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メーカー・シェア#音響解析#CAE#メーカー

音響解析ソフトのメーカー8社の特徴|シェアの実態と解析手法の違い

音響解析ソフトの主要メーカー8社がどんな会社なのかを1社ずつ整理した記事。メーカー別シェアを無償公開している公的機関・業界団体は確認できず、判断材料になるのは各社が明示する解析手法と並列計算の費用の考え方です。手法が4つに分かれる理由と、ライセンスで台数や並列数を追加費用としない会社を見ていきます。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
音響解析ソフトのメーカー8社の特徴|シェアの実態と解析手法の違い

音響解析ソフトを調べると、汎用CAEの大手からスピーカー専用のツールまで並びます。同じ音を扱う分野でも、内部で使っている解析手法がまったく違います。

この記事では、主要8社がどんな会社なのかを1社ずつ見ていきます。よく検索されるシェアの実態と、この分野で最も差が出る解析手法の違いを会社単位で整理します。

記載内容は、各社の公式サイトと公式のプレスリリース、公式の製品ページを、編集部が2026年9月24日に確認したものです。確認できなかった項目は、そのまま確認できなかったと記載しています。

  • 音響解析ソフトのメーカー別シェアを無償で公開している公的機関・業界団体は、編集部が確認した範囲では見つからなかった(2026年9月24日時点)
  • 解析手法は有限要素法・境界要素法・統計的エネルギー解析・ハイブリッドの4つに分かれる
  • 並列計算やハードウェア台数を追加費用なしとする旨を公式に書いているのは2社

この記事でわかること

01

音響解析ソフトの主要メーカー8社【早見表】

音響解析は、対象とする周波数帯で必要な手法が変わります。低い周波数は要素分割で解けますが、高い周波数になると要素数が爆発するため別の考え方が必要になります。まずは全体像を一覧で押さえます。

  • 主要8社のうち、日本に本社を置くのはサイバネットシステムとアドバンスソフトの2社
  • 主要8社とも、解析手法を公式に明示している
  • Siemensだけは、音響解析が独立した製品ではなくSimcenter 3D内のモジュールとして提供される

メーカー

本社

製品

解析手法

主な用途

Cadence Design Systems, Inc.

米カリフォルニア州

Actran

有限要素法

エンジン・タイヤ・風切り音

Siemens AG

ドイツ

Simcenter 3D(音響)

有限要素法・境界要素法・レイ音響

振動音響・NVH

Keysight Technologies, Inc.

米カリフォルニア州

Vibro-Acoustics(VA One)

有限要素法・境界要素法・統計的エネルギー解析・ハイブリッド

宇宙構造・航空・自動車

COMSOL AB

スウェーデン・ストックホルム

COMSOL Multiphysics

有限要素法ほか

多物理連成

Dassault Systèmes SE

フランス

Wave6

有限要素法・境界要素法・統計的エネルギー解析・ハイブリッド

電子機器・医療機器・製品音質

サイバネットシステム株式会社

東京都千代田区

WAON

境界要素法・高速多重極境界要素法

機器騒音・放射音

アドバンスソフト株式会社

東京都千代田区

Advance/FrontNoise

有限要素法(四面体一次要素)

大規模モデルの騒音

LOUDSOFT

デンマーク

FINECone

有限要素シミュレーション

スピーカー振動板

日本での窓口になる会社

海外6社のうち、COMSOLの日本窓口は計測エンジニアリングシステム株式会社で、公式に日本総代理店と記載されています。Actranを含むMSCグループ製品は、エムエスシーソフトウェア株式会社が販売と技術サポートを担当します。

FINECone は株式会社東陽テクニカが取り扱います。ただし同社の記載は取扱企業としての紹介にとどまり、総代理店という公式表記は確認できませんでした。

独立した製品ではない場合がある

Siemensの音響解析は、Simcenter 3D Acousticsという呼称で語られることがあります。ただしこれは独立した製品ではなく、Simcenter 3Dの中の音響ソリューションを指す名前です。

