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メーカー・シェア#HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)#メーカー#シェア

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のメーカー12社の特徴|シェアの実態と母体事業の違い

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)の主要メーカー12社を1社ずつ整理した記事。メーカー別シェアの公的データは確認できず、生産動態統計にも区分は見当たりません。母体の事業、資本関係、日本での販売体制を見ていきます。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のメーカー12社の特徴|シェアの実態と母体事業の違い

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のメーカーを調べると、自動車の試験設備を作る会社から、車載ソフトのツール会社、電力系統の専業まで並びます。母体の事業も、日本での窓口も、扱う試験の対象も、会社ごとに大きく違います。

この記事では、製品ページのある主要12社がどんな会社なのかを1社ずつ見ていきます。よく検索されるシェアの実態、母体の違い、資本関係と日本での販売体制までを会社単位で整理します。製品の仕様はHILSのカテゴリページで、用語の整理はHILSとはの記事で確認できます。

記載内容は、各社の公式サイトを、編集部が2026年11月5日に確認したものです。買収や日本法人の形が動く分野のため、検討時には最新の情報を確認してください。比較表はHILSの比較記事、選定の軸はHILSの選び方の記事、費用の見方はHILSの費用の記事にまとめています。

  • HILSのメーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは、編集部が確認した範囲では見つからなかった(2026年11月5日時点)
  • 日本電気計測器工業会が掲載する生産動態統計(2025年12月分の表)の品目に、HILSやシミュレータの区分は見当たらなかった
  • 主要12社の20製品のうち、価格を公式サイトに載せている製品は確認できなかった(2026年時点)

この記事でわかること

01

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)の主要メーカー12社【早見表】

HILSの会社は、計測・試験機器の会社、車載ソフトのツール会社、電力系統の専業に分かれます。まずは、12社の全体像を一覧で押さえましょう。

  • 主要12社のうち、日本に本社・本店を置くのは、エー・アンド・デイと鷺宮製作所の2社
  • 残る10社は、海外グループの日本法人か、海外本社の製品を日本で取り扱う窓口
  • 主要12社の20製品のうち、価格を公式サイトに載せている製品は確認できなかった

メーカー

本社/国内の窓口

母体となる事業

主な製品

主な対象

株式会社エー・アンド・デイ

東京都豊島区(本社)

計測・計量機器、医療・健康機器、半導体関連装置

HELIOS、AD-PROCYON、モータHILS

車載ECU/モーターECU

株式会社鷺宮製作所

東京都新宿区(本社)

自動制御機器と試験装置

ステアリングHILS CRH440

ステアリング系

エイヴィエルジャパン株式会社

神奈川県川崎市(日本法人)

パワートレイン・電動車両の開発と試験

AVL Inverter TS

電動車のインバーター

dSPACE Japan株式会社

東京都品川区(日本の拠点)

ECU開発向けのツールとシステム

SCALEXIO、MicroLabBox II、SCALEXIO Power HIL

車載ECU/パワー機器

ベクター・ジャパン株式会社

東京都港区(日本法人)

車載ネットワークとECU開発のツール

VT System

ECUの入出力試験

IPG Automotive株式会社

東京都港区(日本法人)

車両開発向けのバーチャルテスト走行

Xpack Real-time System

ADAS・パワートレイン

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社

東京都港区(日本法人)

計測・テスト用のハードとソフト

NI VeriStand

NIのハードでのHIL

マスワークス合同会社

東京都港区(日本拠点)

MATLAB・Simulinkの開発

Simulink Real-Time

Simulinkモデルの実機試験

コンカレント日本株式会社

東京都台東区(日本拠点)

リアルタイムLinuxと実時間シミュレーション基盤

SIMulation Workbench

複数ツールのモデル統合

タイフーンヒル・ジャパン合同会社

神奈川県横浜市(日本オフィス)

パワーエレクトロニクス向けHILシミュレータ

HIL606、HIL506、HIL404

コンバータ・モーター駆動

OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc

カナダ(国内の窓口は株式会社NEAT)

リアルタイムシミュレータとソフト

OP5707XG2、OP4610XG2、RT-LAB

電力系統・電動ドライブ

RTDS Technologies Inc.

