HMIの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介
HMI(プログラマブル表示器)の選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。4つの種類の違い、接続するPLC、画面とタッチ方式、作画ソフト、設置環境と総額の見方と、よくある4つの失敗を整理します。

HMI(プログラマブル表示器)は、設備の状態を画面に映し、タッチ操作で設定や指示を行う機器です。ただし、画面サイズ、接続できるPLC、作画ソフト、設置環境の違いが大きく、カタログを並べても自社に合うかは見えにくい製品です。条件を確認しないまま選ぶと、導入後に「PLCとつながらない」「盤に収まらない」と気づくことになりかねません。この記事では、種類の違いと、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。
- 接続先:つなぐPLCのメーカーと通信方式が、表示器の対応に含まれるかを確認する
- 画面とタッチ:画面サイズ、解像度、抵抗膜式か静電容量式かを、盤と作業の条件に合わせる
- 作画ソフト:使うソフトの費用と、既存の画面データを移せるかを確認する
- 機能と環境:遠隔監視やデータ記録の機能と、防水や使用温度を確認する
接続先と画面サイズを先に整理すると、候補となる表示器のタイプを絞り込みやすくなります。残りの条件まで確認すると、導入後の手戻りを抑えられます。
この記事でわかること
HMIの基礎知識
選び方に入る前に、HMIが何をする機器なのかを押さえます。役割が曖昧なままだと、使わない機能に費用を払うことになりかねません。基本的な用語は、HMIとはの記事でも整理しています。
HMIが担う役割
HMIは、機械や設備の運転状態、アラーム、生産数を画面に表示する機器です。プログラマブル表示器やタッチパネル表示器とも呼ばれ、PLCとつないで使います。
作業者は画面から、設定値の変更や段取り条件の入力を行えます。離れた場所から画面を確認する用途や、古い操作盤の置き換えも主な使い方です。最初に確認したいのは、表示器をつなぐPLCです。
画面データは専用ソフトで作る
表示器の画面は、メーカーが用意する作画ソフトで作ります。例えばオムロン NAはSysmac Studioで画面を作ります。Pro-face GP6000は、GP-Pro EXで作る仕組みです。
作画ソフトを無償で配布する製品もあります。例は、オムロン NBのNB-Designerです。パナソニック WHのxAscender Suiteも、制御機器会員の登録で無償で使えます。
選定でつまずきやすい理由
HMIは、比較する軸が多い製品です。画面サイズ、タッチ方式、通信、作画ソフト、設置環境などの確認事項が重なります。
メーカーごとに作画ソフトが異なるため、既存の画面データを別メーカーへそのまま移せるとは限りません。価格を公開していない製品も多く、総額はカタログだけでは見積もりにくい状況です。
編集部コメント:PLCの型式、盤の開口寸法、既存画面の有無は、問い合わせ前にまとめましょう。メーカーごとの提案を比べやすくなるほか、必要な機種を早く伝えられます。
HMIの種類
HMIは、画面の大きさと、備える機能の広がりによって大きく4つに分けられます。どの型を選ぶかで、盤への収まりも使える機能も変わってきます。まず全体像をつかみましょう。
- 小型・低価格型
- 汎用ミドルレンジ型
- 高機能・IT連携型
- 耐環境・特殊用途型
小型・低価格型
小さな装置に付ける、3.5〜7型前後の表示器です。オムロン NBは3.5型から10.1型ワイドまでの4機種で、作画ソフトは無償です。デルタ電子 DOP-100も、専用ソフトを無償で使えます。
パナソニック WHのスタンダードは、4.3型が109,800円(税別)からです。公式サイトに掲載された、2026年時点の価格です。Siemens Unified Basicは、4〜12型の全機種でマルチタッチに対応します。大規模な設備の統合監視には向きません。
汎用ミドルレンジ型
7〜15型前後で、多くの装置に使える型です。三菱電機 GOT2000 GT25は、5.7型から12.1型までです。Pro-face ST6000は、4.3型ワイドから15.6型ワイドまでそろえます。
富士電機 TS4000は、7型から15.6型ワイドの4機種を用意しています。IDEC HG-V形は、5.7型から15型の5機種です。Advantech WOP-300Kは、8型・10.1型・15.6型の3機種です。同じ中型でも、サイズの刻みはシリーズごとに異なります。
高機能・IT連携型
上位システムやクラウドへデータを渡す機能を備えた型です。三菱電機 GOT3000は、OPC UAのゲートウェイ機能を持ちます。Pro-face GP6000も、OPC UAを標準で備えます。