Siemensの製品一覧に単独のエントリはありません。見積もりを取る際は、Simcenter 3Dのどのモジュールが必要かという形で相談することになります。

02

音響解析ソフトのメーカー別シェアと市場規模

8社が並んだところで、どこが最も使われているのかが気になります。ただし音響解析ソフトには、無償で確認できるメーカー別のシェアがありません。

  • 音響解析ソフトのメーカー別シェアを無償公開している公的機関・業界団体は確認できなかった
  • 各社とも音響解析だけを切り出した売上を開示していない
  • 国内2社のうちサイバネットシステムは2024年に上場を廃止し、個別の開示が減っている

シェアの数値は公開されていない

Cadence、Siemens、Keysight、Dassaultはいずれも上場企業ですが、決算で示すのはセグメント単位の数値です。音響解析ソフトだけを切り出した売上は開示されていません。

COMSOL ABとLOUDSOFTは非上場で、売上そのものが公開されていません。民間調査のレポートはありますが、メーカー別の数値は有料版に限られます。

会社の規模なら公開されている

国内2社は会社概要を公開しています。サイバネットシステム株式会社は1985年4月17日設立、資本金9億9,500万円で、連結624名が2026年1月1日時点の人数です。

アドバンスソフト株式会社は2002年4月24日設立、資本金3,724万円、従業員103名です。なお第三者サイトには資本金1,000万円や従業員85名という記載もありますが、公式の数値と食い違います。

03

音響解析ソフトは解析手法で4つに分かれる

この分野で最初に押さえたいのが解析手法です。対象とする周波数帯によって使える手法が決まるため、製品の比較より先に手法の理解が必要になります。

  • 有限要素法は要素分割で解くため、低い周波数帯に向く
  • 境界要素法は境界だけを分割するため、外部へ放射する音を扱いやすい
  • 統計的エネルギー解析は個々の振動を追わず、高い周波数帯を統計的に扱う

低周波は要素分割で解く

有限要素法は、対象の内部まで要素に分けて解く手法です。ActranとAdvance/FrontNoiseはこの方式を採用しており、Advance/FrontNoiseは四面体一次要素を使うと公式に記載しています。

周波数が高くなると、波長に合わせて要素を細かくする必要があります。その分だけ要素数が増え、計算量が跳ね上がる点が制約になります。

放射音は境界だけを分割する

境界要素法は、対象の表面だけを分割して外部への放射を解きます。サイバネットシステムのWAONがこの方式で、高速多重極展開アルゴリズムを適用したFMBEMソルバーを備えます。

同社は64bit環境で8GBのメモリにて20万自由度を超える解析が実行可能と公表しています。機器から外へ出る音を扱う場面で選ばれる手法です。

高周波は統計的に扱う

統計的エネルギー解析は、個々のモードを追わずにエネルギーの流れとして扱います。要素分割の限界を超える高い周波数帯で使われる手法です。

KeysightのVA OneとDassaultのWave6は、この統計的エネルギー解析と有限要素法、境界要素法を一つの環境に統合しています。可聴域の全体をカバーできる点が、単一手法の製品との違いです。

04

複数の手法を1つに統合した音響解析メーカー3社

ここからは会社ごとに見ていきます。まずは複数の解析手法を一つの環境にまとめ、周波数帯を問わず扱えるようにした3社です。

  • 3社とも、低い周波数から高い周波数までを一つの環境でつなげる構成をとる
  • Dassaultは全機能を1ライセンスでカバーする旨を公式に明記している
  • 3社とも公式サイトに価格の記載がない

Keysight Technologies, Inc.(Vibro-Acoustics/VA One)

VA Oneは、有限要素法、境界要素法、統計的エネルギー解析、ハイブリッド法を一つの環境に統合した振動音響ソフトです。低周波から高周波までの全周波数域をカバーします。

モジュールとして空力振動音響、レイトレーシング、宇宙構造の構造力学が用意されています。用途は自動車、航空宇宙、船舶、鉄道が中心です。

特に宇宙構造の音響振動試験では事実上の標準として扱われています。NASA、ESA、Boeing、Raytheon、Northrop Grummanといった機関や企業での採用が挙げられています。

