HILSの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介
HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)の選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。5つの種類の違い、リアルタイム性能、入出力と通信、自動化の見方と、よくある失敗の回避策を整理します。

HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)は、制御装置を実機の代わりのシミュレーターにつなぎ、制御ソフトの動作を試験する仕組みです。自動車のECUやモーター・インバーターの制御で使われ、実機では危険な条件や故障の状態も再現できます。ただし、リアルタイム処理の性能、入出力、通信、モデル開発ツールとの連携まで比較する軸が多く、製品ごとに構成も大きく異なります。この記事では、種類の違いと、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品名を比べる前に、何を試験したいのかを書き出しましょう。
- 試験の対象:ECU、モーター・インバーター、電力系統のどれを試験するかを決める
- 模擬の規模:リアルタイムで計算するモデルの大きさと、入出力のチャネル数を見積もる
- つなぐ環境:対応する通信と、MATLAB/Simulinkなどのモデル開発ツールとの連携を確認する
- 自動化と総額:テストの自動化機能と、ハードウェアを含む費用の確認方法を押さえる
試験の対象と模擬の規模を先に整理すると、候補となるHILSのタイプを絞り込みやすくなります。残りの条件まで確認すれば、導入後の手戻りを抑えられます。
この記事でわかること
HILSの基礎知識
選び方に入る前に、HILSが何をする仕組みなのかを押さえます。役割があいまいなままだと、試験に不要な機能まで備えた構成を選びかねません。基本的な用語は、HILSとはの記事でも整理しています。
HILSが担う役割
HILSは、制御装置を実際の機械ではなくシミュレーターにつないで試験する仕組みです。エンジン、モーター、車両などの動きをリアルタイムに模擬し、制御装置の入出力に返します。
自動車のECUの機能試験や、モーター・インバーター制御の試験が代表的な用途です。実機ができる前に制御ソフトを検証する場面でも使われます。最初に確認したいのは、何を試験の対象にするかです。
実機試験で難しい条件を再現できる
実機では危険な条件や、費用のかかる条件があります。HILSでは、そうした条件や故障の状態を、シミュレーター側で再現する仕組みです。故障を再現できれば、実機の破損や安全面のリスクを避けながら、異常時の振る舞いを確かめられます。
例えばSCALEXIOには、電気的故障を模擬できる既製のテストシステムがあります。再現したい故障の種類は、選定の前に書き出しておきましょう。
選定でつまずきやすい理由
HILSは、シミュレーターのハードウェア、モデルを動かすソフト、入出力の基板が組み合わさる製品です。ソフトだけの製品もあれば、一式で構成する製品もあります。
当サイトの20製品では、2026年時点で公式ページに金額を載せている例はありませんでした。構成ごとに見積もりが必要で、総額が見えにくい点も判断を難しくしています。なお、制御ソフトの設計そのものは、モデルベース開発ツールの領域に入ります。
編集部コメント:問い合わせの前に、次の3点を整理すると便利です。試験の対象、必要な入出力、使っているモデル開発ツールです。各社の提案を比べやすくなり、問い合わせ内容も具体的に伝えられます。
HILSの種類
HILSは、試験する対象と、シミュレーターの作りによって大きく5つに分けられます。どの型を選ぶかで、必要な入出力も、導入にかかる設備の規模も変わります。まず全体像をつかみましょう。
- 車載ECU向けの統合型
- モーター・パワーエレクトロニクス向け
- 実負荷・機構を扱うパワーHIL型
- 電力系統向け
- ソフトウェア基盤型
車載ECU向けの統合型
ECUの入出力と車載通信をまとめて模擬する型です。dSPACE SCALEXIOは、FPGAベースのI/Oで、入出力と通信をまとめて扱えます。Vector VT Systemは、信号の入出力回路をモジュールに内蔵した構成です。
エー・アンド・デイのHELIOSは、車載向けのI/O基板がそろっています。AD-PROCYONは、大規模なモデルを実時間で動かせる製品です。IPG Automotive製もあります。Xpack Real-time Systemは、CarMakerとの組み合わせが前提です。
モーター・パワーエレクトロニクス向け
モーター駆動や電力変換器の制御を、高速に模擬する型です。Typhoon HILのHIL404は、モーター駆動と車載向けパワエレのモデルを備えます。HIL506は複数のコンバータを含む構成、HIL606は入出力の多い構成に向きます。
エー・アンド・デイ モータHILSは、実モーターなしでモータECUを検証する製品です。dSPACE MicroLabBox IIは、制御の試作と入門レベルのHILを一台で行えます。
実負荷・機構を扱うパワーHIL型
実機に近い電力や荷重を、装置側で加える型です。SCALEXIO Power HILは、最大1,250Vの機器を実モーターなしで試験できます。AVL Inverter TSは、インバーターを必要な電圧・電流のもとで試験する設備です。
鷺宮製作所 ステアリングHILS CRH440は、ステアリングに車両なしで荷重を加えます。いずれも設置場所や安全対策を含め、導入の規模が大きくなります。
電力系統向け
