おすすめのPLCプログラミングソフトを比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!
PLCプログラミングソフトの主要20製品を、対応PLC、対応言語、シミュレーション、統合環境、ライセンスの5つの比較項目で整理。価格の公開状況や費用の内訳、企業の特徴ごとの選定ポイントまで解説します。

PLCプログラミングソフトは、PLC(シーケンサー)の制御プログラムを作成し、PLC本体へ書き込むソフトウェアです。書き込みのあとは、運転中のモニタやデバッグにも使います。対応するPLCや言語、シミュレーション機能、ライセンスの考え方は製品ごとに異なります。この記事では、製品ページのある主要20製品を同じ評価軸で並べました。基礎知識から選び方、費用の考え方までを整理します。
三菱電機のPLCでシーケンスとモーションをまとめて設計するなら:三菱電機 GX Works3が候補
費用を抑えて、複数メーカーの機器を同じ環境で扱うなら:基本版が無償のBeckhoff TwinCAT 3 Engineeringや、初期費用のかからないWAGO CODESYS V3が候補
装置全体を立ち上げ前に仮想環境で検証するなら:オムロン Sysmac StudioやSiemens SIMATIC S7-PLCSIM Advancedが候補
小型PLCのラダーを手早く作るなら:パナソニック Control FPWIN GR7やIDEC WindLDRが候補
PLCプログラミングソフトは、使っているPLCのメーカーとシリーズに対応しているかを、最初に確認すると比べやすくなります。基礎から知りたい方はPLCプログラミングソフトとはの記事、製品全体はPLCプログラミングソフトのカテゴリページもご覧ください。
この記事でわかること
PLCプログラミングソフトの基礎知識
PLCプログラミングソフトは、制御手順を記述し、動作を確かめるためのソフトです。まず、役割と対応言語、検証の仕組みを押さえましょう。
制御プログラムを作って書き込む役割
PLCは、入力された信号に応じて設備を決められた手順で動かす制御装置です。その手順を記述するのが、PLCプログラミングソフトの役割です。
作成したプログラムはPLCへ書き込み、運転中のモニタやデバッグにも使います。既存プログラムの改造や、モーション・安全・HMIの設定まで扱える製品もあります。
ラダー図とIEC 61131-3の言語
制御手順は、ラダー図をはじめとするIEC 61131-3の言語で記述します。LD、FBD、ST、IL、SFCの5言語が規格の対象です。
製品により、使える言語は異なります。ラダー中心の製品もあれば、5言語とCFCに対応する製品もあります。既存の資産を生かせるかも、あわせて確認が必要です。
シミュレーションとデバッグ
オフラインのシミュレーションなら、実機がなくても動作を確かめられます。立ち上げ前に不具合を見つけやすい点が利点です。現場での調整の手間の軽減にもつながるでしょう。
PC上でPLCを再現する専用ソフトは、別製品として提供される場合があります。3Dモデルと連動し、装置全体を検証できる製品もある点が特徴です。
編集部メモ:開発環境には、PLCメーカー純正のものと、複数メーカー対応のものがあります。まず自社のPLCの構成を整理しておくと、比較しやすくなります。
PLCプログラミングソフトの基本的な選び方
PLCプログラミングソフトを選ぶ際には、対応するPLCを最初に確認することが重要です。そのうえで、言語や検証機能、ライセンスの条件を比べます。次の4つの観点で整理しましょう。
対応するPLCの機種とメーカーを確認する
プログラミングソフトは、対応するPLCの機種が決まっています。同じメーカーでも、世代によって使うソフトが分かれる場合があります。
他社のPLCも扱いたいときは、複数メーカーに対応する開発環境が候補です。購入前に、対応機種の一覧を公式の資料で確かめましょう。
使える言語と既存資産の引き継ぎを確認する
社内で使い慣れた言語で書けるかを確認します。ラダーだけで足りる現場もあれば、STやFBDも使いたい現場もあります。
旧機種のプログラムを引き継ぐ場合は、取り込みの可否も確認点です。PLCopen XMLのように、他のツールとやり取りできる形式の有無も見ておきましょう。
シミュレーションとデバッグの機能を確認する
シミュレーションやオンラインモニタ、トレースなどの機能を確認します。実機なしで検証できれば、立ち上げ前に不具合を見つけられる点が利点です。
検証の機能がソフトに含まれるか、別売かは製品で異なります。シミュレータを別製品で提供するメーカーもあるため、構成を確かめましょう。