提供元は元のESI Groupから変わりました。Keysightが2023年11月3日にESI Groupの支配権を取得し、公式表記もVibro-Acoustics(VA One)になっています。

Dassault Systèmes SE(Wave6)

Wave6は振動音響と空力振動音響を扱うソフトで、解析手法を公式に列挙しています。構造有限要素、音響有限要素、多孔質弾性有限要素、音響境界要素、適応型PML、統計的エネルギー解析、およびそれらのハイブリッドです。

可聴域の全周波数を一つの環境でカバーします。用途として公式が挙げるのは、空調機や産業用チラーの騒音、携帯電話や電子機器、ゴルフクラブの音質、スピーカーやヘッドセット、MRIなどの医療機器です。

この分野で特筆すべきはライセンスの記載です。全機能を1ライセンスでカバーし、ソルブするハードウェアの台数は無制限と公式に明記しています。CAE分野では珍しい書き方です。

ただしDassaultは、音響以外の製品も含めてライセンス形態を公式ページに書いていません。Wave6だけが例外的に明示されている状態です。

COMSOL AB(COMSOL Multiphysics)

COMSOL Multiphysicsは、音響を他の物理現象と連成させることを主眼にした汎用ソフトです。音響専用ソフトではなく、構造や熱、流体と組み合わせる場面で選ばれます。

現行はVersion 6.4で、2026年5月29日に公開されました。この版では多孔質音響のJCAモデルとJCALモデル、周期ポート、時間陽解法圧力音響のマルチGPU対応が追加されています。

ライセンスは6種類が公式に示されています。CPU固定、ユーザー指定、ネットワーク、COMSOL Server、アカデミック向けのクラスキットとアカデミックサーバーです。

購入形態は永久ライセンスとタームの両方を選べます。永久ライセンスは期限がなく、保守更新が年20%です。金額は公開されていません。

05

有限要素法を軸とする音響解析メーカー3社

次は、有限要素法を中心に据えた3社です。低い周波数帯の精度を重視する場面や、構造と音の連成を丁寧に見たい場面で候補になります。

  • 3社とも構造と音の連成を扱え、振動から音への流れを一つの環境で追える
  • アドバンスソフトは8,000万節点の計算実績を公表している
  • Siemensの音響は独立製品ではなく、Simcenter 3Dのモジュールとして提供される

Cadence Design Systems, Inc.(Actran)

Actranは有限要素法をベースにした振動音響と空力音響のソフトです。周波数領域と時間領域の両方のソルバーを備え、内部騒音と外部騒音、音質、構造振動を扱います。

吸音材を扱う多孔質弾性材料と、流体構造連成に対応します。エンジン騒音、タイヤ騒音、風切り音、キャビン音響には専用のソルバーが用意されています。

開発元はベルギーのFree Field Technologiesで、1998年に設立されました。その後MSC Software傘下に入り、Hexagonを経て2026年2月23日にCadenceへ移っています。

ライセンスはCadenceのMSCOneというトークン制の対象です。製品単位ではなくトークン数で契約し、共有プールから必要なときに呼び出す仕組みになります。

Siemens AG(Simcenter 3D)

Simcenter 3Dの音響ソリューションは、有限要素法、境界要素法、レイ音響の3つを扱います。構造や熱、動力学、疲労と同じ環境の中に音響が置かれている構成です。

強みは連成の範囲です。熱と構造の連成、振動音響、空力振動音響までを一つの環境で扱え、NVHやロータダイナミクスとも組み合わせられます。

主ソルバーはSimcenter Nastranですが、ANSYS、Abaqus、Nastran、LS-Dynaといった他社ソルバーもサポートします。既存の解析資産を残したまま音響を追加できます。

ライセンスはトークン制です。公式にvalue-based token licensingと記載されており、モジュールを個別に買わずに必要な機能を呼び出せます。現行は2606です。

アドバンスソフト株式会社(Advance/FrontNoise)

Advance/FrontNoiseは、有限要素法をベースにした国産の音響解析ソフトです。四面体一次要素を使い、周波数領域ソルバーと時間領域ソルバー、構造音響強連成、無限要素の境界条件、流体音響連成を備えます。

