おすすめのデータロガーを比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!
製造業向けのデータロガー主要20製品を、測定できる信号とチャネル数、周期と記録容量、データの回収方法、設置環境、付属ソフトの5つの比較項目で整理。価格の公開状況と費用の内訳、用途別の選定ポイントまで解説します。

データロガーは、測定する信号の種類やチャネル数、記録の方法によって、向く製品が大きく異なります。小型の温度ロガーと、ひずみを多点で測る据置型を、同じ基準で比べても判断できません。この記事では、製品ページのある主要20製品を同じ評価軸で並べました。測りたい信号と設置環境から、候補を整理する手順を解説します。
数点の温度を低コストで記録するなら:価格を公開している小型機のカスタム CT-05SDや安立計器 AM-9000シリーズが候補
離れた設備の温度を無線で集めるなら:T&D おんどとり RTR500Bシリーズやチノー MZシリーズが候補
ひずみを多点で測る強度評価なら:共和電業 UCAM-80Aや東京測器研究所 T-ZACCS 9が候補
開発・評価試験で多チャネルを記録するなら:日置 メモリハイロガー LR8450やグラフテック midi LOGGERシリーズが候補
データロガーは、測りたい信号と設置環境が合うかを、最初に確認すると比べやすくなります。無料のソフトについては無料版の記事、製品全体はデータロガーのカテゴリページもご覧ください。
この記事でわかること
データロガーの基礎知識
データロガーは、計測信号を一定の周期で記録し続ける計測器です。設備の診断から開発・評価試験まで、製造業の幅広い場面で使われます。まず、種類と測定できる信号、データの回収方法を押さえましょう。
据置・ユニット拡張型と小型・ワイヤレス型
据置・ユニット拡張型は、多チャネルの信号を本体に集めて記録するタイプです。開発・評価試験や設備診断で、電圧や温度、ひずみを同時に測る場面に使われます。入力ユニットを足して、チャネル数を段階的に広げられる製品もあります。
小型・ワイヤレス型は、現場に置いて長期間記録するタイプです。電池で動き、子機のデータを無線で集める製品もあります。ただし、測れる信号は温度やパルスなどに限られ、チャネル数も多くありません。
測定できる信号と入力の種類
入力は、電圧・電流・温度・ひずみ・パルスなどに分かれます。温度は、熱電対や測温抵抗体といったセンサーの種類ごとに、入力の仕様が異なります。信号の種類は、入力端子やユニットごとに決まる点が特徴です。
受け付ける信号は、製品によって大きく違います。温度しか測れない小型機もあれば、ひずみやCANバスの信号まで、1台で記録できる据置型もあります。同じデータロガーでも、用途は別物です。パルスは、電力量や回転数などの積算を記録する入力です。
記録したデータの回収方法
データの取り出し方は、大きく4つに分かれます。USBやSDカードでの回収、LAN接続、無線での収集、クラウドでの確認です。手動での回収は機器が単純で、通信の設定が要りません。
現場で回収する方式は、設置が簡単な反面、異常の発見が遅れがちです。離れた設備を常に見たいなら、LANや無線、クラウドに対応した製品が候補になります。クラウドは、離れた場所からでもグラフを確認できる方式です。SDカードで回収する製品は、カードの容量や規格にも注意が必要です。
編集部メモ:データロガーは、本体だけで測定できない製品が少なくありません。センサーや入力ユニット、解析ソフトが別売のため、本体の価格だけで比べないようにしましょう。
データロガーの基本的な選び方
データロガーを選ぶ際には、測りたい信号と設置環境を先に確認することが重要です。この2点が合わない製品は、他の性能が高くても使えません。次の3つの観点で整理しましょう。
測りたい信号とチャネル数を書き出す
最初に、何を何点測るかを書き出します。電圧、電流、温度、ひずみ、パルスのどれが必要で、合計で何チャネルになるかを数えます。用途が複数あるなら、最も点数を使う試験を基準にしましょう。
将来の増設も見込んでおきましょう。ユニットを足せる製品と、入力が固定の製品とでは、後から広げられる範囲が違います。温度だけでよい用途なら、小型機で足りるでしょう。複数の信号を扱う据置型が要るかも、この段階で見えてきます。
記録の周期と期間を決める
次に、どれだけ細かい周期で、どれだけの期間記録するかを決めます。周期が短いほど、データ量は増える点に注意が必要です。連続して記録できる時間は、内蔵メモリの容量に左右されます。
製品ごとに、最速の周期とメモリの容量が決まっています。多チャネルで測ると周期が遅くなる製品もあるため、チャネル数と組み合わせて確認しましょう。短い周期で長期間記録すると、メモリが不足する場合もあります。外部のUSBメモリで容量を補う製品もあります。