ライセンスの形態と価格の公開状況を確認する
ライセンスには、サイトライセンスやユーザー数ごとの契約などがあります。無償で使える製品がある一方、価格を公開しない製品も多くあります。
体験版やトライアルの有無、動作するWindowsの条件も判断材料です。選定の進め方はPLCプログラミングソフトの選び方の記事も参考にしてください。
PLCプログラミングソフトの比較項目
製品を並べるときは、同じ物差しを当てる必要があります。PLCプログラミングソフトで見る項目は次の5つです。互いに関連するので、まず表で全体像をつかみましょう。
比較項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
対応するPLC機種とメーカー | 自社のPLCのシリーズと世代が対象に入っているか。複数メーカーを扱えるか |
対応言語 | ラダー、ST、FBD、SFC、ILのうち何が使えるか。変数やFBで部品化できるか |
シミュレーション・デバッグ機能 | 実機なしの検証ができるか。トレースや異常時の再現機能があるか。別売か |
モーション・安全・HMIとの統合 | サーボや安全、表示器の設定まで同じ環境で行えるか。ツールが分かれるか |
ライセンス体系と価格の公開状況 | 買い切りかサブスクリプションか。標準価格が公開されているか。体験版の有無 |
対応するPLC機種とメーカー
ソフトが書き込めるPLCの範囲を比べる項目です。特定のシリーズに限る製品と、複数メーカーを扱う製品があります。
同じメーカーでも、新旧の機種で別のソフトを使う場合があります。対象のCPUや世代まで、仕様書で確かめましょう。
対応言語
ラダー、ST、FBD、SFC、ILのうち、何が使えるかを比べます。5言語を組み合わせて書ける製品もあれば、ラダー中心の製品もあります。
言語の数だけでなく、変数やファンクションブロックで部品化できるかも見どころです。CFCに対応する製品もあります。
シミュレーション・デバッグ機能
実機なしの動作確認と、運転中の不具合調査に使う機能を比べる項目です。ソフト内蔵のシミュレーション、オンラインモニタ、トレースなどがあります。
シミュレータが別製品や別売のオプションである場合もあります。異常時の状態を記録して再現できる製品もあるため、含まれる範囲を確かめましょう。
モーション・安全・HMIとの統合
モーションや安全、HMIの設定まで、同じ環境で行えるかを比べる項目です。1つの環境にまとまっていれば、ツールの切り替えが減ります。
一方で、用途ごとにツールが分かれる製品もあります。サーボの設定ソフトや、表示器の作画ソフトが同梱されるかも確認点です。
ライセンス体系と価格の公開状況
買い切りか、フローティングやサブスクリプションかといった、契約の形を比べます。標準価格を公開する製品と、問い合わせが前提の製品があります。
税の表記が製品ごとに異なる点にも注意が必要です。体験版や評価用ライセンスの有無と期間も、導入前の確認項目です。
自社に合ったPLCプログラミングソフトの選定ポイント
比較項目のどこに重点を置くかは、自社の状況で変わります。企業の特徴ごとに、確認する順番を整理しました。自社に近いものから読んでください。
特定メーカーのPLCで設備をそろえている企業
三菱電機やオムロン、キーエンスなど、1社のPLCで設備を組んでいる企業です。そのPLC向けの純正の開発環境が、基本の選択肢になります。
最初に確認したいのは、現場のPLCの世代が対象に含まれるかです。例えばGX Works3は、従来機種には同梱の旧ツールを使い分けます。
複数メーカーが混在する、または費用を抑えて始めたい企業
設備ごとにPLCのメーカーが異なる工場や、まず費用をかけずに評価したい企業です。複数メーカーに対応するIEC 61131-3準拠の開発環境が候補になります。
WAGO CODESYS V3は、IDEとライセンスに初期費用がかからないと案内されています。ただし、対象のハードウェアの確認が欠かせません。
モーションやロボットを含む装置を事前に検証したい企業
サーボやロボットを含む装置を、実機の前に検証したい企業です。3Dモデルと連動するシミュレーションや、仮想のコントローラーが判断材料になります。
Sysmac Studioの3Dシミュレーションは、別売のオプションです。S7-PLCSIM Advancedも、STEP 7とは別のライセンスが要ります。必要な検証の範囲を満たすか、見積もりの前に確認しましょう。
小型PLCのラダーを手早く作りたい企業
専任のプログラマがいなくても、小型装置のラダーを作りたい企業です。アイコン中心の操作や、案内に沿った命令入力など、入力を助ける機能が役立ちます。