大規模モデルへの対応が特徴です。MPIに対応して自動で領域分割を行い、8,000万節点の計算実績が公表されています。現行はVersion 6.3で、2025年12月に公開されました。

構造音響の強連成はVer.6.0から加わりました。別製品として、幾何音響をベースにしたクラウド型のAdvance/FrontNoise/Rayもあり、こちらはインストールが不要です。

会社は2002年4月24日設立、資本金3,724万円、従業員103名です。本社は東京都千代田区神田駿河台にあります。

06

境界要素法と用途特化の音響解析メーカー2社

最後は、扱う問題を絞り込んでいる2社です。汎用ソフトと並べるより、対象が合うかどうかで判断する製品になります。

  • WAONは境界要素法に特化し、外部へ放射する音を扱う場面に向く
  • FINECone はスピーカーの振動板に用途を絞った専用ツール
  • 2社とも、汎用CAEと同じ土俵で機能数を比べる製品ではない

サイバネットシステム株式会社(WAON)

WAONは、境界要素法をベースにした自社開発の音響解析ソフトです。高速多重極展開アルゴリズムを適用したFMBEMソルバーを備え、64bit環境で8GBのメモリにて20万自由度を超える解析が実行できます。

ラインアップは3つです。基本のWAON、流体解析結果から音源データを抽出するWAON Aero、そしてAnsys Workbenchインターフェース版があります。

会社は1985年4月17日設立、資本金9億9,500万円、連結624名です。2024年2月9日に上場を廃止しており、現在は富士ソフト株式会社の完全子会社にあたります。

調べる際に注意したいのがバージョン表記です。製品ページの一覧はVersion 5.3xから5.0xまでを併記し、別のページではVersion 5.0を最新扱いにしています。公式上で最新版が特定できません。

LOUDSOFT(FINECone)

FINECone は、スピーカーの振動板に用途を絞った有限要素シミュレーションです。コーン、ドーム、サラウンド、ダストキャップの振動挙動を解析します。

コーンプロファイルを調整するShape Optimizationと、材料データベースを備えます。データベースにはガラスやカーボンコンポジットが追加されており、高速のFEA Optimizerはフル計算を1秒未満で回します。

製品スイートも揃っています。FINESuspension、FINEMotor PRO、FINEBox PROの3つが並びます。さらにFINE R+D、FINE X-Over、FINE DSPがあり、設計の工程ごとに製品が分かれる構成です。

会社はデンマークにあり、創業者はPeter Larsen氏です。ただし設立年は公式資料の2000年に対し、東陽テクニカのメーカー紹介は1993年としており、記載が食い違っています。

07

音響解析ソフトのライセンスは並列計算の扱いで差が出る

音響解析は計算量が大きくなりやすい分野です。そのため、並列計算にかかる費用の考え方がソフト選びに効いてきます。

  • Dassaultは、ソルブするハードウェアの台数を無制限と公式に明記している
  • アドバンスソフトは、並列計算機での稼動も同一料金で提供する旨を公式に記載している
  • Cadenceは並列計算も製品と同じトークンプールから消費する方式をとっている

台数や並列数を追加費用としない会社

Wave6は、全機能を1ライセンスでカバーし、ソルブするハードウェア台数は無制限と公式に書いています。計算規模が読めない段階でも費用を見積もりやすい形です。

アドバンスソフトも、並列計算機での稼動を同一料金での提供と公式に記載しています。並列数を増やしても追加課金が発生しない前提になります。

トークンで並列も賄う会社

CadenceのMSCOneは、フローティングトークンをクラウドやクラスタのHPCにも使えます。製品の実行と並列計算を同じプールから消費する設計です。

この方式だと、契約するトークン数の中で使い方を調整できます。ただし並列を増やせばその分トークンを消費するため、上限の設計は必要です。

並列を別建てで積む会社

Ansysのように、本体ライセンスとは別にHPCライセンスを積む方式もあります。音響で直接該当するのはCOMSOLやSiemensとの比較になりますが、両社とも金額が非公開です。