設置環境とデータの回収方法を確認する
設置場所の温度、防水・防塵、電源の有無も確認が必要です。屋外や氷点下の場所では、動作温度の範囲が合わない製品があります。電池で動くか、AC電源が要るかも、製品で異なります。
置けるかどうかに加えて、データを取り出せるかも見ましょう。現場に回収に行ける頻度か、LANや無線で自動収集したいかで、必要な通信機能が変わります。回収の頻度は、現場までの距離と人手で判断しましょう。配線できる距離も、判断材料の一つです。
データロガーの比較項目
製品を並べるときは、同じ物差しを当てる必要があります。データロガーで見る項目は次の5つです。互いに関連するので、まず表で全体像をつかみましょう。
比較項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
測定できる信号とチャネル数 | 電圧・温度・ひずみ・パルスなど、必要な信号に対応するか。合計のチャネル数を満たすか |
サンプリング周期と記録容量 | 最速の周期はどこまでか。連続して何日分を記録できるか |
データの回収方法 | USB・SDカード・LAN・無線・クラウドのうち、どれで取り出せるか |
設置環境への強さ | 動作温度の範囲、防水・防塵の等級、電源の方式が現場に合うか |
付属ソフトの機能 | 表示・解析・帳票の作成が、付属のソフトで足りるか |
測定できる信号とチャネル数
製品の用途を最も大きく分ける項目です。入力の回路は、信号の種類ごとに分かれている点が特徴です。温度だけを測る小型機と、ひずみやCANの信号まで扱う据置型とでは、価格も使い方も違います。
チャネル数は、今の必要数だけでなく増設の余地も見ましょう。入力ユニットを足せる製品は、試験の規模が変わっても同じ機器を使えます。チャネル間の絶縁の有無も、複数の信号を同時に測るときの確認点です。必要な信号が1種類だけなら、専用の小型機でも足りるでしょう。
サンプリング周期と記録容量
どれだけ細かく、どれだけ長く記録できるかを見る項目です。急に変化する現象を捉えるなら、周期の短さが必要です。数日から数か月の傾向を見るなら、容量が重要になります。周期が短いと、1日あたりのデータ量も増える点に注意が必要です。
周期は、チャネル数との組み合わせで制限される製品があります。カタログの最速値が、必要な点数でも出るかを確かめましょう。バッファが揮発メモリの製品は、外部への保存が前提です。急に変わる現象には、周期の短さが欠かせません。
データの回収方法
記録したデータをどう手元に届けるかを見る項目です。USBやSDカードでの手動回収は、機器が単純で扱いやすい方式です。SDカードは、容量や規格が製品ごとに決まっています。
LANや無線、クラウドに対応していれば、離れた設備のデータを自動で集められます。通信の追加機器や利用料が別に要るかも、あわせて確認しましょう。無線で集める製品は、通信が届く範囲と電池寿命も見ます。記録の間隔が長ければ、手動回収でも運用できます。
設置環境への強さ
動作温度の範囲、防水・防塵の等級、電源の方式を見る項目です。屋内の管理された場所に置く製品と、屋外に置ける製品とでは、設計が異なります。電源のない場所では、電池で動くかも判断材料です。
本体は屋内に置き、計測ユニットだけを現場に出す構成もあります。どの部分をどこに置くかを、先に決めておきましょう。動作温度の範囲が、本体と計測ユニットで別々に示される製品もあります。防水・防塵の等級は、IPコードで示されるのが一般的です。
付属ソフトの機能
測定した後の作業を左右する項目です。波形の表示や、データの変換、帳票の作成が付属のソフトでできるかを見ます。メーカーのソフトは、対応するOSの確認も必要です。
ソフトが無償配布される製品もあれば、解析機能が別売の製品もあります。表計算ソフトで足りるのか、専用の解析が要るのかを先に決めておきましょう。表計算ソフトで開けるCSV形式で保存できる製品もあります。波形の拡大表示や、複数データの重ね合わせができるかも、使い勝手に影響します。
自社に合ったデータロガーの選定ポイント
比較項目のどこに重点を置くかは、自社の状況で変わります。企業の特徴ごとに、確認する順番を整理しました。自社に近いものから読んでください。
数点の温度を低コストで記録したい企業
熱処理や乾燥工程の温度を、数点だけ記録したい企業です。測る信号が温度に限られるため、小型機で足ります。まず確認したいのは、センサーの種類と点数です。
価格を公開している製品も多く、予算の見通しを立てやすい分野です。センサーやSDカードが別売かを確認し、総額で比べましょう。SDカードにCSVで保存する製品なら、専用ソフトがなくても表計算ソフトで確認できます。測定点が増える予定があれば、多チャネルの機種も候補に加えましょう。
開発・評価試験で多チャネルを扱う企業
