おすすめのFEMSを比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!
FEMS(工場エネルギー管理システム)の主要17製品を、計測できるエネルギーと点数、分析機能、デマンド監視、既存設備との接続、提供形態の5項目で整理。価格の公開状況と費用の内訳、企業の特徴別の選定ポイントまで解説します。

FEMS(工場エネルギー管理システム)は、電力やガス、蒸気、圧縮空気などの使用量を設備やラインごとに計測し、見える化して省エネにつなげるシステムです。計測する範囲や分析の深さ、制御までを担うかどうかは製品によって異なります。この記事では、製品ページのある主要17製品を同じ評価軸で並べました。基礎知識から選び方、費用の考え方までを整理します。
既存のメーターを生かして小さく始めるなら:太平洋工業 エネグラフやSIRC SIRCクラウドが候補
電力のピーク抑制を重視するなら:三菱電機 EcoServerⅢや渡辺電機工業 見分録クラウドが候補
生産量あたりの原単位を管理するなら:横河電機 Enerize E3や日立プラントサービス Enewatcherが候補
複数の工場や拠点をまとめて管理するなら:日立 EMiliaやSiemens SIMATIC Energy Managerが候補
FEMSは、何を計測したいかと、見える化の先に何をしたいかを、最初に整理すると比べやすくなります。基礎から知りたい方はFEMSとはの記事、製品全体はFEMS(工場エネルギー管理システム)のカテゴリページもご覧ください。
この記事でわかること
FEMSの基礎知識
FEMSは、工場のエネルギーの使い方をデータで把握し、ムダの発見や改善に生かすための仕組みです。計測機器やセンサから集めた値を、画面やレポートで確認できます。まず、できることと、計測できるエネルギーの違い、導入の形態を押さえましょう。
FEMSでできること
FEMSの基本は、電力やガス、蒸気、圧縮空気などの使用量を、設備やラインごとに見える化することです。時間帯や設備ごとの違いが分かるため、ムダの発見に役立ちます。
機能が広がると、電力のピークを抑えるデマンド監視や、設備の自動制御もできます。省エネ法の定期報告に使うデータの集計や、生産量あたりの原単位の管理も、主な用途です。
計測するエネルギーと接続の考え方
電力だけを測る製品もあれば、水や圧縮空気、ガス、蒸気まで同じ仕組みで扱う製品もあります。まず、自社でムダが大きそうなエネルギーを決めると、候補を絞りやすくなります。
データの取り込み元は、既存の電力計やパルス出力のメーター、PLC、生産管理システムなどです。製品によって、接続できる機器の範囲が異なる点に注意が必要です。
提供形態と設置の違い
提供形態には、クラウド、工場内のサーバーに入れるオンプレミス、両方を組み合わせるものがあります。クラウド型は複数拠点のデータを集めやすい形態です。オンプレミス型は、社内ネットワークで完結させやすい点が特徴です。
設置の手間も異なります。工事なしで後付けできるセンサがある一方、受変電設備の監視まで含めて構築する製品もあるでしょう。
編集部メモ:FEMSは、計測の仕組みを含む製品と、計測済みのデータを分析する製品に分かれます。自社に計測器やデータ収集の仕組みがあるかを、最初に確認してください。
FEMSの基本的な選び方
FEMSを選ぶ際には、計測したいエネルギーと、見える化の先に求める成果を先に整理することが重要です。この2点が合わない製品は、他の機能が充実していても使いにくくなります。次の4つの観点で整理しましょう。
計測するエネルギーと計測点数を決める
最初に、電力だけで足りるのか、ガスや蒸気、圧縮空気まで測るのかを決めます。計測点の数も、機器の台数や費用に影響します。
1台のデバイスにつなげる点数には、上限がある製品もあるでしょう。将来の増設も見込んで、必要な点数に対応できるかを確かめましょう。
見える化の先の機能を確かめる
グラフ表示に加えて、原単位の算出や帳票の自動作成を持つ製品があります。ロスの自動抽出を備える製品もある点が特徴です。何を改善に使いたいかを先に決めると、必要な機能を見極めやすくなります。
デマンド監視や設備の自動制御は、製品によって扱いが分かれます。ピーク抑制が目的なら、制御までできるかが確認点です。
既存の計器や設備との接続を見る
