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比較#プロセスシミュレーション#プロセスシミュレーター#Aspen Plus

おすすめのプロセス解析ソフトを比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

プロセス解析ソフトの主要4製品(CHEMCAD・Aspen Plus・Aspen HYSYS・AVEVA PRO/II Simulation)を、中小適合の高い順に比較。得意領域・物性データベース・動的対応・ライセンス体系の見方と、業種・規模別の選定ポイント、費用を左右する内訳を整理しました。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
おすすめのプロセス解析ソフトを比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

プロセス解析ソフトは、化学プラントの物質収支・熱収支を計算で再現するシミュレーターです。使われる現場は化学合成、石油精製、LNG、特殊化学、電池材料と幅広く、製品ごとに得意領域が違います。ライセンス体系も大きく異なるため、用途を決めずに選ぶと後から不足が出かねません。この記事では主要4製品を同じ軸で並べ、どの現場にどの製品が向くかを整理しました。

  • 化学合成・反応・固体・電解質が主戦場なら、Aspen Plus
  • 石油精製・天然ガス・LNGが中心なら、Aspen HYSYSとAVEVA PRO/II Simulation
  • 中堅プラント・特殊化学でコストの柔軟性を重視するなら、CHEMCAD
  • 研究開発のスクリーニングや教育用途なら、教育機関ライセンスやオープン系シミュレーター

最初の分かれ目は、自社の代表プロセスが化学系か、石油・ガス系かです。用途で2〜3製品に絞り、機能要件、価格と国内サポートの順に確かめてください。


この記事でわかること

01

プロセス解析ソフトの基礎知識

プロセス解析ソフトは、物質収支・熱収支・反応・分離・気液平衡を計算で再現するソフトです。業界では「プロセスシミュレーター」とほぼ同義で使われます。比較に入る前に、種類と中身の違いを押さえておきましょう。

定常シミュレーターと動的シミュレーター

定常状態を解く定常シミュレーターと、時間変化を解く動的シミュレーターに大別されます。設計段階の物質収支・熱収支は定常で解くのが基本です。

蒸留塔のスタートアップ、リアクタの暴走解析、安全弁のサイジングでは動的計算が欠かせません。動的計算は、ベースとは別の製品やモジュールで提供される形が多く見られます。

物性データベースと熱力学モデル

計算の精度を支えるのが、化合物の物性データと熱力学モデルです。純物質の物性に加え、電解質・固体・原油アセイなど、得意な物性系は製品ごとに違います。

自社の取り扱い物質を、どこまで素直に扱えるかが選定の分かれ目です。公的DBに無い化合物が多いと、実測データの回帰や外部パッケージの取り込みが必要になります。

計算方式の違い

フローシートを上流から順に解き、再循環を反復で収束させるのがシーケンシャル・モジュラー法です。全式を同時に解くEquation Oriented法もあります。

ソルバーをActiveとHoldingで切り替え、入力をフローシートへ即時に伝える方式も存在します。方式の違いは、操作感と収束性の差として表れる部分です。

編集部メモ:比較の軸は多く見えますが、実務では「用途」がほぼすべての起点になります。自社の代表プロセスを1つ言語化すると、物性DBの要件も動的対応の要否もほぼ連動して決まります。


02

プロセス解析ソフトの基本的な選び方

プロセス解析ソフトを選ぶ際には、自社の代表プロセスから逆算することが重要です。得意領域が合わない製品は、物性データや収束性で苦労します。次の3段階で絞り込みましょう。

用途で2〜3製品に絞る

最初に、化学合成・石油精製・ガス・特殊化学のどこが主戦場かを決めます。同じシミュレーターでも、用途によって物性パッケージや反応器モデルの作り込みが違うためです。

1つの製品が全領域を等しく得意とするわけではありません。工程ごとに複数製品を併用する企業もあります。

自社の代表モデルで収束性を試す

カタログや海外事例だけで判断すると、自社モデルで収束しない事態が起こります。複雑な反応系、電解質、固液同伴系、高真空蒸留、重質留分は製品ごとに挙動が違う領域です。