カナダ(国内の窓口は製品情報による)

電力系統のリアルタイムEMTシミュレータ

NovaCor 2.0

保護リレー・系統制御装置

表から読み取れる会社の違い

日本に本社を置く会社は2社だけで、どちらも計測・試験の機器メーカーです。海外発の10社は、ソフト主体の会社、ハード主体の会社、電力系統の専業に分かれます。

日本の窓口の形も一様ではありません。OPAL-RTは、国内代理店のNEATが窓口です。Typhoon HILは、日本オフィスとMywayプラスの2つが載ります。

価格を公式サイトに載せている会社は確認できない

製品マスタで確認した範囲では、20製品のうち、公式ページに金額が載る製品はありません。構成ごとの見積りが前提で、問い合わせから依頼する形です。

Simulink Real-Timeは無料試用を案内しますが、単体の価格は載っていません。数え方は、公式ページに金額か無償の明記があるかどうかです(2026年時点)。


02

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のメーカー別シェアと市場規模

HILSのメーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは、見つかりませんでした。確認日は2026年11月5日で、編集部が確認した範囲に限ります。このため、この記事ではシェアの数字を載せず、順位も付けません。

公的統計にHILSの区分は見つからなかった

経済産業省の生産動態統計を、日本電気計測器工業会の掲載表(2025年12月分)で確認しました。半導体の測定器などは並びますが、HILSやシミュレータにあたる区分は見当たりませんでした。

経済産業省の品目定義のページは確認できていません。統計に別の名前で含まれている可能性は否定できないため、HILSの市場規模としては使いません。

メーカー別の割合が出ない理由

メーカー別の内訳がある統計は、見つかりませんでした。各社の売上は、HILS以外の事業と合算されることが多く、HILSだけの規模は読み取れません。

エー・アンド・デイの会社案内は、事業を3分野で示しています。計測・計量機器、医療・健康機器、半導体関連装置です。HILSの売上を切り出した記載は確認できませんでした。

民間調査会社のレポートを見るときの注意

民間の調査会社が、HILSの市場規模やシェアのレポートを販売していることがあります。無償で見える概要には、調査範囲やメーカー別の数字が出ていない場合が多くあります。

有料部分の数字は、この記事では使っていません。検討するときは、調査年と、対象とする製品の範囲を確かめてください。数えた指標が金額か台数かも、先に見ておきましょう。

シェア表記の根拠を確かめる

各社の公式ページでは、調査会社名つきのシェア表記は、編集部の確認時に見つかりませんでした。「国内シェアNo.1」といった表記を見かけたときは、出典の有無を確かめましょう。

確認する点は3つあります。調査会社名と調査年、調査の範囲(国内か世界か、どの製品か)、数えたもの(金額か台数か)です。この3点が読み取れない表記は、順位として扱えません。


03

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)メーカーは母体の事業で分かれる

HILSの会社は、HILS専業ではなく、別の事業を母体に持つ会社が目立ちます。母体の事業が、得意とする試験の対象や、日本での窓口の形に影響します。

自動車の試験設備・計測機器を母体とする会社

エー・アンド・デイ、鷺宮製作所、エイヴィエルジャパンは、試験設備や計測機器の会社です。HILSは、車両の試験設備の一部として組み込まれています。

モーターやインバーター、ステアリングなど、部品単位の試験装置が目立ちます。車両全体のネットワーク試験は、製品の主な対象ではありません。

車載ソフトの開発ツールを母体とする会社

dSPACE、ベクター、IPGは、ECU開発や車両モデルのソフトが事業の中心です。試験用のハードを、自社のソフトとつなげて提供しています。

ECUの入出力や通信を模擬する製品が中心です。電力系統などの自動車以外の分野は、製品ページの主な用途に挙がっていません。

実時間実行のソフトと基盤を母体とする会社

NI、マスワークス、コンカレントは、汎用の基盤を持つ会社です。計測、数値計算、リアルタイムOSが母体です。モデルを実時間で動かす部分を、HILの用途にあわせて提供しています。

