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選び方・ノウハウ#産業用スイッチングハブ#スイッチングハブ#選び方

産業用スイッチングハブの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

産業用スイッチングハブの選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。4つの種類の違い、管理機能、リング冗長化、PoE、産業用プロトコル、設置環境の見方と、よくある4つの失敗を整理します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
産業用スイッチングハブの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

産業用スイッチングハブは、工場の設備・PLC・カメラなどをイーサネットでつなぐ制御ネットワーク用の機器です。事務所向けの機器と比べて、動作温度の範囲が広く、ノイズや振動に強く、DINレールに取り付けられる点が特徴です。ただし、管理機能の有無、リング冗長化の方式、PoE給電、産業用プロトコルへの対応など、比較する軸が多くあります。ポート数や価格だけで選ぶと、設置後に必要な機能が足りないと気づくケースもあります。この記事では、種類の違いと、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。

  • 管理機能:設定不要のアンマネージドか、監視や冗長化ができるマネージドかを決める
  • 冗長化:リング方式がPLCやほかのスイッチと共通かを確認する
  • PoEとプロトコル:カメラへの給電や、PROFINET・EtherNet/IPなどへの対応を確認する
  • 耐環境性:動作温度や取り付け方法を、設置場所の条件と照らし合わせる

管理機能と冗長化の要件を先に整理すると、候補となる機種の範囲を絞り込みやすくなります。設置環境と型式まで確認すると、導入後の手戻りを抑えられます。


この記事でわかること

01

産業用スイッチングハブの基礎知識

選び方に入る前に、産業用スイッチングハブが何をする機器なのかを押さえます。事務所用との違いが曖昧なままだと、必要な耐環境性を見落としかねません。基本的な用語は、産業用スイッチングハブとはの記事でも整理しています。

産業用スイッチングハブが担う役割

産業用スイッチングハブは、生産ラインの設備、PLC、カメラ、無線機器などをネットワークでつなぎます。データの宛先を見分けて、必要なポートにだけ通信を流す機器です。

代表的な用途は、設備とPLCのネットワーク接続です。リング構成による通信の冗長化や、PoEによるカメラへの給電もあります。制御ネットワークと事務所ネットワークの分離にも使われます。

事務所向けの機器との違い

事務所向けの機器と比べると、産業用は動作温度の範囲が広い点が主な違いです。ノイズや振動に強い設計で、DINレールに取り付けて使います。

例えば当サイトの掲載製品には、-40〜75℃で使えるモデルがあります。一方で標準モデルは-10〜60℃の場合もあるため、型式ごとの確認が必要です。電源の二重化や故障リレーを備えた機種も見られます。

選定でつまずきやすい理由

産業用スイッチングハブは、同じシリーズでも型式によって仕様が変わります。動作温度、PoE対応、ギガビット対応、光ポートの有無が、型式ごとに異なる製品が少なくありません。

2026年時点で、当サイトの20製品のうち価格を示している製品は一部に限られます。多くは見積依頼や販売代理店への問い合わせが前提です。シリーズ名だけでは、条件に合うかを判断できません。

編集部コメント:問い合わせ前に、次の3点を整理すると便利です。接続する機器の数、止められない設備の有無、設置場所の温度です。仕様の確認項目が明確になり、販売店への相談も具体的になります。


02

産業用スイッチングハブの種類

産業用スイッチングハブは、管理機能の有無と、給電や組み込みといった用途で大きく4つに分けられます。1台が複数の分類にまたがる場合もありますが、まず全体像をつかみましょう。

  • アンマネージド型
  • マネージド型
  • PoE給電対応型
  • 盤内組み込み・プロトコル対応型

アンマネージド型

設定をせずに電源を入れるだけで使える型です。Moxa EDS-2000シリーズは、DIPスイッチでQoSとストーム保護を切り替えられます。コンテック SH-9008FT・SH-9005FTは、高さ24.5mmのフラット筐体です。

VLAN、リング冗長化、遠隔監視は使えません。アドバンテック EKI-2000シリーズは、電源の二重化と故障リレーを備えます。電源トラブルに気づける機種です。小規模な盤や機械ネットワークの増設に向いています。

マネージド型

通信の監視、優先制御、冗長化ができる型です。リング冗長化に対応する機種として、Moxa EDS-4000/G4000シリーズがあります。アドバンテック EKI-7000シリーズも同様です。シーメンス SCALANCE X-200は、診断機能が特徴です。PROFINETとEtherNet/IPの診断を、1台で行えます。