温度やひずみ、電圧を多点で同時に記録する企業です。入力ユニットの増設や、複数台の同期ができるかが判断材料になります。周期とチャネル数の関係も、試験前に確かめたい点です。
ソフトの解析機能も、試験後の作業時間に影響します。本体とユニットを含めた構成の見積もりを、複数社から取りましょう。ひずみを測るなら、ゲージの接続に必要な付属品も見積もりに含めます。試験の途中で測定点を増やす場合は、増設の手順も確認しておきましょう。
離れた設備や複数拠点を見たい企業
現場を巡回せずに、データを集めたい企業です。無線で子機を集める方式や、LAN・クラウドに対応した製品が候補になります。通信が届く範囲と、機器の電池寿命も確認しましょう。
クラウドの利用料が別に要る製品もあります。拠点の数とデータを見る人数を想定し、運用費まで含めて比べましょう。電池交換の手間は、台数が増えるほど運用の負担になります。通信が不安定な場所では、データを本体に残せるかも、あらかじめ確かめましょう。
屋外や過酷な環境で使いたい企業
屋外や、温度変化の大きい場所に置く企業です。動作温度の範囲と、防水・防塵の等級を最初に確認します。電源が限られる場所では、消費電力や電池の持ちも重要です。
屋内向けの製品を屋外に置くと、故障の原因になります。計測ユニットだけを現場に出せる構成が、選択肢になる場合もあります。電源が限られる場所では、動作電圧の範囲と待機時の消費電力も確認しましょう。設置後の点検や電池交換の頻度も、運用の負担に影響します。
データロガーの費用相場
データロガーは、本体の性能だけでなく、センサーや入力ユニットなどの構成で価格が大きく変わります。製品ページのある20製品のうち、本体の価格を公式サイトで公開しているのは9製品です。残りの11製品は、問い合わせて見積もりを取る必要があります。
費用の内訳 | 費用を左右する要因 | 公開されている目安(2026年時点) |
|---|---|---|
本体(据置・多チャネル型) | チャネル数、サンプリング速度、メモリ、入力ユニットの有無 | 本体のみで税抜136,000円〜167,000円の例がある。メインフレームの基本価格は464,000円(税込・税抜の表記なし) |
本体(小型・単体型) | 入力の種類と点数、電源、通信機能の有無 | 温度専用の小型機で税別38,500円から。無線子機は税抜18,000円から。12chの可搬型は税別200,000円 |
センサー・入力ユニット・端子 | 測る信号ごとに必要。熱電対やクランプ、直結ユニットなど | 多くが別売。熱電対モジュールが税抜8,000円、20chのネジ端子が税抜35,000円の例がある |
ソフト | 無償で配布されるか、解析機能が別売か | 専用の解析ソフトが税別15,000円の例がある。無償で配布する製品もある |
通信・クラウド | 収集機の有無、クラウドの利用料 | 無線の収集機は税抜47,000円。クラウドは無料の例もあるが、料金を確認できない例もある |
センサーやユニット、ソフトを足すと、総額は本体の価格より大きくなります。必要な信号とチャネル数を決めてから、構成ごとの見積もりを複数社から取りましょう。
【比較表】データロガーのランキング
製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。品質管理・設備保全・多拠点対応・中小適合の4つを、5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順で、同点は残りの評価軸の順に比べました。
順位 | 製品 | 提供元 | 品質管理 | 設備保全 | 多拠点対応 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | グラフテック岩通計測株式会社 | 4 | 3 | 3 | 5 | GL260本体 税抜136,000円(税込149,600円)。GL860は本体のみ税抜167,000円(税込183,700円)で端子は別売(例: 20chネジ端子B-563 税抜35,000円)。いずれも公式製品ページの記載 | |
2 | 株式会社ラインアイ | 3 | 4 | 2 | 5 | メーカー直営の通信販売ページ(ラインアイ e-shop、販売主 株式会社ラインアイ)の標準価格。LE-918R 税込71,500円(税別65,000円)。5点入力のLE-910Rは税込55,000円、電圧専用・高速のLE-928Rは税込59,400円。熱電対・SDカード・ACアダプタ・DINレール取付プレートは別売 | |
3 | 株式会社ティアンドデイ | 3 | 3 | 4 | 5 | 子機RTR501B・RTR505Bは各税抜18,000円(税込19,800円)、収集機RTR500BWは税抜47,000円(税込51,700円)。RTR505Bの入力モジュールは別売(熱電対モジュールTCM-3010は税抜8,000円)。公式製品ページの販売価格 | |