既存のメーターをそのまま使えるか、センサの追加が必要かで、初期費用に差が出ます。出力の方式が合わない計器は、つなげない場合があります。
PLCや生産管理システムのデータを取り込む製品もあるでしょう。生産量と結び付けた分析をしたいなら、接続方法の記載を確認しましょう。
提供形態と複数拠点への対応を比べる
クラウドかオンプレミスかで、運用の負担や拠点間のデータの集めやすさが変わります。社内のネットワークに手を入れられない場合は、専用回線で通信する製品も選択肢になります。
複数の工場を同じ物差しで比べたい場合は、拠点をまたいで集計できるかが判断材料です。導入後の教育やフォローの有無も見ておきましょう。
FEMSの比較項目
製品を並べるときは、同じ物差しを当てる必要があります。FEMSで見る項目は次の5つです。互いに関連するので、まず表で全体像をつかみましょう。
比較項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
計測できるエネルギーの種類と計測点数 | 電力のみか、ガス・蒸気・圧縮空気・水まで扱えるか。1台で測れる点数に上限があるか |
見える化・分析の機能 | 原単位、比較グラフ、帳票、ロス分析などを標準で備えるか |
デマンド監視と設備の自動制御 | 警報だけか、空調や照明の自動制御までできるか |
既存の電力計・PLC・センサーとの接続 | 手持ちの計器やPLCのデータを取り込めるか。追加のセンサが必要か |
提供形態と複数工場の管理 | クラウドかオンプレミスか。複数拠点のデータを一元管理できるか |
計測できるエネルギーの種類と計測点数
どのエネルギーを、いくつの点で測れるかを比べる項目です。電力に絞った製品は、導入の手間を抑えやすい傾向があります。
電気に加えてガスや蒸気、圧縮空気、水まで扱う製品は、ユーティリティ全体の把握に向きます。1台のデバイスで接続できる点数の上限も、確認が必要です。
見える化・分析の機能
集めたデータをどこまで使えるかを比べる項目です。日報・月報・年報の自動作成や、比較グラフを備える製品があります。
生産量と結び付けた原単位の演算や、エネルギーロスの抽出を備える製品もあります。分析の深さは、製品ごとの差が大きい点が特徴です。
デマンド監視と設備の自動制御
電力のピークを抑えるための機能を比べる項目です。目標に近づいたときに警報を出す製品が多くあります。
空調や照明を自動で遮断する制御まで備える製品は、限られている点が特徴です。見える化が中心の製品は、制御機能を持たない場合があります。
既存の電力計・PLC・センサーとの接続
手持ちの設備をどこまで生かせるかを比べる項目です。パルス出力やアナログ出力を持つ計器なら、後付けのデバイスで取り込める製品があります。
PLCや生産管理システム、OPC UAなどでデータを受け取る製品もあります。接続できる機器の一覧は、公式資料で確かめましょう。
提供形態と複数工場の管理
クラウド型、オンプレミス型、両方を選べる型があります。クラウド環境を利用者側で用意する製品もある点に注意が必要です。
複数の工場や拠点をまとめて管理できるかも、比較の対象です。拠点ごとの設定や権限の分け方も見ておきましょう。
自社に合ったFEMSの選定ポイント
比較項目のどこに重点を置くかは、自社の状況で変わります。企業の特徴ごとに、確認する順番を整理しました。自社に近いものから読んでください。
計測器が少なく、小さく始めたい企業
メーターが少なく、専任の担当者もいない企業です。既存のメーターに後付けできるデバイスや、工事なしで取り付けるセンサが候補になります。まず確認したいのは、1台で測れる点数と、追加で必要な機器です。
クラウド型は、サーバーを自社で用意する手間がありません。一方で、利用料の体系は公開されていない場合が多くあります。問い合わせで、初期費用と継続費用の両方を確かめましょう。
電力のピーク抑制が課題の企業
契約電力を超えないよう、デマンドを管理したい企業です。警報だけで足りるのか、空調や照明の自動制御まで要るのかを、最初に整理します。
計測からデマンド監視までを1台で行う製品や、クラウドから機器へ制御を設定できる製品があります。見える化が中心の製品は、制御に対応しない場合があるため、機能の記載を確かめましょう。
生産量あたりのエネルギーを管理したい企業
製品やロット、ラインごとの原単位を出したい企業です。エネルギーのデータと、生産数量や稼働のデータを結び付けられるかが判断材料です。