電力系統の模擬と、保護・制御機器の試験に特化した型です。RTDS NovaCor 2.0は、保護・制御機器を電力系統の模擬と閉ループでつなぎます。IEC 61850などの通信にも対応します。
OPAL-RT OP5707XG2とOP4610XG2は、CPUとFPGAを組み合わせた機種です。電力系統のEMT試験から、SimulinkベースのHILまで扱えます。自動車のECU試験が主目的の場合は、別の型が候補になります。
ソフトウェア基盤型
モデルを動かし、試験を管理するソフトが中心の型です。ハードウェアは別に用意するか、指定の機器と組み合わせる前提です。NI VeriStandはNIのリアルタイムハードウェア上で動きます。Simulink Real-Timeは、Speedgoatのリアルタイムターゲットで実行します。
OPAL-RT RT-LABは、OPAL-RTのシミュレーターと組み合わせて使う製品です。Concurrent SIMulation Workbenchは、複数のモデルを並行実行できます。
【目的別】HILSの選び方
同じHILSでも、何を試験したいかで優先すべき条件は変わります。製造現場でよくある3つの目的を取り上げました。目的が複数ある場合は、最も条件の厳しいものに合わせます。
ECUの機能を車両ネットワークまで含めて試験したい
複数のECUがつながる構成では、入出力の種類とチャネル数、対応する車載通信が条件になります。通信の対応範囲は、製品ページで具体的に確かめましょう。
SCALEXIOは、車両ネットワーク全体まで含めた大規模なHIL試験に向きます。HELIOSは、マルチノードで最大9個のCPUを同時実行できます。VT Systemは、CANoeを使うECUの入出力試験向けです。
モーター・インバーターの制御を試験したい
高速なスイッチングを扱うため、シミュレーターの時間刻みと、モーターのモデルの精度が条件です。実負荷が要るかどうかで、選ぶ型は異なる点に注意が必要です。
HIL404は、JMAG-RTなどの詳細なモーターモデルを使えます。モータHILSは、実回路で天絡・地絡・断線を再現できます。インバーターそのものを高電圧で試す場合は、SCALEXIO Power HILが対象です。
繰り返し試験を自動化したい
回帰試験を回す目的では、既存のテスト管理ツールや外部のスクリプトとつながるかが条件です。試験の作成から実行、結果の記録までの流れを確かめます。
NI VeriStandは、TestStandやPythonなどから試験を自動で実行できます。Simulink Real-Timeは、継続的インテグレーションに組み込める製品です。Concurrent SIMulation Workbenchは、設定ファイルとAPIを備えます。バージョン管理とも連携しやすい製品です。
【部門別】HILSの選び方
HILSは、モデルを作る人、試験を回す人、設備を管理する人が異なります。導入に関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有するときは、条件の厳しい部門に合わせます。
制御設計・モデル開発部門
制御ソフトとモデルを作る部門では、普段使っているモデル開発ツールとの連携が条件です。作ったモデルを手書きのコードなしで動かせるかも確かめましょう。
Simulink Real-Timeは、Simulinkのモデルをそのまま実機上で動かせます。AD-PROCYONも、Simulinkのモデルを手書きのコードなしで動かします。SCALEXIOは、FMIで他社環境のモデルを取り込める製品です。
試験・評価部門
試験を日々回す部門では、設定のしやすさと、結果の追跡が条件です。配線や入出力の設定に手間がかかることが、試験の回数が増えにくい原因です。
VT Systemは、CANoeがモジュールを自動検出します。vTESTstudioと合わせると、テストの作成から自動実行までを同じ環境で行えます。VeriStandは、実行時に編集できるUIで、データとアラームの状態を監視できる製品です。
試験設備を管理する部門
設備を預かる部門では、設置場所、電源、校正、サポート窓口が条件です。製品によっては、国内の窓口が代理店になります。
OPAL-RT OP5707XG2は、日本に直営拠点がなく、国内代理店の株式会社NEATが窓口です。RTDS NovaCor 2.0は、株式会社J-POWERビジネスサービスが国内の窓口です。VT Systemは、日本の試験所でも認定校正サービスを受けられます。
【企業規模別】HILSの選び方
企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。試験を担当する専任者の有無、設置できる設備の大きさ、予算の通し方の3点です。自社の体制に近いところから読み進めるとよいでしょう。
中小企業
専任の試験担当が少ない前提で選びます。小さく始めて、あとから広げられる構成が候補です。
MicroLabBox IIは、制御の試作と入門レベルのHILを一台で始められます。小規模から使える対象には、次の4製品も入ります。HIL404、VT System、VeriStand、Simulink Real-Timeです。いずれも価格は非公開のため、構成を決めて問い合わせましょう。
中堅企業
複数の車種や機種で試験の対象が増える段階です。メーカーとシリーズを絞ると、操作や保守の窓口を統一しやすい点が利点です。
HIL506は、最大16台の並列接続で大規模な構成にも広げられます。OP4610XG2は、拡張ユニットで高速I/Oを最大128ch追加できます。HELIOSは、試験の規模に応じて筐体やCPUを広げられる製品です。
大企業
複数の開発拠点や試験室を持ち、全社で試験環境をそろえる段階です。大規模な設備や専用の設置場所を用意できるかが条件になります。