OptixPanelは、OPC UAとMQTTによるクラウド連携が特徴です。Siemens Unified Comfortも、OPC UAに対応しています。小さな単体装置には、過剰な構成になりやすい型です。
耐環境・特殊用途型
洗浄、屋外、手袋操作など、特定の条件に強い型です。IDEC HG1J/HG2J形は、ガラストップのPCAP方式で、水滴による誤動作を防ぐ構造です。Red Lion Graphiteは、使用温度−20〜60℃に対応します。
WAGO TP600は、Web・Visu・コントロールの3機能から選べます。キーエンス VT5は、トラブル時の設備状態を再現するドライブレコーダ再生が特徴です。いずれも、用途が合わない場合は汎用機のほうが扱いやすくなります。
【目的別】HMIの選び方
同じHMIでも、何を実現したいかで優先すべき条件は変わります。製造現場でよくある3つの目的を取り上げました。目的が複数ある場合は、最も条件の厳しいものに合わせます。
古い表示器を更新したい
既存設備の更新では、機能よりも、今の画面データと盤の開口をどこまで生かせるかが条件です。移行のしやすさは、メーカーが用意する互換の範囲に左右されます。
Pro-face GP6000はGP4000の後継で、置き換えのしやすさをうたっています。富士電機 V10は、V9の画面データを使え、パネルカット寸法も互換です。Siemens Unified Basicは、旧KTP Basicの置き換えを想定しています。MTP1200は、取り付け寸法が同じです。
離れた場所から監視し、データを渡したい
設備の状況を事務所やスマートフォンで見たいなら、Webサーバ機能を持つ表示器が候補です。上位システムへデータを渡すなら、OPC UAなどの対応も確認したい点です。
富士電機 TS4000は、最大10台の外部端末から同時にアクセスできます。パナソニック WHは、Webサーバに加えてOPC UA、MQTT、SQLに対応します。三菱電機 GOT3000のVPN機能は、別売のライセンスが必要です。
厳しい環境や特殊な操作条件で使いたい
洗浄のある現場や低温の場所、手袋での操作では、画面サイズよりも前面の構造と温度範囲が条件になります。標準的な機種の使用周囲温度は、0〜50℃前後が目安です。
IDEC HG1J/HG2J形は、IP66FとIP67Fに対応します。厚さ1.5mm以下の手袋での操作もできるとしています。Red Lion Graphiteは、使用温度が−20〜60℃で、前面はIP66です。屋外用の機種は、日光の下でも読める明るさのバックライトです。
【部門別】HMIの選び方
HMIは、画面を作る人、現場で操作する人、トラブルを調べる人が異なります。導入に関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有するときは、条件の厳しい部門に合わせます。
設備設計・制御設計部門
装置を設計し、画面を作る部門では、接続できるPLCと作画ソフトが重要です。使い慣れた開発環境で、コントローラと画面を一緒に作れるかも確認します。
オムロン NAは、Sysmac Studioでコントローラと画面を同じプロジェクトで作れます。PanelView 5000は、Logixコントローラとの統合が前提です。Advantech WOP-300Kは、500以上のメーカーの機器に対応するドライバを持ちます。
製造・現場オペレーター部門
画面を毎日操作する現場では、見やすさと押しやすさが条件になります。画面サイズだけでなく、タッチ方式も操作感を左右します。
三菱電機 GOT3000は、HDMI出力で生産状況を大型モニタに映せる点が特徴です。ワイドモデルの2形名は、静電容量式で2点の同時操作に対応します。Pro-face ST6000は抵抗膜方式で、2点押しには対応しません。マルチタッチが必要なら、静電容量式の機種を選びましょう。
保全・設備管理部門
トラブル時に原因を素早く追えるかが、保全部門の条件です。記録の仕組みと遠隔保守の方法は、機種ごとに異なります。
キーエンス VT5は、ドライブレコーダ再生で、トラブル発生時の設備状態を再現できます。ただし、モノクロのVT5-W07Mでは使えません。OptixPanelは、FactoryTalk Remote Accessを搭載しています。
【企業規模別】HMIの選び方
企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。画面を作る担当者の有無、設備の台数、予算の通し方の3点です。自社の体制に近いところから読み進めるとよいでしょう。
中小企業
画面づくりを専任で担う人が少ない前提で選びます。ソフトが無償で、価格が公開されている機種なら、見積もりや稟議の手間を減らせる点が利点です。