NIとマスワークスのソフトは、動かすためのハードが別に要ります。ハードごと一社から買いたい場合は、構成を事前に確認してください。

この先はグループごとに見る

4つ目は、Typhoon HIL、OPAL-RT、RTDSの3社です。パワーエレクトロニクスと電力系統に特化しています。以降は、この4グループの順に1社ずつ見ていきます。

各グループの中は、国内の会社が先、海外の会社が後の順です。順位や評価の高さでは並べていません。


04

自動車の試験設備・計測機器を母体とするメーカー3社

エー・アンド・デイ、鷺宮製作所、エイヴィエルジャパンは、試験設備や計測機器を手がける会社です。ここでは、会社の素性と、製品が対象にする部品や試験の範囲を見ていきます。

  • エー・アンド・デイは、HELIOS、AD-PROCYON、モータHILSの3製品を提供している
  • 鷺宮製作所とエイヴィエルジャパンは、ステアリングやインバーターなど部品単位の試験装置を提供している
  • 3社とも、価格は公式の製品ページに載っていない

株式会社エー・アンド・デイ

公式の沿革は、1977年5月に電子計測器の製造・販売を目的として会社を設立したところから始まります。本社は東京都豊島区東池袋で、事業は計測・計量機器、医療・健康機器、半導体関連装置です。

HELIOSは複数の筐体に広げられるHILSで、自動車向けのI/Oボードが豊富です。AD-PROCYONはSimulinkモデルを並列に実行します。モータHILSは、モーターECUの検証に絞ります。HELIOSとAD-PROCYONは、演算周期や対応ツールの詳細が製品ページにありません。

株式会社鷺宮製作所

鷺宮製作所は1940年5月5日の創業で、設立は1948年4月1日です。本社は東京都新宿区大久保にあります。資本金は9億6千万円、従業員数は1,113名です(2026年3月現在)。

ステアリングHILS CRH440は、車両モデルで計算したラック荷重を加えます。加えるのは、リニアモータ式アクチュエータです。対象はステアリング系に限られ、他のECUや電動パワートレインの試験には使えません。恒温槽などはオプションです。

エイヴィエルジャパン株式会社

AVLは、1948年にハンス・リスト博士らがIBLを設立しました。1951年に社名をAVLへ変えています。グラーツに本社があり、日本法人のエイヴィエルジャパンは神奈川県川崎市中原区にあります。

AVL Inverter TSは、インバーターを単体で試すシステムです。モーターとバッテリを模擬します。電圧や電流の仕様は製品ページにありません。インバーター用の大型設備のため、信号レベルのECU試験には向きません。


05

車載ECUの開発ツールを母体とするメーカー3社

dSPACE、ベクター、IPG Automotiveは、海外グループの日本拠点です。ECU開発やバーチャルテスト走行のソフトを持ちます。ここでは、日本での拠点の形と、製品が前提とするソフトを見ていきます。

  • dSPACEは、信号レベルからパワーレベルまで3つの製品を提供している
  • ベクターのVT Systemは、CANoeの導入が前提になる
  • IPG AutomotiveのXpackは、CarMakerとの組み合わせを想定している

dSPACE Japan株式会社

dSPACEグループの運営会社は、ドイツのパーダーボルンにあります。日本は公式の拠点一覧に載る海外拠点の一つで、所在地は東京都品川区北品川です。

SCALEXIOは、LabBoxからターンキーまで構成を広げられます。MicroLabBox IIは入門レベルのHILで、I²CとSPIの一部機能が未対応です。SCALEXIO Power HILは最大1,250Vを扱います。電流や出力の値は、製品ページにありません。