代表モデルを1〜2件選び、同じ入力条件で各製品を動かしてください。収束性・収束時間・結果の妥当性を並べて比べます。

ライセンス方式を揃えて比べる

主要製品は価格を公開しておらず、機能セットと同時利用数で金額が大きく動きます。単純な見積額の比較では、条件の違いが見えません。

見るべき点は、同時利用の上限、トークン制(フローティング)か指名ユーザー制か、契約年数、教育費です。これらの条件を揃えて見積もりを取りましょう。


03

プロセス解析ソフトの比較項目

製品を並べるときは、同じ物差しを当てる必要があります。プロセス解析ソフトで見るべき項目は次の5つです。まず一覧で全体像をつかみましょう。

比較項目

見るべきポイント

得意領域

化学合成・石油精製・ガス・特殊化学のどこを主戦場にしているか

物性データベース

収載化合物の数、電解質・固体・原油アセイへの対応、外部パッケージの取り込み

動的・バッチ対応

動的計算やバッチプロセスを扱えるか。本体か、別製品・モジュールか

ライセンス体系

同時利用数、トークン制か指名ユーザー制か、海外拠点で使えるか

国内サポート・連携性

日本語の窓口と教育、Python・MATLAB・運転データとの連成

得意領域

製品がどの業種のプロセスを主戦場にしているかを見ます。原油アセイ、電解質モデル、固液同伴、バッチ重合など、代表プロセスとの相性で第一候補が変わります。

石油精製でも、原油評価と反応の詳細で別の製品を使い分ける例は珍しくありません。

物性データベース

収載されている化合物と物性パッケージの厚みを見ます。電解質や固体を標準で扱えるか、原油アセイの管理が手厚いかは製品ごとに違います。

CAPE-OPEN経由で外部の物性パッケージを取り込めるかも確認点です。実測データで補正したい系が多い現場ほど、回帰機能の使い勝手が効きます。

動的・バッチ対応

動的計算とバッチプロセスを扱えるかを見ます。多くの製品では、ベースのシミュレーターとは別の製品やモジュールとして用意されています。

定常解析だけで足りるのか、動的・バッチまで踏み込むのかが分かれ目です。これで必要なライセンス数と年間コストが変わります。

ライセンス体系

同時利用の上限と、上限を超えたときの扱いを見ます。トークン制(フローティング)か指名ユーザー制かで、使える人数の考え方が変わります。

海外拠点で同じライセンスを使えるか、年次更新に値上げ条項があるかも確認しましょう。長期契約の割引の有無も比較の材料になります。

国内サポート・連携性

日本語マニュアル、国内の窓口、トレーニング、ユーザー会の有無を見ます。国内拠点でサポートする製品と、代理店経由でサポートする製品があります。

Python・MATLABとの連成やCAPE-OPEN対応も比較の対象です。PI Systemなど、運転データとの接続のしやすさも見ておきましょう。


04

自社に合ったプロセス解析ソフトの選定ポイント

同じプロセス解析ソフトでも、業種と規模によって最適な選択は変わります。自社の状況に当てはめて、比較項目の優先順位を付け直しましょう。よくある5つの型で整理します。

石油精製・LNG・天然ガス処理が中心の企業

得意領域と物性データベースのうち、原油アセイ管理の厚みを最優先にしてください。極低温熱交換やガス処理ユニットなど、業界で検証されてきたモデルが多い製品が向きます。

運転データ基盤をすでに持っているなら、その基盤と連携できるかも比較の材料に加えるとよいでしょう。周辺製品まで含めて評価軸を作ると判断しやすくなります。

化学合成・反応・固体・電解質を扱う企業

物性データベースでは、電解質モデルと固体ハンドリングに対応しているかをまず確かめます。ファインケミカル、医薬中間体、電池材料、ポリマーなどが該当する領域です。

反応速度モデルやポリマーモジュールなど、化学領域の拡張の多さも効きます。フローシートが小〜中規模なら、モジュール選択制の製品も候補です。

中堅プラント・コスト重視の企業

比較の中心に置きたいのは、ライセンス体系です。必要なモジュールだけで契約できれば、初期投資を抑えつつ段階的に広げられます。

ただし、大規模な再循環や高度な動的解析を長く運用するなら、実務情報の蓄積が多い製品が有利です。数年先の用途まで描いてから決めましょう。

既存の製品から乗り換えを検討する企業

最大の論点は、モデル資産の移植コストです。フローシート、ユーザー定義反応器、Excel連携、社内マクロの再構築が発生します。

反応器のチューニング値までは引き継げないのが一般的です。新規案件から新製品を併用し、既存モデルは現行製品で維持する進め方が現実的でしょう。

運転データ連携やDXまで広げたい企業

国内サポートと連携性を、優先して確認しましょう。運転データとの接続、Python・MATLABとの連成、機械学習との組み合わせが評価の対象です。

3〜5年の拡張の方向を描き、プラットフォームとして評価しましょう。当面は設計に限定するなら、単体の機能と国内サポートの重視で十分です。


05

プロセス解析ソフトの費用相場

プロセス解析ソフトは、主要4製品すべてが価格を公開していません。機能セットや同時利用数で金額が大きく動くため、相場の金額は示せません。代わりに、何が見積もりを動かすのかを整理しました。

