DCS(分散制御システム)のメーカー13社の特徴|シェアの実態と母体事業の違い
DCS(分散制御システム)の主要メーカー13社を1社ずつ整理した記事。メーカー別シェアの公的データは確認できず、経産省の統計にある近い区分も範囲は未確認です。母体の事業、提供元の変遷、価格の公開状況を見ていきます。

DCS(分散制御システム)のメーカーを調べると、計測制御を主力とする国内企業から、重電・重工の会社、海外のプロセス自動化の会社まで並びます。母体の事業も、日本での窓口も、提供する製品の規模も、会社ごとに大きく違います。
この記事では、製品ページのある主要13社がどんな会社なのかを1社ずつ見ていきます。よく検索されるシェアの実態、母体の違い、旧世代から現行品への置き換えまでを会社単位で整理します。製品の仕様はDCS(分散制御システム)のカテゴリページで、用語の整理はDCS(分散制御システム)とはの記事で確認できます。
記載内容は、各社の公式サイトと経済産業省の生産動態統計(日本電気計測器工業会の掲載表)を、編集部が2026年11月5日に確認したものです。日本法人の形態や製品の世代が動く分野のため、検討時には最新の情報を確認してください。比較表はDCSの比較記事、選定の軸はDCSの選び方の記事、費用の見方はDCSの費用の記事にまとめています。
- DCS(分散制御システム)のメーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは、編集部が確認した範囲では見つからなかった(2026年11月5日時点)
- 経済産業省の生産動態統計では、2025年の「プロセス監視制御システム」の生産金額が410億4,200万円で、うち「デジタル計装制御システム」は5,208台・335億8,100万円だが、DCSと同じ範囲かは確認できていない
- 主要13社のうち、価格を公式サイトに載せている会社は確認できなかった(2026年時点)
この記事でわかること
DCS(分散制御システム)の主要メーカー13社【早見表】
DCSの会社には、計測制御の会社のほか、重電・重工の会社や海外の大手もあります。まずは、13社の全体像を一覧で押さえましょう。
- 主要13社のうち、日本に本社・本店を置くのは横河電機・アズビル・富士電機・日立製作所・東芝・三菱重工業とABB日本ベーレーの7社
- 主要13社のうち、海外グループの日本法人として公式ページに載るのは、日本エマソン・日本ハネウェル・Valmet K.K.・シーメンス・ロックウェル・シュナイダーの6社
- 主要13社のうち、価格を公式サイトに載せている会社は確認できなかった
メーカー | 本社/国内の窓口 | 母体となる事業 | 主な製品 | 主な対象・位置づけ |
|---|---|---|---|---|
東京都武蔵野市(本社) | 計測・制御(制御事業が主力) | 大規模プラント/中小規模 | ||
東京都千代田区(本社) | 制御・計測機器、空調制御機器など | 最新DCS/旧システムの更新/現場分散 | ||
東京都品川区(本社) | 電機・制御システム | ハイエンド/中小規模 | ||
東京都千代田区(本社) | デジタル技術とサステナブルなソリューション | 次世代型DCS | ||
神奈川県川崎市(本店) | 会社概要ページに事業の記載なし | 次世代統合制御システム | ||
東京都千代田区(本社) | エナジー、プラント・インフラなど4分野 | 火力発電所などの制御監視 | ||
東京都港区(本社) | オートメーション(6分野) | プロセス産業/発電・水処理 | ||
東京都港区(本社) | 産業プロセスソリューションなど14の事業領域 | 連続・バッチ/専用DCS | ||
静岡県伊豆の国市(本社) | 電力・産業プラント向けの制御 | プロセス・電気・安全を1システムで扱う | ||
東京都品川区(東京拠点) | パルプ・紙・エネルギー向けの設備と自動化 | パルプ・紙・エネルギー産業 | ||
東京都品川区(日本法人) | 産業用AIによる工場の効率化など | 従来型/Webベース | ||
公式ページを取得できず | 公式ページを取得できず | プロセス・電力・安全を単一基盤に統合 | ||
公式ページで確認できず | 電化・自動化・デジタル化のエネルギー技術 | フォールトトレラントなDCS |
表から読み取れる会社の違い