見積もりを取る際は、想定する並列数を先に伝えてください。同じ機能構成でも、並列規模によって総額が大きく変わります。

08

音響解析ソフトのメーカーが想定している企業規模

同じ音響解析でも、導入に必要な体制は会社ごとに違います。手法の選択そのものが専門知識を要するため、担当者の習熟度も判断材料になります。

  • 用途が絞られているならWAONやFINECone のような専用ツールで足りる
  • 周波数帯が広い製品を扱うならVA OneやWave6の統合型が候補になる
  • 音響以外の解析も必要ならCOMSOLやSimcenter 3Dの守備範囲が効く

用途がはっきりしている会社

機器から外へ出る放射音だけを見るなら、境界要素法に特化したWAONで足ります。スピーカーの振動板が対象なら、FINECone のような専用ツールのほうが工程に合います。

この2つは汎用CAEと機能数で比べる製品ではありません。対象が合っているかどうかが、そのまま判断の基準になります。

周波数帯が広い製品を扱う会社

自動車や航空機のように、低周波から高周波まで一続きで評価する必要がある場合は統合型が候補です。VA OneとWave6は、手法の切り替えを同じ環境の中で行えます。

ただし手法が多い分、どれをどの帯域に使うかの判断が必要になります。音響の専門知識がある担当者がいることが前提です。

他の解析と一緒に使う会社

すでにSimcenter 3Dを構造解析で使っているなら、音響のモジュールを追加する形が自然です。トークン制のため、必要なときだけ音響を呼び出せます。

COMSOLも同様に、他の物理現象との連成を前提にした選択になります。音響単独での性能より、既存の解析環境との組み合わせで判断してください。

09

音響解析ソフトを調べるときの注意点

最後に、調べる過程で引っかかりやすい点を整理します。この分野は提供元の変更が続いており、公式サイトの記述も追いついていない箇所があります。

  • Simcenter 3D Acousticsは独立した製品ではなく、製品一覧に単独のエントリがない
  • WAONの最新バージョンは公式サイト内で5.0と5.3xが併存しており、特定できない
  • ESI Groupの日本サイトは消滅しており、旧URLからはたどり着けない

製品名だと思っていたものがモジュールの場合がある

Simcenter 3D Acousticsという名前は、Siemensのブログやトレーニングカタログで使われています。ただし製品一覧に単独のエントリはなく、Simcenter 3Dの中の音響ソリューションを指す呼称です。

見積もりを依頼する際は、Simcenter 3Dのどの機能が必要かという形で伝えてください。製品名で指定すると話が噛み合わないことがあります。

バージョン番号や設立年が公式内でずれる

WAONは製品ページの一覧と個別ページで最新版の扱いが異なります。社内資料にバージョンを書く場合は、販売元に確認してからにしてください。

FINECone の開発元も、設立年が資料によって1993年と2000年に分かれます。会社の沿革を引用する場合は、どちらの出典によるかを併記しておくと安全です。

旧URLからたどり着けない製品がある

VA Oneの旧提供元であるESI Groupは、Keysightの傘下に入りました。esi-group.comはkeysight.comの該当ページへリダイレクトされます。

ただし日本向けのesi.co.jpは名前解決ができず、ドメインそのものが消えています。古いブックマークや社内資料のリンクは、Keysight側のURLに置き換えてください。

10

まとめ|音響解析ソフトメーカーの全体像

音響解析ソフトのメーカー別シェアは、無償で確認できる公的な数値がありません。判断材料になるのは、各社が公式に明示している解析手法と、並列計算の費用の考え方です。

手法は4つに分かれます。低周波向けの有限要素法、放射音向けの境界要素法、高周波向けの統計的エネルギー解析、そしてそれらを組み合わせるハイブリッドです。

並列計算の扱いには明確な差があります。Dassaultはハードウェア台数を無制限と明記し、アドバンスソフトは並列計算機でも同一料金と記載しています。

製品名だと思っていたものが実はモジュールだったり、最新バージョンが公式内で特定できなかったりする点にも注意が必要です。対象とする周波数帯を先に決めてから候補を絞ってください。

