メインコンテンツへスキップ
費用・価格#プロセスシミュレーター#プロセス解析#費用

プロセス解析ソフトの費用|8製品とも価格が非公開の分野で規模をつかむ方法

プロセス解析ソフト(プロセスシミュレーター)の主要8製品について、価格が公式にどこまで公開されているかを整理した記事。金額を掲載している製品は1つもなく、価格ページのURLも大半が404でした。トークン制を明記する2社と、無償ではないアカデミック版の実態を見ていきます。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
プロセス解析ソフトの費用|8製品とも価格が非公開の分野で規模をつかむ方法

プロセス解析ソフトの費用を調べると、すぐに行き止まりになります。主要8製品のどれにも、公式サイトに金額の記載がありません。1製品もです。

この記事では、価格ページが本当に存在しないのかを実際にアクセスして確かめたうえで、公式に確認できる範囲で費用の構造を整理します。金額が出ていない分、何が分かっていて何が分かっていないかをはっきりさせることが要点になります。

記載内容は、各社の公式サイトと公式PDFを、編集部が2026年9月24日に確認したものです。想定される価格ページのURLは同日に実際にアクセスし、HTTPステータスを記録しています。

  • 主要8製品のうち、公式に金額を掲載している製品は1つもなかった
  • ライセンスにトークン制を公式に明記しているのはAspenTechとHoneywellの2社
  • アカデミック版に触れている2製品とも、公式表現は無償ではない

この記事でわかること

01

プロセス解析ソフトの価格は8製品とも公式に公開されていない

まず結論から押さえます。この分野は価格の非公開が一部ではなく全部です。

  • 通貨つきの具体的な金額は8製品のいずれにも存在しない
  • 公式に価格水準へ言及しているのはアカデミック向けの2件だけ
  • 問い合わせかデモ申込が唯一の導線になっている

金額が1件もない

確認したのはAspen Plus、Aspen HYSYS、CHEMCAD、AVEVA PRO/II Simulationの4製品です。加えてUniSim Design Suite、Symmetry、gPROMS Process、Visual Modelerも見ました。製品ページにも公式PDFにも、通貨つきの金額はありませんでした。

これは一部の製品が非公開という状況ではありません。分野全体として、価格を出さない商習慣になっていると読めます。

価格水準に触れている唯一の記述

公式サイトで価格の水準に言及しているのは2件だけです。どちらもアカデミック向けの記述になります。

gPROMSは、アカデミックプログラムについて「商用価格の一部で全機能ライセンスを提供する」という趣旨の記述を置いています。CHEMCADは「低価格の教育向けバンドル」を提供すると書いています。いずれも金額ではなく、商用価格との相対関係を示した表現です。

導線は問い合わせとデモだけ

8製品とも、価格を知る手段は問い合わせかデモ申込に限られます。オンラインで購入できる仕組みは確認できませんでした。

AspenTechはContact UsとSoftware Trial、AVEVAはSchedule Demoという構成です。Honeywellはトライアルライセンスの申込、Datacorはデモ申込になります。いずれもフォーム送信が起点です。

02

プロセス解析ソフトの価格ページが存在しないことを実測で確かめる

「価格は非公開」と書くには、価格ページが無いことを確認する必要があります。想定されるURLに実際にアクセスした結果を記録します。

  • 5社は価格ページのURLが正規の404を返した
  • AspenTechはHTTP 200を返しながら中身がエラーページだった
  • SLBだけは断定できない事情が残っている

正規の404を返した5社

AVEVAは英語サイトの価格・料金・ストアに相当するパスがいずれも404でした。Datacorも価格ページのパスが404です。

Honeywellは価格ページのパスが404、オメガシミュレーションも同様でした。SLBもslb.com側のパスは404です。これらは「ページが無い」ことがはっきり確認できます。

200を返すのに中身がエラーのケース

AspenTechは事情が違いました。価格・ストアに相当する4つのパスは、いずれもHTTPステータス200を返します。

ところが実体は、4回から5回のリダイレクトを経て「ファイルが見つかりません」というページに着地します。ステータスコードだけを見ると存在するように見えますが、中身はエラーページです。自動でリンク切れを検出する仕組みでは拾えない形になっています。

唯一断定できない製品

SLBには、slb.comとは別にオンラインストアのドメインが存在します。こちらはHTTPステータス200を返しました。

ただし本文のテキストを取得できませんでした。JavaScriptで描画されているか、ログインが必要な作りと見られます。そのためSymmetryについては、ストア上に価格が表示されている可能性を排除できていません。この1製品だけは「価格非公開」と断定できない状態です。

