自動倉庫の費用|9社とも価格非公開のなかで規模をつかむ方法
自動倉庫の費用を、公式サイトの価格公開状況と公的統計から整理した記事(2026年9月20日時点)。主要9社とも公式に価格の記載はなく、相場ページは上位5件中2件が同一運営者で出典もない。日本ロジスティクスシステム協会の統計では2024年度の自動倉庫の売上金額が1,470億98百万円、売上件数1,311件。更新費用の公開値、見積もり条件のそろえ方、メーカーの資本関係の変化までまとめる。

自動倉庫の価格を調べても、メーカーの公式サイトには金額が出てきません。ラックの段数と間口、スタッカークレーンの台数、搬送機器と制御の構成で総額が変わるため、定価という概念が成り立たない設備です。
この記事では、主要な自動倉庫9社の価格公開状況を2026年9月20日時点で確認した結果をまとめます。そのうえで、公的統計から読み取れる1件あたりの規模、相場ページの運営者、見積もりの条件のそろえ方を整理します。
記載内容は、各社の公式サイトで公表されている情報を編集部が2026年9月20日に確認したものです。価格は改定されるため、検討時には各社の最新情報を確認してください。
- 自動倉庫の主要9社は、いずれも公式サイトに自社の自動倉庫の価格を掲載していない(2026年9月20日時点)
- 日本ロジスティクスシステム協会の統計では、2024年度の自動倉庫の売上金額が1,470億98百万円である
- 同統計の売上件数は1,311件で、金額を件数で割ると1件あたり約1億1,200万円になる(編集部の計算)
この記事でわかること
自動倉庫の価格は9社とも公式に公開されていない
まず、主要な自動倉庫のメーカー9社について、公式サイトに金額の記載があるかを1ページずつ確認しました。結果は全社で記載なしでした。
- 主要9社(三進金属工業・西部電機・ダイフク・村田機械・豊田自動織機・トーヨーカネツ・IHI・住友重機械・AutoStore)とも金額の掲載なし
- AutoStoreの日本語サイトには価格のページがない
- 9社とも問い合わせまたは見積もりの導線のみで、参考価格の表示もない
全社で金額の記載がない
三進金属工業のパタノスターとシャトルXP、西部電機のユニットラックシステムとバケットフィードシステムを確認しましたが、いずれも価格の記載はありません。ダイフクのファインストッカーとコンパクトシステムも同様です。
村田機械、豊田自動織機のRack Sorter P、トーヨーカネツのマルチシャトルも記載がありません。IHI物流産業システムのラックパック、住友重機械搬送システムのマジックラックも同様でした。自動倉庫では、価格を公開しないことが業界の標準です。
価格ページ自体が存在しない例
AutoStoreの日本語サイトには、価格ページのURLそのものがありません。
日本語トップページには導入企業の投資対効果の事例が掲載されていますが、これは製品の価格ではありません。自動倉庫の記事で金額として引用しないよう注意が必要です。
仕様の数値も公開の程度に差がある
自動倉庫では、価格だけでなく仕様の数値も公開の程度に差があります。公式に上限値を確認できたのは、西部電機の2製品、豊田自動織機のRack Sorter P、AutoStoreのBin容量に限られました。
ダイフクの2製品で公開されているのは「モデルシステム構成例」で、上限スペックではありません。村田機械、トーヨーカネツ、IHI、住友重機械搬送システムは仕様の数値自体が非公表です。
自動倉庫の費用は構成の規模で決まる
価格が出ない理由は、自動倉庫が製品ではなく設備だからです。公式に公開されている仕様の幅を見ると、同じ「自動倉庫」でも規模がまったく違うことがわかります。
- 西部電機のユニットラックシステムは、全高6m以下から30m以下までの9型式で構成される
- 西部電機のバケットフィードシステムは全高15m以下で、定格荷重はシングルフォークで50kgである
- 豊田自動織機のRack Sorter Pは、ラック全高が最大21,000mm、最大荷重が1,000kgから2,000kgfである
同じシリーズでも高さで型式が分かれる
西部電機のユニットラックシステムは、SS-6CからSS-30Cまでの9型式です。全高が6m以下から30m以下まで段階的に分かれています。
自動倉庫の費用は、この高さと間口数でほぼ決まります。型式の違いはラックとクレーンの規模の違いなので、価格差もそれに比例します。
パレットとバケットで別の設備になる
西部電機のユニットラックシステムは、荷姿がパレットで定格荷重1,000kgです。同社のバケットフィードシステムは、荷姿がバケット・コンテナで定格荷重が50kgです。