パナソニック WHは、標準価格を型番ごとに公式サイトへ掲載しています。4.3型のスタンダードは、109,800円(税別、2026年時点)からです。オムロン NBやデルタ電子 DOP-100は、作画ソフトが無償です。ただし両機とも、本体の価格は公式サイトに掲載がなく、問い合わせが要ります。
中堅企業
複数の装置やラインで、表示器の台数が増える段階です。メーカーとシリーズを絞ると、作画ソフトの操作や保守の窓口をそろえやすい点が利点です。
PLCと同じメーカーの表示器にそろえる方法もあります。GOT2000 GT25は、参考標準価格(税抜)を5.7型の159,000円から公開しています。この価格は2023年2月現在の掲載です。最新の価格は、公式サイトでの確認が必要です。
大企業
拠点や装置ごとに、表示器がまちまちになりがちです。全社で標準を決めるなら、シリーズの幅と上位システムとの連携が重要な条件になります。
OPC UAやクラウド連携を求められる場面も多くあります。Siemens Unified ComfortとOptixPanelは、日本円の価格がありません。構成を固めてから、見積もりを比べましょう。メーカーを変えるときは、画面データの作り直しの費用も見込んでおきます。
自社に合ったHMIの選定ポイント
目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な仕様に落とし込みます。確認の順番が大切です。上から順に見ていくと、手戻りを減らせるでしょう。
- 接続するPLCと通信方式を確認する
- 画面サイズ・解像度・タッチ方式を決める
- 作画ソフトと既存画面の移行を確認する
- 遠隔監視・データ記録の機能を確認する
- 設置環境と総額を確認する
接続するPLCと通信方式を確認する
最初に確認するのは、つなぐPLCのメーカーと通信方式です。対応していなければ、他の条件が合っても使えません。PLCと同じメーカーの表示器は、接続の確認が簡単です。
他社PLCを含む設備では、対応メーカーの範囲が製品で異なります。Advantech WOP-300Kは500以上のメーカーの機器に対応します。IDEC HG-V形が同時に使える通信プロトコルは、最大4種類です。
画面サイズ・解像度・タッチ方式を決める
次に、盤の開口に収まる画面サイズと、必要な解像度を決めます。小型機がないシリーズもあるため、サイズの範囲を先に見ておきます。
GOT3000は8.4型から15.6型ワイド、V10は8.4型から15型で、7型以下はありません。タッチ方式も要確認です。TS4000は抵抗膜方式です。Siemens Unified Basicは、マルチタッチガラスを備えます。
作画ソフトと既存画面の移行を確認する
画面を作るソフトの費用と、既存の画面データを生かせるかが確認したい点です。無償のソフトを配布する製品もあれば、開発環境が前提となる製品もあります。
Siemens Unified Comfortは、TIA Portalでの画面作成が前提です。SIMATIC WinCC Unifiedが必要です。Pro-face ST6000は、BLUE対応とGP-Pro EX対応の型式があります。GP-Pro EXの画面資産を生かす選び方も可能です。
遠隔監視・データ記録の機能を確認する
離れた場所からの確認や、稼働データの記録を求めるなら、機能の有無と追加費用が確認したい点です。標準で持つ機種もあれば、ライセンスやオプションが要る機種もあります。
パナソニック WHのスタンダードはSDカードに非対応で、アドバンストが対応する構成です。TS4000のTS4120iはEthernetが1ポートで、SDカードも搭載していません。大量のデータ記録には向きません。
設置環境と総額を確認する
設置場所の防水、防塵、使用温度は、先に確認したい点です。前面の保護等級は、取り付け条件つきの値である場合があります。縦向きの取り付けで温度の上限が下がる製品もある点に注意が必要です。
費用は、本体に加え、作画ソフトとライセンスを含めた総額で比べます。価格は製品ごとに公開の範囲が異なり、2026年時点では非公開の製品が多い状況です。実際の費用は、公式の価格表や見積もりで確かめてください。
【比較表】HMIの主要製品
製品データとして数値化できる4項目を、評価スコアで横並びにしました。現場での使いやすさ・工程管理・設備保全・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順で、同点の場合は残りの項目と製品名で並べました。価格は2026年時点の公式ページの記載で、税区分は元の表記のままです。公開されていない場合は、その旨を記しました。製品ごとの詳しい比較は、HMIの比較記事で扱います。