03

プロセス解析ソフトのトークン制は2社が公式に明記している

金額が分からなくても、課金の仕組みは公式に書かれている場合があります。この分野ではトークン制が2社で確認できました。

  • AspenTechは全社共通のトークンプール方式を公式に明記している
  • Honeywellは年間固定トークン数と繰越の仕組みを公式PDFに記載している
  • 残る6製品はライセンス形態の公式明記が確認できなかった

AspenTechのトークンプール

公式のトークンライセンスページには、トークンが会社のプールとしてライセンスされると書かれています。ユーザーがソフトを開くとプールから確認され、任意の製品にアクセスできる仕組みです。

製品ごとに必要なトークン数が異なるとも記載されています。Aspen PlusとAspen HYSYSが対象に含まれることも名指しで明記されています。ただし1トークンあたりの金額は書かれていません。

Honeywellのトークンと契約期間

UniSim Design Suiteの公式PDFには、トークンベースまたはトークンとネットワークのハイブリッド方式に対応すると書かれています。ノートPCへの一時的なライセンス固定にも対応するとされています。

別の公式PDFには、年間の固定トークン数と、事業サイクルに合わせた繰越・繰戻しの仕組みが記載されています。契約期間が選択項目であることも明記されており、年間契約の存在が読み取れます。

永久ライセンスの有無は確認できない

2社ともトークン制は明記していますが、買い切りの永久ライセンスがあるかどうかは公式に書かれていません。

残る6製品については、サブスクリプションか永久かという区別自体が公式サイトに記載されていませんでした。AVEVAにはクレジット制のサブスクリプションプログラムが存在しますが、PRO/IIがその対象であることは公式に確認できていません。

04

プロセス解析ソフトのアカデミック版は無償ではない

教育機関向けの提供について、誤解されやすい点を整理します。この分野では無償と書かれている製品がありません。

  • gPROMSは「商用価格の一部」で全機能ライセンスを提供すると記載している
  • CHEMCADは「低価格の教育向けバンドル」と記載している
  • 成分数などの数値制限を公式に明記している製品は8製品の中になかった

gPROMSのアカデミックプログラム

公式のアカデミックページには、商用価格の一部で全機能のライセンスを提供するという記述があります。同時に「営業に問い合わせを」という案内も置かれています。

全機能と明記されているため、機能制限は無いと読めます。一方で割引率のパーセンテージは示されていません。無料と書くことも、何割引と書くこともできない状態です。

CHEMCADの教育向けバンドル

Datacorのサービスページには、世界中の大学と教育機関で使われていること、低価格の教育向けバンドルと研究ライセンスを提供することが書かれています。

「低価格」という表現なので、無償ではないことは読み取れます。ただし金額は記載されていません。アカデミック専用のページも存在せず、想定されるパスは404でした。

数値制限は公式に書かれていない

プロセスシミュレーターの体験版や学生版では、扱える成分数やユニットオペレーション数に上限が設けられることがあります。

ただし今回確認した範囲では、こうした数値制限を公式ページに明記している製品は1つもありませんでした。第三者の媒体にある「学生版は成分がN個まで」といった数字は、公式の裏づけがない情報になります。

05

プロセス解析ソフトの体験版で確認できる範囲

金額が非公開でも、試せる手段は用意されています。ただし条件の公開度は低い分野です。

  • AspenTechはブラウザで動く評価版を用意している
  • Visual Modelerは体験版をダウンロードできるがサポートは付かない
  • 体験版の利用期間を公式に明記している製品は確認できなかった

ブラウザで試せる評価版

AspenTechのソフトウェアトライアルは、ダウンロードもインストールも不要でブラウザから評価できると記載されています。評価期間中は全機能にアクセスできるとも書かれています。

ただし期間の日数は記載がありません。「購入前に試す」という位置づけであることは明示されていますが、何日使えるのかは問い合わせないと分かりません。

申込制のトライアル

HoneywellのUniSim Designにはトライアルライセンスの申込導線があります。ただし導線の名称に無料という語が含まれる一方で、ページ本文に無償である旨の明記はありませんでした。

無償かどうかを確かめずに申し込むと、前提が食い違う可能性があります。申込時に費用の有無を確認しておくのが確実です。

サポートが付かない体験版

Visual Modelerの体験版はダウンロードできます。ただし公式に「いかなる保証とサポートも行いません」と明記されています。製品版がインストールされたPCには入れられないという制限もあります。

なおこのページの対応OSは、Windows 7、Vista、XPと記載されたままです。いずれもサポートが終了したOSなので、現行の動作環境として読むことはできません。ページが長期間更新されていない状態です。