同じ自動倉庫でも、扱う荷姿が違えば別の設備です。見積もりを比べるときは、まず荷姿と1単位あたりの重量をそろえてください。
建屋と一体になる規模もある
豊田自動織機のRack Sorter Pは、ラック全高が最大21,000mm、全長が100mまで、一部型式はカスタマイズで200mまでとされています。この規模になると、建屋の設計と切り離せません。
自動倉庫の予算では、設備費と建築費の切り分けを最初に決めてください。ラック自体を建物の構造として使う方式もあり、費用の科目が変わります。
自動倉庫の相場レンジは参考値にとどまる
自動倉庫の価格を調べると、小型シャトル式は1,000万円から2,000万円といったレンジが出てきます。ただし、書いている側もこれを参考値として示しています。
- 自動倉庫の相場を示すページは、金額を「参考値」「概算」「目安」と断ったうえで示している
- 同じレンジを載せている2つのページは、いずれも株式会社エージェンシー・コンストラクションの運営である
- 相場を示しているのは導入支援のSIer、RaaS事業者、機器メーカー、3PL事業者である
書いている側も参考値としている
上位のページには、小型シャトル式が1,000万円から2,000万円、スタッカークレーン型が数千万円から1億円超といったレンジが並びます。ただしいずれも「参考値」「概算」「目安」と断り書きが付いています。
数億円から数十億円、数百万円から数億円といった幅の広い表現も見られます。自動倉庫の投資の桁を把握する役には立ちますが、予算の根拠にはできません。
別々に見えて同じ運営者のページがある
同じようなレンジを載せている2つのページは、いずれも株式会社エージェンシー・コンストラクションの運営です。2つのページで同じ数字を見ても、裏付けが2つあることにはなりません。
自動倉庫の相場を調べるときは、誰が書いているページかを確認してください。運営者が同じなら、内容も同じになります。
書いている側の立場を踏まえる
相場を示しているのは、導入支援のSIer、RaaS事業者、コンベヤの機器メーカー、3PL事業者です。いずれも自動倉庫に関わる事業者で、中立の調査機関ではありません。
事業者が自社の経験から価格帯を示すこと自体は自然です。ただし、業界全体を集計した数字ではない点は押さえておいてください。
自動倉庫の公的統計から1件あたりの規模を見る
相場のレンジが頼れない一方、自動倉庫には信頼できる業界統計が1つあります。個社の価格ではありませんが、投資の規模感をつかむ材料になります。
- 日本ロジスティクスシステム協会の統計では、2024年度の自動倉庫の売上金額が1,470億98百万円(前年度比11.4%増)である
- 同統計の2024年度の自動倉庫は、基数3,046台・1,498,872パレット、売上件数1,311件である
- 売上金額を売上件数で割ると1件あたり約1億1,200万円になる(編集部が公表値から計算した参考値)
唯一の業界統計
自動倉庫の統計を公表しているのは、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会です。日本物流システム機器協会が統計部会として協力しています。
日本産業車両協会には自動倉庫の統計がなく、統計のFAQで「メーカー別統計はありません。全体の合計値のみです」と回答しています。自動倉庫のメーカー別シェアを示す公表データは存在しません。
2024年度の数値
2024年度(2024年4月から2025年3月)の自動倉庫の売上金額は1,470億98百万円で、前年度の1,320億円から11.4%増えました。内訳ではバケット用自動倉庫が791億4百万円で8.4%減、クリーンルーム向けが384億93百万円で0.8%増です。
物流システム機器の総売上金額は6,570億2百万円で、前年度から3.8%増えています。2025年度の統計は2026年9月20日時点で未公表です。
1件あたりの金額を計算する
公表されている売上金額1,470億98百万円を、売上件数1,311件で割ると約1億1,200万円になります。これは編集部が公表値から計算した参考値です。
ただし、この件数には海外向けの415億80百万円が含まれ、更新案件と新設案件も区別されていません。自社の自動倉庫の見積もり額をこの数字と比べるのではなく、投資の桁を確認する目安として使ってください。
自動倉庫の更新・保守には公開された金額がある
新規導入の価格は出ていませんが、既設の自動倉庫を延命する費用には公開された金額があります。導入から年数が経った設備を持つ企業には、こちらの方が実用的です。
- 自動倉庫の更新・保守を受託する株式会社APTは、システム更新を約700万円から、制御更新を約950万円からと公開している
