データロガーの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介
データロガーの選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。4つの種類の違い、入力とチャンネル数、サンプリング周期、電源と通信、防水などの設置環境、総額の見方と、よくある4つの失敗を整理します。

データロガーは、電圧や温度などの計測値を一定の周期で記録する計測器です。ただし、入力の種類やチャンネル数、電源や通信の違いが大きく、仕様表を並べても自社に合うかは見えにくい機器です。測る信号と置く場所が合わなければ、導入後に「入力が足りない」「現場に置けない」と気づくことになりかねません。この記事では、種類の違いと、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品名を比べる前に、まず測る信号と設置場所を書き出しましょう。
- 入力:電圧・電流・温度・ひずみ・パルスのどれを何点測るかを決める
- 速さと記録方式:サンプリング周期と、本体メモリやSDカードの容量を確認する
- 電源と通信:電池かAC電源か、USB・LAN・無線のどれで回収するかを決める
- 設置環境:動作温度の範囲、防水・防塵、耐衝撃を置き場所に照らして確認する
測る信号と設置環境を先に整理すると、候補となるロガーの種類を絞り込みやすくなります。残りの条件まで確認すると、導入後の手戻りを抑えられます。
この記事でわかること
データロガーの基礎知識
選び方に入る前に、データロガーが何をする機器なのかを押さえます。役割が曖昧なままだと、使わない機能に費用を払うことになりかねません。ここでは3点に絞って確認しましょう。
データロガーが担う役割
データロガーは、センサーからの信号を一定の周期で取り込み、時刻とともに記録する機器です。温度上昇試験や設備の電流の長期記録など、人が見続けられない現象を残すために使います。
記録したデータは、本体のメモリやSDカードに保存されます。後からPCに取り込み、グラフや帳票にして、不具合の原因調査や品質の記録に使う流れが基本です。測る信号は、電圧、電流、温度、ひずみ、パルスなど多岐にわたります。
単体で記録する機種とPCにつなぐ機種
本体だけで設定から記録まで行える機種もあるのが特徴です。ラインアイ LE-918Rは、PCなしでSDカードへ記録する使い方ができます。
PCでグラフを表示しながら測る使い方も選べます。一方で、PCから設定する前提の機種もあるのが実情です。どちらの使い方かで、現場に持ち込む機材や担当者の作業が変わります。購入前に確認したい点です。
選定でつまずきやすい理由
同じデータロガーでも、測れる信号と規模は機種ごとに大きく異なります。温度だけを記録する小型機から、数百点のひずみを測る機種まで幅があるためです。
本体だけでは測れず、入力ユニットやセンサーが別売の機種も少なくありません。日置のLR8450は、測る信号に合わせて直結ユニットを選ぶ構成です。本体の価格だけで比べると、総額を見誤るおそれがあります。
編集部コメント:測る信号、点数、置く場所の3点は、見積もりの前に1枚にまとめておくと便利です。メーカーごとの提案が比べやすくなるほか、デモ機で確かめる項目も決まります。
データロガーの種類
データロガーは、測る対象と運用の形によって大きく4つに分けられます。どの型を選ぶかで、入力の種類も設置の自由度も変わってきます。まず全体像をつかみましょう。
- 小型・回収型
- 多チャンネル・マルチ入力型
- モジュール拡張・高速型
- 無線・屋外向け
小型・回収型
温度などの少数の点を、電池で長期間記録する型です。本体を現場に置き、記録後に回収してデータを読み出します。テストー testo 176は電池寿命が最長8年です。
カスタム CT-05SDは、熱電対4本とPt100 2本の温度をSDカードに保存します。価格が抑えやすく、複数台を置く使い方に向きます。入力は温度中心で、電圧や電流の同時測定には向きません。リアルタイムの監視にも不向きな型です。
多チャンネル・マルチ入力型
電圧・温度・電流などを、1台で10点から数十点ほど同時に記録する型です。グラフテック midi LOGGERは、全チャンネル絶縁のマルチファンクション入力をもちます。
電圧や熱電対、4-20mAなどを入力に選べるため、開発や評価試験の標準的な選択肢です。点数が増えるぶん、本体と端子の構成で価格が変わります。サンプリング周期とチャンネル数の関係も、仕様表で確認が必要です。
モジュール拡張・高速型