06

プロセス解析ソフトの費用を左右する要素

金額が非公開でも、費用が動く変数は公式情報から読み取れます。見積もりを依頼する前に押さえておく点を整理します。

  • 必要なモジュールをどこまで選ぶかで費用が変わる
  • トークン制では同時に使う人数とプールの規模が効く
  • 契約期間が選択項目になっている製品がある

モジュールの選択

HoneywellのUniSimには、必要なモジュールだけを選んで支払う形にできるという記述があります。全部入りではなく、使う範囲で構成を組む前提です。

AspenTechも製品ごとに必要なトークン数が違うとしています。どの解析をどれだけ行うかによって、必要なライセンスの構成が変わります。

同時利用の規模

トークンプール方式では、社内で同時に何人が使うかが費用に直結します。プールの規模を超えると起動できなくなるためです。

逆に言えば、使う時間帯が分散していればプールを小さくできます。部署をまたいで使う場合は、利用のピークを把握しておく必要があります。

契約期間

Honeywellは契約期間を選択項目として明記しています。年間の固定トークン数という表現もあるため、年単位の契約が基本と読めます。

繰越と繰戻しの仕組みがあるとも書かれています。年度によって利用量に波がある場合、この条件が実質的なコストに効いてきます。

07

プロセス解析ソフトの見積もりで条件をそろえる

8製品とも非公開である以上、比較は見積もりで行うことになります。そろえるべき条件を整理します。

  • 課金の仕組みが製品によって違うため前提をそろえる
  • 日本語の窓口を公式に確認できない製品がある
  • 「総代理店」と書ける会社は8製品のいずれにも存在しない

課金の仕組みをそろえる

トークン制の製品と、そうでない製品では見積もりの出方が違います。トークン制なら同時利用人数とプール規模、それ以外ならライセンス数が基準になります。

どちらの形式で提示されるのかを先に確認し、自社の利用形態に当てはめて比べる必要があります。提示された総額だけを並べても、条件が違えば比較になりません。

日本語の窓口を確認する

AspenTechは日本オフィスの所在地と代表番号を公式に掲載しています。Honeywellの日本法人は日本ハネウェル株式会社で、2004年4月19日設立、港区海岸に所在すると公式に記載されています。

一方でDatacor、AVEVA、SLB、Siemensについては、この分野の製品に関する日本の窓口を公式サイトで特定できませんでした。Honeywellも日本語ロケールの製品ページがサーバーエラーで表示されない状態です。

代理店の表記に注意する

8製品のいずれについても、公式サイトに「総代理店」という語は確認できませんでした。国内で取り扱う会社があっても、公式にそう位置づけられているわけではありません。

見積もりを取る際は、提供元の直販なのか販売店経由なのかを確認しておくと、サポート範囲の違いを把握しやすくなります。

08

プロセス解析ソフト主要製品と費用面での位置づけ

ここまでの内容を製品単位で整理します。金額が出ていない以上、公開されている情報の量で分かれます。

  • 課金の仕組みまで公開しているのはAspenTechとHoneywell
  • アカデミックの位置づけを示しているのはgPROMSとCHEMCAD
  • 公式情報が最も少ないのはSymmetryとAVEVA PRO/II

課金の仕組みが分かる製品

Aspen PlusとAspen HYSYSは、トークンプール方式であることが公式に示されています。UniSim Design Suiteは年間固定トークンと繰越の仕組みまで公式PDFに記載されています。

金額は分かりませんが、費用がどう積み上がるかの構造は読めます。社内の利用人数から必要な規模を試算しやすい製品といえます。

教育向けの位置づけが分かる製品

gPROMSは全機能のアカデミックライセンスを商用価格の一部で提供すると明記しています。CHEMCADは低価格の教育向けバンドルを掲げています。

研究用途や教育用途で検討する場合、この2製品は問い合わせる前に前提が読めます。ただしどちらも無償ではない点は押さえておく必要があります。

公式情報が限られる製品

AVEVA PRO/II Simulationは、ライセンス形態もアカデミック版も公式に記載がありません。SymmetryはSLBのオンラインストアの中身を確認できず、価格が非公開かどうかすら断定できない状態です。

Visual Modelerは体験版のページが残っていますが、記載内容の更新が止まっています。この3製品については、問い合わせなしに分かることがほとんどありません。

09

まとめ|プロセス解析ソフトの費用の調べ方

プロセス解析ソフトは、主要8製品のどれも公式に金額を出していません。想定される価格ページのURLに実際にアクセスしても、大半が404を返します。相場をまとめた情報を見かけたら、それは公式以外の出典によるものです。

ただし、金額が分からないことと、何も分からないことは違います。AspenTechとHoneywellはトークン制であることを公式に明記しており、費用がどう積み上がるかの構造は読めます。必要なモジュール、同時に使う人数、契約期間という3つの変数を自社側で決めておけば、見積もりの精度は上がります。

アカデミック版についても誤解が生まれやすい部分です。gPROMSは「商用価格の一部」、CHEMCADは「低価格」と書いており、どちらも無償ではありません。成分数などの数値制限を公式に明記している製品も1つもないため、その種の数字を前提に検討を進めるのは避けたほうが確実です。