順位 | 製品 | 提供元 | 現場での使いやすさ | 工程管理 | 設備保全 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | パナソニック インダストリー株式会社 | 4 | 4 | 4 | 4 | 標準価格(税別。公式ページに税込表示なし)。スタンダードAWHS1R043(4.3インチ)109,800円〜アドバンストAWHA1C215(21.5インチ)854,000円。作画ソフトxAscender Suiteは無償(制御機器会員登録が必要) | |
2 | アドバンテック株式会社 | 3 | 4 | 4 | 4 | 公式ページに価格の記載なし(見積依頼)。作画ソフトHMINavi Designerは無償 | |
3 | シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 | 3 | 3 | 3 | 4 | 公式ページに価格の記載なし(問い合わせ)。型式により画面作成ソフトBLUE対応またはGP-Pro EX対応 | |
4 | デルタ電子株式会社 | 3 | 3 | 3 | 4 | 日本語の公式ページに価格の記載なし(問い合わせ)。作画用のDOPソフトは無償 | |
5 | 三菱電機株式会社 | 3 | 3 | 3 | 4 | 三菱電機の公式本体一覧に載っている参考標準価格(税抜・2023年2月現在の掲載)。GT2505-VTBD(5.7型・DC24V)159,000円〜GT2512-STBD(12.1型・DC24V)407,000円 | |
6 | オムロン株式会社 | 3 | 2 | 3 | 4 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。作画ソフトNB-Designerは無償 | |
7 | シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 | 5 | 4 | 4 | 3 | 公式ページに価格の記載なし(問い合わせ)。画面作成ソフトはGP-Pro EX | |
8 | IDEC株式会社 | 5 | 3 | 4 | 3 | 公式製品ページに価格の記載なし(問い合わせ)。作画ソフトの型式はSW1A-W1C | |
9 | 三菱電機株式会社 | 4 | 4 | 4 | 3 | 三菱電機の公式FA Web Shopの税込価格。GT3708-XRBA(8.4型・AC電源)326,700円〜GT3715-FHCBD(15.6型ワイド・Full-HD)726,000円。VPN接続機能・マルチメディア機能は別売ライセンス | |
10 | 株式会社キーエンス | 4 | 3 | 5 | 3 | 公式ページの本体価格(税別。税込表示なし)。VT5-W07M(7型ワイド・モノクロ)169,000円〜VT5-WX15(15型・Windows搭載)790,000円。作画ソフトVT STUDIOは60,500円 | |
11 | IDEC株式会社 | 4 | 3 | 4 | 3 | 公式製品ページに価格の記載なし(問い合わせ)。作画ソフトの型式はSW1A-W1C | |
12 | 富士電機株式会社 | 4 | 3 | 4 | 3 | 公式ページに価格の記載なし(販売店・問い合わせ)。作画ソフトはV-SFT Ver.6(V10はVer.6.2.0.0以降で対応) | |
13 | シーメンス株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 公式ページに日本円の価格表示なし。画面作成はTIA PortalのSIMATIC WinCC Unified Basic | |
14 | ワゴジャパン株式会社 | 4 | 3 | 3 | 3 | 公式ページに価格の記載なし(問い合わせ) | |
15 | 富士電機株式会社 | 3 | 3 | 4 | 3 | 公式ページに価格の記載なし(販売店・問い合わせ) | |
16 | HMSインダストリアルネットワークス株式会社 | 5 | 4 | 4 | 2 | 公式ページに価格の記載なし(販売店・HMSへの見積依頼)。設定ソフトはCrimson(IEC 61131の利用にはCrimson Controlモジュールが必要) | |
17 | シーメンス株式会社 | 5 | 4 | 4 | 2 | 公式ページに日本円の価格表示なし。画面作成にはTIA PortalのSIMATIC WinCC Unifiedが必要 | |
18 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 4 | 4 | 4 | 2 | 公式ページに価格表示なし。FactoryTalk Optixのランタイムライセンス(CompactはSmall、StandardはMedium)が本体に付属 | |