MESやSCADA、PLCのデータを取り込める製品が候補になります。計測の仕組みを持たない製品もあるため、データ収集を担う機器を別に用意するかも確認点です。
複数の工場や拠点を持つ企業
拠点ごとのエネルギーを同じ物差しで比べたい企業です。クラウドやハイブリッドで、拠点をまたいで集計できる製品が候補になります。
拠点ごとに管理者がいるかどうかで、適した構成が変わります。工場だけでなくビルや店舗も含めて管理したい場合は、対象範囲の記載を確かめましょう。
ボイラや冷凍機などの設備効率を上げたい企業
コンプレッサや冷凍機、ボイラなどのユーティリティ設備を持つ企業です。電力だけでなく、蒸気や圧縮空気、ガスの使用量を扱える製品が候補になります。
設備単体の効率を見られるか、台数制御の見直しに使えるかも確認点です。受変電設備の監視まで含めて更新するなら、電気設備の監視機能を持つ製品も選択肢になります。
FEMSの費用相場
FEMSは、計測機器の点数や、クラウドかオンプレミスか、連携するシステムの範囲で費用が変わります。製品ページのある17製品のうち、公式サイトや公式カタログで金額を確認できたのは3製品です。残りの14製品は、問い合わせで確認する必要があります。
費用の内訳 | 費用を左右する要因 | 公開されている目安(2026年時点) |
|---|---|---|
計測機器・センサ・エッジデバイス | 計測点数、電力以外のエネルギーも測るか、既存のメーターを使えるか | エッジデバイス1台20,000円(最大5点接続、税込・税別の記載なし)。収集サーバは標準価格(税別)で564,000円から624,000円(形名による) |
収集・表示のソフトウェアやサーバー | 機能の範囲(見える化のみか、デマンド監視や分析まで含むか)、オンプレミスかクラウドか | 公開なし |
クラウド利用料・サブスクリプション | アカウント数、拠点数、利用期間。クラウド環境を利用者側で用意する製品もある | 公開なし(センサとクラウドを組み合わせた定額パッケージの案内はあるが、金額の記載はない) |
構築・導入支援・電気工事 | 既存システムとの連携範囲、設置工事の有無、導入後の教育 | 公開なし |
総額は、計測点数の増設や既存システムとの連携、設置工事の内容で変わります。初年度の導入支援と、2年目以降の利用料や保守費用を分けて見積もりを依頼してください。
【比較表】FEMSのランキング
製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。原価管理・設備保全・多拠点対応・中小適合の4つを、5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順で、同点は残りの評価軸の順に比べました。
順位 | 製品 | 提供元 | 原価管理 | 設備保全 | 多拠点対応 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 太平洋工業株式会社 | 4 | 3 | 4 | 5 | 公式サイトにエッジデバイスは1台20,000円(税込・税別の記載なし)。最大5点接続。クラウド利用料は掲載なし(要問い合わせ) | |
2 | 株式会社SIRC | 4 | 3 | 3 | 5 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。IoTセンサ4台・ゲートウェイまたはデータロガー1台の貸出とクラウド1年分をセットにした定額パッケージがある | |
3 | 渡辺電機工業株式会社 | 4 | 3 | 4 | 4 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
4 | 三菱電機株式会社 | 4 | 3 | 2 | 4 | 公式カタログに標準価格(税別)の記載あり。MES3-255B/255Cは564,000円、デマンド監視機能付のMES3-255B-DM/255C-DMは624,000円。EcoServerⅢを使った省エネ診断サービスも別に用意されている | |
5 | 富士電機株式会社 | 4 | 2 | 2 | 4 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
6 | 横河電機株式会社 | 5 | 3 | 4 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。サブスクリプションで提供され、クラウド環境は利用者側で用意する | |