製品ごとの違いを機能面から整理したい場合はプロセス解析ソフトの比較記事をご覧ください。提供元の会社から見たい場合はプロセス解析ソフトのメーカー記事にまとめています。製品の一覧はプロセス解析ソフト(プロセスシミュレーター)のカテゴリページにあります。

プロセス解析ソフト(プロセスシミュレーター)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
CHEMCAD ロゴ
CHEMCADDatacor(旧Chemstations)要見積もり中堅プラント・受託エンジに向くモジュラー構成詳細を見る
UniSim Design Suite ロゴ
UniSim Design Suite日本ハネウェル合同会社要見積もり定常と動的を1つの環境で行き来できるプロセスシミュレータ詳細を見る
Symmetry ロゴ
Symmetryシュルンベルジェ株式会社要見積もりプロセスと配管網・フレアを同一熱力学で統合するシミュレータ詳細を見る
Visual Modeler(OmegaLand) ロゴ
Visual Modeler(OmegaLand)株式会社オメガシミュレーション要見積もり横河と三井化学の技術から生まれた国産プラントシミュレータ詳細を見る
gPROMS Process ロゴ
gPROMS Processシーメンス株式会社要見積もり数式ベースの計算エンジンで定常と動的をつなぐ設計環境詳細を見る
Aspen Plus ロゴ
Aspen PlusAspenTech(Emerson傘下)要見積もり精密化学・ポリマー・電解質に強い定常プロセスシミュレーター詳細を見る
AVEVA PRO/II Simulation ロゴ
AVEVA PRO/II SimulationAVEVA Group Limited(Schneider Electric傘下)要見積もり設計〜運転デジタルツインを志向するプロセスシミュレーター詳細を見る
Aspen HYSYS ロゴ
Aspen HYSYSAspenTech(Emerson傘下)要見積もり油ガス・石油精製・天然ガス処理に最適化詳細を見る

よくある質問

Qプロセス解析ソフトの価格は公式に分かりますか?
A

編集部が確認した範囲では、主要8製品のいずれも公式サイトに通貨つきの金額を掲載していませんでした。想定される価格ページのURLに実際にアクセスしたところ、AVEVA、Honeywell、SLB、Datacor、オメガシミュレーションは404を返しました。AspenTechだけは事情が異なり、価格やストアに相当する4つのパスがHTTPステータス200を返しながら、実体は4回から5回のリダイレクトを経てファイルが見つからないというページに着地します。ステータスコード上は存在するように見える点に注意が要ります。

Qトークン制の製品はありますか?
A

AspenTechとHoneywellの2社が公式に明記しています。AspenTechのトークンライセンスページには、トークンが会社のプールとしてライセンスされ、ユーザーがソフトを開くとプールから確認される仕組みが書かれています。製品ごとに必要なトークン数が異なり、Aspen PlusとAspen HYSYSが対象に含まれることも名指しで記載されています。HoneywellのUniSim Design Suiteは公式PDFに、トークンベースまたはトークンとネットワークのハイブリッド方式、年間の固定トークン数と繰越・繰戻しの仕組みが記載されています。ただし両社とも1トークンあたりの金額は非公開です。

Qアカデミック版は無償ですか?
A

無償ではありません。公式サイトで価格の水準に言及しているのは2件だけで、いずれも無償とは書かれていません。gPROMSのアカデミックページには、商用価格の一部で全機能のライセンスを提供するという趣旨の記述があります。CHEMCADのサービスページには、低価格の教育向けバンドルと研究ライセンスを提供すると書かれています。どちらも具体的な金額や割引率は示されていないため、無料とも何割引とも書けません。

Q体験版の期間はどれくらいですか?
A

8製品とも公式に日数が記載されていませんでした。AspenTechのソフトウェアトライアルは、ダウンロードもインストールも不要でブラウザから評価でき、評価期間中は全機能にアクセスできると書かれていますが、期間の記載はありません。HoneywellのUniSim Designにはトライアルライセンスの申込導線がありますが、ページ本文に無償である旨の明記がないため、無料と断定できません。Visual Modelerは体験版をダウンロードできるものの、公式に保証とサポートを行わないと明記されています。

Q成分数やユニット数の制限はどれくらいですか?
A

編集部が確認した範囲では、8製品のいずれも公式ページに数値制限を明記していませんでした。プロセスシミュレーターの体験版や学生版では扱える成分数に上限が設けられることがありますが、その数字を公式に示している製品はありません。第三者の媒体にある「学生版は成分がN個まで」といった数値は、公式の裏づけがない情報になります。制限の有無を前提に検討を進める場合は、各社へ直接確認する必要があります。

プロセス解析をもっと詳しく探す