日本に本社を置く会社は、横河電機、アズビル、富士電機、日立製作所、東芝、三菱重工業の6社です。ABB日本ベーレーも本社は静岡県ですが、ABBグループの会社として製品を提供しています。
残る6社は、海外グループの日本法人です。シーメンスやロックウェルのように、日本語ページが機械翻訳の会社もあります。詳しい仕様を英語の資料で確認する場面があります。
価格を公式サイトに載せている会社は確認できない
製品マスタで確認した範囲では、13社とも価格は公式サイトに載っていません(2026年時点)。問い合わせフォームや見積窓口が入口で、構成ごとの見積りが前提です。
DeltaV Flexのように、期間ベースのライセンスで初期投資を抑える方式を案内する例もあります。ただし金額は非公開です。
DCS(分散制御システム)のメーカー別シェアと市場規模
DCSのメーカー別シェアは、確認できませんでした(2026年11月5日時点)。公的機関や業界団体の統計を編集部が調べた範囲では、メーカー別の内訳がありません。そのため、この記事は順位を付けず、一次情報で確認できる会社の情報だけで整理しています。
経済産業省の統計にある近い区分
経済産業省の生産動態統計調査は、鉱工業の生産の動きを毎月調べる基幹統計です。日本電気計測器工業会(JEMIMA)の掲載表に、電気計測器の区分があります。2025年(1〜12月)の「プロセス監視制御システム」は、生産金額が410億4,200万円でした。
その内訳の「デジタル計装制御システム」は、5,208台、335億8,100万円です(2025年1〜12月)。この区分がDCSと同じ範囲かは、品目定義のページを編集部が読めず、確認できていません。
数字で数えられたものと、読み取れないこと
数字で数えられたのは、国内の事業所の生産金額と数量です。2以下の事業所・企業に係る製品は秘匿され、メーカー別の内訳もありません。そのため、この数字は市場全体に近い目安にとどまり、各社の割合は読み取れません。
民間調査会社のレポートを見るときの注意
DCSの市場規模をうたう民間調査会社のレポートは、販売ページで見つかります。ただし多くは世界市場を対象にしていて、DCSに何を含めるかも調査ごとに違います。
本記事では、出典、調査年、調査範囲、数えたものの4点がそろわない数字を使っていません。有料部分の数字も扱っていません。
シェア表記の根拠を確かめる
資料に「シェアNo.1」「納入実績世界一」といった表記があれば、出典を確認する必要があります。見るべき点は、調査機関の名前、調査年、対象範囲、何を数えた数字かの4つです。1つでも欠ける表記は、順位として扱わないほうがよいでしょう。
編集部が読んだ各社の公式ページには、調査会社名つきのシェア表記は確認できませんでした。三菱重工のDIASYSは、3,100以上のプロジェクトに納入したと案内しています(2025年11月現在)。これは自社の納入件数で、市場の割合を示す数字ではありません。
DCS(分散制御システム)メーカーは母体の事業で分かれる
DCSのメーカーは、母体の事業によって、制御装置の考え方や保守の体制が変わります。この記事では、母体の事業と出自をもとに13社を4つのグループに分けて見ていきます。
計測制御・制御機器が主力の国内の会社
横河電機、アズビル、富士電機は、計測制御や制御機器を事業の中心に置く国内の会社です。横河電機の公式ページは、主力の制御事業が分散形制御システムなどを提供すると説明しています。
重電・総合電機・重工が母体の国内の会社
日立製作所、東芝、三菱重工業は、DCS以外にも幅広い事業を持つ国内の大企業です。DCSは事業の一部で、DIASYSのように火力発電所の制御と結びつく製品もあります。
海外発の会社は2つに分かれる
日本エマソン、日本ハネウェル、ABB日本ベーレー、Valmet K.K.は、プロセス産業向けの自動化を扱う海外グループの日本拠点です。
シーメンス、ロックウェル、シュナイダーは、PLCなども含む総合オートメーションを手がける海外グループの日本法人です。
この先はグループごとに見る
次章からは、国内の2グループ、海外の2グループの順に見ていきます。会社の数は、順に3社、3社、4社、3社です。グループ内の並びは、順位ではありません。
計測制御・制御機器が主力の国内メーカー3社
横河電機、アズビル、富士電機は、計測制御や制御機器を事業の中心に置く国内の会社です。ここでは、会社の素性と、製品の世代や規模の違いを見ていきます。