7 | 三菱電機株式会社 | 5 | 3 | 3 | 3 | 公式カタログに標準価格(税別)の記載あり。MES3-EAP1-DAは148,000円、AI診断版のMES3-EAP1-AIは296,000円。AI診断版の試用版を公式サイトからダウンロードできる | |
8 | 株式会社TMEIC | 5 | 2 | 2 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
9 | THK株式会社 | 4 | 2 | 2 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
10 | 渡辺電機工業株式会社 | 3 | 2 | 2 | 3 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
11 | 富士電機株式会社 | 5 | 4 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
12 | 株式会社日立プラントサービス | 5 | 3 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
13 | シーメンス株式会社 | 5 | 2 | 5 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。フォームから申し込むと無料の試用環境(デモサーバー)を使える | |
14 | 株式会社日立産機システム | 4 | 5 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
15 | 株式会社日立製作所 | 4 | 4 | 5 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
16 | アズビル株式会社 | 4 | 4 | 4 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ) | |
17 | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 4 | 2 | 5 | 2 | 公式サイトに価格の掲載なし(要問い合わせ)。サブスクリプションを含む購入方法は営業担当または販売代理店に相談する形 |
FEMSの主要製品の詳細
ここからは表に挙げた17製品を、順位の並びのまま見ていきます。強みだけでなく、向かないケースもあわせて示しました。自社の計測対象と既存設備に照らして読み進めてください。
太平洋工業 エネグラフ
既存のメーターや測定器にエッジデバイスを付けて、電気やガス、エアをクラウドで見える化します。エッジデバイスは1台20,000円で、最大5点まで接続できます。クラウドの閲覧アカウントに数の制限はありません。
デバイス1台で接続できるのは最大5点のため、計測点が多いと台数がかさみます。アナログやパルス、ON/OFF出力を持たない計器は、そのままではつなげません。デマンドの自動制御にも向きません。
SIRC SIRCクラウド
工事不要のIoT電力センサで設備ごとの電力を測り、クラウドで分析します。生産数量と電力量の相関分析や、エネルギーロス分析も備わっている点が特徴です。センサ4台とクラウド1年分を組み合わせた、定額パッケージも用意されています。
計測の中心は電力で、ガスや蒸気の計測は製品ページで扱われていません。ダッシュボードはクラウドゲートウェイ専用の機能です。データロガー構成では使える機能が異なり、価格も公式に載っていません。
渡辺電機工業 見分録クラウド
最短1分周期のデータから、日報や月報、年報を作れるクラウドです。計測ポイントの四則演算で、原単位などを自分で定義できます。複数拠点のデマンドを一画面で管理でき、機器への設定もクラウドから行えます。
ダッシュボードに固定表示できるパネルは最大10点です。生産管理システムと連携した高度な分析を求める場合は、別の製品が必要になります。料金は公式に載っていないため、見積もりが欠かせません。
三菱電機 EcoServerⅢ
収集と蓄積、見える化、監視を1台で行う省エネデータ収集サーバです。プログラミングなしで設定でき、デマンド監視機能付品なら、警報と空調・照明の自動負荷制御も行えます。