WindLDRのアイコン操作や、FPWIN GR7の命令NAVIが一例です。GR7はサイトライセンスのため、使う人数に合う契約かを確かめましょう。
複数人でプログラムを分担して開発する企業
大規模な設備で、複数の設計者がプログラムを分けて開発する企業です。POUやワークシート単位の分割と、バージョン管理との連携が判断材料です。
SX-Programmer Expertは、POU単位で作業を分担できます。TwinCAT 3は、ソース管理システムと接続できます。Sysmac StudioのGit連携は別売です。
PLCプログラミングソフトの費用相場
PLCプログラミングソフトの費用は、ライセンスの形態と、シミュレータなどの追加分で変わります。製品ページのある20製品のうち、2026年時点で価格を公開しているのは8製品です。残りの12製品は、問い合わせで確認する必要があります。
費用の内訳 | 費用を左右する要因 | 公開されている目安(2026年時点) |
|---|---|---|
ソフトウェア本体のライセンス | 買い切りかサブスクリプションか。サイトライセンスかユーザー数ごとか。エディションの違い | 無償の製品が2つある。有償では、税別46,600円、消費税を含まず121,000円、税別150,000円、税抜182,000円の例がある |
オプションのライセンス | 3Dシミュレーション、チーム開発、安全プログラム用の追加ライセンスなど | 公開なし |
シミュレータなどの別製品 | PC上でPLCを再現する検証用ソフトが、別製品や別売である場合 | 公開なし |
最新版への更新 | 購入者の登録で最新版を入手できるか。更新の条件 | 購入者の登録で最新版を無償で入手できる製品がある |
体験・評価 | 体験版や評価用ライセンスの有無と期間 | 体験版を案内する製品や、21日間・90日間の評価用ライセンスを案内する製品がある |
公開価格は税区分が製品ごとに異なり、そのまま比べられません。シミュレータやオプション、複数ユーザー分のライセンスを足すと、総額は表の数字より大きくなります。構成を決めて見積もりを取る際は、PLCプログラミングソフトの費用相場の記事も参考にしてください。
【比較表】PLCプログラミングソフトのランキング
製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。工程管理・設備保全・現場での使いやすさ・中小適合の4つを、5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順で、同点は残りの評価軸の順に比べました。
順位は、製品の優劣を示すものではありません。シミュレータ専用の製品も含むため、役割の違いは次の章で確認してください。
順位 | 製品 | 提供元 | 工程管理 | 設備保全 | 現場での使いやすさ | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ベッコフオートメーション株式会社 | 4 | 4 | 3 | 5 | 基本版は無償(公式に「The basic version of TwinCAT 3 Engineering is free of charge」と記載)。必要ライセンスはTC1000。C++の開発にはフル版のVisual Studioが別途必要 | |
2 | ワゴジャパン株式会社 | 4 | 3 | 3 | 5 | 公式に「IDEソフトウェアやライセンスに初期費用はかからない」と記載(無償) | |
3 | パナソニック インダストリー株式会社 | 4 | 3 | 3 | 5 | 公式の製品ページの標準価格。AFPSPR7A(FPシリーズ全機種、FP7は暗号化設定機能のないCPUのみ)46,600円(税別)。AFPSPR7ASは価格の記載なし | |
4 | パナソニック インダストリー株式会社 | 3 | 4 | 4 | 5 | 公式の製品ページの標準価格。日本語版(AFPSGR7JP)46,600円(税別)。FP7のセキュリティ強化CPUにも対応するAFPSGR7JPSと英語版も同じ46,600円(税別)。サイトライセンス | |
5 | 株式会社キーエンス | 4 | 5 | 5 | 4 | 公式の製品ページの価格。KV STUDIO Ver.12 日本語版(KV-H1J-DL)182,000円(税抜)。Global版(KV-H1G-DL)も同額 | |