測る信号に合わせてユニットを増設し、ひずみや加速度、CANなどを高速に記録する型です。日置 メモリハイロガー LR8450は、直結ユニットの増設で最大120chを最速1msで測れます。
Dewesoft OBSIDIANは、PCなしでの記録にも対応しています。車両の走行試験や構造試験のように、動的な現象を同期して残す用途に向く型です。構成の自由度が高く、価格は問い合わせ制の機種が多いため、導入費を事前に把握しにくい点が課題です。
無線・屋外向け
離れた場所の測定点を、配線なしで集める型です。T&D おんどとり RTR500Bは、特定小電力無線で子機のデータを自動収集します。チノー MZは、LoRa方式の無線を使います。
広い工場や倉庫に散らばる測定点を集める用途に向く型です。Campbell Scientific CR1000Xeは屋外向けの機種です。−40〜70℃で動作し、長期観測にも使えます。無線型は電池寿命や通信エリアが運用を左右します。設置前に、実機で通信状態を確かめておくと安心です。
【目的別】データロガーの選び方
同じデータロガーでも、何を記録したいかで優先すべき条件は変わります。製造現場でよくある3つの目的を取り上げました。目的が複数ある場合は、最も条件の厳しいものに合わせます。
製品・試作品の評価試験を記録したい
温度上昇試験や耐久試験では、複数の信号を同じ時刻で記録できるかが条件です。電圧と温度を多点で同時に測るなら、多チャンネル型が候補になります。
ひずみやCANも合わせて測る場合は、ユニットを増設できるモジュール型を検討しましょう。測りたい現象の速さから周期を決め、必要な点数でも保てるかを確かめる手順が基本です。
設備の電流・温度を長期間記録したい
設備の異常の前触れを捉えるには、数日から数か月の連続記録が必要です。漏電ブレーカの誤動作を調べるなら、共立電気計器 KEW 5020が候補になります。
この機種は、クランプセンサで電流と電圧を3ch記録する小型機です。電池駆動かAC電源か、データをどう回収するかも条件になります。分電盤や設備の近くに置くため、本体の大きさと動作温度も見ておきましょう。
工程の温度プロファイルを記録したい
熱処理・乾燥・硬化の工程では、炉内の温度を熱電対で多点記録します。江藤電気 サーモダックE2は、多点の熱電対測定を想定した機種です。安立計器 AM-9000は、6chと12chから選べる可搬型です。
記録の保証が要求される場合は、監査証跡やユーザー管理をもつ機種を選びます。横河電機 SMARTDAC+ GMは、電子署名などの機能を備えています。要求される水準は、事前に品質保証部門と確認しておきましょう。
【部門別】データロガーの選び方
データロガーは、設定する人、現場で扱う人、データを使う人が異なることも少なくありません。導入に関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有するときは、条件の厳しい部門に合わせます。
開発・試験評価部門
試作品の評価を担う部門では、測れる信号の幅とサンプリングの速さが重要です。評価対象が変わるたびに入力を組み替えるため、ユニットで拡張できる機種が扱いやすくなります。
試験後の解析まで考えると、付属ソフトの機能も判断材料です。データをCSVなど汎用の形式で出力できるかを確認します。他の計測器のデータと時刻をそろえられるかも、あわせて見ておきましょう。
保全・設備管理部門
設備を止めない役割の部門では、現場に長く置いても動き続けることが条件です。電池の持続期間、動作温度の範囲、防水・防塵の等級を、設置場所に照らして確認します。
異常の通知や、離れた場所からの確認が必要かも決めておきましょう。無線やクラウドの機能が要る場合は、通信方式と費用も確認の対象です。回収の頻度が少ないほど、現場の負担は軽くなります。
品質保証・生産技術部門
工程の温度や条件を記録し、顧客や監査に示す立場の部門です。記録の保全機能が、機種選びの条件になる場合があります。グラフテック midi LOGGERのようにデータ破損のチェック機能をもつ機種もあります。
生産技術では、ラインの立ち上げ時に短期間だけ測ることも多く、可搬性が重要です。小型で電池駆動の機種なら、複数のラインで使い回せます。帳票への出力のしやすさも確認しておきましょう。
【企業規模別】データロガーの選び方
企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。計測の専任担当の有無、拠点数、予算の通し方の3点です。自社の体制に近いところから読み進めるとよいでしょう。
中小企業
計測を専任で担う人がいない前提で選びます。設定が簡単で価格が公開されている機種なら、見積もりや稟議の手間を減らせるでしょう。カスタム CT-05SDのように本体価格を公開する小型機は、1台から始められます。