シスコ Catalyst IE3100シリーズは、情報系と同じ方法で管理できる製品です。WAGO リーンマネージドスイッチのように、機能を絞った低コスト版もあります。

PoE給電対応型

LANケーブルで機器へ給電できる型です。カメラや無線機器に、別の電源配線を引かずに済みます。サンワサプライ LAN-GIGAPOEFAの一部機種は、簡易ウォッチドッグを持ちます。PoE機器を自動で再起動させる機能です。

コンテック SH-9210シリーズでは、SH-9210AT-POEが最大180Wを給電できます。Catalyst IE3100は、Perpetual PoEに対応します。スイッチの再起動中も、給電を維持できる機能です。PoE対応は型式が限られるため、確認が欠かせません。

盤内組み込み・プロトコル対応型

装置の盤や筐体の内部に組み込む、小型の型です。Moxa SDS-3008シリーズは、幅20mmの筐体に8ポートを収めます。EtherNet/IPやPROFINET IO Deviceにも対応します。

大電 DN5410Eシリーズは、基板状態でも提供され、装置に内蔵できる製品です。ベッコフ CU2208は、TwinCATで組む装置の周辺に追加しやすい製品です。


03

【目的別】産業用スイッチングハブの選び方

同じスイッチングハブでも、何を実現したいかで優先すべき条件は変わります。工場でよくある3つの目的を取り上げました。目的が複数ある場合は、最も条件の厳しいものに合わせます。

リング構成で通信を止めたくない

通信断が生産停止に直結する設備では、冗長化が条件です。IEC 62439-2のMRPは、リング構成で単一の障害から復旧するプロトコルです。PROFINETのリングでは、MRPを使います。

EtherNet/IPの設備には、ODVAの資料にあるDLRがあります。Moxa EDS-4000/G4000シリーズの復旧時間は、250台構成で20ms未満です。1Gbps以上では50ms未満で、メーカーの公表値です。HMS N-Tron NT5000シリーズは、約30msで復旧する独自のNリングを持ちます。

カメラや無線機器に給電したい

PoE対応のスイッチは、LANケーブルで給電と通信をまとめて行えます。電源配線が難しい場所に、カメラや無線機器を置く場合に向きます。1ポートあたりの給電量と、全ポート合計の上限を確認してください。

サンワサプライのLAN-GIGAPOEFA84は、IEEE802.3btで最大90W/ポートです。コンテックのSH-9210AT-POEは、1ポート最大30W、合計最大180Wです。WAGOのPoE版は、24VDCでポートあたり最大30Wを給電します。

制御ネットワークと事務所ネットワークを分けたい

制御用と事務所用を同じ機器でつなぐ場合は、VLANやセキュリティ機能が条件です。この用途では、アンマネージド型は使えません。選択肢はマネージド型です。

Moxa EDS-4000/G4000シリーズは、IEC 62443-4-2 SL2を取得済みです。シスコのIE3500は、Cyber Visionを組み込んでいます。追加の機器なしで、接続機器の把握や脆弱性の確認ができます。ただしライセンスの扱いは、事前に確かめましょう。


04

【部門別】産業用スイッチングハブの選び方

スイッチングハブは、盤を設計する人、保守する人、ネットワークを管理する人で見る点が異なります。導入に関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有する場合は、条件の厳しい部門に合わせます。

生産技術・設備設計部門

盤や装置を設計する部門では、盤内に収まるかと、使うPLCとの相性が条件です。奥行きや幅、取り付け方法、対応する産業用プロトコルを確認します。

Moxa SDS-3008シリーズは幅20mmで、産業用プロトコルに対応します。コンテックのSH-9008FTは、高さ24.5mmです。ベッコフのCU2208は高さ30mmで、盤内の奥行きをとりません。装置メーカーでは、設定をUSBでバックアップできる機種も便利です。

保全・設備管理部門

異常の原因を追う部門では、通信状態の診断と監視が条件です。PLC側からスイッチの状態を取得できるかも、確認したい点です。

Siemens SCALANCE X-200は、診断を1台で行えます。PROFINETとEtherNet/IPの両方が対象です。ロックウェルのStratix 5200は、Studio 5000からポートの状態を監視できます。WAGOのリーンマネージドスイッチは、Modbusレジスタで状態を取得できる製品です。アンマネージド型は、遠隔監視に使えません。