- 3社とも、大規模向けの製品と、中小規模向けの製品を分けて提供している
- アズビルは、Harmonas-DEO、Advanced-PS、Harmonas-FLeXの3製品を提供している
- 3社とも、価格は公式の製品ページに載っていない
横河電機株式会社
横河電機は1920年12月1日の設立で、本社は東京都武蔵野市中町にあります。資本金は434億105万円、連結従業員数は18,313人です(2026年3月末現在)。公式ページは、主力の制御事業が分散形制御システムなどを提供すると説明しています。
CENTUM VPは、演算の結果を照合するペア&スペア方式で、大規模プラント向けの構成が中心です。STARDOMは中小規模向けで、DCS専用の運転員卓やアラーム管理規格の記載は製品ページにありません。
アズビル株式会社
アズビルは1906年12月1日の創業、1949年8月22日の設立です。本社は東京都千代田区丸の内で、プライム市場に上場しています。資本金は105億2,271万6,817円、連結従業員数は9,170名です(2026年3月31日現在)。
Harmonas-DEOは、3つのCPUが同期し、2 out of 3で出力する3重化構成です。Advanced-PSはTDCS3000の更新向けで、Harmonas-FLeXは現場分散向けです。FLeXの冗長化はEthernetインタフェースに限られます。
富士電機株式会社
富士電機は1923年8月29日の設立で、本社は東京都品川区大崎にあります。証券コードは6504です。資本金は47,586,067,310円、従業員数は26,955名です(2026年3月31日現在)。
MICREX-NXは、システムの全レベルで冗長化でき、切り替えは30msです。製品ページの更新情報は2020年3月で止まり、最新の版は読み取れません。MICREX-VieW XXは中小規模向けで、タグ数などの規模の記載はありません。
重電・総合電機・重工が母体の国内メーカー3社
日立製作所、東芝、三菱重工業は、DCS以外にも幅広い事業を持つ国内の大企業です。ここでは、会社の素性と、規模や用途の限定条件を見ていきます。
- 3社のうち、システム規模の上限を製品ページに数字で載せているのは、日立製作所と東芝
- 東芝のCIEMAC VSは、2024年7月17日に発売された
- 三菱重工業のDIASYSは、3,100以上のプロジェクトに納入された(2025年11月現在)
株式会社日立製作所
日立製作所は1920年2月1日の設立で、創業は1910年です。本社は東京都千代田区丸の内にあり、資本金は466,666百万円、連結従業員数は287,901名です(2026年3月末現在)。
HIDIC-AZ/SP G2は、日立が次世代型DCSと位置づけるシステムです。サーバや制御LAN、PCSを二重化でき、ISA SP88に沿ったバッチ製造にも対応します。PCSは最大32台、監視TAGは65,535点までです。
株式会社東芝
東芝の創業は1875年7月で、本店は神奈川県川崎市幸区堀川町にあります。資本金は2,014億4,900万円、連結従業員数は94,051名です(2026年3月31日現在)。
CIEMAC VSは、2024年7月17日に発売された次世代の統合制御システムです。コントローラーとリモートI/Oを二重化できます。管理できるタグ数は1システムで8,000タグ、操作監視HMIのOI-VS10は最大14台の接続です。
三菱重工業株式会社
三菱重工業は1884年7月7日の創立、1950年1月11日の設立です。本社は東京都千代田区丸の内にあり、資本金は2,656億円、連結従業員数は78,793人です(2026年3月31日現在)。
DIASYS Netmationは2000年の発売で、火力発電所のほか、工場管理システムやLNG船にも使われます。SIL3対応の上位機4Sは2024年で提供を終了しました。化学や食品の事例は、公開情報が少なめです。
プロセス産業向けの自動化を扱う海外発のメーカー4社
日本エマソン、日本ハネウェル、ABB日本ベーレー、Valmet K.K.は、プロセス産業向けの自動化や制御を扱う海外グループの日本拠点です。ここでは、日本での提供元の素性と、用途の限定条件を見ていきます。
- 日本ハネウェルの公式資料(2025年8月版)に載る法人は、2025年3月3日設立の合同会社