少数の点を測るなら、小型の回収型で足ります。将来、測る点が増える見込みがあるかは確認が必要です。増設できない機種を選ぶと、後から買い替えが必要になる可能性があります。
中堅企業
複数のラインや工場で、同じ機種を使い回す場面が増える段階です。機種を統一しておけば、ソフトの操作や保守の窓口をそろえられます。
台数が増えると、データの取り込みを手作業で続けるのが負担になります。無線やLANで集められる機種は、この段階の有力な候補です。クラウドを使う場合は、データの保存先と社内ルールの確認が欠かせません。
大企業
試験部門や拠点が分かれ、計測の仕様がまちまちになりがちです。全社で標準機種を決める場合は、入力の拡張性とメーカーのサポート体制が重要な条件です。
データを上位システムへ渡す要件が出ることも多く、LANやModbusなどの通信仕様を確認します。価格は問い合わせ制の機種が中心なので、構成を固めてから見積もりを比べましょう。
自社に合ったデータロガーの選定ポイント
目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な仕様に落とし込みます。確認の順番が大切です。上から順に見ていくと、手戻りを減らせるでしょう。
- 測る信号とチャンネル数を決める
- サンプリング周期と記録方式を確認する
- 電源とデータの回収方法を決める
- 設置環境への強さを確認する
- 付属ソフトと総額を確認する
測る信号とチャンネル数を決める
最初に決めるのは、電圧・電流・熱電対・測温抵抗体・ひずみ・パルスのうち、何を何点測るかです。入力の種類が足りなければ、他の条件が合っても使えません。
熱電対にはK・J・Tなど複数の種類があり、機種ごとに対応が異なります。CT-05SDは6種に対応しています。電流の測定に外付けの抵抗が要る機種もあるため、直接測れるかを確認しましょう。点数には余裕を見込みます。
サンプリング周期と記録方式を確認する
測る現象の速さに合う周期が必要です。ゆっくり変わる温度なら秒単位で足りますが、衝撃や振動はミリ秒単位が求められます。周期はチャンネル数で制限される機種が多い点に注意しましょう。
例えばグラフテックのGL860の最速5msは、チャンネル数を絞った場合の値です。記録先は本体メモリかSDカードで、容量が連続記録の時間を決めます。必要な期間を周期で割り、容量が足りるかを確かめましょう。
電源とデータの回収方法を決める
電源は、電池、ACアダプタ、DC電源のいずれかです。電源のない場所に置くなら電池駆動が前提で、何日、何年もつかが条件になります。持続時間は測定の周期でも変わるのが実情です。
回収は、SDカードやUSBを現場で取り外す方法のほか、LAN・無線・クラウドがあります。回収の手間を減らしたいなら、通信対応の機種が候補です。無線LANの使用でSDカードが使えなくなる機種もあるため、機能の組み合わせを確認しましょう。
設置環境への強さを確認する
本体の動作温度は機種ごとに異なります。0〜50℃程度の屋内向けから、−40℃に対応する機種まで幅があるのが実情です。防水・防塵は、IPコードの数字で表されます。
IPコードの1桁目は防塵、2桁目は防水の等級です。例えばIP67の2桁目は、水への一時的な浸漬に耐える等級を示します。振動の多い車両や船舶では、耐衝撃の仕様も見ましょう。置き場所の条件は、先に書き出しておきます。
付属ソフトと総額を確認する
付属ソフトは、設定、データの取り込み、グラフ表示、帳票の出力に使います。対応OSと、ソフトが無償かどうかを確認しましょう。無償のソフトは、無料で使えるデータロガーソフトの記事で整理しています。
費用は、本体に加えて、センサー、入力ユニット、端子、ACアダプタ、SDカードを含めた総額で比べます。例えばT&DのRTR505Bは、熱電対の入力モジュールが別売です。価格は2026年時点の公式ページで確認してください。
【比較表】データロガーの主要製品
製品データとして数値化できる4項目を、評価スコアで横並びにしました。品質管理・設備保全・多拠点対応・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。評価が設定されていない項目は「-」としています。価格は2026年時点の公式ページの記載です。
順位 | 製品 | 提供元 | 品質管理 | 設備保全 | 多拠点対応 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | グラフテック岩通計測株式会社 | 4 | 3 | 3 | 5 | GL260本体 税抜136,000円(税込149,600円)。GL860は本体のみ税抜167,000円(税込183,700円)で端子は別売(例: 20chネジ端子B-563 税抜35,000円)。いずれも公式製品ページの記載 | |