情報システム部門

情報系と工場のネットワークをつなぐ場面では、管理の方法とセキュリティが条件です。使い慣れたツールで管理できるかが、運用負荷に影響します。

Catalyst IE3100は、IOS XEで動作します。Cisco Catalyst Centerによる一元管理も可能です。ただしCatalyst Centerを使うなら、期間制のライセンスを追加します。Stratix 5200も、IOS XEを搭載しています。


05

【企業規模別】産業用スイッチングハブの選び方

企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。ネットワークの専任担当の有無、拠点やラインの数、機器の管理の進め方の3点です。自社の体制に近いところから読み進めるとよいでしょう。

中小企業

ネットワークの専任者がいない前提で選びます。設定不要で使え、価格を確かめやすい製品が候補です。

サンワサプライ、大電、三菱電機システムサービスは、標準価格や本体価格を公開しています。コンテックのSH-9008FTのような、設定不要のアンマネージド型も選べます。リング冗長化が必要なら、WAGOのリーンマネージドスイッチが候補です。Web設定に絞った低コスト版で、専任者がいなくても設定しやすい点が利点です。

中堅企業

複数のラインや建屋で、台数と接続先が増える段階です。リング冗長化と、まとめた設定・監視が条件になります。

リング冗長化に対応するマネージド型として、Moxa EDS-4000/G4000シリーズがあります。アドバンテックのEKI-7000シリーズも同様です。EKI-7000は、IXM機能で多数台の設定を展開できます。PLCのメーカーが決まっていれば、Siemens SCALANCE X-200も候補です。SIMATICのエンジニアリング環境とそろえて立ち上げられます。

大企業

複数の工場や拠点を抱え、全社で標準を決める段階です。拠点をまたいだ一元管理と、セキュリティの要件が条件になります。

シスコのIE3500は、最大27ポートまで拡張できます。10G SFPアップリンクを持つモデルもあり、工場ネットワークの集約点に向く製品です。管理ツールや保守契約の形は、製品ごとに異なります。拠点ごとに機種がばらつくと、保守の手順も分かれてしまいます。標準化の前に、運用の担当者を決めておきましょう。


06

自社に合った産業用スイッチングハブの選定ポイント

目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な仕様に落とし込みます。確認の順番が大切です。上から順に見ていくと、手戻りを減らせるでしょう。

  • 接続する機器とポート数・通信速度を整理する
  • マネージドかアンマネージドかを決める
  • 冗長化の方式を確認する
  • 産業用プロトコルとPoEへの対応を確認する
  • 設置環境と取り付け方法を確認する

接続する機器とポート数・通信速度を整理する

最初に決めるのは、つなぐ機器の数と、必要な通信速度です。ポートが足りないと、スイッチを追加する必要が出ます。光ファイバのアップリンクが要るかも、この段階で確認しましょう。

例えば、アドバンテックのEKI-2000は10/100Mbpsです。Moxa SDS-3008も同じです。ギガビットや光ポートはありません。コンテックのSH-9008FTも、SFPスロットを持ちません。カメラの画像伝送では、ギガビットが要る場合があります。

マネージドかアンマネージドかを決める

監視や冗長化が不要なら、アンマネージド型で足ります。VLAN、リング冗長化、遠隔監視のどれか1つでも必要なら、マネージド型を選びます。

費用面では、2026年時点で価格を示す製品は20製品のうち一部です。サンワサプライ、大電、三菱電機システムサービスは、標準価格や本体価格を公開しています。コンテックは、オープン価格です。ほかは見積依頼が前提のため、構成を固めてから比較しましょう。

冗長化の方式を確認する

リング冗長化は、方式がそろわないと機器同士で使えません。PROFINETの設備ならMRP、EtherNet/IPの設備ならDLRが基本です。DLRでは、リングを監督するスーパーバイザが最低1台必要になります。

メーカー独自の方式もあります。HMS N-Tron NT5000は、独自のNリングが中心です。MRPへの対応は、公式日本語ページに記載がありません。コンテックのSH-9210は、冗長化の記載がRSTPです。公表されている復旧時間は、構成の台数を含めて確認してください。

産業用プロトコルとPoEへの対応を確認する

PLCから診断や状態取得をしたい場合は、産業用プロトコルへの対応が条件です。CC-Link IE TSNやPROFINETなど、使うネットワークの規格を先に確かめます。

SH-9210は、3機種ともCC-Link IE TSN Class A認証を取得済みです。SCALANCE X-200は、PROFINETとEtherNet/IPの診断に対応します。PoEは型式が限られる場合があり、Moxa EDS-4000/G4000では一部のモデルのみです。