費用の内訳

費用を左右する要因

ライセンス本体

定常・動的・バッチなど、組み合わせる機能セット

同時利用・契約方式

同時利用数の上限、トークン制か指名ユーザー制か

利用範囲

海外拠点での利用、教育機関ライセンスかどうか

契約期間・更新

年額更新が一般的。値上げ条項と長期契約の割引の有無

物性データ整備

公的DBに無い化合物の数、実測データの回帰や外注の要否

教育・運用体制

トレーニング、社内ユーザー会、モデルの文書化と引き継ぎ

総額が膨らむ典型は、PoCでは1ライセンスで足りたのに、本格導入後に利用が増えるケースです。3〜5年の運用人数を見込み、物性整備の外注費も含めて比べてください。


06

【比較表】プロセス解析ソフトのランキング

比較軸のうち、製品データとして数値化できる4項目を横並びにしました。評価は製造業適合性スコア(5段階)で、工程管理・品質管理・現場操作性・中小適合の4つです。並びは、中小適合の高い順です。下へ向かうほど、想定する企業規模と導入の重さが上がります。評価が設定されていない項目は「-」としています。

順位

製品

提供元

工程管理

品質管理

現場操作性

中小適合

価格の目安

1

CHEMCAD

Datacor(旧Chemstations)

4

4

4

4

年単位レンタル中心。モジュール構成で価格差

2

Aspen Plus

AspenTech(Emerson傘下)

4

4

3

2

aspenONE包括契約・トークン制が中心。年間数千万円規模の事例も

3

Aspen HYSYS

AspenTech(Emerson傘下)

4

4

3

2

包括契約・トークン制。構成と利用人数で大きく変動

4

AVEVA PRO/II Simulation

AVEVA Group Limited(Schneider Electric傘下)

4

4

3

2

AVEVAスイート契約。大規模オペレーター向けの長期契約が中心

提供元の資本異動が続いている点にも注意が必要です。AspenTechは2025年3月にEmersonの完全子会社となり、上場を廃止しました。AVEVAは2023年1月にSchneider Electricの完全子会社となっています。同年4月には、法人格がAVEVA Group PLCからLimitedへ変わりました。Chemstationsは2025年8月にDatacorブランドへ統合されました。chemstations.comは、datacor.comへ転送されます。旧社名で調べると窓口にたどり着きにくいため、現在の提供元を確認してください(2026年7月時点)。


07

プロセス解析ソフトの主要製品の詳細

ここからは表に挙げた4製品を、順位の並びのまま見ていきます。強みだけでなく、向かないケースもあわせて示しました。自社の代表プロセスと照らしながら読み進めてください。

CHEMCAD

Datacor(旧Chemstations)の汎用プロセスシミュレーターです。中堅プラント、特殊化学、受託エンジニアリング会社で多く採用されています。

動的(CC-DYNAMICS)やバッチ(CC-BATCH)など、必要なモジュールだけを追加できます。年単位レンタル中心で予算化しやすく、UIもシンプルです。

注意点:超大規模な反応蒸留や電解質系では物足りなさがあります。国内の事例情報もAspen系より少なめです。

Aspen Plus

AspenTech(Emerson傘下)の定常プロセスシミュレーターです。化学合成・電解質・固体ハンドリング・反応器設計に強みがあります。

物性基盤として37,000化合物・127物性パッケージを公表しています。Equation Orientedモードを併用でき、再循環の多い大規模フローシートも扱える構成です。

注意点:学習コストが高く、フル機能ではライセンス費用が高額です。限定的な検討だけの少人数チームには過大でしょう。

Aspen HYSYS

同じAspenTechの製品で、石油精製・天然ガス・LNG・石油化学が主戦場です。原油アセイの管理や蒸留カットの扱いに強みがあります。

Active modeでは、入力した条件がフローシートに即時に反映されます。運転条件の検討を対話的に回せる点が特徴です。動的計算はHYSYS Dynamicsで扱う形です。

注意点:精密化学・電解質系ではAspen Plusのほうが向きます。複雑な再循環系では、解法設定を理解しないと収束に時間がかかります。

AVEVA PRO/II Simulation

AVEVA(Schneider Electric傘下)の定常シミュレーターです。ルーツは、1966年の蒸留計算プログラムSP3にあります。石油精製・石油化学・ガス処理で長く使われてきました。