2 | 株式会社ラインアイ | 3 | 4 | 2 | 5 | メーカー直営の通信販売ページ(ラインアイ e-shop、販売主 株式会社ラインアイ)の標準価格。LE-918R 税込71,500円(税別65,000円)。5点入力のLE-910Rは税込55,000円、電圧専用・高速のLE-928Rは税込59,400円。熱電対・SDカード・ACアダプタ・DINレール取付プレートは別売 | |
3 | 株式会社ティアンドデイ | 3 | 3 | 4 | 5 | 子機RTR501B・RTR505Bは各税抜18,000円(税込19,800円)、収集機RTR500BWは税抜47,000円(税込51,700円)。RTR505Bの入力モジュールは別売(熱電対モジュールTCM-3010は税抜8,000円)。公式製品ページの販売価格 | |
4 | 株式会社カスタム | 3 | 2 | 1 | 5 | 本体の標準価格 税別38,500円(税込額の記載なし)。熱電対センサー・Pt100センサー・ACアダプター・SDカードは別売。公式製品ページの記載 | |
5 | 共立電気計器株式会社 | 2 | 4 | 1 | 5 | 本体 税抜48,000円(税込52,800円)。クランプセンサ・電圧センサ・ACアダプタは別売。公式製品ページの記載 | |
6 | オメガエンジニアリング合同会社 | 3 | 3 | 1 | 4 | 税込287,100円(税抜261,000円)。オメガエンジニアリングの日本語公式製品ページの記載 | |
7 | 株式会社テストー | 3 | 2 | 1 | 4 | 本体価格(税別)はtesto 176 T2 78,000円、T3・T4 各90,000円、H1 105,000円、P1 130,000円。プローブは別売。株式会社テストー「環境データロガーカタログ」(2026年3月現在の価格)の記載 | |
8 | 安立計器株式会社 | 3 | 2 | 1 | 4 | 希望小売価格(税別)はAM-9000E/K・AM-9200(6ch)150,000円、AM-9100E/K・AM-9300(12ch)200,000円(税込額の記載なし)。温度センサ・専用解析ソフトAMS-900(税別15,000円)・ACアダプタは別売。公式製品ページの記載 | |
9 | 日置電機株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 製品ページに価格の記載なし。本体(LR8450)のみでは測定できず、直結ユニットは別売 | |
10 | テクトロニクス株式会社 | 4 | 2 | 3 | 3 | メインフレームDAQ6510の基本価格 ¥464,000(公式製品ページの記載。税込・税抜の表記なし)。プラグイン・スイッチ・モジュールやオプションのインタフェースは構成に応じて別途 | |
11 | 株式会社チノー | 3 | 3 | 4 | 3 | 公式製品ページに価格の記載なし。チノークラウドの利用料金も製品ページでは確認できない | |
12 | 江藤電気株式会社 | 3 | 3 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の記載なし(問い合わせ制) | |
13 | 横河電機株式会社 | 5 | 4 | 4 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(「見積のご相談」から問い合わせ)。予兆検知モデルの作成には別売の設備・品質予兆検知ツールが必要 | |
14 | 株式会社キーエンス | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(「価格・見積」から問い合わせ) | |
15 | 株式会社共和電業 | 4 | 3 | 3 | 2 | 製品ページに価格の記載なし(「購入のお問い合せ」から問い合わせ)。測定ユニット・拡張ユニット・ACアダプタ・集録ソフトDCS-100Aは別売 | |
16 | 日置電機株式会社 | 4 | 2 | 3 | 2 | 製品ページに本体価格の記載なし。本体のみでは使えず、計測モジュール・電源(ACアダプタZ1016など)・保存メディアは別売。電力計測モジュールM7103は公式ニュースリリース(2024-07)で510,000円(税込561,000円) | |