19 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 4 | 3 | 4 | 2 | 公式ページに価格表示なし。作画ソフトはStudio 5000 View Designer | |
20 | オムロン株式会社 | 4 | 3 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。画面作成はSysmac Studio |
HMIの選び方で失敗しないための注意点
導入でつまずく例には、共通した型があります。事前に知っておけば、仕様確認の段階で対策を取れるでしょう。よくある4つを、回避策とあわせて挙げます。
本体価格だけで比べてしまう
本体が安くても、ライセンスや作画ソフトが別だと、総額が想定を上回ります。GOT3000は、VPN接続機能とマルチメディア機能が別売ライセンスです。価格が非公開の製品は、構成が固まるまで総額が見えません。
回避策:必要な機能を先に書き出し、ライセンスとソフトを含めて見積もりを取ります。費用の考え方は、HMIの費用の記事で整理します。
接続するPLCの対応を後から確認する
他社PLCに対応しているかを確認せず、選んでしまう例があります。オムロン NAとPanelView 5000は、他社PLCとの接続が公式ページに記載されていません。WAGO TP600も、国内PLCの専用ドライバの記載がありません。
回避策:PLCのメーカー、型式、通信方式を一覧にしてから、対応表で確認します。記載がない場合は、メーカーへの問い合わせで裏づけを取りましょう。
画面サイズ・タッチ方式・温度の見落とし
仕様の細かい違いが、設置後に問題になる例があります。富士電機 V10は7型以下の小型機がなく、キーエンス VT5は使用周囲温度が0〜50℃です。Siemens Unified Comfortは、縦向きの取り付けで温度の上限が40℃に下がります。
回避策:盤の開口寸法、設置場所の温度、操作方法を先に確認します。手袋での操作やマルチタッチが必要なら、タッチ方式を条件に加えましょう。
既存の画面データの移行を確認しない
作画ソフトの対応を見ずに更新すると、画面の作り直しが必要になります。オムロン NBは、旧型から-V1へ移る場合に、置き換えガイドに沿った確認が必要です。V10の作画ソフトは、V-SFT Ver.6.2.0.0以降が対応です。
回避策:既存の画面データの形式と、作画ソフトのバージョンを調べます。同じシリーズの後継機なら、移行の手順が公式に示されているかを確認しましょう。
まとめ
HMIの選定は、つなぐPLCと盤に収まる画面サイズの書き出しから始まります。種類は、小型・低価格型、汎用ミドルレンジ型、高機能・IT連携型、耐環境・特殊用途型の4つです。
方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。接続先、画面とタッチ方式、作画ソフト、遠隔監視とデータ記録、設置環境と総額です。失敗の型は、本体価格だけの比較、PLC対応の後確認、仕様の見落とし、画面データ移行の未確認です。
製品の一覧はHMI(プログラマブル表示器)のカテゴリページで確認できます。費用の見方はHMIの費用の記事で、提供元の違いはHMIのメーカーの記事で整理します。
HMI(プログラマブル表示器)のおすすめ製品
パナソニック WHシリーズ
パナソニック インダストリー株式会社
Webサーバ内蔵の表示器
Pro-face GP6000シリーズ
シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
OPC UA対応のプログラマブル表示器
Advantech WOP-300Kシリーズ
アドバンテック株式会社
500以上のプロトコル対応オペレーターパネル
キーエンス VT5シリーズ
株式会社キーエンス
ドライブレコーダ付きタッチパネル
Red Lion Graphiteシリーズ
HMSインダストリアルネットワークス株式会社
−20〜60℃対応の堅牢なHMI
Siemens SIMATIC HMI Unified Comfort Panels
シーメンス株式会社
WinCC Unified対応パネル
HMI(プログラマブル表示器)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| パナソニック WHシリーズ | パナソニック インダストリー株式会社 | オンプレミス | Webサーバ内蔵の表示器 | 詳細を見る | |
| Pro-face GP6000シリーズ | シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 | 要見積もり | OPC UA対応のプログラマブル表示器 | 詳細を見る | |