ベクター・ジャパン株式会社

Vectorグループは1988年の設立で、世界32拠点に4,500名以上の従業員がいます。公式ページによると、ベクター・ジャパンは1998年の設立で、所在地は東京都港区港南です。

VT Systemは、信号の入出力に必要な回路をモジュールに内蔵したHILテストシステムです。CANoeと組み合わせて使うため、CANoeの導入が前提になります。車両や機械の動きを計算するモデルの扱いは、別途確認が必要です。

IPG Automotive株式会社

IPG Automotiveは1984年の設立で、全世界で440名以上の従業員がいます。日本法人のIPG Automotive株式会社の所在地は、東京都港区六本木です。

Xpackは、CarMakerの車両モデルと組み合わせる実時間機です。CompactPCI Serialを基にしています。公式の用途はADAS、パワートレイン、車両ダイナミクスです。リアルタイムOSやFlexRayの対応範囲は、個別の確認が要ります。


06

実時間実行のソフトと基盤を母体とするメーカー3社

NI、マスワークス、コンカレント日本は、計測や数値計算、リアルタイムOSの基盤を持つ会社です。ここでは、会社の素性と、動かすために別途必要なものを見ていきます。

  • NIは、2023年にEmersonが買収した
  • マスワークスのSimulink Real-Timeは、Speedgoatのハードが別途必要になる
  • コンカレントは、2021年7月にSpectris plcに買収された

日本ナショナルインスツルメンツ株式会社

NIは1976年に3人の技術者が創業した会社で、2023年にEmersonが買収しました。現在は、Emersonのテスト&計測事業部門の一部です。日本法人は、東京都港区芝大門にあります。

NI VeriStandは、I/O設定からロギング、刺激生成、アラームまでを一つのソフトで扱います。実行にはNIのリアルタイムハードが要るため、ソフト単体ではHILを組めません。価格は製品ページにありません。

マスワークス合同会社

MathWorksの本社は、米国マサチューセッツ州ネイティックです。公式のファクトシートによると、世界34か所のオフィスに6,500名以上の従業員がいます。日本のオフィスは、東京、名古屋、大阪の3か所です。

Simulink Real-Timeは、Simulinkモデルを実機で動かすソフトです。実機にはSpeedgoatのハードを使い、別に導入します。MATLABとSimulinkの利用が前提で、単体の価格は表示されていません。

コンカレント日本株式会社

Concurrent Real-Timeは、1966年からリアルタイム技術を手がけています。2021年7月にSpectris plcが買収しました。現在は、HBKのVirtual Test Divisionの一員です。日本拠点は、東京都台東区柳橋です。

SIMulation Workbenchは、複数ツールのモデルを並行して動かします。I/Oハードの一覧は、製品ページの概要にありません。Linuxに慣れていない現場では、学習が必要です。


07

パワーエレクトロニクス・電力系統に特化したメーカー3社

Typhoon HIL、OPAL-RT、RTDSは、電力変換や電力系統の試験が中心です。ここでは、本社の所在と、日本での窓口を見ていきます。

  • 3社とも、本社は海外にあり、国内の窓口の形が異なる
  • Typhoon HILは、日本オフィスとMywayプラスの2つが公式ページに載る
  • RTDSは、国内の窓口名を公式ページで確認できなかった

タイフーンヒル・ジャパン合同会社

Typhoon HIL, Inc.の本社は、米国マサチューセッツ州ウォルサムにあります。公式ページには、従業員150名以上、事業所7か所とあります。日本オフィスは、横浜市港北区新横浜3丁目です。

日本の付加価値再販業者として、Mywayプラスが公式ページに載ります。HIL606は入出力が多く、HIL506は最大16台を並べられ、HIL404はモーター駆動向けです。3製品とも、車両ネットワーク全体の試験は対象外です。

OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc

OPAL-RTは1997年の設立です。2024年に4D-Virtualizを買収しました。本社はカナダのモントリオールです。国内の窓口は、株式会社NEATになります。

OP5707XG2は大規模な系統モデル向けで、OP4610XG2は中規模向けです。RT-LABは、Simulinkモデルを実時間で動かすソフトです。OP5707XG2は、対応する通信プロトコルの一覧が製品ページにありません。

RTDS Technologies Inc.