計測点数などの詳しい仕様は製品ページに載らず、規模の見積もりには問い合わせが必要です。ロスの自動抽出や要因分析は、別製品のEcoAdviserと組み合わせる前提です。複数工場のクラウド管理には向きません。
富士電機 FiTSAΣ B5-EMS
データ収集コントローラに、EMSの画面と帳票を載せた1台です。別のサーバーを用意せずに、見える化と日報・月報の作成、デマンド監視を始められます。microSD使用時は、最長10年分のデータを蓄積できます。
記録周期は1分固定で、同時に蓄積できる点数は最大1,000点です。生産データと結び付けた原単位分析は標準画面に含まれません。多拠点のデータをクラウドへ集約する用途には向きません。
横河電機 Enerize E3
エネルギー情報と生産情報を統合し、ロットや品種別の原単位まで自動で演算するサブスク型のFEMSです。演算はエネルギーフローで定義するため、ラインが変わっても利用者側で設定を直せる点が特徴です。
クラウド環境はパッケージに含まれず、利用者側で用意して運用する必要があります。他システムの過去データの取り込みには、CSVでの提供が要ります。電力の計測器から用意したい企業は、別の製品を検討しましょう。
三菱電機 EcoAdviser
設備のエネルギーロスを自動で抽出し、改善候補と効果額を示す省エネ支援アプリです。電力に加えて水、エア、ガス、重油も1つの画面で扱えます。AI診断版の試用版を、公式サイトからダウンロードできます。
AI監視で劣化を検知するには、過去約30日分のデータが必要です。データの収集は別の機器やソフトで行う前提です。計測の仕組みがない工場は、EcoServerⅢなどが別に要ります。
TMEIC エネルギー管理 解析支援ツール
製造データとエネルギーデータを組み合わせ、バッチや製造列、設備ごとの原単位を出す解析支援ツールです。月締めの管理帳票を簡単な手順で作れるため、業務の属人化を減らせます。Excelへもグラフを出力できます。
解析支援が中心で、エネルギーの計測やデマンド監視の機能は製品ページで扱われていません。計測器やデータ収集から整えたい企業には、向かない製品です。価格や動作環境の公開もありません。
THK OMNIedge GXソリューション
分電盤に電力センサを数珠つなぎで後付けし、設備やライン別の電力とデマンドをクラウドで見える化します。専用回線で通信するため、社内ネットワークに手を入れずに始められます。
蒸気や圧縮空気の計測は製品ページで扱われていません。設置に伴う電気工事は、利用者側で手配します。導入まで最短でも2か月程度かかり、価格も公開されていません。複数工場の一元管理にも向きません。
渡辺電機工業 EcoRiAL
分析グラフ、リアルタイム監視、デマンド、帳票の4機能を備えます。パッケージ型のエネルギー管理ソフトです。Web対応のため、複数のパソコンから同時に見られます。
オンプレミスのパッケージです。複数工場をまとめるには、クラウド版など別の仕組みが必要です。対応OSは、Windows 10 ProとWindows Server 2016とされています。動作環境は事前に確認しましょう。
富士電機 EMSソリューション
監視、分析、効率分析、需給最適制御、保全管理を、段階的に組み合わせられるEMSです。ISO 50006に準拠した効率分析とAIによる自動診断を備えます。オンプレミスとクラウドの両方があります。
複数の製品を組み合わせるため、構成ごとの見積もりが必要で、価格は公開されていません。機能ごとにクラウド型とオンプレミス型の対応が分かれます。見える化だけを低コストで始めたい企業には向きません。
日立プラントサービス Enewatcher
消費エネルギーコストと製造数量、原単位を1つのグラフで見られる可視化システムです。接続方法が多く、PLCやMES、OPC UAなどから既存システムのデータを取り込めます。
高度な機能は、SCADAや省エネ制御との組み合わせで実現する構成です。導入範囲が広がると、構築の負担も増します。電力1点だけを測りたい場合は向きません。価格の公開もありません。
Siemens SIMATIC Energy Manager
エネルギーデータを機械の状態やバッチ、生産量と結び付け、単位あたりのKPIを自動で出せます。オンプレミス、エッジ、クラウドから運用形態を選べます。フォームから申し込める無料のデモサーバーも、特徴の一つです。