設置環境と取り付け方法を確認する

屋外や高温の設備では、動作温度が条件です。標準モデルと広温度モデルで、仕様が分かれる製品があります。取り付け方法や、電源入力の系統数も確かめましょう。

HMS N-Tron NT5000は、公式ページで-40〜85℃とされています。Moxa EDS-4000/G4000の標準モデルは-10〜60℃です。-40〜75℃は-Tモデルになります。シスコのIE3100は、盤の条件で上限が変わります。ベッコフのCU2208は0〜55℃で、IP20です。


07

【比較表】産業用スイッチングハブの主要製品

製品データとして数値化できる4項目を、評価スコアで横並びにしました。設備保全・多拠点対応・現場での使いやすさ・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。同点の場合は残りの3項目の順に、最後は製品名で並べました。価格は2026年時点の公式ページの記載で、公開されていない場合はその旨を記しました。製品ごとの詳しい比較は、産業用スイッチングハブの比較記事で扱います。

順位

製品

提供元

設備保全

多拠点対応

現場での使いやすさ

中小適合

価格の目安

1

サンワサプライ LAN-GIGAFA・LAN-GIGAPOEFAシリーズ

サンワサプライ株式会社

3

1

4

5

標準価格を公開(型式ごとに異なる)

2

Moxa EDS-2000シリーズ

Moxa Japan合同会社

2

2

4

5

公式製品ページに価格表示なし(見積依頼・販売代理店経由)。保証期間は5年

3

アドバンテック EKI-2000シリーズ

アドバンテック株式会社

2

1

4

5

公式ページに価格表示なし(価格・お見積りは問い合わせ)

4

コンテック SH-9008FT・SH-9005FT

株式会社コンテック

1

2

5

5

公式価格表は「オープン価格」(e-shopで購入可)。標準保証1年、延長保証は最長6年(日本国内のみ)

5

三菱電機システムサービス DT135TXA・DT125TXA

三菱電機システムサービス株式会社

1

2

4

5

標準価格を公開(型式ごとに異なる。ACアダプタは別売)

6

大電 DN5410Eシリーズ

大電株式会社

1

2

3

5

本体価格を公開(型式ごとに異なる)

7

Moxa SDS-3008シリーズ

Moxa Japan合同会社

4

3

4

4

公式製品ページに価格表示なし(見積依頼・販売代理店経由)。保証期間は5年

8

WAGO リーンマネージドスイッチ

ワゴジャパン株式会社

4

3

4

4

公式製品ページに価格表示なし(問い合わせ)。日本向けの製品ページは wago.com/jp に掲載

9

コンテック SH-9210シリーズ

株式会社コンテック

4

3

4

4

公式価格表は「オープン価格」(e-shopで購入可)。標準保証1年、延長保証は最長6年(日本国内のみ)

10

シーメンス SCALANCE X-000

シーメンス株式会社

2

2

4

4

公式製品ページに価格表示なし。製品構成はTIA Selection Tool、注文はサイトポータル・カタログST 70を案内

11

HMS N-Tron NT100シリーズ

HMSインダストリアルネットワークス株式会社

1

3

5

4

公式ページに価格表示なし(販売代理店・HMSへの見積依頼)

12

ハーティング Ha-VIS eConシリーズ

ハーティング株式会社

1

2

4

4

公式ページに価格表示なし(eShopと製品データ、国内代理店・営業所経由)

13

ベッコフ CU2208

ベッコフオートメーション株式会社

1

1

3

4

公式製品ページに価格表示なし(問い合わせ)。製品ステータスは「regular delivery」

14

Moxa EDS-4000/G4000シリーズ

Moxa Japan合同会社

4

5

5

3

公式製品ページに価格表示なし(見積依頼・販売代理店経由)。保証期間は5年

15

HMS N-Tron NT5000シリーズ

HMSインダストリアルネットワークス株式会社

4

4

5

3

公式日本語ページに価格表示なし(見積依頼・問い合わせ)。N-View 2ソフトウェアが付属

16

アドバンテック EKI-7000シリーズ

アドバンテック株式会社

4

4

5

3

公式ページに価格表示なし(価格・お見積りは問い合わせ)

17

シスコ Catalyst IE3100シリーズ

シスコシステムズ合同会社

5

5

4

2

公式製品ページに価格表示なし(デモ依頼・問い合わせ)。Catalyst Centerで管理する場合は、Catalyst Center Essentialsライセンス(任意のアドオン、1〜10年の期間制)を追加する