- ABB日本ベーレーは、1971年にBailey Controls社と極東貿易の合弁として設立された
- 日本エマソンは、公式ページで設立年と資本金を確認できなかった
日本エマソン株式会社
日本エマソンの本社は、東京都港区芝浦のシーバンスN館17階です。公式ページは、エマソンの事業をオートメーションシステムや計測機器など6分野で案内しています。設立年や資本金は、公式ページで確認できませんでした。
DeltaVは、化学や石油精製、ライフサイエンスなどで使われ、バッチと連続の両方に対応します。Ovationは発電と上下水処理向けです。DeltaVはタービン制御などが主な対象ではありません。
日本ハネウェル合同会社
日本ハネウェル合同会社は、2025年3月3日の設立です。本社は東京都港区海岸のニューピア竹芝サウスタワー20階で、従業員数は150名です(2025年8月版の公式資料)。資本金は9,010万円で、出資者はHoneywell North Atlantic Holdingsです。
Experion PKSは、C300コントローラーが連続・バッチ両方のプロセスに対応します。Experion LXは、PKSの技術をもとにした専用のDCSです。日本語ページは概要が中心で、規模の数値はカタログで確認します。
ABB日本ベーレー株式会社
ABB日本ベーレーは、1971年にBailey Controls社と極東貿易の合弁で、日本ベーレー株式会社として設立されました。1999年にABBグループとなり、2008年に現在の社名になりました。本社は静岡県伊豆の国市原木です。
System 800xAは、プロセス・電気・安全を1つのシステムで扱うDCSです。長期サポート版の7.0は、Ethernet-APL機器の統合などを加えました。日本での実績は電力・産業プラントが中心で、価格や規模別の構成例は公開されていません。
Valmet K.K.
Valmet K.K.は、フィンランドのエスポーに本社を置くValmetの日本法人です。東京拠点は品川区東品川にあり、オートメーションの営業とサービスを担います。公式ページでは、パルプや製紙、エネルギーの営業機能も同じ拠点に載っています。
DNAeは、制御・分析・構成・保守に共通のユーザーインターフェースを持つ、Webベースの次世代DCSです。前世代のDNAからの更新を想定しています。主な対象はパルプ・紙・エネルギー産業で、国内の導入事例は載っていません。
総合オートメーションを手がける海外グループのメーカー3社
シーメンス、ロックウェル、シュナイダーエレクトリックは、PLCや産業用ソフトウェアも含む総合オートメーションを手がける海外グループです。ここでは、日本での提供元の素性と、日本語で読める情報の範囲を見ていきます。
- シーメンスは、PCS 7とPCS neoの2製品を提供している
- ロックウェルは、公式の会社ページを編集部の確認時に取得できず、会社概要の数字を扱っていない
- シュナイダーの提供元は、2017年9月1日に株式会社デジタルと合併して業務を引き継いだ会社である
シーメンス株式会社
シーメンス株式会社は、東京都品川区大崎のゲートシティ大崎ウエストタワーに本社を置く日本法人です。日本では1887年に、シーメンスの東京事務所を開設しています(会社プレゼンテーション)。設立年や資本金は、公式資料で確認できませんでした。
SIMATIC PCS 7は、V10.0でNIS2に沿ったサイバーセキュリティなどを加えました。SIMATIC PCS neoはWebベースの新しいDCSです。日本語ページは自動翻訳のため、詳しい仕様は英語資料で確認します。
ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社
ロックウェル オートメーション ジャパンは、PlantPAxなどを提供する日本法人です。公式の会社ページを編集部の確認時に取得できなかったため、所在地や設立年、資本金は書いていません。
PlantPAxは、プロセス制御とディスクリート制御、電力、情報、安全を単一の基盤に統合します。日本語サイトはAIによる翻訳で、正式な文章は英語版という扱いです。実装は、システムインテグレーターが担う場合があります。
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