SimSci物性パッケージの蓄積と熱力学計算の堅牢さが強みです。PI Systemとの連携を前面に出し、運転データを使うデジタルツインの文脈でも検討されます。

注意点:動的解析は別製品のDYNSIMが前提です。単一プロジェクトではオーバースペックになりやすいでしょう。


08

プロセス解析ソフトの無料・有料でできることの違い

主要4製品は、いずれも有料の商用ライセンスが前提です。一方で、CAPE-OPEN対応のオープン系シミュレーターは無料で使えます。研究開発や教育の用途を含め、できることの線引きを整理しました。

項目

オープン系シミュレーター(無料)

商用ライセンス(有料)

代表例

COCO/ChemSep、DWSIM(GNU GPL v3で配布)

ランキング表の4製品

定常計算

CAPE-OPEN準拠で扱える。COCOは蒸留塔にChemSepを組み込む構成が一般的

大規模フローシートや再循環系まで扱える

物性データベース

商用製品と比べて厚みに差がある

電解質・固体・原油アセイなど特殊系まで備える

サポート

商用製品と比べて手薄

国内窓口やトレーニングを受けられる

向く用途

初期検討の補助やトレーニング

本番の設計・運転検討

大学・高専・研究機関向けには、商用製品の教育機関ライセンスも用意されています。商用利用とは条件が異なるため、用途に合う契約かを確かめてください。


09

まとめ

プロセス解析ソフトは、用途を起点に絞り込むと判断しやすくなります。化学合成・電解質が中心なら、Aspen Plusが第一候補です。石油精製・LNGが中心なら、Aspen HYSYSとPRO/IIが候補に並びます。中堅プラントでコストの柔軟性を重視するなら、CHEMCADが出発点になります。

候補を2〜3製品に絞ったら、自社の代表モデルで収束性と物性の表現を確かめてください。見積もりは、同時利用方式・契約年数・教育費まで条件を揃えて取りましょう。物性整備の工数も含めた総額で比べると、判断がぶれにくくなります。製品はプロセス解析ソフト(プロセスシミュレーター)カテゴリで比較できます。

プロセス解析ソフト(プロセスシミュレーター)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
CHEMCAD ロゴ
CHEMCADDatacor(旧Chemstations)要見積もり中堅プラント・受託エンジに向くモジュラー構成詳細を見る
UniSim Design Suite ロゴ
UniSim Design Suite日本ハネウェル合同会社要見積もり定常と動的を1つの環境で行き来できるプロセスシミュレータ詳細を見る
Symmetry ロゴ
Symmetryシュルンベルジェ株式会社要見積もりプロセスと配管網・フレアを同一熱力学で統合するシミュレータ詳細を見る
Visual Modeler(OmegaLand) ロゴ
Visual Modeler(OmegaLand)株式会社オメガシミュレーション要見積もり横河と三井化学の技術から生まれた国産プラントシミュレータ詳細を見る
gPROMS Process ロゴ
gPROMS Processシーメンス株式会社要見積もり数式ベースの計算エンジンで定常と動的をつなぐ設計環境詳細を見る
Aspen Plus ロゴ
Aspen PlusAspenTech(Emerson傘下)要見積もり精密化学・ポリマー・電解質に強い定常プロセスシミュレーター詳細を見る
AVEVA PRO/II Simulation ロゴ
AVEVA PRO/II SimulationAVEVA Group Limited(Schneider Electric傘下)要見積もり設計〜運転デジタルツインを志向するプロセスシミュレーター詳細を見る
Aspen HYSYS ロゴ
Aspen HYSYSAspenTech(Emerson傘下)要見積もり油ガス・石油精製・天然ガス処理に最適化詳細を見る

よくある質問

Qプロセス解析ソフトとプロセスシミュレーターは違うのですか。
A

業界ではほぼ同義で使われます。化学プラントや石油精製プラントの物質収支・熱収支・反応・分離を計算で再現するシミュレーターを指し、定常を解く定常シミュレーターと、時間変化を解く動的シミュレーターに大別されます。

QAspen Plus と Aspen HYSYS の違いは何ですか。
A

同じ AspenTech の製品ですが、Aspen Plus は化学合成・電解質・固体・反応器設計に強い定常シミュレーター、Aspen HYSYS は石油精製・天然ガス・LNG・石油化学を主戦場とし、Active mode と呼ばれる対話的な計算方式が特徴です。

Q4製品の価格はどの程度違いますか。
A

4製品とも公式に価格を公開していません。一般的な目安では Aspen Plus/HYSYS と AVEVA PRO/II は年額数百万円から数千万円規模、CHEMCAD は構成によりこれより手の届きやすい範囲とされますが、機能セット・同時利用数・期間・教育機関ライセンス・海外拠点利用で実勢は大きく変動します。

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