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用語解説#OPCサーバー#OPC UA#OPC Classic

OPCサーバーとは?仕組みや種類、できること、選び方までをわかりやすく解説!

OPCサーバーとは、メーカーごとに通信方式が異なるPLCや設備のデータを、OPCという共通の規格で上位システムへ渡すソフトウェアです。仕組みと種類、メリット・デメリット、主な機能、費用の目安、SCADAとの違いを整理しました。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
OPCサーバーとは?仕組みや種類、できること、選び方までをわかりやすく解説!

OPCサーバーとは、メーカーごとに通信方式が異なるPLCや設備のデータを、OPCという共通の規格で上位システムへ渡すソフトウェアです。上位システムには、SCADA・MES・データ分析システムなどがあります。PLCごとの通信ドライバを持ち、1つのサーバーで複数メーカーの機器から値を読み書きできます。この記事では、仕組みからメリット・デメリット、主な機能、活用場面、費用の目安、SCADAとの違い、向いている企業までを整理しました。

  • 役割:PLCや設備のデータを、OPCの共通の窓口として上位システムへ渡す
  • 規格:Windows技術に依存するOPC Classicと、プラットフォームに依存しないOPC UAがある
  • 種類:多メーカー対応型、メーカー専用型、PLCに装着するユニット型、データ連携型に分けられる
  • 費用の目安:2026年時点で、公式に金額が確認できたのは20製品のうち6製品で、残りは問い合わせが必要

選定では、つなぎたいPLCのメーカーと機種に対応しているかを最初に確認します。そのうえで、OPC UAのセキュリティや、データの転送先を照らし合わせましょう。


この記事でわかること

01

OPCサーバーとは

OPCサーバーは、設備のデータを上位システムへ渡す中継役のソフトウェアです。ここでは、定義と役割、2つの規格の違い、通信の仕組み、製品の種類を押さえます。

OPCサーバーの定義と役割

OPCサーバーは、PLCや設備が持つデータを、OPCという共通の方法で公開するソフトウェアです。SCADAやMESは、OPCクライアントとして、この窓口から値を読み書きします。

機器ごとに通信方式が違っても、上位側はOPCの方法だけで値を受け取れます。メーカーごとの専用ソフトを、上位システムの数だけ用意する必要はありません。接続先が増えた場合も、窓口は1つのままです。

OPC ClassicとOPC UAという2つの規格

OPC Foundationによると、OPC Classicは、COM/DCOMを使う仕様群です。仕様には、値・時刻・品質を扱うDA、警報を扱うA&E、過去データを扱うHDAがあります。基盤がWindows技術のため、Windows環境が前提になります。

OPC UAは、2008年にリリースされた規格です。特定のプラットフォームに依存せず、Classicの機能を統合しています。暗号化、X.509証明書による認証、監査を備え、組み込み機器からクラウドまで動作します。

PLCごとの通信ドライバで値を集める仕組み

OPCサーバーは、PLCと通信する下側と、OPCで公開する上側に分かれます。下側の通信ドライバが、機器ごとの通信方式を受け持つ構成です。ドライバの数が、対応できる機器の範囲を決めます。

Kepware Serverは、多数のPLCドライバをOPC UAやMQTTへ束ねる製品です。たけびし デバイスエクスプローラ OPCサーバーの対応は、100メーカー・400シリーズです。

多メーカー対応型・メーカー専用型・ユニット型・連携型

種類は、つなぐ相手と動く場所で4つに分かれます。多メーカー対応型は、複数メーカーのPLCをまとめるタイプです。Kepware Serverやロボティクスウェア FA-Server6が当てはまります。

メーカー専用型には、自社の制御システム向けの横河電機 Exaopcがあります。PLCに装着するユニット型の代表は、RD81OPC96です。データの受け渡しが役目の連携型には、OPC Routerなどが挙がります。

編集部メモ:OPCサーバーと呼ばれる製品には、PLCと直接通信するものがあります。OPC UAで受けたデータを他システムへつなぐものも含まれる点に、注意しましょう。


02

OPCサーバーのメリット

OPCサーバーを使うと、機器ごとの通信の違いを上位システムから隠せます。運用面でも、セキュリティや通信断への備えを持たせやすい点が利点です。ここでは、利用者が感じやすい4つの利点を挙げます。

  • メーカーの違うPLCを1つの窓口で扱える
  • 暗号化と認証で、安全にデータを渡せる
  • PCを置かずに、設備側でOPC UAを公開できる
  • 通信が途切れても、データの欠けを抑えられる