6 | 三菱電機株式会社 | 4 | 4 | 4 | 4 | 公式の仕様ページの標準価格。SW1DND-GXW3-JCE(日本語版・サイトライセンス・ダウンロード版)150,000円(税別)。体験版あり | |
7 | 富士電機株式会社 | 4 | 3 | 3 | 4 | 公式のMICREX-SX SPH希望小売価格表。NP4H-SEDBV3(Expert(D300win)バージョン3・和文/英文)121,000円(消費税含まず) | |
8 | 富士電機株式会社 | 3 | 4 | 4 | 4 | 公式のMICREX-SX SPH希望小売価格表。NP4H-SWN(Standard・和文/英文)121,000円(消費税含まず) | |
9 | IDEC株式会社 | 3 | 3 | 5 | 4 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。Automation Organizer(SW1A-W1C)として提供 | |
10 | シーメンス株式会社 | 5 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。Basic(S7-1200専用)・Professional・Professional Comboのフローティングライセンス、21日間有効のトライアルライセンスあり | |
11 | オムロン株式会社 | 5 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。Full・Lite等のエディション、1〜50ユーザーとサイトライセンス、3Dシミュレーション・チーム開発のオプションあり | |
12 | 株式会社ジェイテクト | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。FBライブラリの編集制限にはオプションのセキュリティツールが必要 | |
13 | 株式会社日立産機システム | 4 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
14 | 横河電機株式会社 | 3 | 4 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
15 | オムロン株式会社 | 3 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。Full Edition 3ユーザーライセンス(CXONE-AL03-EV4)等あり、ライセンスなしのメディアのみ製品もある | |
16 | 横河電機株式会社 | 3 | 4 | 3 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。Webダウンロードで提供 | |
17 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。エディションは注文ガイドで選択、ソフトウェアのサブスクリプションもある | |
18 | 株式会社東芝 | 4 | 4 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。購入者はお客様登録で最新版を無償で入手可能 | |
19 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 4 | 3 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。注文オプションのページと販売窓口で案内 | |
20 | シーメンス株式会社 | 4 | 3 | 3 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。STEP 7のオプションライセンス(S7-1500/ET 200SP CPUシリーズ専用)。90日間の評価用ライセンスあり |
PLCプログラミングソフトの主要製品の詳細
ここからは表に挙げた20製品を、順位の並びのまま見ていきます。強みだけでなく、向かないケースもあわせて示しました。自社のPLCと検証したい範囲に照らして読み進めてください。
Beckhoff TwinCAT 3 Engineering
基本版は公式に無償と案内されている、Visual Studio統合の開発環境です。IEC 61131-3の言語とCFCに加え、C++も同じ環境で扱えます。PLCだけなら、無償のVisual Studio Shellで足ります。
C++の開発には、フル版のVisual Studioが別途必要です。対応OSはWindows 10・11となっています。国内メーカーのPLC本体を扱う用途には向きません。PC制御でIEC言語とC++を組み合わせたい場合に適しています。