17 | 株式会社共和電業 | 4 | 2 | 2 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(購入の問い合わせ制)。PC接続ケーブル・SDカード・USBメモリは別売 | |
18 | 株式会社東京測器研究所 | 4 | 2 | 2 | 2 | 公式製品ページ・カタログに価格の記載なし(問い合わせ制) | |
19 | キャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社 | 2 | 3 | 4 | 2 | 公式製品ページに価格の記載なし(見積もり依頼制)。日本ではキャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社が問い合わせに対応 | |
20 | Dewesoft d.o.o.(日本取扱い: デュージャパン株式会社) | 4 | 4 | 3 | 1 | メーカー公式サイトは見積依頼(Get a quote)制。国内取扱いのデュージャパン株式会社のサイトにも価格の掲載はない |
データロガーの選び方で失敗しないための注意点
導入でつまずく例には、共通した型があります。事前に知っておけば、仕様確認の段階で対策を取れるでしょう。よくある4つを、回避策とあわせて挙げます。
本体価格だけで比べてしまう
本体だけでは測れない機種があります。センサー、入力ユニット、端子、電源が別売だと、見積もりが想定を大きく上回ります。価格が非公開の機種は、構成が固まるまで総額が見えません。
回避策:測る信号を先に決め、必要な付属品を含めた構成で見積もりを取ります。価格を公開している機種なら、構成ごとの総額を問い合わせの前に積算できます。
周期とチャンネル数の関係を見落とす
カタログの最速の周期は、チャンネル数を絞った条件の値であることがあります。全点を同時に測ると、その周期が出せません。必要な現象を捉えきれない原因になります。
回避策:必要な点数のときの周期を、仕様表で確認します。不明な場合は、条件を伝えてメーカーに回答をもらいましょう。グラフテック岩通はデモ機の貸出しを受け付けています。
設置環境を後から確認する
動作温度や防水の等級が置き場所に合わず、測定を始められない例があります。機種によっては、動作環境の範囲が0〜40℃に限られます。高温の工程内には、そのまま置けません。
回避策:置き場所の温度範囲、水や粉じんの有無、振動の程度を先に書き出します。条件を満たす機種だけを残し、別売の耐熱ケースなどの付属品も確認しましょう。
データの回収と活用を決めていない
記録できても、取り出して使う段取りがないと現場の負担になります。回収の頻度、保存先、誰が確認するかが決まっていないと、データが使われないままになりがちです。
回避策:回収の方法と頻度、ソフトの対応OS、帳票の出力形式を、導入前に決めます。クラウドを使う場合は、保存先と社内ルールも確認しておきましょう。
まとめ
データロガーの選定は、測る信号と点数、置く場所を書き出すことから始まります。種類は、小型・回収型、多チャンネル・マルチ入力型、モジュール拡張・高速型、無線・屋外向けの4つです。目的・部門・規模のいずれでも、最初に確認するのは入力と設置環境です。
方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。信号とチャンネル数、周期と記録方式、電源と回収方法、設置環境、ソフトと総額です。よくある失敗は、本体価格だけの比較、周期の見落とし、環境の後確認、回収の未設計の4つでした。
ロガー本体の比較はデータロガーのカテゴリページで確認できます。無償のソフトの範囲は無料で使えるデータロガーソフトの記事で整理しています。
データロガーのおすすめ製品
T&D おんどとり RTR500Bシリーズ
株式会社ティアンドデイ
子機を無線で自動収集するロガー
グラフテック midi LOGGERシリーズ
グラフテック岩通計測株式会社
全ch絶縁・10〜200chの価格公開型
横河電機 SMARTDAC+ GM
横河電機株式会社
データインテグリティ対応のモジュール式
ラインアイ コンパクトロガー LE-918R
株式会社ラインアイ
8点24bit・手のひらサイズ
日置 メモリハイロガー LR8450
日置電機株式会社
1ms・最大120chのメモリハイロガー
チノー MZシリーズ
株式会社チノー
920MHz無線で温度・電圧・パルスを集める
データロガー比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| T&D おんどとり RTR500Bシリーズ | 株式会社ティアンドデイ | オンプレミス | 子機を無線で自動収集するロガー | 詳細を見る | |
