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比較#自動倉庫#AS/RS#製品比較

おすすめの自動倉庫を比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

製造業向け自動倉庫(AS/RS)の主要12製品を、荷姿と可搬重量・天井高・設置環境・上位システム連携・保守体制の軸で比較。価格は全製品が非公開のため、見積もりを動かす費用の内訳と、公開仕様で事前に候補を絞る手順も整理しました。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
おすすめの自動倉庫を比較!基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

自動倉庫の比較でまず壁になるのは、価格ではなく「自社の建屋に入るか」が分からないことです。主要12製品の公式情報を2026年7月時点で確認すると、標準仕様表を公開していたのは2社だけでした。価格は12製品すべてが非公開です。この記事では12製品を同じ軸で並べ、荷姿と天井高から候補を絞る手順を整理しました。

  • 金型・治具を工程脇に置き、天井が2〜3m台なら、垂直回転式や垂直昇降式
  • 小物部品をコンテナ単位で扱うなら、ケース・バケット式かキューブ型
  • 原材料や製品をパレットで保管するなら、パレット式のスタッカクレーン
  • 冷凍・危険物など人が長く入れない環境なら、特殊仕様の実績がある製品

絞り込みは「荷姿」と「使える天井高」でほぼ決まります。価格が公開されていないため、比較は仕様の公開度と実名事例の有無から始めてください。


この記事でわかること

01

自動倉庫の基礎知識

自動倉庫は、荷をラックに自動で格納し、必要なときに自動で取り出す保管設備です。10年から20年使う設備で、建屋条件や消防要件まで絡みます。比較に入る前に、役割と種類、必要かどうかの切り分けを押さえておきましょう。

在庫の置き場そのものを持つ設備

自動倉庫と他の物流機器を分けるのは、在庫の置き場そのものを持つかどうか。工程間で荷を運ぶだけなら、無人搬送車(AGV・AMR)で足ります。

階をまたぐ移動だけが目的なら、垂直搬送機が該当します。JILSの統計でも、自動倉庫と垂直搬送機は別の機種の扱いです。2024年度の売上は、自動倉庫が147,098百万円、垂直搬送機が13,725百万円でした。

荷姿と搬送方式で分かれる種類

扱う単位で、パレット式、ケース(バケット)式、ビン単位のキューブ型に分かれます。搬送方式では、スタッカクレーン式・シャトル台車式・キューブ型が主な系統です。

天井の低い工場向けには、棚が回る垂直回転式や、棚を昇降させる垂直昇降式もあります。ラックと建屋を一体化するビル式は、既存工場への後付けができません。

自動倉庫が必要になる3つの状況

自動倉庫が要るのは、次のいずれかに当てはまる場合です。1つ目として、保管スペースが物理的に限界に達している場合が挙げられます。2つ目は、在庫の所在と数量が合わなくなっている場合です。

3つ目に当たるのは、冷凍・危険物のように人が長く入れない環境で保管を続ける場合です。ピッキングの歩行と誤取りを減らしたいだけなら、デジタルピッキングシステムのほうが投資は軽く済みます。

編集部メモ:AGVやWMSとの役割分担は、自動倉庫とはで整理しています。比較に入る前に、保管したい荷の荷姿と最大重量、使える天井高を一覧にしておきましょう。


02

自動倉庫の基本的な選び方

自動倉庫を選ぶ際には、扱う荷姿と使える天井高から候補を絞ることが重要です。この2点で、合う方式と製品の大半が決まります。そのうえで、公開仕様と見積もりの条件を詰めていきましょう。