シュナイダーエレクトリックホールディングスは、2017年9月1日に株式会社デジタルと合併し、業務を引き継ぎました。株式会社デジタルは、1972年に大阪府八尾市で設立された会社です。グループは、100か国以上で約16万人の従業員を抱えます。
EcoStruxure Foxboro DCSは、旧称がFoxboro Evo Process Automation Systemです。現場設置型のFCP280は、2台を並列に動かす構成を選べます。詳しい仕様資料は英語で提供され、日本語で読める仕様は少なめです。
DCS(分散制御システム)メーカーの提供元と製品名の変遷
DCSの分野では、日本法人の形が変わった会社や、ブランド名と法人名が一致しない会社があります。旧世代から現行品へ置き換えが進んでいる製品も目立ちます。
日本ハネウェルは法人の形が変わった
日本ハネウェルの公式の会社概要ページには、日本ハネウェル株式会社(2004年4月19日設立、従業員215名)が載っています。一方、2025年8月版の公式資料では、2025年3月3日設立の日本ハネウェル合同会社が、同じ住所の法人として載っています。
同資料では、日本ハネウェル株式会社はアドバンスト・マテリアルズ事業(2025年8月に分社化)を担う別の法人です。製品マスタの提供元は合同会社に合わせています。契約や問い合わせでは、法人名を確認してください。
ブランド名と社名が変わった例
シュナイダーのFoxboro DCSは、旧称がFoxboro Evo Process Automation Systemです。提供元のシュナイダーエレクトリックホールディングスは、2017年9月1日に株式会社デジタルと合併した会社でもあります。
ABB日本ベーレーは、1971年に日本ベーレー株式会社として設立され、2008年に現在の社名になりました。旧社名の資料が残っている場合があるため、公式ページの社名で確認しましょう。
旧世代から現行品への置き換え
横河電機のCENTUM VPは、CENTUM CS 3000やCS 1000などから段階的に更新できます。アズビルのAdvanced-PSはTDCS3000の資産を生かす更新向けで、新規の導入は最新DCSのHarmonas-DEOが候補になります。
ValmetのDNAeは、前世代のDNAから更新しやすい設計です。三菱重工業のDIASYS Netmation 4Sは2024年で提供を終了しており、SIL対応が必要な場合は別システムの相談になります。
DCS(分散制御システム)メーカーが想定している企業規模
各社が想定する企業規模は、製品マスタの設定から読み取れます。想定する規模は、編集部が公開情報をもとに、2026年10月時点で製品ごとに付けたものです。
小さく始めやすい会社
小規模・中規模の両方を想定するのは、次の3製品です。横河電機のSTARDOM、アズビルのHarmonas-FLeX、富士電機のMICREX-VieW XXが該当します。ロックウェルのPlantPAxは、小規模から大規模まで想定しています。
ハネウェルのExperion LXは、中規模を想定した専用のDCSです。いずれも、同じ会社の大規模向けの製品とは別に用意されています。
大規模向けの会社
大規模を想定する製品は、次のとおりです。横河電機のCENTUM VP、アズビルのAdvanced-PS、ハネウェルのExperion PKS、シュナイダーのFoxboro DCS、ABBのSystem 800xAの5製品です。
残る製品は、中規模から大規模を想定しています。東芝のCIEMAC VSは1システムのタグ数に、日立のHIDIC-AZ/SP G2はPCSの台数に上限があります。
差が小さい点
工程管理の評価は、アズビルのHarmonas-FLeXの3を除くと、すべて4か5です。DCSは連続運転を前提にするため、この項目は会社の規模を分ける材料になっていません。
評価は編集部が公開情報から付けたもので、実際の使いやすさを保証するものではありません。会社をまたいだ順位づけにも使えないため、自社のプラント規模と見比べる目安にとどめてください。
DCS(分散制御システム)メーカーを調べるときの注意点
DCSのメーカーは、ブランド名と法人名が一致しないことがあります。価格の扱いや、日本語の公式ページで確かめられる範囲にも差があります。
ブランド名と提供元の法人名は一致しない