WAGO CODESYS V3
IDEとライセンスに初期費用がかからないと、公式に案内されています。異なるメーカーのハードウェアを、同じIDEで扱えます。Modbus・EtherCAT・EtherNet/IPの接続に対応する点も特徴です。
PFC200G2で使うには、ファームウェアの更新が必要です。e!COCKPITのプロジェクトは、移行ガイドに沿った移行作業を要します。国内メーカー純正の操作感を求める場合には向きません。
パナソニック FPWIN Pro7
IEC 61131-3準拠でPLCopen認定を受けた、FPシリーズ用のソフトです。ラダー(LD)、ST、SFCを使い分けられます(英語版ページはIL・FBDを含む5言語)。変数でデバイスアドレスを抽象化するため、機種を変えてもプログラムを変更しなくて済む点が特徴です。
標準価格は税別46,600円で、FPシリーズの全機種に対応します。ただしFP7は、暗号化設定機能のないCPUが対象です。暗号化のあるCPUには、AFPSPR7ASを選びます。従来のラダー中心の操作感なら、GR7が選択肢です。
パナソニック Control FPWIN GR7
命令NAVIで応用命令を案内どおりに入力でき、コメントはCSVで一括編集できます。サイトライセンスのため、同一サイト内の全ユーザー・PCで使えます。
標準価格は日本語版で税別46,600円です。FP-eなどの旧機種には非対応で、機種によってはニーモニックラダーも使えません。変数やFBを中心に書きたい場合は、Pro7が選択肢です。
キーエンス KV STUDIO
PLCの設定とサーボの設定を、1つのソフトで完結できます。500以上のFB/FUNや命令語も、最初から使えます。ドライブレコーダとリプレイで、異常発生時の状態を後から再現できる点も特徴です。
Ver.12の日本語版は、税抜182,000円です。対象はKVシリーズに限られ、Windows 11・10で動作します。ディスクの空きは6400MB以上が必要です。複数メーカーのPLCを1つで扱いたい場合には向きません。
三菱電機 GX Works3
ユニット構成図やユニットラベルを使い、部品を選ぶ操作を中心にプログラムを組めます。シンプルモーションの設定やサーボ調整、シミュレーションも同じツールで行えます。
日本語版のサイトライセンス(ダウンロード版)は、税別150,000円です。対象はiQ-RやiQ-Fなどで、従来機種には同梱の旧ツールを使い分けます。他社PLCも同じツールで扱いたい場合には向きません。
富士電機 SX-Programmer Expert(D300win)
IEC 61131-3の5言語を組み合わせて書ける、MICREX-SX用のツールです。POUやワークシート単位で分割でき、複数の設計者で分担して開発できます。
内蔵のシミュレーション機能で、実機なしに動作を確かめられます。希望小売価格は、消費税を含まず121,000円です。対応CPUの詳細はマニュアルでの確認が必要で、他社PLCには使えません。
富士電機 SX-Programmer Standard
パソコンローダの操作感でラダー・ST・FBDを書ける、MICREX-SX用のツールです。MICREX-FやFLEX-PCのプログラムとコメントも、再利用できます。
ガイダンス表示やキーワード検索、レジューム機能、シミュレーション機能を備えています。希望小売価格は、消費税を含まず121,000円です。SFCやILを使う場合は、Expertを選ぶ必要があります。
IDEC WindLDR
アイコン中心の操作でラダーを組め、シミュレーションとオンラインモニタでデバッグできます。Automation Organizerとして提供され、表示器の作画ソフトも同梱されます。
価格は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。FBDはSmartAxis用に限られ、対応PLCの一覧も製品ページにありません。IDECの小型PLCを手早く扱いたい場合に適しています。
Siemens SIMATIC STEP 7(TIAポータル)
S7-1200からS7-1500までを共通の環境で設計し、プログラムとライブラリを使い回せます。PLCとHMIの変数を共有でき、S7-PLCSIMとWinCC Basicも標準で含まれます。
BasicはS7-1200専用で、S7-1500やGRAPHにはProfessionalが必要です。価格は掲載がなく、21日間のトライアルが用意されています。他社PLCも同じツールで扱いたい場合には向きません。