18

ロックウェル オートメーション Stratix 5200

ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社

5

4

4

2

公式製品ページに価格表示なし。型式(1783-CMS6B〜CMS20DN)ごとにポート数・ファームウェア種別・DLR/PRP/NAT対応が異なる

19

シーメンス SCALANCE X-200

シーメンス株式会社

4

5

4

2

公式製品ページに価格表示なし。製品構成はTIA Selection Tool、注文はシーメンスのサイトポータル・カタログST 70を案内

20

シスコ IE3500シリーズ

シスコシステムズ合同会社

5

5

4

1

公式製品ページに価格表示なし。Cyber Visionは対象スイッチのNetwork Advantageライセンス注文時に24エンドポイント・3年分が含まれる(データシートの記載)


08

産業用スイッチングハブの選び方で失敗しないための注意点

導入でつまずく例には、共通した型があります。事前に知っておけば、仕様確認の段階で対策を取れるでしょう。よくある4つを、回避策とあわせて挙げます。

アンマネージド型で足りると判断して後から困る

設定不要で安価なアンマネージド型は、導入しやすい機器です。しかし、後からリング冗長化や遠隔監視が必要になっても、機能を追加できません。VLANも使えません。

回避策:数年先の拡張を含めて、冗長化と監視の要否を書き出します。不要と判断した理由は、記録に残しましょう。将来の置き換えを前提にするなら、アンマネージド型でも問題ありません。

リング冗長化の方式が合わない

冗長化の方式が違うと、ほかのスイッチやPLCと同じリングを組めません。独自方式のNリングは、MRPなど他社と共通のリングで組みたい場合に向きません。

回避策:PLCやすでに設置されたスイッチの方式を先に確認します。MRP、DLRなど、使う規格を決めてから機種を選びましょう。復旧時間は、メーカーが公表する構成の条件も確かめます。

型式ごとの仕様の違いを見落とす

同じシリーズでも、動作温度、PoE、ポート数、冗長化の対応は型式で異なります。型式が多い製品には、Moxa EDS-4000/G4000があります。ハーティングのHa-VIS eConやSCALANCE X-200も同様です。

回避策:シリーズ名ではなく、型式の仕様書で確認します。末尾の記号が温度範囲や機能の違いを表す製品もあります。注文前に、販売店へ型式を伝えて仕様を照合しましょう。

設置環境の条件を盤の中で確認しない

製品の動作温度は、盤の条件で変わる場合があります。シスコのIE3100は、密閉盤では-40〜60℃です。-40〜75℃は、送風機付きの盤が前提になります。

回避策:設置する盤の内部温度と、換気の条件を調べます。そのうえで、仕様の前提条件まで読み合わせましょう。費用の見方は、産業用スイッチングハブの費用の記事も参考にしてください。


09

まとめ

選定は、つなぐ機器の数と、止められない設備の有無を書き出すことから始まります。種類は4つに分けられます。アンマネージド型、マネージド型、PoE給電対応型、盤内組み込み・プロトコル対応型です。目的・部門・規模のどこから見ても、最初に確認するのは管理機能と冗長化の方式です。

方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。ポート数と通信速度、管理機能、冗長化、プロトコルとPoE、設置環境です。製品の一覧は、産業用スイッチングハブのカテゴリページから確認できます。比較の詳細は、産業用スイッチングハブの比較記事で扱います。