| グラフテック midi LOGGERシリーズ | グラフテック岩通計測株式会社 | オンプレミス | 全ch絶縁・10〜200chの価格公開型 | 詳細を見る | |
| 横河電機 SMARTDAC+ GM | 横河電機株式会社 | 要見積もり | データインテグリティ対応のモジュール式 | 詳細を見る | |
| ラインアイ コンパクトロガー LE-918R | 株式会社ラインアイ | オンプレミス | 8点24bit・手のひらサイズ | 詳細を見る | |
| 日置 メモリハイロガー LR8450 | 日置電機株式会社 | 要見積もり | 1ms・最大120chのメモリハイロガー | 詳細を見る | |
| チノー MZシリーズ | 株式会社チノー | 要見積もり | 920MHz無線で温度・電圧・パルスを集める | 詳細を見る | |
| キーエンス NR-Xシリーズ | 株式会社キーエンス | 要見積もり | データ連動の映像も残すユニット式 | 詳細を見る | |
| Keithley DAQ6510 | テクトロニクス株式会社 | オンプレミス | 6.5桁DMM内蔵・最大80chの据置型 | 詳細を見る | |
| 共和電業 CTRS-100シリーズ | 株式会社共和電業 | 要見積もり | ひずみ・CAN FDを同時集録する小型 | 詳細を見る | |
| Dewesoft OBSIDIAN | Dewesoft d.o.o. | 要見積もり | PCなしで記録できるモジュール式ロガー | 詳細を見る | |
| 江藤電気 サーモダックE2 | 江藤電気株式会社 | 要見積もり | 多点熱電対を測るオールインワン型 | 詳細を見る | |
| 共立電気計器 KEW 5020 | 共立電気計器株式会社 | オンプレミス | 漏れ電流・負荷電流・電圧を3ch記録 | 詳細を見る | |
| OMEGA OM-CP-OCTPRO | オメガエンジニアリング合同会社 | オンプレミス | 電流・電圧・温度を8chで記録 | 詳細を見る | |
| カスタム CT-05SD | 株式会社カスタム | オンプレミス | 熱電対とPt100をSDに記録するハンディ型 | 詳細を見る | |
| 日置 データロガー LR8101/LR8102 | 日置電機株式会社 | 要見積もり | DC1500V絶縁の組み込み型 | 詳細を見る | |
| Campbell Scientific CR1000Xe | キャンベル・サイエンティフィック・ジャパン株式会社 | 要見積もり | −40〜+70℃で動く屋外向けロガー | 詳細を見る | |
| 東京測器研究所 T-ZACCS 9 | 株式会社東京測器研究所 | 要見積もり | 最大1000点のひずみ・温度ロガー | 詳細を見る | |
| テストー testo 176シリーズ | 株式会社テストー | オンプレミス | 熱電対4chを電池で最長8年記録 | 詳細を見る | |
| 安立計器 AM-9000シリーズ | 安立計器株式会社 | オンプレミス | 熱電対6ch/12chの可搬型温度ロガー | 詳細を見る | |
| 共和電業 UCAM-80A | 株式会社共和電業 | 要見積もり | 1台30ch・最大1000chの静ひずみ測定器 | 詳細を見る |
よくある質問
Qデータロガーは何から決めればよいですか?
最初に、測る信号の種類と点数、置く場所を決めます。電圧・電流・熱電対・ひずみのどれを何点測るかで、候補となる種類が分かれるためです。あわせて電池かAC電源か、動作温度や防水の条件も書き出します。この整理があれば、メーカーへの問い合わせも具体的になります。
Qサンプリング周期はどう決めればよいですか?
測りたい現象の速さに合わせて決めます。ゆっくり変わる温度は秒単位で足り、衝撃や振動のような速い現象はミリ秒単位が求められます。注意したいのは、最速の周期がチャンネル数を絞った条件の値である機種があることです。必要な点数のときの周期を、仕様表で確認しましょう。
Q電池駆動とAC電源はどちらを選ぶべきですか?
電源のない場所に置くなら、電池駆動が前提です。電池の持続期間は、機種や測定の周期で変わります。試験室など電源がある場所で、多チャンネルを長時間測るなら、AC電源が扱いやすくなります。機種によっては両方に対応するため、置き場所の条件とあわせて確認しましょう。
Q防水や耐環境性能はどこまで必要ですか?
置き場所の条件で決まります。屋内の試験室なら高い等級は不要な場合が多く、水や粉じんのある現場では防水・防塵の等級を確認します。IPコードの1桁目は防塵、2桁目は防水の等級です。動作温度の範囲も機種ごとに異なるため、最も厳しい条件に合わせて選びましょう。