メーカーの違うPLCを1つの窓口で扱える

PLCのメーカーが混在する工場でも、上位システムは1つの窓口だけを見ればよくなります。接続先ごとに通信を作り込まずに済むため、設備の追加にも対応しやすいと感じられます。

デンソーウェーブのIoT Data Shareは、270以上の接続先に対応する製品です。接続先には、PLCのほかロボットやNCがあります。Litmus Edgeも、約146種のドライバを持ちます。

暗号化と認証で、安全にデータを渡せる

OPC UAでは、通信の暗号化やユーザーの認証を設定できます。工場のデータを社内ネットワークで流すとき、盗み見や改ざんへの不安が減る点は、大きな安心材料です。

SIMATIC NET PC Softwareは、新しいセキュリティポリシーを選べる製品です。dataFEED OPC Suite Extendedは、ユーザー証明書による認証にも対応します。

PCを置かずに、設備側でOPC UAを公開できる

ユニット型や小型機器なら、OPC UAサーバー用のPCを別に用意しなくて済みます。PCの保守やOS更新の手間が減る点は、現場の担当者にとって利点です。

RD81OPC96は、MELSEC iQ-Rのベースユニットに装着します。FX5-OPCは、FX5Uに増設するユニットです。Softing uaGateシリーズは、PLCの横にDINレールで取り付ける機器です。

通信が途切れても、データの欠けを抑えられる

二重化や再送の仕組みがあれば、通信障害のあとでも記録の空白を小さくできます。夜間や休日の障害でもデータが残れば、原因の調査を進めやすくなります。

Exaopcは、二重化構成とPC冗長化プラットフォームに対応する製品です。MX-AOPC UA Suiteは、ネットワーク障害後にSDカードからデータを補完します。


03

OPCサーバーのデメリット

OPCサーバーには、製品ごとに対応するPLCが限られるなどの制約があります。古い規格や価格の非公開も、選定時の注意点です。事前に確認すれば、多くは対処できます。

  • 製品ごとに対応するPLCが限られる
  • OPC Classicは設定の手間が増え、UAに対応しない製品もある
  • 価格が非公開で、ライセンスの数え方も製品で違う

製品ごとに対応するPLCが限られる

専用型は、自社の機器しかつなげません。SIMATIC NET PC Softwareはシーメンスの機器が対象です。FactoryTalk Linx Gatewayは、Allen-Bradley用です。

対処としては、まず工場にあるPLCのメーカーと機種を一覧にします。そのうえで、各製品の対応ドライバと照らし合わせましょう。国内メーカーのPLCが中心なら、対応機種の多い製品を優先して確認します。

OPC Classicは設定の手間が増え、UAに対応しない製品もある

OPC ClassicはCOM/DCOMに基づきます。別のPCから接続するときは、DCOMの設定が要る製品があります。FA-Server6は、OPCの規格がDA1.0/2.0です。OPC UAサーバーとしては使えません。

対処としては、上位システムがOPC UAに対応しているかを先に確かめます。古いClassic環境を移すなら、規格を変換できる製品を比べましょう。たけびし DAサーバーのように、対象のシステムを限った製品もあります。

価格が非公開で、ライセンスの数え方も製品で違う

2026年時点で、公式に金額が確認できたのは20製品のうち6製品です。残りは問い合わせが必要で、費用を事前に比べにくい場合もあるでしょう。ライセンスの単位は、1台ごと、ドライバ単位、エディション単位など製品で異なります。

対処として、PLCの台数、タグ数、上位システムの数を整理しておきます。そのうえで、早めに見積もりを依頼しましょう。試用版のある製品なら、先に動作を確かめると判断の助けになります。


04

OPCサーバーの主な機能

主な機能は、集める、公開する、守る、備える、転送するの流れで整理できます。製品によって、含まれる範囲と呼び名は異なります。

  • 通信ドライバによるデータ収集:PLCや設備と、機器ごとの通信方式でやり取りする
  • OPC UA・OPC Classicでの公開:集めた値を、上位システムが読める形で公開する
  • セキュリティ:暗号化、証明書による認証、アクセス権の設定を行う
  • 冗長化と通信断への備え:二重化や再送で、データの欠けを抑える
  • MQTT・データベース・クラウドへの転送:OPC以外の方法でも、データを渡す

通信ドライバによるデータ収集

PLCや設備と通信し、タグと呼ばれる単位で値を読み書きする機能です。ドライバの数と対象が、製品ごとの違いになります。

Kepware Serverは、多数のPLCドライバを持ちます。マイクロネット mnOPC UAは、INtimeとINplcのデータが対象です。TwinCAT 3 OPC UAは、TwinCATのPLC変数を公開します。

