかが、立ち上げの速さを左右します。ソフトの費用も別に確認が必要です。
IDEC FC6A-C16R1AEの言語は、ラダーとスクリプトです。IEC 61131-3の記載は見当たりません。FA-M3VやTOYOPUC-Nano 10GXも、ST言語の記載は確認できません。STを主体にするなら、事前に対応言語を確認しましょう。
供給状況と総額を確認する
PLCは長く使う設備です。現行品番かどうか、保守部品がいつまで入手できるかを確かめます。FA-M3Vは、設計上の耐用年数にあたる推奨交換周期を10年としています。
費用は、CPUに加えて、電源、ベース、I/Oユニット、ソフトを含めた総額で比べるのが基本です。価格は製品ごとに公開の範囲が異なり、2026年時点では非公開の製品も多い状況です。実際の費用は、公式の価格表や見積もりで確かめてください。
【比較表】PLCの主要製品
製品データとして数値化できる4項目を、評価スコアで横並びにしました。工程管理・設備保全・現場での使いやすさ・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。価格は2026年時点の公式ページの記載で、税区分は元の表記のままです。公開されていない場合は、その旨を記しました。製品ごとの詳しい比較は、PLCの比較記事で扱います。
順位 | 製品 | 提供元 | 工程管理 | 設備保全 | 現場での使いやすさ | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | IDEC株式会社 | 3 | 4 | 4 | 5 | IDEC公式オンラインストアの標準価格。FC6A-C16R1AE(16点All-in-One)67,500円、FC6A-D16K1CEE(Plus)96,600円、FC6A-C40R1AE 125,800円。注文合計欄は税別表示 | |
2 | 三菱電機株式会社 | 3 | 3 | 4 | 5 | 公式仕様ページの標準価格(税の表記なし)。FX5S-30MR/ES ¥49,500、FX5UJ-24MR/ES ¥59,500、FX5U-32MR/ES ¥88,000 | |
3 | パナソニック インダストリー株式会社 | 4 | 4 | 4 | 4 | 公式製品ページの標準価格(税別)。低価格型CPU AFP7CPS2R 58,500円、AFP7CPS3R 99,500円、AFP7CPS4RE 152,100円。電源・I/Oユニットは別売 | |
4 | オムロン株式会社 | 3 | 3 | 4 | 4 | 製品ページに価格の掲載なし。標準価格(税抜)は公式サイトの在庫・価格照会(利用条件への同意が必要)で型式ごとに確認する | |
5 | 株式会社キーエンス | 4 | 5 | 4 | 3 | 公式製品ページの価格表(税抜)。KV-X500 350,000円、KV-X520 548,000円、KV-X530 834,000円、KV-X550 1,298,000円。KV STUDIO Ver.12は182,000円(税抜) | |
6 | 三菱電機株式会社 | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式仕様ページの標準価格。R00CPU ¥55,000(税込・税抜の表記なし)。R32CPU ¥530,000など上位CPUは高く、電源・ベース・I/Oは別売 | |
7 | 富士電機株式会社 | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式製品ページに価格表示なし | |
8 | ワゴジャパン株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 日本語の公式製品ページに価格表示なし | |
9 | フエニックス・コンタクト株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 価格は販売店への問い合わせ。開発ツールPLCnext Engineerは基本版が無償 | |
10 | 横河電機株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 公式製品ページに価格表示なし(見積相談の窓口あり) | |
11 | 株式会社日立産機システム | 4 | 3 | 3 | 3 | 公式製品ページに価格表示なし | |
12 | シーメンス株式会社 | 3 | 4 | 4 | 3 | 日本語の公式製品ページに価格表示なし | |
13 | シュナイダーエレクトリック株式会社 | 3 | 3 | 4 | 3 | 公式製品ページ・プレスリリースに価格表示なし | |
14 | デルタ電子株式会社 | 3 | 3 | 3 | 3 | 日本語の公式製品ページに価格表示なし | |
15 | オムロン株式会社 | 5 | 4 | 3 | 2 | 製品ページに価格の掲載なし。標準価格(税抜)は公式サイトの在庫・価格照会(利用条件への同意が必要)で型式ごとに確認する | |