- この金額は新規導入の価格ではなく、既設の自動倉庫に対する更新の費用である
- APTはメーカーではなく、自動倉庫の修繕・点検・制御更新を受託する事業者である
公開されている更新費用
株式会社APTは、自動倉庫のシステム更新を約700万円から、制御更新を約950万円からと自社サイトに掲載しています。これは同社の料金として公開された実際の数字です。
自動倉庫は20年以上使われることがあり、制御装置の部品供給が先に終わります。機械部分が動いていても、制御の更新が必要になる時期が来ます。
新規導入の価格ではない
この金額は既設設備の更新費用であり、新規に自動倉庫を建てる価格ではありません。混同すると、桁が2つ変わります。
また同社はメーカーではなく、更新と保守を受託する事業者です。自動倉庫の費用として引用するときは、この区別を明示してください。
更新と新設の比較
既設の自動倉庫を持つ企業では、更新するか建て替えるかの判断が先に来ます。更新費用が公開されている分、この比較は数字で進められます。
新設側の金額はメーカーの見積もりでしか出ません。更新の概算を先に押さえてから、新設の見積もりを取ると判断がしやすくなります。
自動倉庫の見積もりで条件をそろえる
価格が公開されていない自動倉庫を比べるには、見積もりの条件をそろえるしかありません。前提が違う見積書を並べても比較になりません。
- 自動倉庫の見積もりでは、荷姿・1単位あたりの重量・保管数・入出庫の頻度を先に確定する
- 自動倉庫の費用は、設備費と建築費の切り分けによって見積書の総額が変わる
- 自動倉庫の見積書は、設備費のほかに制御ソフト・上位システム連携・保守契約を分けて出してもらう
伝える情報
荷姿がパレットかバケットか、1単位あたりの重量、必要な保管数を先に決めてください。西部電機の例では、パレット用が定格荷重1,000kg、バケット用がシングルフォークで50kgと、桁が違います。
入出庫の頻度も必須です。1時間あたりの入出庫回数によって、スタッカークレーンの台数が変わります。
設備費と建築費を分ける
自動倉庫は、ラック自体を建物の構造として使う方式があります。この場合、設備費と建築費の境目が動きます。
見積書を比べる前に、建屋の新設を含むのか、既存建屋への設置かを統一してください。ここがそろっていないと、総額の差が設備の差に見えてしまいます。
制御と連携の費用を分けて出してもらう
自動倉庫の見積もりには、機械設備のほかに制御ソフトと上位システムとの連携が含まれます。既存の生産管理システムや倉庫管理システムとの接続は、個別の開発になることがあります。
保守契約も、年額と対応時間帯を分けて示してもらってください。更新費用が約700万円から公開されている以上、長期の維持費は事前に見込めます。
自動倉庫のメーカーは資本関係が動いている
自動倉庫は長期にわたって使う設備です。保守を受ける相手が変わる可能性があるため、メーカーの資本関係も確認しておく必要があります。
- 株式会社豊田自動織機は2026年6月1日付で上場廃止となり、直接の親会社はトヨタアセット準備株式会社である
- IHIは、株式会社IHI物流産業システムの全株式の80%を株式会社豊田自動織機へ譲渡する契約を締結し、譲渡時期は2027年4月の予定である
- トーヨーカネツ株式会社は2027年4月1日に持株会社体制へ移行予定で、物流ソリューション事業はトーヨーカネツソリューションズ株式会社へ承継される予定である
豊田自動織機の上場廃止
株式会社豊田自動織機は、2026年6月1日付で上場廃止となりました。直接の親会社はトヨタアセット準備株式会社で、その先はトヨタアセット株式会社、トヨタ不動産株式会社と続きます。
同社のリリースでは、トヨタ自動車が主要株主である筆頭株主に該当しないこととなる旨が明記されています。なおトヨタL&Fは別法人ではなく、同社の産業車両・物流ソリューション事業のブランドです。
IHI物流産業システムの株式譲渡
IHIは2026年5月8日に、IHI物流産業システムの全株式の80%を豊田自動織機へ譲渡する契約の締結を公表しました。譲渡時期は2027年4月の予定で、残り20%も5年を目途に譲渡される予定です。
つまり、現在は別々のメーカーである2社が、同じ資本のもとに入ります。自動倉庫の相見積もりを取る際は、この点を踏まえて候補を選んでください。
トーヨーカネツの持株会社化
トーヨーカネツ株式会社は、2027年4月1日に持株会社体制へ移行する予定です。2026年3月31日に決議され、同年5月15日に吸収分割契約が締結されています。
自動倉庫を含む物流ソリューション事業は、トーヨーカネツソリューションズ株式会社へ承継される予定です。契約の相手方となる法人名が変わるため、長期の保守契約では確認が必要です。