OPC UA・OPC Classicでの公開

集めた値を、OPC UAやOPC Classicで上位システムに見せる機能です。公開できる規格や項目は、製品の仕様で確認が必要です。

Kepware Serverは、OPC UAとOPC Classicのほか、DDEなども扱えます。Exaopcは、OPC ClassicのDA・A&E・HDAなどに対応済みです。R3.82では、OPC UAにも対応しました。mnOPC UAは、最大100セッション・10,000タグを扱えます。

セキュリティ

OPC UAの暗号化、署名、ユーザー認証を設定する機能です。ユーザーや名前空間ごとにアクセス権を分けられる製品もあるのが特徴です。

TwinCAT 3 OPC UAは、名前空間やノード単位でアクセス権を設定できます。FactoryTalk Linx Gatewayは、署名と暗号化のエンドポイントを持つ製品です。RD81OPC96も、証明書によるユーザー認証に対応します。

冗長化と通信断への備え

通信経路や機器に障害が出たとき、窓口を止めにくくする機能です。再送や一時保存で、データの欠けを抑える製品もあります。

Exaopcは、二重化に対応した製品です。dataFEEDは、Store and Forwardを備えます。通信断の間もデータを保持する機能です。IoT Data ShareのDataQueueプロバイダも、データを一定量保持する仕組みです。

MQTT・データベース・クラウドへの転送

OPCの外へデータを送る機能です。OPCサーバーとクラウド連携を、1つの製品でまかなえる場合があります。

Kepware ServerのIoT Gatewayは、MQTTとRESTで送信できます。Kepware Edgeは、OPC UAサーバーとMQTTの両方で上位へ渡す製品です。たけびし OPC Spiderは、ノーコードで連携を作る製品です。OPC UAの設備データを、基幹システムやデータベースへつなぎます。


05

OPCサーバーの主な活用場面

OPCサーバーは、工場内のデータ収集から、装置への組み込み、クラウド連携まで使われます。ここでは、利用者を4つの立場に分けて見ていきます。

メーカーの違うPLCのデータを集める生産技術者

生産技術者は、ラインごとにPLCのメーカーが違う工場にいます。生産実績や稼働状況を、一か所に集めたい立場です。接続先が多いほど、対応ドライバの数が重要になります。

国内メーカーのPLCが多いなら、FA-Server6などが候補です。ロボットやNCも含めるなら、IoT Data Shareがあります。複数メーカー全般では、Kepware Serverも検討対象です。

既存のSCADA・MESを運用し、規格を移行する担当者

既存の監視システムを運用する担当者は、いまの環境を残しながらOPC UAへ移りたい立場です。上位システムを止めずに進める方法が課題になります。

Wonderwareで監視している工場では、たけびし DAサーバーが候補です。AVEVAのSCADAなら、AVEVA Communication Driversがあります。CENTUMのユーザーには、Exaopcがあります。

装置にOPC UAを組み込む装置メーカーの設計者

装置メーカーの設計者は、納入先から装置のデータをOPC UAで求められる場面があります。装置に専用のPCを載せたくない立場です。

MELSEC iQ-RならRD81OPC96、FX5UならFX5-OPCが候補です。SiemensのS7では、SIMATIC NET PC SoftwareやuaGateが使えます。TwinCAT 3制御の装置なら、TwinCAT 3 OPC UAを検討します。

設備データをデータベースやクラウドへ送るDX担当者

IT側の担当者は、設備のデータを分析基盤や基幹システムへ流したい立場です。OPC UAで受けたデータを、どの宛先へ渡すかが検討の中心になります。

Litmus Edgeは、エッジでデータを集め、配信まで担う基盤です。OPC Routerは、フロー画面でデータベースやSAPとつなぎます。Moxaの製品群は、データベースへの蓄積までを担えます。


06

OPCサーバーの費用相場

2026年時点で、公式サイトに金額が確認できたのは、20製品のうち6製品です。たけびしのデバイスエクスプローラ OPCサーバーは、価格が公開されています。DxpSERVER V7の買い切りは、税別90,000円から240,000円です。エディションは3つあります。DAサーバーは、1本あたり税別68,000〜78,000円で販売されています。FA-Server6は税別100,000円です。OPC Spiderの買い切りは、税別2,000,000円となります。三菱電機のRD81OPC96は253,000円、FX5-OPCは87,000円です。この2製品は、税の表記がありません。税区分が異なるため、価格は合算していません。

無償と明記された製品は確認できず、残り14製品は問い合わせが必要です。ライセンスの体系や選び方は、費用の記事とカテゴリページで確認できます。


07

OPCサーバーとSCADAの違い

OPCサーバーは、設備のデータを集めて渡すソフトウェアです。SCADAは、そのデータを画面に表示し、監視や記録を行うソフトウェアです。役割が異なるため、選ぶ際に見る項目も違ってきます。