CENTUMは横河電機、DeltaVは日本エマソン、Experionは日本ハネウェル合同会社が提供しています。PlantPAxはロックウェル オートメーション ジャパン、DNAeはValmet K.K.の製品です。
Foxboro DCSの提供元は、シュナイダーエレクトリックホールディングスです。問い合わせや見積では、製品名と型式、提供元の法人名をそろえて伝えると、食い違いを避けられます。
価格は見積りが前提になる
13社とも、価格は公式サイトに載っていません(2026年時点)。構成によって金額が変わるため、見積りを依頼してから比較することになります。
DeltaV Flexは期間ベースのライセンスで初期投資を抑える方式ですが、金額は非公開です。STARDOMには保守契約のメニューがありますが、金額は公開されていません。
日本語の公式ページで確かめられる範囲に差がある
シーメンスの日本語ページは自動翻訳で、ロックウェルの日本語サイトはAIによる翻訳です。シュナイダーのFoxboro DCSは、詳しい仕様資料が英語で提供されています。
ロックウェルの公式の会社ページは、編集部の確認時に取得できませんでした。富士電機のMICREX-NXは、製品ページの更新情報が2020年3月で止まっています。最新の仕様は各社に確認してください。
まとめ|DCS(分散制御システム)メーカーの全体像
DCS(分散制御システム)の主要13社は、国内7社と海外6社に分かれます。国内は、計測制御が主力の3社と、重電・総合電機・重工が母体の3社、それにABB日本ベーレーです。海外は、プロセス産業向けの3社と、総合オートメーションの3社です。メーカー別のシェアは、確認できた範囲では公表されていません。経済産業省の生産動態統計にある近い区分も、DCSと同じ範囲かは確認できていません。価格を公式サイトに載せる会社は確認できず、見積りが前提です。ブランド名と法人名が異なる例や、法人の形が変わった例もあるため、公式の会社情報で提供元を確かめましょう。
DCS(分散制御システム)のおすすめ製品
横河電機 CENTUM VP
横河電機株式会社
段階更新に対応する横河電機のDCS
Honeywell Experion PKS
日本ハネウェル合同会社
Honeywellの統合型DCS
アズビル Harmonas-DEO
アズビル株式会社
3重化コントローラーDOPC IVを持つアズビルの最新DCS
日立 HIDIC-AZ/SP G2
株式会社日立製作所
電気・計装・計算機制御を1台で処理
ABB System 800xA
ABB日本ベーレー株式会社
プロセス・電気・安全を統合するDCS
富士電機 MICREX-NX
富士電機株式会社
全レベル冗長化のハイエンド制御システム
DCS(分散制御システム)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 横河電機 CENTUM VP | 横河電機株式会社 | 要見積もり | 段階更新に対応する横河電機のDCS | 詳細を見る | |
| Honeywell Experion PKS | 日本ハネウェル合同会社 | 要見積もり | Honeywellの統合型DCS | 詳細を見る | |
| アズビル Harmonas-DEO | アズビル株式会社 | 要見積もり | 3重化コントローラーDOPC IVを持つアズビルの最新DCS | 詳細を見る | |
| 日立 HIDIC-AZ/SP G2 | 株式会社日立製作所 | 要見積もり | 電気・計装・計算機制御を1台で処理 | 詳細を見る | |
| ABB System 800xA | ABB日本ベーレー株式会社 | 要見積もり | プロセス・電気・安全を統合するDCS | 詳細を見る | |
| 富士電機 MICREX-NX | 富士電機株式会社 | 要見積もり | 全レベル冗長化のハイエンド制御システム | 詳細を見る | |
| Emerson DeltaV | 日本エマソン株式会社 | 要見積もり | スキッドから大規模まで拡張できるDCS | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC PCS 7 | シーメンス株式会社 | 要見積もり | GMP対応の監査証跡を持つDCS | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC PCS neo | シーメンス株式会社 | 要見積もり | 完全Webベースの分散制御システム | 詳細を見る | |