4 | 株式会社カスタム | 3 | 2 | 1 | 5 | 本体の標準価格 税別38,500円(税込額の記載なし)。熱電対センサー・Pt100センサー・ACアダプター・SDカードは別売。公式製品ページの記載 | |
5 | 共立電気計器株式会社 | 2 | 4 | 1 | 5 | 本体 税抜48,000円(税込52,800円)。クランプセンサ・電圧センサ・ACアダプタは別売。公式製品ページの記載 | |
6 | オメガエンジニアリング合同会社 | 3 | 3 | 1 | 4 | 税込287,100円(税抜261,000円)。オメガエンジニアリングの日本語公式製品ページの記載 | |
7 | 株式会社テストー | 3 | 2 | 1 | 4 | 本体価格(税別)はtesto 176 T2 78,000円、T3・T4 各90,000円、H1 105,000円、P1 130,000円。プローブは別売。株式会社テストー「環境データロガーカタログ」(2026年3月現在の価格)の記載 | |
8 | 安立計器株式会社 | 3 | 2 | 1 | 4 | 希望小売価格(税別)はAM-9000E/K・AM-9200(6ch)150,000円、AM-9100E/K・AM-9300(12ch)200,000円(税込額の記載なし)。温度センサ・専用解析ソフトAMS-900(税別15,000円)・ACアダプタは別売。公式製品ページの記載 | |
9 | 日置電機株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 製品ページに価格の記載なし。本体(LR8450)のみでは測定できず、直結ユニットは別売 | |
10 | テクトロニクス株式会社 | 4 | 2 | 3 | 3 | メインフレームDAQ6510の基本価格 ¥464,000(公式製品ページの記載。税込・税抜の表記なし)。プラグイン・スイッチ・モジュールやオプションのインタフェースは構成に応じて別途 | |
11 | 株式会社チノー | 3 | 3 | 4 | 3 | 公式製品ページに価格の記載なし。チノークラウドの利用料金も製品ページでは確認できない | |
12 | 江藤電気株式会社 | 3 | 3 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の記載なし(問い合わせ制) | |
13 | 横河電機株式会社 | 5 | 4 | 4 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(「見積のご相談」から問い合わせ)。予兆検知モデルの作成には別売の設備・品質予兆検知ツールが必要 | |
14 | 株式会社キーエンス | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(「価格・見積」から問い合わせ) | |
15 | 株式会社共和電業 | 4 | 3 | 3 | 2 | 製品ページに価格の記載なし(「購入のお問い合せ」から問い合わせ)。測定ユニット・拡張ユニット・ACアダプタ・集録ソフトDCS-100Aは別売 | |
16 | 日置電機株式会社 | 4 | 2 | 3 | 2 | 製品ページに本体価格の記載なし。本体のみでは使えず、計測モジュール・電源(ACアダプタZ1016など)・保存メディアは別売。電力計測モジュールM7103は公式ニュースリリース(2024-07)で510,000円(税込561,000円) | |
17 | 株式会社共和電業 | 4 | 2 | 2 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(購入の問い合わせ制)。PC接続ケーブル・SDカード・USBメモリは別売 | |
18 | 株式会社東京測器研究所 | 4 | 2 | 2 | 2 | 公式製品ページ・カタログに価格の記載なし(問い合わせ制) | |
19 | キャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社 | 2 | 3 | 4 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(見積もり依頼制)。日本ではキャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社が問い合わせに対応 | |
20 | Dewesoft d.o.o.(日本取扱い: デュージャパン株式会社) | 4 | 4 | 3 | 1 | メーカー公式サイトは見積依頼(Get a quote)制。国内取扱いのデュージャパン株式会社のサイトにも価格の掲載はない |