16 | シーメンス株式会社 | 4 | 4 | 4 | 2 | 日本語の公式製品ページに価格表示なし。製品カタログST 70・TIA Selection Toolで構成を選定 | |
17 | 株式会社東芝 | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式製品ページに価格表示なし | |
18 | 株式会社ジェイテクト | 4 | 3 | 4 | 2 | 公式製品ページに価格表示なし(お見積り依頼の窓口あり) | |
19 | B&R Industrial Automation GmbH | 4 | 3 | 3 | 2 | 公式製品ページに価格表示なし。日本の窓口はメールで問い合わせ・見積依頼を受け付け | |
20 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 5 | 4 | 3 | 1 | 公式製品ページに価格表示なし。販売代理店・営業所へ問い合わせ |
PLCの選び方で失敗しないための注意点
導入でつまずく例には、共通した型があります。事前に知っておけば、仕様確認の段階で対策を取れるでしょう。よくある4つを、回避策とあわせて挙げます。
CPU本体の価格だけで比べてしまう
CPUが安くても、電源、ベース、I/Oユニット、ソフトが別売だと、総額が想定を上回ります。MELSEC iQ-RやFP7は、電源やI/Oが別売です。価格が非公開の製品は、構成が固まるまで総額が見えません。
回避策:制御する装置の構成を先に決め、必要なユニットとソフトを含めて見積もりを取ります。費用の考え方は、PLCの費用の記事で整理します。
制御規模の上限を見落とす
点数や台数に上限があり、増設で行き詰まる例があります。MELSEC iQ-Fは最大512点で、NX1PはローカルのNX I/Oユニットが最大8台です。Modicon M262は、通信モジュールの台数に制限があります。
回避策:将来の増設を含めた点数と軸数で、上限を確認します。大規模になる見込みがあれば、同じソフトで使える上位機の有無も見ておきましょう。
通信とツールの対応を後から確認する
つなぐ機器や使う言語に対応していない例があります。iQ-RのEN型CPUでは、CC-Link IEフィールドとコントローラを同時に使えません。KV-X500は、EtherCATに通信ユニットが必要です。
回避策:接続する機器の規格と、使う言語を一覧にしてから、仕様の細かい制約まで確認します。条件は、メーカーへの問い合わせで裏づけを取りましょう。
現行品番と互換性を確認しない
型式が生産を終えていたり、前の世代と互換がなかったりする例があります。FP7の一部の品番は、2023年3月31日で受注終了しています。S7-1200 G2は、前世代のS7-1200とハードウェアの互換性がありません。
回避策:選定の時点で、現行品番かどうかをメーカーに確認します。既存設備の更新では、モジュールの入れ替えが要るかどうかも、事前に確かめておきましょう。
まとめ
PLCの選定は、制御する装置の入出力点数と軸数、つなぐ機器を書き出すことから始まります。種類は、一体型・小型、汎用モジュール型、オープン・IT連携型、大規模・二重化・安全統合型の4つです。目的・部門・規模のどこから見ても、最初に確認するのは制御規模と通信です。
方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。制御規模、処理速度と容量、通信規格、ツールと言語、供給状況と総額です。失敗の型は4つでした。本体価格だけの比較、規模の上限の見落とし、通信とツールの後確認、品番と互換性の未確認です。
製品の一覧はPLC(シーケンサー)のカテゴリページで確認できます。費用の見方はPLCの費用の記事で整理します。
PLC(シーケンサー)のおすすめ製品
IDEC FC6A形 MICROSmart
IDEC株式会社
Push-in端子の小型PLC
キーエンス KV-Xシリーズ
株式会社キーエンス
EtherCAT・モーション内蔵の新世代PLC
パナソニック FP7シリーズ
パナソニック インダストリー株式会社
通信とロギングを強化したモジュール型PLC
三菱電機 MELSEC iQ-Fシリーズ
三菱電機株式会社
Ethernet・位置決め内蔵の小型PLC
富士電機 MICREX-SXシリーズ
富士電機株式会社
最大8CPU・二重化まで組める国産PLC
三菱電機 MELSEC iQ-Rシリーズ
三菱電機株式会社
プロセス・安全CPUもそろうPLC
PLC(シーケンサー)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| IDEC FC6A形 MICROSmart | IDEC株式会社 | オンプレミス | Push-in端子の小型PLC | 詳細を見る | |
| キーエンス KV-Xシリーズ | 株式会社キーエンス | オンプレミス | EtherCAT・モーション内蔵の新世代PLC | 詳細を見る | |