日本語の製品ページは自動翻訳で、規制対応の説明はEUの制度が中心です。日本の省エネ法の定期報告への対応は明記されていません。デマンドの監視や自動制御の記載も、製品ページにはありません。
日立産機システム SANFEMS neo
配電監視、受変電監視、クラウド監視を組み合わせる、工場向けのエネルギーマネジメントです。絶縁監視で漏れ電流を計測でき、エネルギー管理と予防保全を同じ仕組みで進められます。
複数のシステムを組み合わせるため、構成ごとの見積もりが必要で、価格は公開されていません。電気設備の監視が中心で、製品別の原単位分析は製品ページで詳しく説明されていません。
日立 EMilia
多拠点のエネルギーと設備を統合管理するサービスです。クラウド、ローカルサーバー、ハイブリッドの3形態から選べます。工場のほか、ビルや店舗も1つの法人でまとめて管理できます。
多拠点の統合管理が前提のため、1工場だけの小さな導入には向きにくい製品です。生産設備ごとの分析機能は、製品ページで詳しく示されていません。価格の公開もありません。
アズビル EneSCOPE
エネルギー消費量とCO2発生量、コストをまとめて見える化し、本社と工場の両方の視点で使えます。コンプレッサや冷凍機、ボイラなどユーティリティ設備の効率まで見られます。
価格は公開されておらず、問い合わせによる個別の提案が前提です。製品ページには接続できる機器の具体的な記載がなく、既存の計測器が使えるかは確認が必要です。1ラインだけの簡易な見える化には向きません。
Rockwell Automation FactoryTalk Energy Manager
水、エア、ガス、電気、蒸気の5種類を同じ仕組みで扱い、工場からライン、機械までの階層で集計します。エネルギーと生産のデータを結び付けた原単位のダッシュボードが、最初から用意されています。
日本語の製品情報が少なく、画面の日本語対応や国内の導入事例は、公式サイトに明記がありません。デマンド監視や自動制御の機能は、製品ページに記載がない状態です。小さな工場の手軽な導入には向きません。
FEMSの無料・有料でできることの違い
FEMSは、計測機器やセンサ、データを集める仕組みが必要です。無料で使える範囲は、試用版やデモ環境などにとどまります。
できること | 無料で足りる範囲 | 有料が必要になる範囲 |
|---|---|---|
機能の確認 | 試用版のダウンロードや、デモサーバーの利用ができる製品がある | 自社の設備の実データでの運用 |
計測とデータ収集 | なし。メーターやセンサ、エッジデバイスなどの機器が必要 | 計測機器の購入や貸出、設置工事 |
見える化と分析 | 製品ページでは、無償で使える範囲の記載はない | ソフトウェアやクラウドの利用料 |
デマンド制御・導入支援 | なし | 制御機能付きの製品、構築や教育のサービス |
まとめ
FEMSの比較は、5つの項目で整理すると進めやすくなります。計測できるエネルギーと点数、見える化・分析の機能、デマンド監視と自動制御です。既存の機器との接続、提供形態と複数工場の管理も加えた5つです。
まず、何を計測したいかと、見える化の先に求める成果を書き出しましょう。ロス分析や原単位の管理、デマンドの制御のどれを重視するかで、候補は変わります。次に、計測機器やクラウド利用料、構築費を含めた構成で、見積もりを比べてください。金額を公式サイトや公式カタログで確認できたのは17製品のうち3製品で、残りは問い合わせが必要です。製品はカテゴリページも参考にしてください。
FEMS(工場エネルギー管理システム)のおすすめ製品
太平洋工業 エネグラフ
太平洋工業株式会社
既存メーターに後付けして見える化
渡辺電機工業 見分録クラウド
渡辺電機工業株式会社
計測データを集計・帳票化するクラウド
SIRC SIRCクラウド
株式会社SIRC
工事不要の電力センサでロス分析までクラウドで行う
横河電機 Enerize E3
横河電機株式会社
工程・ロット別の原単位まで示すサブスク型FEMS
日立産機システム SANFEMS neo
株式会社日立産機システム
配電・受変電・クラウド監視を組む工場FEMS
日立 EMilia
株式会社日立製作所
多拠点のエネルギーと設備を統合管理するサービス