自動倉庫主要製品の費用面での位置づけ
金額で比べられない以上、別の基準で候補を絞る必要があります。自動倉庫を製造業での使われ方から評価しています。
- 三進金属工業のパタノスターとシャトルXPは、中堅・中小製造業との相性が5点で主要12製品のなかで最も高い
- 西部電機のユニットラックシステムとダイフクのコンパクトシステムは、在庫管理適合性が5点である
- 村田機械の自動倉庫とIHIのラックパックは、中堅・中小製造業との相性が2点で最も低い
中堅・中小製造業との相性が高い製品
中堅・中小製造業との相性は、予算・IT体制・導入難易度への適合度を見る軸です。三進金属工業のパタノスターとシャトルXP、西部電機のバケットフィードシステムが5点です。
パタノスターは垂直回転ラック、シャトルXPは縦型リフト式ラックで、いずれも建屋規模の設備ではありません。設置スペースが幅・奥行とも2mから3mと公開されており、投資の規模が読みやすい製品です。
在庫管理適合性が高い製品
在庫管理適合性は、資材・仕掛・製品在庫の管理、ロット追跡、棚卸への対応度を見る軸です。西部電機のユニットラックシステム、ダイフクのコンパクトシステム、豊田自動織機のRack Sorter P、IHIのラックパック、AutoStoreが5点です。
これらはいずれも大規模な保管を前提とした設備です。投資額も大きくなるため、在庫の削減効果を数字で示せるかが導入判断の要点になります。
規模と評価の関係
自動倉庫では、在庫管理適合性が高い製品ほど中堅・中小製造業との相性が下がる傾向があります。ユニットラックシステムは在庫管理適合性5点に対し相性が4点、ラックパックは5点に対し2点です。
これは機能の優劣ではなく、設備の規模の差です。自社の保管数と入出庫の頻度に対して過大な設備を選ぶと、投資が回収できません。
まとめ|自動倉庫の費用の調べ方
自動倉庫は、価格が公開されていないことが標準の設備です。主要9社とも、2026年9月20日時点で公式サイトに金額の記載がありませんでした。
相場を示すページは複数ありますが、同じ会社が運営するページが含まれ、いずれも金額の根拠を示していません。一方、日本ロジスティクスシステム協会の統計は集計の範囲が明確で、2024年度の自動倉庫の売上金額は1,470億98百万円でした。
実務では、荷姿・重量・保管数・入出庫頻度を確定し、設備費と建築費の切り分けをそろえてから見積もりを取ってください。既設設備があるなら、約700万円からと公開されている更新費用と比較する判断も先に立ちます。
なお本記事の金額は、編集部が2026年9月20日に各社の公式サイトで確認したものです。価格改定があるため、見積もりの際は必ず最新の金額を確認してください。
自動倉庫(AS/RS)のおすすめ製品
西部電機 ユニットラックシステム
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| 西部電機 ユニットラックシステム | 西部電機株式会社 | 要見積もり | 全高6mから30mまで9型式、標準仕様表を公開したパレット自動倉庫 | 詳細を見る | |
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| AutoStore | AutoStore System AS | 要見積もり | 通路を持たないキューブ型、国内製造業6社が実名で稼働 | 詳細を見る | |
| トーヨーカネツ マルチシャトル | トーヨーカネツ株式会社 | 要見積もり | 冷凍冷蔵に対応し、多品種少量工場の物流DX事例を持つシャトル式 | 詳細を見る | |
| 三進金属工業 シャトルXP | 三進金属工業株式会社 | 要見積もり | 設置2〜3m四方、高さの違う金型を25mmピッチで詰める | 詳細を見る | |
| ダイフク ファインストッカー | 株式会社ダイフク | 要見積もり | 自動車部品・電子部品の多品種少量を名指しするケース自動倉庫 | 詳細を見る | |
| 三進金属工業 パタノスター | 三進金属工業株式会社 | 要見積もり | 機高2,250mmから、天井の低い既存工場に置ける垂直回転式 | 詳細を見る | |
| 住友重機械搬送システム マジックラック | 住友重機械搬送システム株式会社 | 要見積もり | 天井5.5mの既存建屋に入る、無人台車方式の高密度保管 | 詳細を見る | |
| 村田機械 自動倉庫システム | 村田機械株式会社 | 要見積もり | 冷凍1973年から、免震・超高層50mまでの守備範囲 | 詳細を見る |
よくある質問
Q自動倉庫の価格はいくらですか?