SCALEXIO Power HILとAVL Inverter TSは、大企業向けとされる製品です。RTDS NovaCor 2.0も同様です。メーカーごとの特徴は、HILSのメーカーの記事で整理しています。
自社に合ったHILSの選定ポイント
目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な仕様に落とし込みます。確認の順番が大切です。上から順に見ていくと、手戻りを減らせるでしょう。
- 試験の対象と模擬する範囲を決める
- リアルタイム処理の性能とモデルの規模を確認する
- 入出力と通信の対応を確認する
- モデル開発ツールとの連携を確認する
- テストの自動化とサポート、費用を確認する
試験の対象と模擬する範囲を決める
最初に決めるのは、試験する制御装置と、シミュレーター側で模擬する範囲です。信号レベルのECU試験か、実負荷を伴う電力の試験かで、必要な設備が変わります。
例えばSCALEXIO Power HILは、高電圧のフルパワー試験設備です。信号レベルのECU試験だけなら、過剰な構成になります。試験したい故障の条件も、この段階で書き出します。
リアルタイム処理の性能とモデルの規模を確認する
制御周期に間に合う計算ができるかが条件です。モデルが大きいほど、CPUやFPGAの性能が必要です。
Typhoon HILの3機種は、コンバータの数や並列台数が異なります。AD-PROCYONは、マルチコアで大規模なモデルを動かします。ただし演算周期の数値は製品ページにないため、資料で確認しましょう。
入出力と通信の対応を確認する
制御装置とつなぐ信号の種類と数が合うかを確かめます。アナログ、デジタル、CAN、Ethernetなど、使うものを先に洗い出しましょう。
HIL404はアナログ入出力が各16chで、入出力を多く使う構成には上位機種が必要です。OP4610XG2は、I/Oモジュールが1台あたり最大4つです。使う通信プロトコルは、製品ごとに個別の確認が要る場合があります。
モデル開発ツールとの連携を確認する
すでに使っているツールのモデルを、そのまま動かせるかを確認します。MATLAB/SimulinkのほかCarMakerなど、現場のツールは分かれています。
IPGのXpackは、CarMakerとの組み合わせが前提です。並行実行できるのは、Concurrent SIMulation Workbenchです。使うツールが決まっていれば、候補を比較しやすくなります。
テストの自動化とサポート、費用を確認する
回帰試験を回すなら、自動化の手段が条件です。費用はハードウェア、ソフト、サポートを合わせて確かめます。
2026年時点で、当サイトの20製品はいずれも公式ページに金額を載せていません。ハードウェアが別に要る製品もあります。NI VeriStandとSimulink Real-Timeが該当します。構成を固めてから比較しましょう。費用の考え方は、HILSの費用の記事で整理しています。
【比較表】HILSの主要製品
製品データとして数値化できる4項目を、評価スコアで横並びにしました。品質管理・工程管理・現場での使いやすさ・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。同点の場合は残りの項目の順に、最後は製品名で並べました。価格は2026年時点の公式ページの記載で、公開されていない場合はその旨を記しました。製品ごとの詳しい比較は、HILSの比較記事で扱います。
順位 | 製品 | 提供元 | 品質管理 | 工程管理 | 現場での使いやすさ | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 株式会社エー・アンド・デイ | 5 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
2 | マスワークス合同会社 | 4 | 5 | 4 | 3 | 公式の価格ページに単体価格の表示なし(営業へ問い合わせ)。無料試用あり。Speedgoatのハードウェアは別途必要 | |
3 | コンカレント日本株式会社 | 4 | 5 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
4 | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 4 | 5 | 3 | 3 | 公式サイトに価格・ライセンス形態の掲載なし(要問い合わせ)。国内代理店は株式会社NEAT | |
5 | 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社 | 4 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。NIのリアルタイムハードウェアは別途必要 | |
6 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 4 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内はMywayプラス株式会社も販売 | |
7 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 4 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内はMywayプラス株式会社も販売 | |
8 | ベクター・ジャパン株式会社 | 4 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。CANoeと組み合わせて使う | |