オムロン Sysmac Studio
ロジック・モーション・ロボット・安全・ビジョン・HMIの設定を、1つの環境で扱えます。IEC 61131-3準拠の言語と、PLCopen準拠のモーション命令に対応します。3Dシミュレーションで、装置全体を立ち上げ前に検証できる点も特徴です。
3Dシミュレーションとチーム開発は、別売のオプションです。対象はNJ/NXシリーズなどのSysmac機器で、価格は公式サイトに掲載がありません。他社PLCも扱いたい場合には向きません。
ジェイテクト PCwin
SFCで生産工程の流れを図で表し、各工程の進み具合を見える化できる、TOYOPUC用のツールです。TOYOPUC-GL1とTOYOPUC-Hellowin、CAD変換も1つで使えます。
FBライブラリの編集制限には、オプションのセキュリティツールが別に必要です。PC2・PC1などの機種では、P2・P3のプログラム領域が対象外となります。価格は掲載がなく、問い合わせが必要です。
日立産機システム HX-CODESYS
CODESYS V3.5をベースに、日立専用のライブラリを加えた開発環境です。HX・EHV+シリーズに対応し、IEC 61131-3の5言語とCFCを使えます。オンライン変更やトレースなどのデバッグ機能も備えています。
推奨環境はCPU 2.5GHz以上、メモリ8GB以上、空き12GB以上と高めです。価格は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。スペックの低いPCで使いたい場合には向きません。
横河電機 WideField3
スクリプトで書いた処理が自動でラダーに展開される、FA-M3用のツールです。ラダーとスクリプトを併用でき、ライブロジックアナライザでデバイスの変化を追えます。
ライブロジックアナライザが使えるのは、一部のCPUに限られます。動作OSはWindows 11(x64)で、価格は公式サイトに掲載がありません。他社PLCも同じツールで扱いたい場合には向きません。
オムロン CX-One
CX-Programmerを中心に、複数のツールを1つのライセンスで使える統合パッケージです。仮想PLCのオンラインデバッグで、実機なしに動作を確かめられます。
用途ごとにツールが分かれ、PLC・HMI・ネットワークの作業で切り替えて使います。メディアのみの製品には、ライセンスが含まれません。NJ/NXで新しく装置を開発したい場合には向きません。
横河電機 Virtual-M3
FA-M3のCPU動作をPC上で再現するシミュレータです。命令・回路・スキャン単位のステップ運転ができます。SDカードで実機の状態を再現し、アラーム発生時の解析にも使える点が特徴です。
割込み関連やロギング、FL-net設定、シリアル通信などには、未サポートの機能があります。WideField3 R4.01以降が必要で、価格は掲載がありません。プログラム作成ではなく、検証用のツールです。
Studio 5000 Logix Designer
Allen-BradleyのLogix 5000ファミリーを、構成から保守まで1つの環境で扱えます。安全ルーチンでのラダーにも対応します。EPLAN Electric P8とのデータ交換やOPC UAも利用できる点が特徴です。
Gitによるバージョン管理は、SDKのサンプルとコミュニティでの対応に限られます。価格は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが必要です。国内メーカーのPLCが中心の現場には向きません。
東芝 nV-Tool
フルグラフィック型のエディタで、LD・FBD・SFC・STを書けます。nvとVの両シリーズで共通に使える点が特徴です。PLCopen XMLでVシリーズの資産を引き継げ、シミュレータなどのアドインも選べます。
nV-Tool4とnV-Tool5の2世代があり、アドインも世代ごとの選択が必要です。購入者は、お客様登録で最新版を無償で入手できます。価格は掲載がなく、小型PLCの単体装置を手早く扱いたい場合には向きません。
FactoryTalk Logix Echo
ControlLogix 5580をPC上で再現し、ハードウェアなしでロジックを検証できます。設計モードと実行モードは、プログラムを変えずに切り替えられます。APIでデジタルツインなどともつなげる点が特徴です。
対象はControlLogix 5580のみです。プログラムの作成は、Studio 5000 Logix Designerなど別のソフトで行います。価格は公式サイトに掲載がありません。プログラム作成ツールを探している場合には向きません。