観点

OPCサーバー

SCADA

役割

PLCや設備のデータを集め、OPCで上位へ渡す

設備の状態を画面で監視し、データを記録する

画面

設定用の画面が中心

監視画面を持つ

OPCでの立場

データを提供する側(サーバー)

データを受け取る側(クライアント)になることが多い

主な確認項目

対応するPLCとドライバ、OPC UAのセキュリティ、タグ数と冗長化、転送機能、ライセンス

画面の作りやすさ、警報や履歴の機能、上位システムとの連携

両者の境目には、ログの記録や日報の集計を持つ製品もあります。FA-Server6は、ロギングと日報・月報・年報の集計を備えた製品です。なお、データ収集の専用ハードウェアはIoTゲートウェイとして扱い、本記事とは区別しています。


08

OPCサーバーの導入が向いている企業・向いていない企業

導入の適性は、PLCの構成と、データを渡す先で変わります。ここでは、向いている企業と向いていない企業を、理由とあわせて整理します。

OPCサーバーの導入が向いている企業

メーカーの異なるPLCや設備が混在し、データを上位システムへ集めたい企業です。機器ごとに専用の通信を作ると、設備が増えるたびに作業が重なるからです。OPCの窓口をそろえれば、追加の負担を抑えやすくなります。

SCADAやMESを使っていて、OPC UAへの移行を検討している企業にも向いています。装置メーカーが納入先の要望に応える場合は、ユニット型が便利です。PCを増やさずに済みます。

OPCサーバーの導入が向いていない企業

PLCが1メーカーで、そのメーカーの純正ツールだけで足りる企業では、導入の利点が小さくなります。まず、いまの構成で上位システムへ値を渡せないかを確かめましょう。

データの収集と画面表示を、1つの製品で済ませたい企業は、SCADAの検討が先になります。価格を公開情報だけで比べたい企業は、金額が公開された6製品から比較を始めるとよいでしょう。


09

まとめ

OPCサーバーは、メーカーの違うPLCや設備のデータを、OPCで上位システムへ渡すソフトウェアです。製品は、対応するPLCのメーカーと機種、OPC UAのセキュリティ、転送機能で違いが出ます。主な機能は、次の5つです。

  • 通信ドライバによるデータ収集
  • OPC UA・OPC Classicでの公開
  • セキュリティ
  • 冗長化と通信断への備え
  • MQTT・データベース・クラウドへの転送

選定では、つなぐPLCへの対応を最初に確認します。価格が非公開の製品は多いため、早めに見積もりを依頼しましょう。比較の観点は選び方の記事、製品の違いは比較の記事、メーカーの整理はメーカーの記事にまとめています。

OPCサーバー比較表

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Kepware EdgeVelotic要見積もり設備の近くでOPC UAサーバーを立てられる通信サーバー詳細を見る
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三菱電機 MELSEC iQ-F OPC UAユニット FX5-OPC三菱電機株式会社オンプレミスFX5Uに増設しOPC UAで公開詳細を見る
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マイクロネット mnOPC UA株式会社マイクロネット要見積もりINtimeやINplcのデータをOPC UAで公開するサーバー詳細を見る

よくある質問

QOPCサーバーとは何ですか?
A

メーカーごとに通信方式が異なるPLCや設備のデータを、OPCという共通の規格で上位のSCADA・MES・データ分析システムへ渡すソフトウェアです。PLCごとの通信ドライバを持ち、1つのサーバーで複数メーカーの機器から値を読み書きできる製品があります。

QOPC ClassicとOPC UAは何が違いますか?
A

OPC Foundationによると、OPC ClassicはCOM/DCOMを使う仕様群で、Windows環境が前提です。OPC UAは2008年にリリースされた、プラットフォームに依存しない規格で、暗号化や証明書による認証を備えます。製品が対応する規格は、仕様で確認が必要です。

QOPCサーバーとSCADAは何が違いますか?
A

OPCサーバーは、PLCや設備のデータを集めてOPCで渡すソフトウェアです。SCADAは、そのデータを画面に表示し、監視や記録を行うソフトウェアです。SCADAはOPCクライアントとして、OPCサーバーからデータを受け取ることが多くあります。

QOPCサーバーの価格はいくらですか?
A

2026年時点で、公式サイトに金額が確認できたのは20製品のうち6製品です。たけびしのDxpSERVER V7は買い切りで税別90,000円から240,000円、FA-Server6は税別100,000円です。三菱電機のFX5-OPCは87,000円(税の表記なし)です。残りは問い合わせが必要です。

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