| Valmet DNAe | Valmet K.K. | 要見積もり | パルプ・紙・エネルギー向けDCS | 詳細を見る | |
| Honeywell Experion LX | 日本ハネウェル合同会社 | 要見積もり | 連続・バッチ向けの中規模DCS | 詳細を見る | |
| 東芝 CIEMAC VS | 株式会社東芝 | 要見積もり | Web HMIの統合制御システム | 詳細を見る | |
| Rockwell Automation PlantPAx | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | EtherNet/IPベースのDCS | 詳細を見る | |
| Schneider Electric EcoStruxure Foxboro DCS | シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 | 要見積もり | フォールトトレラントなDCS | 詳細を見る | |
| 富士電機 MICREX-VieW XX | 富士電機株式会社 | 要見積もり | 中小規模の監視制御システム | 詳細を見る | |
| 三菱重工 DIASYS Netmation | 三菱重工業株式会社 | 要見積もり | D-Ringネットワークの分散制御システム | 詳細を見る | |
| Emerson Ovation | 日本エマソン株式会社 | 要見積もり | 発電・上下水処理向けの分散制御システム | 詳細を見る | |
| アズビル Advanced-PS | アズビル株式会社 | 要見積もり | 既存資産を生かせる運転監視制御システム | 詳細を見る | |
| 横河電機 STARDOM | 横河電機株式会社 | 要見積もり | 中小規模向けの計装システム | 詳細を見る | |
| アズビル Harmonas-FLeX | アズビル株式会社 | 要見積もり | 分散コントローラーの小規模システム | 詳細を見る |
よくある質問
QDCS(分散制御システム)の主要メーカーはどこですか?
本記事では13社を取り上げています。国内は、計測制御が主力の横河電機・アズビル・富士電機と、日立製作所・東芝・三菱重工業・ABB日本ベーレーです。海外は、日本エマソン・日本ハネウェル・Valmet K.K.と、シーメンス・ロックウェル・シュナイダーエレクトリックです。
QDCSのメーカー別シェアはどこで分かりますか?
メーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした(2026年11月5日時点)。経済産業省の生産動態統計には、2025年の「プロセス監視制御システム」が410億4,200万円、うち「デジタル計装制御システム」が335億8,100万円とあります。ただしDCSと同じ範囲かは未確認で、メーカー別の内訳もありません。
QDCSの価格を公式サイトで公開しているメーカーはありますか?
製品マスタで確認した範囲では、主要13社とも価格を公式サイトに載せていません(2026年時点)。構成ごとの見積りが前提で、問い合わせフォームや窓口から依頼します。DeltaV Flexのように期間ベースのライセンスを案内する例もありますが、金額は非公開です。
Q提供元の会社や名称が変わったDCSはありますか?
日本ハネウェルは、2025年8月版の公式資料で2025年3月3日設立の合同会社が載る一方、公式の会社概要ページには株式会社の記載が残っています。Foxboro DCSは旧称がFoxboro Evo Process Automation Systemで、提供元のシュナイダーエレクトリックホールディングスは2017年に株式会社デジタルと合併しました。
QDCSのメーカーを調べるときに取り違えやすい点は何ですか?
ブランド名と提供元の法人名が一致しない点です。CENTUMは横河電機、DeltaVは日本エマソン、Experionは日本ハネウェル合同会社が提供しています。また、シーメンスやロックウェルは日本語ページが翻訳で、詳しい仕様は英語資料で確認します。富士電機のMICREX-NXのように、製品ページの更新が止まっている例もあります。