Siemens SIMATIC S7-PLCSIM Advanced
S7-1500をPC上で再現するバーチャルコントローラーです。パブリックAPIで、3Dや工程シミュレーションとつなげます。最大16インスタンスを動かし、バーチャルコミッショニングもできます。
対象はS7-1500とET 200SPのCPUです。S7-1200は、標準のS7-PLCSIMで検証します。STEP 7とは別にオプションライセンスが必要で、90日間の評価用ライセンスがあります。S7-1200だけの小規模設備には向きません。
PLCプログラミングソフトの無料・有料でできることの違い
PLCプログラミングソフトには、無償で使える製品と有償の製品があります。ただし、無償でも対象のPLCやハードウェアは別に必要です。無料で足りる範囲と、有料でないとできないことを整理しました。
できること | 無料で足りる範囲 | 有料が必要になる範囲 |
|---|---|---|
プログラムの作成と書き込み | 基本版やIDEを無償で提供する製品がある | 標準価格を公開する有償ソフトや、価格を問い合わせで案内するソフト |
実機なしの動作確認 | 体験版や評価用ライセンスで試せる製品。ソフトに内蔵のシミュレーションを使える製品 | 別売のオプションや、別製品のシミュレータ |
複数人での開発とバージョン管理 | ソース管理システムと接続できる製品がある | 別売のチーム開発オプション |
安全プログラムなどの追加機能 | なし | 追加ライセンスが必要な機能がある |
最新版への更新 | 購入者の登録で最新版を無償で入手できる製品がある | 更新の条件は製品ごとに確認が必要 |
無償の製品は、対象とするPLCやハードウェアが限られる場合があります。無償か有償かだけでなく、必要な機能が含まれる範囲を、製品ごとに確かめましょう。
まとめ
PLCプログラミングソフトの比較は、5つの項目で整理すると進めやすくなります。対応するPLC機種、対応言語、シミュレーションとデバッグが基本です。さらに、モーション・安全・HMIとの統合、ライセンスと価格の公開状況を加えた5つです。
まず、使っているPLCのメーカーとシリーズを書き出しましょう。次に、シミュレータやオプションを含めた構成で、見積もりを比べます。価格を公開しているのは20製品のうち8製品で、残りは問い合わせが必要です。基礎知識はPLCプログラミングソフトとはの記事で解説しています。メーカー別の傾向はPLCプログラミングソフトのメーカーの記事も参考にしてください。
PLCプログラミングソフトのおすすめ製品
キーエンス KV STUDIO
株式会社キーエンス
機器設定・プログラム生成・試運転を1本で完結
パナソニック Control FPWIN GR7
パナソニック インダストリー株式会社
FPシリーズのラダー作成の手間を減らす
オムロン Sysmac Studio
オムロン株式会社
ロジックからHMIまで1つにまとめた統合開発環境
三菱電機 GX Works3
三菱電機株式会社
シミュレータまで1本でこなすMELSEC用ツール
Siemens SIMATIC STEP 7(TIAポータル)
シーメンス株式会社
HMIと変数を共有するPLCツール
Beckhoff TwinCAT 3 Engineering
ベッコフオートメーション株式会社
IEC 61131-3とC++を同じ環境で書ける
PLCプログラミングソフト比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| キーエンス KV STUDIO | 株式会社キーエンス | オンプレミス | 機器設定・プログラム生成・試運転を1本で完結 | 詳細を見る | |
| パナソニック Control FPWIN GR7 | パナソニック インダストリー株式会社 | オンプレミス | FPシリーズのラダー作成の手間を減らす | 詳細を見る | |
| オムロン Sysmac Studio | オムロン株式会社 | 要見積もり | ロジックからHMIまで1つにまとめた統合開発環境 | 詳細を見る | |
| 三菱電機 GX Works3 | 三菱電機株式会社 | オンプレミス | シミュレータまで1本でこなすMELSEC用ツール | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC STEP 7(TIAポータル) | シーメンス株式会社 | 要見積もり | HMIと変数を共有するPLCツール | 詳細を見る | |