RTDSの本社は、カナダのマニトバ州ウィニペグです。公式ページによると、同社はAMETEKの一部です。RTDSの公式ページでは、日本の代理店名を確認できませんでした。製品情報には、株式会社J-POWERビジネスサービスが国内の窓口とあります。

NovaCor 2.0は、保護リレーや系統制御装置を試験します。模擬した電力系統と閉ループでつなぐ方式です。IEC 61850などの通信に対応します。電力系統専用で、自動車のECU試験には使えません。タイムステップやノード数は製品ページにありません。


08

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)メーカーの資本関係と日本での販売体制

HILSの分野では、大手グループへの買収や、販売を国内の別会社が担う例が目立ちます。問い合わせ先と契約先が、製品名のメーカーと異なる場合があります。

買収を経てグループの一員になった会社

NIは2023年にEmersonが買収し、Emersonのテスト&計測事業部門の一部になりました。コンカレントは、2021年7月にSpectris plcが買収しました。現在は、HBKのVirtual Test Divisionの一員です。

OPAL-RTは2024年に4D-Virtualizを買収する側でした。RTDSはAMETEKの一部と公式に書かれています。サポート窓口や契約先が変わっていないか、検討時に確認しましょう。

販売や保守を別会社が担う例

OPAL-RTの国内の窓口は、株式会社NEATです。Typhoon HILは、日本オフィスのほかに、Mywayプラスが付加価値再販業者として載ります。

RTDSは、国内の窓口がJ-POWERビジネスサービスと製品情報にあります。見積りや保守の契約先がメーカー本体か代理店かは、問い合わせの段階で確かめてください。

日本法人の形が会社ごとに違う

マスワークスは合同会社で、タイフーンヒル・ジャパンも合同会社です。dSPACEは、公式の拠点一覧で、日本が海外拠点の一つとして載ります。

OPAL-RTには日本の直営拠点がありません。契約書や請求書に載る法人名は、会社ごとに異なります。製品名だけでなく、法人名もそろえて確認しておくと、手続きが進めやすくなります。


09

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)メーカーが想定している企業規模

各社が想定する企業規模は、製品マスタの設定から読み取れます。評価は、編集部が公開情報をもとに、2026年8月13日時点で製品ごとに付けたものです。

小さく始めやすい会社

小規模から大規模までを想定する製品は、5製品あります。dSPACEのMicroLabBox II、ベクターのVT Systemが該当します。NIのVeriStandとTyphoon HILのHIL404も同じです。マスワークスのSimulink Real-Timeも該当します。

中堅・中小との相性の評価は、この5製品とも3です。ただし、NIとマスワークスは別のハードが要り、ベクターはCANoeが前提になります。ソフトの費用だけでは、導入の規模を判断できません。

大規模向けの会社

大規模のみを想定する製品は、次の5製品です。SCALEXIO Power HILとOP5707XG2、NovaCor 2.0が該当します。AVL Inverter TSとステアリングHILSも同じです。高電圧の設備や大規模な系統モデルを扱う製品が並びます。

中堅・中小との相性の評価は、Power HILとAVL Inverter TSが1です。ほかの3製品は2です。設置場所や電源、安全対策を含む設備投資になるため、小規模な試験室には向きません。

差が小さい点

品質管理の評価は、MicroLabBox IIの3を除く19製品が4か5です。HILSは、異常時の振る舞いを再現する用途が前提です。そのため、この項目は会社の規模を分ける材料になっていません。

評価は編集部が公開情報から付けたもので、実際の使いやすさを保証するものではありません。会社をまたいだ順位づけにも使えないため、自社の試験の規模と見比べる目安にとどめてください。