価格の目安は、2026年時点で公式サイトや公式資料に掲載された内容です。税込・税別の表記や、別売品の範囲は製品ごとに異なります。価格の記載がない製品は、問い合わせて見積もりを取る必要があります。
データロガーの主要製品の詳細
ここからは表に挙げた20製品を、順位の並びのまま見ていきます。強みだけでなく、向かないケースもあわせて示しました。自社の測定対象と設置環境に照らして読み進めてください。
グラフテック midi LOGGERシリーズ
全チャネル絶縁のマルチ入力で、電圧・熱電対・湿度・4-20mAなどを1台で記録できます。本体と端子の価格を公式サイトに掲載しており、必要なチャネル数の構成を問い合わせ前に積算できます。
使用環境は0〜45℃で、氷点下や高温の場所には置けません。無線LANユニットを付けるとSDカードスロットが使えなくなります。周期とチャネル数にも制約があるため、仕様の確認が必要です。電圧と温度を多点で同時に記録する評価試験に向いています。
ラインアイ コンパクトロガー LE-918R
電圧・電流・8種類の熱電対を、8点まで測れる手のひらサイズのロガーです。パソコンでのグラフ表示と、SDカードへの単体記録を切り替えて使えます。税込71,500円と価格も公開されています。
ひずみゲージと測温抵抗体には対応していません。電流の測定には、抵抗の外付けが必要です。周期10ミリ秒で測れるのは1点に限られ、付属ソフトの動作環境はWindows 10/11です。検査ラインや試験で、数点の電圧・電流・温度を手軽に記録したい場合に向いています。
T&D おんどとり RTR500Bシリーズ
特定小電力無線で子機のデータを収集機に集める、無線型のロガーです。子機は税抜18,000円からと価格を公開しており、少数から始めて台数を増やせます。無料クラウドで離れた場所から確認できます。
RTR505Bは1台で1chしか測れず、記録間隔も最短1秒です。多点・高速の評価試験には向きません。収集機は防水性がなく、動作環境も−10〜60℃のため、設置場所を選びます。離れた場所の温度やパルス数を、配線なしで自動収集したい場合に向いています。
カスタム CT-05SD
熱電対4本とPt100 2本の温度を、SDカードにCSV形式で記録するハンディ型です。本体は税別38,500円と価格を公開しており、少ない予算で多点の温度記録を始められます。
測定できるのは温度のみで、電圧や電流は記録できません。通信機能はなく、データはSDカードで回収します。使用温湿度は0〜50℃・85%RH以下のため、高温や低温の場所では使えません。PCソフトを使わず、CSVで温度データを扱いたい場合に向いています。
共立電気計器 KEW 5020
クランプセンサで漏れ電流・負荷電流・電圧を3ch記録する小型ロガーです。4つの記録モードにより、間欠リークや突入電流、瞬停といった一過性の事象を捉えられます。本体は税込52,800円と公開されています。
測定対象は電流と電圧に限られ、温度やひずみは記録できません。センサも別売です。PCとの接続はUSBのみで、離れた場所からのデータ収集には対応していません。漏電ブレーカの誤動作や、モーター起動時の電圧低下の調査に向いています。
OMEGA OM-CP-OCTPRO
電流・電圧・熱電対・測温抵抗体・パルスなどを、8chで同時に記録できます。5インチのタッチスクリーンだけで、設定からグラフ表示まで完結するのが特徴です。価格は税込287,100円と、日本語の公式サイトに載っています。
保護等級はIP20で、屋外や粉じんの多い場所には向きません。温度チャネルを含めると、測定速度は最速4Hzに制限されます。内蔵バッテリーでの連続サンプリングは、7〜9時間が目安です。電流・電圧・温度を1台で記録し、PCなしで現場確認したい場合に向いています。
テストー testo 176シリーズ
熱電対4chなど外付けのプローブを選んで温度を記録する、回収型のロガーです。200万データの大容量メモリと最長8年の電池寿命で、電源のない場所でも長期間記録できます。読み出しソフトは無料です。
データは基本的に回収して読み出す方式のため、離れた場所からのリアルタイム監視には向きません。測定項目は温度・湿度・大気圧に限られ、電圧や電流は記録できません。電源のない場所で、熱電対の温度を長期間記録したい場合に向いています。
安立計器 AM-9000シリーズ
熱電対6chまたは12chと、±20Vの電圧を本体に記録する可搬型の温度ロガーです。単三乾電池とACアダプタの2電源方式で、12chタイプは1秒間隔で約55時間(目安)使えます。
動作条件は0〜40℃で、高温の工程内に置くには別売の耐熱ケースが必要です。解析ソフトも別売です。データの取り出しはUSBでの転送で、ネットワーク経由の遠隔監視には対応していません。熱電対で工程や製品の温度を、多点で記録したい場合に向いています。