| パナソニック FP7シリーズ | パナソニック インダストリー株式会社 | オンプレミス | 通信とロギングを強化したモジュール型PLC | 詳細を見る | |
| 三菱電機 MELSEC iQ-Fシリーズ | 三菱電機株式会社 | オンプレミス | Ethernet・位置決め内蔵の小型PLC | 詳細を見る | |
| 富士電機 MICREX-SXシリーズ | 富士電機株式会社 | 要見積もり | 最大8CPU・二重化まで組める国産PLC | 詳細を見る | |
| 三菱電機 MELSEC iQ-Rシリーズ | 三菱電機株式会社 | オンプレミス | プロセス・安全CPUもそろうPLC | 詳細を見る | |
| オムロン NX502シリーズ | オムロン株式会社 | 要見積もり | 制御・安全・データ収集を1台に統合する上位CPU | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC S7-1500 | シーメンス株式会社 | 要見積もり | TIA Portalで設計から診断まで扱うコントローラ | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC S7-1200 G2 | シーメンス株式会社 | 要見積もり | 性能と安全機能を高めたベーシックコントローラ | 詳細を見る | |
| オムロン NX1Pシリーズ | オムロン株式会社 | 要見積もり | I/Oとモーション制御内蔵の一体型CPU | 詳細を見る | |
| 横河電機 FA-M3Vシリーズ | 横河電機株式会社 | 要見積もり | ラダー100Kステップを1msで処理する高速PLC | 詳細を見る | |
| ジェイテクト TOYOPUC-Nano 10GX | 株式会社ジェイテクト | 要見積もり | EtherCAT・OPC UA対応のTOYOPUC | 詳細を見る | |
| フエニックス・コンタクト PLCnext Control | フエニックス・コンタクト株式会社 | 要見積もり | 高級言語も動くIEC 62443認証PLC | 詳細を見る | |
| シュナイダーエレクトリック Modicon M262 | シュナイダーエレクトリック株式会社 | 要見積もり | クラウド直結のIIoTコントローラ | 詳細を見る | |
| 日立産機システム HXシリーズ | 株式会社日立産機システム | 要見積もり | IEC 5言語とC言語を動かすモジュールPLC | 詳細を見る | |
| WAGO PFC300 | ワゴジャパン株式会社 | 要見積もり | 64ビットCPUと2GB RAM、Linux・Dockerで動くCODESYS V3のPLC | 詳細を見る | |
| Allen-Bradley ControlLogix 5590 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | SIL 2の安全機能を全機種に持つ新製品 | 詳細を見る | |
| 東芝 ユニファイドコントローラ nvシリーズ | 株式会社東芝 | 要見積もり | 計装と電気制御を統合 | 詳細を見る | |
| B&R X20システム | B&R Industrial Automation GmbH | 要見積もり | スライス型I/OとCPUを一体で構成するPLC | 詳細を見る | |
| デルタ電子 ASシリーズ | デルタ電子株式会社 | 要見積もり | 40kステップ/msのコンパクト・モジュラー型PLC | 詳細を見る |
よくある質問
QPLCは何から決めればよいですか?
最初に、制御する装置の入出力点数とサーボなどの軸数を決めます。あわせて、つなぐ機器の通信規格と、使いたいプログラミング言語も書き出します。この整理があれば、一体型かモジュール型かを判断しやすくなり、メーカーへの問い合わせも具体的になります。
Q一体型とモジュール型はどう使い分けますか?
1台の装置を少ない構成で制御するなら、入出力を内蔵した一体型が候補です。例えばMELSEC iQ-Fは、リモートI/Oを使っても最大512点が上限です。入出力が多い設備や、将来の増設が見込まれる設備では、ユニットを組み合わせるモジュール型を検討しましょう。
Q他社のPLCへ乗り換えるときの注意点は何ですか?
プログラミングソフトがメーカーごとに異なるため、既存のプログラム資産はそのままでは使えない場合があります。同じメーカーの後継機なら、変換ツールや共通のI/Oが用意されていることがあります。互換の範囲は、公式資料やメーカーへの問い合わせで確認しましょう。
Q価格はどう確認すればよいですか?
CPUに加えて、電源、ベース、I/Oユニット、ソフトを含めた総額で比べます。標準価格を公式に公開している製品もありますが、非公開で見積もりが必要な製品も多くあります。価格は2026年時点の公式ページで、税区分とあわせて確認してください。