産業用スイッチングハブ比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
Moxa EDS-4000/G4000シリーズ ロゴ
Moxa EDS-4000/G4000シリーズMoxa Japan合同会社要見積もりIEC 62443認証のマネージドスイッチ詳細を見る
アドバンテック EKI-7000シリーズ ロゴ
アドバンテック EKI-7000シリーズアドバンテック株式会社要見積もりIEC 62443認証のマネージドスイッチ詳細を見る
HMS N-Tron NT5000シリーズ ロゴ
HMS N-Tron NT5000シリーズHMSインダストリアルネットワークス株式会社要見積もりNリングを持つマネージドスイッチ詳細を見る
シスコ Catalyst IE3100シリーズ ロゴ
シスコ Catalyst IE3100シリーズシスコシステムズ合同会社要見積もり全ポートギガビットの小型スイッチ詳細を見る
Moxa SDS-3008シリーズ ロゴ
Moxa SDS-3008シリーズMoxa Japan合同会社要見積もり幅20mmの8ポートスマートスイッチ詳細を見る
コンテック SH-9210シリーズ ロゴ
コンテック SH-9210シリーズ株式会社コンテック要見積もりTSN対応の国産マネージドスイッチ詳細を見る
WAGO リーンマネージドスイッチ ロゴ
WAGO リーンマネージドスイッチワゴジャパン株式会社要見積もり低コストのマネージドスイッチ詳細を見る
シーメンス SCALANCE X-200 ロゴ
シーメンス SCALANCE X-200シーメンス株式会社要見積もりPROFINET診断ができるマネージドスイッチ詳細を見る
ロックウェル オートメーション Stratix 5200 ロゴ
ロックウェル オートメーション Stratix 5200ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社要見積もりStudio 5000連携のスイッチ詳細を見る
シスコ IE3500シリーズ ロゴ
シスコ IE3500シリーズシスコシステムズ合同会社要見積もりCyber Vision内蔵のモジュラー型スイッチ詳細を見る
コンテック SH-9008FT・SH-9005FT ロゴ
コンテック SH-9008FT・SH-9005FT株式会社コンテック要見積もり国産アンマネージドスイッチ詳細を見る
Moxa EDS-2000シリーズ ロゴ
Moxa EDS-2000シリーズMoxa Japan合同会社要見積もり小型アンマネージドスイッチ詳細を見る
サンワサプライ LAN-GIGAFA・LAN-GIGAPOEFAシリーズ ロゴ
サンワサプライ LAN-GIGAFA・LAN-GIGAPOEFAシリーズサンワサプライ株式会社オンプレミス産業用スイッチングハブ詳細を見る
HMS N-Tron NT100シリーズ ロゴ
HMS N-Tron NT100シリーズHMSインダストリアルネットワークス株式会社要見積もり光ポート付きアンマネージドスイッチ詳細を見る
三菱電機システムサービス DT135TXA・DT125TXA ロゴ
三菱電機システムサービス DT135TXA・DT125TXA三菱電機システムサービス株式会社オンプレミス産業用スイッチングハブ詳細を見る
シーメンス SCALANCE X-000 ロゴ
シーメンス SCALANCE X-000シーメンス株式会社要見積もりエントリー向けアンマネージドスイッチ詳細を見る
アドバンテック EKI-2000シリーズ ロゴ
アドバンテック EKI-2000シリーズアドバンテック株式会社要見積もり小型アンマネージドスイッチ詳細を見る
大電 DN5410Eシリーズ ロゴ
大電 DN5410Eシリーズ大電株式会社オンプレミスCC-Link IE Field対応の国産スイッチ詳細を見る
ハーティング Ha-VIS eConシリーズ ロゴ
ハーティング Ha-VIS eConシリーズハーティング株式会社要見積もり200種類以上から選べるスイッチ詳細を見る
ベッコフ CU2208 ロゴ
ベッコフ CU2208ベッコフオートメーション株式会社要見積もり8ポートギガビットスイッチ詳細を見る

よくある質問

Q産業用スイッチングハブは何から決めればよいですか?
A

最初に、つなぐ機器の数と通信速度を書き出します。そのうえで、監視や冗長化が必要かを決めると、マネージドかアンマネージドかを判断しやすくなります。止められない設備の有無と、設置場所の温度もあわせて整理しておくと、問い合わせの内容が具体的になります。

Qマネージドとアンマネージドはどう使い分けますか?
A

アンマネージドは、設定をせずに使える機器です。VLAN、リング冗長化、遠隔監視は使えません。通信の監視や冗長化、制御ネットワークと事務所ネットワークの分離が必要な場合は、マネージドを選びます。小規模な盤の増設なら、アンマネージドで足りる場合があります。

Qリング冗長化の方式は何を選べばよいですか?
A

使っているPLCやほかのスイッチの方式にそろえるのが基本です。PROFINETの設備ではMRP、EtherNet/IPの設備ではODVAの資料で説明されているDLRが使われます。独自方式の製品は、他社機と同じリングを組めない場合があります。復旧時間は、メーカーが示す構成の条件とあわせて確認しましょう。

Q価格はどう確認すればよいですか?
A

2026年時点で、当サイトの20製品のうち価格を示している製品は一部です。サンワサプライ、大電、三菱電機システムサービスは標準価格や本体価格を公開しています。コンテックはオープン価格です。ほかは見積依頼や販売代理店への問い合わせが前提のため、型式を決めてから比較します。

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