10

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)メーカーを調べるときの注意点

HILSのメーカーは、同じ名前でも対象とする試験が大きく違います。公式ページの数字が食い違う例や、価格が見積りになる点にも注意が要ります。

HILとHILSの表記や対象の違い

会社によって、HIL、HILS、HILテストといった表記が使われます。この記事では、実機の制御装置をシミュレーターにつなぐ試験をまとめてHILSと呼んでいます。

同じ名前の製品でも、車載ECUの入出力、モーターやインバーター、電力系統の保護装置と対象は別です。メーカーを比べる前に、試験したい制御装置の種類を整理しておきましょう。

公式ページで数字が食い違う例

AVLの従業員数は、公式サイトのトップページで12,200人です。紹介ページでは約11,200人で、値が異なります。どちらを使うかは時点の確認が要るため、この記事では書いていません。

ベクターの公式ページも、本社の所在を示す文がページ内で一致しません。会社の規模や所在を引用するときは、掲載日と出典のページをそろえて確認してください。

価格は見積りが前提になる

20製品とも、価格は公式ページに載っていません(2026年時点)。構成によって金額が変わるため、見積りの依頼が先に要ります。

NIやマスワークスの製品は、ソフトのほかにハードの費用が別にかかります。見積りの依頼時には、ソフト、ハード、保守、教育の範囲をそろえて伝えましょう。


11

まとめ|HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)メーカーの全体像

HILSの主要12社は、国内2社と海外グループの10社に分かれます。母体の事業では、4つのグループに分かれます。試験設備、車載ソフトの開発ツール、実時間実行の基盤、パワーエレクトロニクスと電力系統で、各3社です。メーカー別のシェアは、確認できた範囲では公表されていません。生産動態統計の品目にも、HILSの区分は見当たりませんでした。20製品とも、価格は公式サイトに載っておらず、見積りが前提です。買収や国内代理店の存在で、契約先がメーカー本体と異なる場合もあります。試験したい制御装置と、必要なハードの範囲を整理してから、公式の窓口に確認しましょう。