| Beckhoff TwinCAT 3 Engineering | ベッコフオートメーション株式会社 | オンプレミス | IEC 61131-3とC++を同じ環境で書ける | 詳細を見る | |
| IDEC WindLDR | IDEC株式会社 | 要見積もり | アイコン中心の操作でラダーを組めるIDEC PLC用ソフト | 詳細を見る | |
| パナソニック FPWIN Pro7 | パナソニック インダストリー株式会社 | オンプレミス | IEC 61131-3準拠・PLCopen認定のソフト | 詳細を見る | |
| WAGO CODESYS V3 | ワゴジャパン株式会社 | オンプレミス | 初期費用なしで始められるマルチベンダー対応の開発環境 | 詳細を見る | |
| 富士電機 SX-Programmer Standard | 富士電機株式会社 | オンプレミス | MICREX-F・FLEX-PCの資産も使える | 詳細を見る | |
| 富士電機 SX-Programmer Expert(D300win) | 富士電機株式会社 | オンプレミス | 5言語を組み合わせて書ける | 詳細を見る | |
| ジェイテクト PCwin | 株式会社ジェイテクト | 要見積もり | SFCで工程の進み具合を見える化するTOYOPUC用ツール | 詳細を見る | |
| 日立産機システム HX-CODESYS | 株式会社日立産機システム | 要見積もり | CODESYS V3.5に日立専用ライブラリを加えた | 詳細を見る | |
| 横河電機 WideField3 | 横河電機株式会社 | 要見積もり | スクリプトをラダーに自動展開するFA-M3用ツール | 詳細を見る | |
| Studio 5000 Logix Designer | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | 統合・プログラミング・保守を1つの環境で | 詳細を見る | |
| 横河電機 Virtual-M3 | 横河電機株式会社 | 要見積もり | FA-M3のCPU動作をPC上で再現するシミュレータ | 詳細を見る | |
| 東芝 nV-Tool | 株式会社東芝 | 要見積もり | LD・FBD・SFC・STを書き、nv・Vシリーズで共通に使えるツール | 詳細を見る | |
| オムロン CX-One | オムロン株式会社 | 要見積もり | PLC・HMIなどの設定ツールを1ライセンスでそろえる | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC S7-PLCSIM Advanced | シーメンス株式会社 | 要見積もり | S7-1500をPC上で再現して検証 | 詳細を見る | |
| FactoryTalk Logix Echo | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | ControlLogix 5580をPC上でエミュレーション | 詳細を見る |
よくある質問
QPLCプログラミングソフトを選ぶとき、最初に何を確認すればよいですか?
使っているPLCのメーカーとシリーズが、ソフトの対象に含まれるかを確認します。同じメーカーでも、世代によって使うソフトが分かれる場合があります。そのうえで、対応言語とシミュレーションの機能、ライセンスの条件を比べてください。
QPLCプログラミングソフトは無料で使えますか?
無償で使える製品があります。BeckhoffのTwinCAT 3 Engineeringは基本版が無償と公式に案内され、WAGOのCODESYS V3はIDEとライセンスに初期費用がかからないと案内されています。ただし、対象のハードウェアは別に必要です。シミュレータやオプションは別売の場合があります。
QPLCプログラミングソフトの価格は、どのくらいを見込めばよいですか?
製品ページのある20製品のうち、価格を公開しているのは8製品です。2026年時点で、税別46,600円、消費税を含まず121,000円、税別150,000円、税抜182,000円の例があります。税区分は製品ごとに異なり、オプションやシミュレータが別売の場合もあるため、構成ごとの見積もりで確認が必要です。
Q他社のPLCも同じソフトでプログラミングできますか?
多くの製品は、自社のPLCシリーズが対象です。複数メーカーのハードウェアを扱えるのは、CODESYSベースなどのIEC 61131-3準拠の開発環境です。対象のハードウェアはソフトごとに異なるため、購入前に公式の対応機種の一覧で確認してください。