FEMS(工場エネルギー管理システム)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 太平洋工業 エネグラフ | 太平洋工業株式会社 | 要見積もり | 既存メーターに後付けして見える化 | 詳細を見る | |
| 渡辺電機工業 見分録クラウド | 渡辺電機工業株式会社 | 要見積もり | 計測データを集計・帳票化するクラウド | 詳細を見る | |
| SIRC SIRCクラウド | 株式会社SIRC | 要見積もり | 工事不要の電力センサでロス分析までクラウドで行う | 詳細を見る | |
| 横河電機 Enerize E3 | 横河電機株式会社 | 要見積もり | 工程・ロット別の原単位まで示すサブスク型FEMS | 詳細を見る | |
| 日立産機システム SANFEMS neo | 株式会社日立産機システム | 要見積もり | 配電・受変電・クラウド監視を組む工場FEMS | 詳細を見る | |
| 日立 EMilia | 株式会社日立製作所 | 要見積もり | 多拠点のエネルギーと設備を統合管理するサービス | 詳細を見る | |
| 富士電機 EMSソリューション | 富士電機株式会社 | 要見積もり | 監視・分析・需給制御のEMSパッケージ | 詳細を見る | |
| 日立プラントサービス Enewatcher | 株式会社日立プラントサービス | 要見積もり | 原単位の改善・悪化を示す可視化システム | 詳細を見る | |
| 三菱電機 EcoAdviser | 三菱電機株式会社 | 要見積もり | エネルギーロスを自動抽出する省エネ支援アプリ | 詳細を見る | |
| Siemens SIMATIC Energy Manager | シーメンス株式会社 | 要見積もり | 生産と結ぶエネルギーKPI管理 | 詳細を見る | |
| アズビル EneSCOPE | アズビル株式会社 | 要見積もり | 設備と生産ラインの効率を見える化するFEMS | 詳細を見る | |
| 三菱電機 EcoServerⅢ | 三菱電機株式会社 | 要見積もり | プログラミング不要の省エネデータ収集サーバ | 詳細を見る | |
| Rockwell Automation FactoryTalk Energy Manager | ロックウェル オートメーション ジャパン株式会社 | 要見積もり | エネルギー監視 | 詳細を見る | |
| 富士電機 FiTSAΣ B5-EMS | 富士電機株式会社 | 要見積もり | 電力計をつなぐだけで見える化できるEMS | 詳細を見る | |
| TMEIC エネルギー管理 解析支援ツール | 株式会社TMEIC | 要見積もり | 設備ごとの原単位を出すツール | 詳細を見る | |
| THK OMNIedge GXソリューション | THK株式会社 | 要見積もり | 電力センサ後付けでライン別に見える化 | 詳細を見る | |
| 渡辺電機工業 EcoRiAL | 渡辺電機工業株式会社 | 要見積もり | 分析・監視・デマンド・帳票のエネルギー管理ソフト | 詳細を見る |
よくある質問
QFEMSを選ぶとき、最初に何を確認すればよいですか?
計測したいエネルギーの種類と、見える化の先に求める成果を確認します。電力だけで足りるのか、ガスや蒸気、圧縮空気も測るのかで候補が変わります。原単位の管理やデマンドの制御が必要かも、あわせて整理してください。
QFEMSの価格は、どのくらいを見込めばよいですか?
製品ページのある17製品のうち、2026年時点で金額を公式サイトや公式カタログで確認できたのは3製品です。三菱電機のEcoServerⅢは標準価格(税別)564,000円から、EcoAdviserは148,000円(税別)からで、エネグラフのエッジデバイスは1台20,000円(税込・税別の記載なし)です。残りは問い合わせが必要です。
Q既存の電力計やメーターは、そのまま使えますか?
製品によります。パルスやアナログ出力を持つ計器なら、後付けのデバイスで取り込める製品があります。出力を持たない計器は、そのままではつなげない場合があります。接続できる機器は、公式資料で確認してください。
Q複数の工場をまとめて管理できますか?
クラウドやハイブリッドの形態を持ち、拠点をまたいで集計できる製品があります。一方で、工場内のネットワークで完結するオンプレミス型や、1台で使う収集サーバもあります。多拠点での利用が前提かを、製品ごとに確認してください。