音響解析ソフト比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
COMSOL Multiphysics ロゴ
COMSOL MultiphysicsCOMSOL要見積もり電磁・音響・熱・構造を強連成できる汎用マルチフィジクス詳細を見る
FINECone ロゴ
FINEConeLOUDSOFT Ltd.(日本取扱い: 株式会社東陽テクニカ)オンプレミス振動板の分割振動を音響FEMで解くスピーカ設計専用ソフト詳細を見る
WAON ロゴ
WAONサイバネットシステム株式会社要見積もりFMBEMで20万自由度超を解く国産の大規模音響解析ソフト詳細を見る
Actran ロゴ
ActranCadence Design Systems(日本: エムエスシーソフトウェア株式会社/株式会社ソフトウェアクレイドル)要見積もり音響専用ソルバーの定番。空力音響にも対応詳細を見る
Wave6(SIMULIA) ロゴ
Wave6(SIMULIA)ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)要見積もり可聴域全体を単一エンジンで解く振動音響シミュレーション詳細を見る
ESI VA One ロゴ
ESI VA OneKeysight Technologies(旧ESI Group)要見積もり低周波〜高周波をFE-SEAハイブリッドで統合詳細を見る
Simcenter 3D Acoustics ロゴ
Simcenter 3D Acousticsシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア要見積もりNX統合の音響解析。FEM/BEM/レイ音響を切替詳細を見る
Advance/FrontNoise ロゴ
Advance/FrontNoiseアドバンスソフト株式会社要見積もり無限要素で放射問題まで解く国産のFEM音響解析ソフト詳細を見る

よくある質問

Q音響解析ソフトの主要メーカーはどこですか?
A

複数の手法を統合しているのがKeysight Technologies, Inc.(Vibro-Acoustics/VA One)、Dassault Systèmes SE(Wave6)、COMSOL AB(COMSOL Multiphysics)の3社です。有限要素法を軸とするのがCadence Design Systems, Inc.(Actran)、Siemens AG(Simcenter 3D)、アドバンスソフト株式会社(Advance/FrontNoise)になります。ほかにサイバネットシステム株式会社(WAON)とLOUDSOFT(FINECone)があります。

Q音響解析の手法はどう違いますか?
A

4つに分かれます。有限要素法は対象の内部まで要素に分けて解くため低い周波数帯に向きますが、周波数が上がると要素数が増えて計算量が跳ね上がります。境界要素法は表面だけを分割するため外部への放射音を扱いやすくなります。統計的エネルギー解析は個々のモードを追わずエネルギーの流れとして扱い、高い周波数帯で使われます。これらを組み合わせるのがハイブリッドです。

QSimcenter 3D Acousticsは単体で買えますか?
A

独立した製品ではありません。Siemensのブログやトレーニングカタログでこの呼称が使われますが、製品一覧に単独のエントリはなく、Simcenter 3Dの中の音響ソリューションを指す名前です。見積もりを依頼する際は、Simcenter 3Dのどのモジュールが必要かという形で伝えてください。ライセンスはvalue-based token licensingと公式に記載されたトークン制です。

Q並列計算の費用はメーカーごとに違いますか?
A

違います。DassaultはWave6について、全機能を1ライセンスでカバーしソルブするハードウェア台数は無制限と公式に明記しています。アドバンスソフトも並列計算機での稼動を同一料金での提供と記載しています。CadenceのMSCOneはトークン制で、フローティングトークンをクラウドやクラスタのHPCにも使えるため、製品の実行と並列計算を同じプールから消費します。

QWAONを提供するサイバネットシステムはどんな会社ですか?
A

1985年4月17日設立、資本金9億9,500万円、連結624名(2026年1月1日時点)の会社です。2024年2月9日に上場を廃止しており、現在は富士ソフト株式会社の完全子会社にあたります。WAONは自社開発の境界要素法ソフトで、高速多重極展開アルゴリズムを適用したFMBEMソルバーを備え、64bit環境で8GBのメモリにて20万自由度超の解析が実行できます。

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