9 | 株式会社エー・アンド・デイ | 4 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
10 | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内代理店は株式会社NEAT | |
11 | 株式会社エー・アンド・デイ | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
12 | dSPACE Japan株式会社 | 3 | 3 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
13 | dSPACE Japan株式会社 | 5 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。構成は要件に合わせて組む | |
14 | RTDS Technologies Inc. | 5 | 3 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内は株式会社J-POWERビジネスサービスが国内の窓口 | |
15 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 4 | 4 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内はMywayプラス株式会社も販売 | |
16 | IPG Automotive株式会社 | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
17 | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。国内代理店は株式会社NEAT | |
18 | 株式会社鷺宮製作所 | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
19 | dSPACE Japan株式会社 | 5 | 3 | 2 | 1 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
20 | エイヴィエルジャパン株式会社 | 4 | 4 | 3 | 1 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) |
HILSの選び方で失敗しないための注意点
導入でつまずく例には、共通した型があります。事前に知っておけば、仕様確認の段階で対策を取れるでしょう。よくある4つを、回避策とあわせて挙げます。
試験の対象に対して製品の守備範囲が合わない
車両のECU向けの製品で、電力系統の保護装置は試験できません。逆に電力系統向けのRTDS NovaCor 2.0は、自動車のECU試験向けではありません。
回避策:試験する制御装置の種類を先に決め、製品の用途と照らし合わせます。公式に挙がる用途が限られる製品もあるので、対象外の用途を確かめましょう。
ソフトだけで足りると思い込む
VeriStandはNIのリアルタイムハードウェア上で動きます。ソフトだけではHILを構成できません。Simulink Real-Timeも、Speedgoatのターゲットが前提です。
回避策:ソフトの見積もりと、ハードウェアや入出力基板の見積もりを分けて確認します。他社製ハードウェアを使えるかも、問い合わせで確かめましょう。
入出力と通信を後から確認する
入出力のチャネル数や通信プロトコルが足りないと、構成を組み直すことになります。Typhoon HIL HIL404のアナログ入出力は各16chです。
回避策:制御装置の信号を一覧にして、種類と数を先に数えます。製品ページに記載のない対応は、資料や問い合わせで確認しましょう。
価格が見えないまま比較を進める
20製品はいずれも、公式ページに金額を載せていません。構成によって総額が大きく変わるため、価格の見えない状態で候補を並べても比較になりません。
回避策:試験の対象と必要な入出力をまとめ、同じ条件で見積もりを依頼します。費用の見方は、HILSの費用の記事も参考にしてください。
まとめ
HILSの選定は、何を試験するかを書き出すことから始まります。種類は5つに分けられます。車載ECU向け、モーター・パワエレ向け、パワーHIL型、電力系統向け、ソフトウェア基盤型です。目的・部門・規模のどこから見ても、最初に確認するのは試験の対象と模擬の規模です。
方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。試験の対象、リアルタイム性能、入出力と通信、モデル開発ツールとの連携、自動化と費用です。製品の一覧は、HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のカテゴリページから確認できます。比較の観点はHILSの比較記事に整理しています。
HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)のおすすめ製品
Simulink Real-Time
マスワークス合同会社
Simulinkモデルを実機で動かすHIL用ソフト
エー・アンド・デイ モータHILS
株式会社エー・アンド・デイ
実モーターなしでモータECUを検証
NI VeriStand
日本ナショナルインスツルメンツ株式会社
HILを動かすNIのリアルタイム試験ソフト
Typhoon HIL HIL404
タイフーンヒル・ジャパン合同会社
モーター・EV向けの4コアHILシミュレータ
エー・アンド・デイ HELIOS
株式会社エー・アンド・デイ
複数筐体へ広げられる国産HILS
Vector VT System
ベクター・ジャパン株式会社