日置 メモリハイロガー LR8450
電圧・熱電対・測温抵抗体・ひずみ・電流・CAN/CAN FDを、1台で同時に記録できます。直結ユニットの増設で最大120chまで広がり、高速ユニットでは最速1msのサンプリングが可能です。
本体のみでは測定できず、信号に合わせた直結ユニットを別途購入します。価格は製品ページに掲載がありません。無線ユニットを接続すると、複数台の同期サンプリングは使えなくなります。温度・ひずみ・CANを同時に記録する開発・評価試験に向いています。
Keithley DAQ6510
6.5桁のDMMを内蔵し、最大80chを走査する据置型です。多チャネルの電圧・抵抗・温度を、計測器並みの確度で記録できます。5型タッチスクリーンで設定でき、PCなしでも試験を実行できます。
動作環境は0〜50℃で、強制空冷の据置型のため、屋外や電源のない現場には向きません。標準バッファは揮発メモリのため、長時間の記録では外付けUSBメモリやPCへ保存します。部品や製品の試験で、多チャネルを高い確度で記録したい場合に向いています。
チノー MZシリーズ
LoRa方式の920MHz無線で、温度・電圧・パルスを集めるロガーです。単4電池2本で動き、大容量電池のモデルでは電池寿命が約4.5〜8年と長くなります。冷蔵庫や保冷箱の中にも置けます。
熱電対やひずみの入力モデルはなく、電圧入力も0〜8Vまでです。収録周期は5秒〜60分のため、高速現象の記録には向きません。国内専用の製品で、海外拠点で同じ機器を使う用途には合いません。工場や倉庫に分散した測定点の温度を、無線で集めたい場合に向いています。
江藤電気 サーモダックE2
端子を金属板上に配置し、多点の熱電対を精度よく測るオールインワン型です。端子温度補償精度は±0.3℃で、熱流センサーを選べば、熱の出入りも同じロガーで記録できます。
使用環境は周囲温度0〜40℃で、高温・低温の場所には置けません。公式サイトに価格や記録容量の記載がなく、選定に必要な情報は問い合わせで補います。100chを超える多点にも向きません。熱電対で30ch程度の多点温度を、精度よく記録したい場合に向いています。
横河電機 SMARTDAC+ GM
動作保証温度範囲が−20〜60℃のモジュール式ロガーで、DINレールや壁にも取り付けられます。監査証跡や電子署名など、医薬・食品や熱処理の厳格なデータ管理に応える機能が特徴です。
最速1msの測定は1ch/モジュール時に限られ、高速測定では使えるチャネル数が少なくなります。価格は公式サイトに掲載がなく、見積相談制です。通信機能は付加仕様のため、構成の確認が欠かせません。熱処理炉や滅菌工程の温度を、規格に沿って記録したい場合に向いています。
キーエンス NR-Xシリーズ
計測データと連動した映像を記録できる、ユニット式のロガーです。しきい値を超えた前後だけを撮影でき、変化の原因を確かめやすくなります。最大72ユニットまで拡張でき、ユニット間の同期は±1μs以下です。
マスタユニットの使用周囲温度は0〜40℃で、温度管理された場所に置く必要があります。有線LANと無線LANは同時に使えません。価格は公式製品ページに記載がなく、問い合わせが必要です。計測データと映像を合わせて、不良や異常の原因を調べたい場合に向いています。
共和電業 CTRS-100シリーズ
耐衝撃50G・IP50の小型ユニットを連結し、ひずみ・電圧・温度・CAN FDを同時に集録します。最大4台の同期で128chまで増やせるため、車両や船舶に載せた走行試験に向いています。
ひずみゲージの測定には、別途ブリッジボックスが必要です。パソコンからの集録には、別売の集録ソフトDCS-100Aを使います。価格は公開されておらず、手軽に1台だけ導入する用途には向きません。振動や衝撃のある現場に、小型のロガーを持ち込みたい場合にも合います。
日置 データロガー LR8101/LR8102
計測モジュールを最大10台つなぐ、システム組み込み型のロガーです。電圧・温度モジュールはDC1500Vの絶縁をもち、LR8102は最大3000chを測定できます。EVバッテリーのセル試験に向いた構成です。
本体だけでは測定できず、計測モジュールと電源を別途選ぶ必要があります。本体の価格も公開されていません。ひずみや測温抵抗体の入力は、製品ページに掲載がありません。上位のシステムへ測定値をリアルタイムで渡したい場合にも向いています。
共和電業 UCAM-80A
ひずみゲージを使った静的な強度評価向けの測定器です。1台で最大30ch、外部スキャナの接続で最大1000chまで対応します。内蔵プリンタで、測定結果を現場でその場で印刷して残せます。