| Advantech WOP-300Kシリーズ | アドバンテック株式会社 | 要見積もり | 500以上のプロトコル対応オペレーターパネル | 詳細を見る | |
| キーエンス VT5シリーズ | 株式会社キーエンス | オンプレミス | ドライブレコーダ付きタッチパネル | 詳細を見る | |
| Red Lion Graphiteシリーズ | HMSインダストリアルネットワークス株式会社 | 要見積もり | −20〜60℃対応の堅牢なHMI | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC HMI Unified Comfort Panels | シーメンス株式会社 | 要見積もり | WinCC Unified対応パネル | 詳細を見る | |
| 三菱電機 GOT3000シリーズ | 三菱電機株式会社 | オンプレミス | OPC UAを標準で備えたGOTの次世代表示器 | 詳細を見る | |
| IDEC HG1J/HG2J形 | IDEC株式会社 | 要見積もり | 洗浄と手袋操作に強い小型表示器 | 詳細を見る | |
| IDEC HG5G/4G/3G/2G-V形 | IDEC株式会社 | 要見積もり | 高輝度や映像入力を持つ表示器 | 詳細を見る | |
| Allen-Bradley OptixPanel | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | FactoryTalk Optixを載せた表示器 | 詳細を見る | |
| 富士電機 MONITOUCH V10シリーズ | 富士電機株式会社 | 要見積もり | V9の画面データを引き継げる新モデル | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC HMI Unified Basic Panels | シーメンス株式会社 | 要見積もり | WinCC Unifiedの基本パネル | 詳細を見る | |
| デルタ電子 DOP-100シリーズ | デルタ電子株式会社 | 要見積もり | 無償の作画ソフトで作れるタッチパネルHMI | 詳細を見る | |
| Pro-face ST6000シリーズ | シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社 | 要見積もり | 4.3〜15.6型ワイドをそろえる表示器 | 詳細を見る | |
| WAGO タッチパネル TP600 | ワゴジャパン株式会社 | 要見積もり | Linux搭載のタッチパネル | 詳細を見る | |
| 三菱電機 GOT2000シリーズ GT25モデル | 三菱電機株式会社 | オンプレミス | GOT2000のミドルレンジ表示器 | 詳細を見る | |
| オムロン NAシリーズ | オムロン株式会社 | 要見積もり | Sysmac Studioで作り込むワイド画面表示器 | 詳細を見る | |
| 富士電機 MONITOUCH TS4000シリーズ | 富士電機株式会社 | 要見積もり | ワイド液晶のベーシック機 | 詳細を見る | |
| Allen-Bradley PanelView 5000 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | Logixとの統合を重視した表示器 | 詳細を見る | |
| オムロン NBシリーズ | オムロン株式会社 | 要見積もり | 無償の作画ソフトで始められる小型表示器 | 詳細を見る |
よくある質問
QHMIは何から決めればよいですか?
最初に、つなぐPLCのメーカーと通信方式を書き出します。あわせて、盤の開口寸法と、必要な画面サイズも決めます。この整理があれば、候補となる表示器を絞り込みやすくなり、メーカーへの問い合わせも具体的になります。
Q他社のPLCにもつながりますか?
製品によって異なります。例えばAdvantech WOP-300Kは、500以上のメーカーの機器に対応するドライバを持ちます。一方、オムロン NAやPanelView 5000は、他社PLCとの接続が公式ページに記載されていません。対応表で必ず確認しましょう。
Q古い表示器を更新するときの注意点は何ですか?
作画ソフトがメーカーごとに異なるため、既存の画面データを生かせるかを確認します。例えば富士電機 V10は、V9の画面データを使えます。互換の範囲と必要なソフトのバージョンは、公式資料やメーカーへの問い合わせで確認しましょう。
Q価格はどう確認すればよいですか?
本体に加えて、作画ソフトやライセンスを含めた総額で比べます。標準価格を公式に公開している製品もありますが、非公開で見積もりが必要な製品も多くあります。価格は2026年時点の公式ページで、税区分とあわせて確認してください。