CANoeと組むモジュール式HILテストシステム
HILS(ハードウェアインザループシミュレーション)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Simulink Real-Time | マスワークス合同会社 | 要見積もり | Simulinkモデルを実機で動かすHIL用ソフト | 詳細を見る | |
| エー・アンド・デイ モータHILS | 株式会社エー・アンド・デイ | 要見積もり | 実モーターなしでモータECUを検証 | 詳細を見る | |
| NI VeriStand | 日本ナショナルインスツルメンツ株式会社 | 要見積もり | HILを動かすNIのリアルタイム試験ソフト | 詳細を見る | |
| Typhoon HIL HIL404 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 要見積もり | モーター・EV向けの4コアHILシミュレータ | 詳細を見る | |
| エー・アンド・デイ HELIOS | 株式会社エー・アンド・デイ | 要見積もり | 複数筐体へ広げられる国産HILS | 詳細を見る | |
| Vector VT System | ベクター・ジャパン株式会社 | 要見積もり | CANoeと組むモジュール式HILテストシステム | 詳細を見る | |
| Typhoon HIL HIL506 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 要見積もり | 最大6コアの中位パワエレHILシミュレータ | 詳細を見る | |
| OPAL-RT RT-LAB | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 要見積もり | Simulinkモデルを実時間で動かす実行ソフト | 詳細を見る | |
| Concurrent SIMulation Workbench | コンカレント日本株式会社 | 要見積もり | HIL・DIL向けの実時間基盤 | 詳細を見る | |
| dSPACE SCALEXIO | dSPACE Japan株式会社 | 要見積もり | 信号からパワーまで広げられるモジュール型HIL | 詳細を見る | |
| Typhoon HIL HIL606 | タイフーンヒル・ジャパン合同会社 | 要見積もり | 最大8コアの最上位パワエレHILシミュレータ | 詳細を見る | |
| エー・アンド・デイ AD-PROCYON | 株式会社エー・アンド・デイ | 要見積もり | Simulinkモデルを並列実行する実時間機 | 詳細を見る | |
| OPAL-RT OP4610XG2 | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 要見積もり | FPGA搭載の中規模リアルタイムシミュレータ | 詳細を見る | |
| OPAL-RT OP5707XG2 | OPAL-RT TECHNOLOGIES, Inc | 要見積もり | FPGA一体の高性能HIL向けリアルタイムシミュレータ | 詳細を見る | |
| IPG Automotive Xpack Real-time System | IPG Automotive株式会社 | 要見積もり | CarMaker用の車両HIL実時間機 | 詳細を見る | |
| RTDS NovaCor 2.0 | RTDS Technologies Inc. | 要見積もり | 電力系統用リアルタイムシミュレータ | 詳細を見る | |
| 鷺宮製作所 ステアリングHILS CRH440 | 株式会社鷺宮製作所 | 要見積もり | 車両なしでステアリングを評価 | 詳細を見る | |
| dSPACE MicroLabBox II | dSPACE Japan株式会社 | 要見積もり | 大容量FPGA搭載のコンパクトHIL機 | 詳細を見る | |
| AVL Inverter TS | エイヴィエルジャパン株式会社 | 要見積もり | インバーターを単体で試すパワーHIL試験システム | 詳細を見る | |
| dSPACE SCALEXIO Power HIL | dSPACE Japan株式会社 | 要見積もり | 最大1,250VのパワーHILテストベンチ | 詳細を見る |
よくある質問
QHILSは何から決めればよいですか?
最初に、試験する制御装置と、シミュレーター側で模擬する範囲を決めます。ECU、モーター・インバーター、電力系統のどれを対象にするかで、必要な型が変わります。あわせて入出力の種類と数、使っているモデル開発ツールを整理すると、メーカーへの問い合わせも具体的になります。
QHILSとモデルベース開発ツールはどう違いますか?
HILSは、制御装置をシミュレーターにつないで制御ソフトの動作を試験する仕組みです。制御ソフトの設計そのものは、モデルベース開発ツールの領域として扱います。SimulinkのモデルをHILSで動かす製品もあるため、使っているツールとの連携を確認しましょう。
QソフトだけでHILSを始められますか?
製品によって異なります。NI VeriStandはNIのリアルタイムハードウェア上で動き、Simulink Real-TimeはSpeedgoatのターゲットで実行します。いずれもハードウェアが別に要るため、ソフトとハードウェアを合わせた構成で見積もりを依頼しましょう。
Q価格はどう確認すればよいですか?
2026年時点で、当サイトの20製品はいずれも公式ページに金額を掲載していません。構成ごとの見積もりが前提のため、試験の対象と必要な入出力を固めてから、同じ条件で問い合わせて比較します。