多チャネルになるほど1回の測定に時間がかかり、振動など動的な現象の記録には向きません。使用温湿度は0〜50℃、保護等級はIP20で、屋内の管理された環境に置く必要があります。多点のひずみゲージで、部品や構造物の静的な強度を評価したい場合に向いています。
東京測器研究所 T-ZACCS 9
ひずみと温度を多点で測る据置型のロガーです。測定点数にかかわらず、高速モードで0.1秒間隔の測定ができ、最大1000点まで対応します。9インチ画面に最大60点を表示し、PCなしで演算もできます。
TS-963は約10kgでAC電源が必要なため、電池で持ち運ぶ巡回測定には向きません。使用温湿度は0〜50℃・85%RH以下で、屋外や氷点下の場所には置けません。価格も公開されていない点に注意が必要です。数百点規模のひずみゲージで、構造物や部品を評価したい場合に向いています。
Campbell Scientific CR1000Xe
標準−40〜+70℃で動作し、密閉されたステンレス製の容器に収めた屋外向けのロガーです。入力電圧は10〜36Vdcと広く、低消費電力のため、電源の限られた場所でも長期運用しやすくなります。
公式が示す主な用途は気象・水文・ダムや鉱山などで、工場の試験や品質管理での使用例は多くありません。アナログ入力はシングルエンド16chで、多点の計測にはマルチプレクサなどを組み合わせます。離れた場所の計測データを、通信回線やクラウドで集めたい場合にも向いています。
Dewesoft OBSIDIAN
PCなしで内蔵SSDやSDカードに記録できる、Linux搭載のモジュール式ロガーです。PCに接続すれば、付属のDewesoftXで通常のデータ収集システムとしても使えます。堅牢タイプはIP67で、−40〜85℃に対応する点が特徴です。
価格は見積もり制で、筐体・アンプカード・センサーを組み合わせて構成します。導入費を事前に把握しにくい点に注意が必要です。標準タイプの動作温度は−10〜50℃のため、屋外には堅牢タイプを選びます。
データロガーの無料・有料でできることの違い
データロガーは測定するハードウェアが必須のため、無料だけでは計測を始められません。無料になるのは、設定や閲覧のソフト、一部のクラウドなどにとどまります。ソフトの無料範囲については、無料で使えるデータロガーソフトの記事で整理しています。
できること | 無料で足りる範囲 | 有料が必要になる範囲 |
|---|---|---|
測定・記録 | なし。ロガー本体が必要 | 本体、センサー、入力ユニットの購入 |
設定・データの閲覧 | メーカーが無償で配布するソフトで足りる製品がある | 解析機能が別売の製品がある |
遠隔での確認 | 無料のクラウドを提供する製品がある | クラウドの利用料や、通信用の機器 |
高度な解析・帳票 | 付属ソフトの範囲内 | 別売の解析ソフトや統合ソフト |
導入前の評価 | 評価用のライセンスで試せる製品がある | 継続して使う場合のライセンス購入 |
無料のソフトは、使用許諾で商用利用の可否を確認しましょう。非商用や評価用の版を業務で使うと、ライセンス違反になるおそれがあります。
まとめ
データロガーの比較は、5つの項目で整理すると進めやすくなります。測定できる信号とチャネル数、周期と記録容量、データの回収方法、設置環境、付属ソフトの機能です。
まず、測りたい信号と点数、設置場所の条件を書き出しましょう。次に、センサーや入力ユニット、ソフトを含めた構成で、見積もりを比べます。本体の価格を公開しているのは20製品のうち9製品で、残りは個別見積もりです。増設の余地や、回収方法の追加も、見積もりの段階で確かめておきましょう。製品はデータロガーのカテゴリページで比較できます。無料のソフトは無料版の記事もご覧ください。
データロガーのおすすめ製品
T&D おんどとり RTR500Bシリーズ
株式会社ティアンドデイ
子機を無線で自動収集するロガー
グラフテック midi LOGGERシリーズ
グラフテック岩通計測株式会社
全ch絶縁・10〜200chの価格公開型
横河電機 SMARTDAC+ GM
横河電機株式会社
データインテグリティ対応のモジュール式
ラインアイ コンパクトロガー LE-918R
株式会社ラインアイ
8点24bit・手のひらサイズ
日置 メモリハイロガー LR8450
日置電機株式会社
1ms・最大120chのメモリハイロガー
チノー MZシリーズ
株式会社チノー
920MHz無線で温度・電圧・パルスを集める
データロガー比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| T&D おんどとり RTR500Bシリーズ | 株式会社ティアンドデイ | オンプレミス | 子機を無線で自動収集するロガー | 詳細を見る | |
| グラフテック midi LOGGERシリーズ | グラフテック岩通計測株式会社 | オンプレミス | 全ch絶縁・10〜200chの価格公開型 | 詳細を見る | |