2026年9月20日時点で、主な自動倉庫のメーカー9社はいずれも公式サイトに価格を掲載していません。三進金属工業・西部電機・ダイフク・村田機械・豊田自動織機・トーヨーカネツ・IHI物流産業システム・住友重機械搬送システム・AutoStoreの全社で、問い合わせまたは見積もりの導線のみでした。AutoStoreの日本語サイトには価格ページのURL自体が存在しません。規模の目安としては、日本ロジスティクスシステム協会の統計で2024年度の自動倉庫の売上金額1,470億98百万円を売上件数1,311件で割ると、1件あたり約1億1,200万円になります(編集部の計算)。
Q自動倉庫の費用相場はいくらくらいですか?
確かめられる相場のデータはありません。相場を示すページは、小型シャトル式1,000万〜2,000万円、スタッカークレーン型 数千万円〜1億円超などのレンジを示していますが、いずれも「参考値」「概算」「目安」と断り書きが付いています。さらに、同じレンジを載せている2つのページは同じ株式会社エージェンシー・コンストラクションの運営で、独立した裏付けにはなりません。集計の範囲が明確なのは日本ロジスティクスシステム協会の統計のみで、2024年度の自動倉庫の売上金額は1,470億98百万円(前年度比11.4%増)です。
Q自動倉庫の見積もりを取るとき何を伝えればよいですか?
荷姿、1単位あたりの重量、必要な保管数、入出庫の頻度の4点を先に確定してください。西部電機の例では、パレット用のユニットラックシステムが定格荷重1,000kg、バケット用のバケットフィードシステムがシングルフォークで50kgと桁が違います。入出庫の頻度はスタッカークレーンの台数を左右します。加えて、建屋の新設を含むか既存建屋への設置かを統一し、設備費と建築費の切り分けをそろえてください。見積書では制御ソフト・上位システム連携・保守契約を分けて出してもらうと比較できます。
Q既設の自動倉庫を更新する費用はいくらですか?
自動倉庫の修繕・点検・制御更新を受託する株式会社APTが、システム更新を約700万円から、制御更新を約950万円からと自社サイトに公開しています。これは新規導入の価格ではなく既設設備に対する更新費用で、同社はメーカーではなく更新・保守を受託する事業者です。自動倉庫は20年以上使われることがあり、機械部分が動いていても制御装置の部品供給が先に終わるため、制御更新の時期が来ます。更新の概算を押さえてから新設の見積もりを取ると、建て替えとの比較がしやすくなります。
Q自動倉庫のメーカー別シェアはどこで分かりますか?
公表されているデータはありません。自動倉庫の統計を公表しているのは公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会の「物流システム機器生産出荷統計」ですが、掲載は全体合計と機種別の集計のみで、メーカー別の内訳は一切ありません。日本産業車両協会には自動倉庫の統計自体がなく、統計のFAQで「メーカー別統計はありません。全体の合計値のみです」と回答しています。各社のIR資料にも自動倉庫のメーカー別シェアへの言及はなく、ダイフクの報告セグメントは事業別ではなく会社別のため自動倉庫単位の売上も開示されていません。