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
Simulink Real-Time ロゴ
Simulink Real-Timeマスワークス合同会社要見積もりSimulinkモデルを実機で動かすHIL用ソフト詳細を見る
エー・アンド・デイ モータHILS ロゴ
エー・アンド・デイ モータHILS株式会社エー・アンド・デイ要見積もり実モーターなしでモータECUを検証詳細を見る
NI VeriStand ロゴ
NI VeriStand日本ナショナルインスツルメンツ株式会社要見積もりHILを動かすNIのリアルタイム試験ソフト詳細を見る
Typhoon HIL HIL404 ロゴ
Typhoon HIL HIL404タイフーンヒル・ジャパン合同会社要見積もりモーター・EV向けの4コアHILシミュレータ詳細を見る
エー・アンド・デイ HELIOS ロゴ
エー・アンド・デイ HELIOS株式会社エー・アンド・デイ要見積もり複数筐体へ広げられる国産HILS詳細を見る
Vector VT System ロゴ
Vector VT Systemベクター・ジャパン株式会社要見積もりCANoeと組むモジュール式HILテストシステム詳細を見る
Typhoon HIL HIL506 ロゴ
Typhoon HIL HIL506タイフーンヒル・ジャパン合同会社要見積もり最大6コアの中位パワエレHILシミュレータ詳細を見る
OPAL-RT RT-LAB ロゴ
OPAL-RT RT-LABOPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc要見積もりSimulinkモデルを実時間で動かす実行ソフト詳細を見る
Concurrent SIMulation Workbench ロゴ
Concurrent SIMulation Workbenchコンカレント日本株式会社要見積もりHIL・DIL向けの実時間基盤詳細を見る
dSPACE SCALEXIO ロゴ
dSPACE SCALEXIOdSPACE Japan株式会社要見積もり信号からパワーまで広げられるモジュール型HIL詳細を見る
Typhoon HIL HIL606 ロゴ
Typhoon HIL HIL606タイフーンヒル・ジャパン合同会社要見積もり最大8コアの最上位パワエレHILシミュレータ詳細を見る
エー・アンド・デイ AD-PROCYON ロゴ
エー・アンド・デイ AD-PROCYON株式会社エー・アンド・デイ要見積もりSimulinkモデルを並列実行する実時間機詳細を見る
OPAL-RT OP4610XG2 ロゴ
OPAL-RT OP4610XG2OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc要見積もりFPGA搭載の中規模リアルタイムシミュレータ詳細を見る
OPAL-RT OP5707XG2 ロゴ
OPAL-RT OP5707XG2OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc要見積もりFPGA一体の高性能HIL向けリアルタイムシミュレータ詳細を見る
IPG Automotive Xpack Real-time System ロゴ
IPG Automotive Xpack Real-time SystemIPG Automotive株式会社要見積もりCarMaker用の車両HIL実時間機詳細を見る
RTDS NovaCor 2.0 ロゴ
RTDS NovaCor 2.0RTDS Technologies Inc.要見積もり電力系統用リアルタイムシミュレータ詳細を見る
鷺宮製作所 ステアリングHILS CRH440 ロゴ
鷺宮製作所 ステアリングHILS CRH440株式会社鷺宮製作所要見積もり車両なしでステアリングを評価詳細を見る
dSPACE MicroLabBox II ロゴ
dSPACE MicroLabBox IIdSPACE Japan株式会社要見積もり大容量FPGA搭載のコンパクトHIL機詳細を見る
AVL Inverter TS ロゴ
AVL Inverter TSエイヴィエルジャパン株式会社要見積もりインバーターを単体で試すパワーHIL試験システム詳細を見る
dSPACE SCALEXIO Power HIL ロゴ
dSPACE SCALEXIO Power HILdSPACE Japan株式会社要見積もり最大1,250VのパワーHILテストベンチ詳細を見る

よくある質問

QHILSの主要メーカーはどこですか?
A

本記事では12社を取り上げています。国内は、試験設備・計測機器のエー・アンド・デイと鷺宮製作所です。海外発は、エイヴィエルジャパン、dSPACE、ベクター、IPG Automotive、NI、マスワークス、コンカレント、Typhoon HIL、OPAL-RT、RTDSです。母体の事業で4グループに分けて整理しています。

QHILSのメーカー別シェアはどこで分かりますか?
A

メーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした(2026年11月5日時点)。日本電気計測器工業会が掲載する生産動態統計(2025年12月分の表)の品目にも、HILSやシミュレータの区分は見当たりませんでした。民間レポートの有料部分の数字は使っていません。

QHILSの価格を公式サイトで公開しているメーカーはありますか?
A

製品マスタで確認した範囲では、主要12社の20製品とも、価格を公式サイトに載せていません(2026年時点)。構成ごとの見積りが前提です。マスワークスのSimulink Real-Timeは無料試用を案内していますが、単体の価格は載っていません。NIやマスワークスの製品は、ハードの費用が別にかかります。

Q買収された会社や、販売を別会社が担う製品はありますか?
A

NIは2023年にEmersonが買収し、コンカレントは2021年7月にSpectris plcが買収してHBKのVirtual Test Divisionの一員になりました。OPAL-RTの国内の窓口は株式会社NEAT、Typhoon HILは日本オフィスのほかMywayプラスが再販業者として載ります。契約先がメーカー本体か代理店かは、問い合わせ時に確認してください。

QHILSのメーカーを調べるときに取り違えやすい点は何ですか?
A

同じHILSでも、試験の対象が会社ごとに違う点です。車載ECUの入出力、モーターやインバーター、電力系統の保護装置は、それぞれ得意な会社が異なります。また、NIやマスワークスの製品はソフト単体ではHILを組めず、ベクターのVT SystemはCANoeが前提です。公式ページの数字が食い違う例もあるため、掲載日を確認してください。

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