| 横河電機 SMARTDAC+ GM | 横河電機株式会社 | 要見積もり | データインテグリティ対応のモジュール式 | 詳細を見る | |
| ラインアイ コンパクトロガー LE-918R | 株式会社ラインアイ | オンプレミス | 8点24bit・手のひらサイズ | 詳細を見る | |
| 日置 メモリハイロガー LR8450 | 日置電機株式会社 | 要見積もり | 1ms・最大120chのメモリハイロガー | 詳細を見る | |
| チノー MZシリーズ | 株式会社チノー | 要見積もり | 920MHz無線で温度・電圧・パルスを集める | 詳細を見る | |
| キーエンス NR-Xシリーズ | 株式会社キーエンス | 要見積もり | データ連動の映像も残すユニット式 | 詳細を見る | |
| Keithley DAQ6510 | テクトロニクス株式会社 | オンプレミス | 6.5桁DMM内蔵・最大80chの据置型 | 詳細を見る | |
| 共和電業 CTRS-100シリーズ | 株式会社共和電業 | 要見積もり | ひずみ・CAN FDを同時集録する小型 | 詳細を見る | |
| Dewesoft OBSIDIAN | Dewesoft d.o.o. | 要見積もり | PCなしで記録できるモジュール式ロガー | 詳細を見る | |
| 江藤電気 サーモダックE2 | 江藤電気株式会社 | 要見積もり | 多点熱電対を測るオールインワン型 | 詳細を見る | |
| 共立電気計器 KEW 5020 | 共立電気計器株式会社 | オンプレミス | 漏れ電流・負荷電流・電圧を3ch記録 | 詳細を見る | |
| OMEGA OM-CP-OCTPRO | オメガエンジニアリング合同会社 | オンプレミス | 電流・電圧・温度を8chで記録 | 詳細を見る | |
| カスタム CT-05SD | 株式会社カスタム | オンプレミス | 熱電対とPt100をSDに記録するハンディ型 | 詳細を見る | |
| 日置 データロガー LR8101/LR8102 | 日置電機株式会社 | 要見積もり | DC1500V絶縁の組み込み型 | 詳細を見る | |
| Campbell Scientific CR1000Xe | キャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社 | 要見積もり | −40〜+70℃で動く屋外向けロガー | 詳細を見る | |
| 東京測器研究所 T-ZACCS 9 | 株式会社東京測器研究所 | 要見積もり | 最大1000点のひずみ・温度ロガー | 詳細を見る | |
| テストー testo 176シリーズ | 株式会社テストー | オンプレミス | 熱電対4chを電池で最長8年記録 | 詳細を見る | |
| 安立計器 AM-9000シリーズ | 安立計器株式会社 | オンプレミス | 熱電対6ch/12chの可搬型温度ロガー | 詳細を見る | |
| 共和電業 UCAM-80A | 株式会社共和電業 | 要見積もり | 1台30ch・最大1000chの静ひずみ測定器 | 詳細を見る |
よくある質問
Qデータロガーを選ぶとき、最初に何を確認すればよいですか?
測りたい信号の種類と点数、設置場所の環境を確認します。電圧・温度・ひずみ・パルスのどれが必要か、合計で何チャネルかを書き出してください。屋外や氷点下では、動作温度の範囲が合わない製品があります。信号と環境が合わない製品は、他の性能が高くても使えません。
Qデータロガーの価格は、どのくらいを見込めばよいですか?
製品ページのある20製品のうち、本体の価格を公式サイトで公開しているのは9製品です。2026年時点で、無線子機が税抜18,000円から、据置型のメインフレームで464,000円(税込・税抜の表記なし)の例があります。センサーや入力ユニット、ソフトは別売が多く、総額は構成ごとの見積もりで確認が必要です。
Q温度だけを記録するなら、どんな製品が候補になりますか?
熱電対や測温抵抗体の温度専用で、SDカードに記録する小型機が候補です。価格を公開している製品も複数あります。データを現場で回収するか、無線やクラウドで集めるかによって、必要な機種が変わります。センサーやSDカードが別売かも、見積もりの前に確認しましょう。
Qひずみや多チャネルの測定には、どんな製品が向いていますか?
ひずみゲージを多点で測る強度評価には、静ひずみ測定器やひずみ・温度の多点ロガーが向きます。温度・ひずみ・CANを同時に記録する開発・評価試験には、入力ユニットを増設できる据置型が候補です。多チャネルでは周期が遅くなる製品もあるため、必要な点数での仕様を確認してください。