荷姿と最大重量で方式を決める

最初に、保管したい荷がパレットか、ケース・コンテナか、ビンに収まる小物かを決めます。扱える上限は、1ビン30kgの製品から1パレット2tの製品まで幅があります。

金型と小物部品を1台でまとめて扱える製品はありません。荷姿ごとに機種を分ける前提で、最大重量を洗い出してください。

使える天井高から逆算する

天井高は、既存工場に入るかを決める最大の分岐です。機高2,250mmから置ける垂直回転式もあれば、ラック高さ21mや超高層50mの構成もあります。

天井高と床面積を先に測り、入る方式だけを候補に残しましょう。受電設備の容量も確かめておくと、追加工事の要否を早く見極められます。

公開仕様で判断できる範囲を見る

自動倉庫は、標準仕様の公開度がメーカーによって大きく違います。寸法・積載荷重・電力容量まで表にした製品なら、設置可否を自力で判断できます。

一方で、数値をカタログ請求の前提にしているメーカーも少なくありません。公開度の差は、見積もり前に社内で検討を進められるかどうかに影響します。

条件を揃えて複数社に見積もる

価格は公開されていないため、比較には見積もりが欠かせません。荷姿・格納数・天井高・温度帯・上位システムの条件を揃え、複数社に同時に依頼するのが実務的です。

進め方は、自動倉庫の選び方で5つのステップに分けて整理しています。


03

自動倉庫の比較項目

製品を並べるときは、同じ物差しを当てる必要があります。自動倉庫で見るべき項目は次の5つです。まず一覧で全体像をつかみましょう。

比較項目

見るべきポイント

荷姿と可搬重量

パレット・ケース・ビンのどの単位か、1単位あたり何kgまで載るか

必要な天井高とラック構造

既存建屋に入るユニット式か、建屋一体のビル式か

設置環境への対応

冷凍・冷蔵、防爆・危険物、クリーンに対応するか

上位システム連携

自社のWMS・WCSがあるか、生産管理システムとつながるか

保守体制

拠点数、24時間対応、法定定期点検の代行があるか

荷姿と可搬重量

保管する単位と、1単位あたりの積載重量を見ます。パレット単位では、定格1,000kgから2tまでの製品が並びます。

ケース・コンテナ単位の公開値は、30kgや50kgが中心です。垂直昇降式には、1段あたり500kgまで載せられる製品もあります。

必要な天井高とラック構造

設置に必要な高さと、ラックを建屋から独立させるかを見ます。公開値は、機高2,250mmから全高30m以下、超高層50mまで段階的に並ぶ状況です。

ラックと建屋を一体化するビル式は、新築や建て替えが前提になります。既存工場なら、ユニット式で天井高に収まるかが要点です。

設置環境への対応

冷凍・冷蔵、防爆・危険物、クリーンといった特殊環境に対応するかを見ます。低温では、マイナス31℃の実績やマイナス60℃対応を明記するメーカーもあります。

対応をうたっていても、温度の具体値を公表していない製品は少なくありません。公式サイトの記載が「対応」だけか、数値まであるかで情報の確かさが変わります。

上位システム連携

自社のWMS(倉庫管理システム)やWCSを持つか、生産管理とつながるかを見ます。ホスト連携の機能や、FTP・HULFT・DB連携といった方式を明記する製品もあります。

WMSは、自動倉庫本体とは別に発注・計上される対象です。JILSの統計でも、自動倉庫とは別の機種として区分されています。

保守体制

サービス拠点の数、24時間対応の有無、保守部品の供給を見ます。メーカーによって、公表情報の量に最も差が出る項目です。

クレーン等安全規則に基づく定期自主検査を、代行するメーカーもあります。24時間対応や拠点数を公式サイトで確認できないメーカーもある点に注意が要ります。


04

自社に合った自動倉庫の選定ポイント

同じ自動倉庫でも、建屋の条件と保管する荷によって合う製品は変わります。自社の工場に当てはめて、比較項目の優先順位を付け直しましょう。よくある5つの型で整理します。

天井が低く床面積も限られる中小工場

必要な天井高と受電容量を最優先に見てください。天井が2〜3m台で床の空きも数平方メートルなら、パレット式もケース式も入りません。

候補は、機高2,250mmからの垂直回転式や、設置2〜3m四方の垂直昇降式です。どちらも1台1ステーションで入出庫能力は低く、置き場を改善する設備と割り切りましょう。

小物部品を多品種扱う工場

比較では、荷姿と上位システム連携を優先して確認しましょう。電子部品やねじ類を数千品目抱えるなら、コンテナ単位で番地管理できるケース式が向きます。

全高5m以下・一次側電力5〜8KVAで収まる構成もあり、既存建屋に入れやすい方式です。ピッキングの歩行まで減らしたいなら、荷が手元に届くキューブ型も比べましょう。

パレット単位で原材料・製品を保管する工場

天井高と可搬重量を軸に絞ってください。平置きの原材料や完成品を高さ方向に積み替えるなら、パレット式のスタッカクレーンが中心です。

全高6mから型式を揃える製品や、ラック高さ21mまで伸ばせる製品があります。天井5.5mクラスで保管量だけ増やすなら、無人台車で多重配列する方式も候補です。

冷凍・危険物など条件付きの環境で保管する工場

設置環境への対応を最優先にしてください。作業者が長く滞在できない環境では、標準機ではなく特殊仕様の実績で選びます。

低温や防爆が要件なら、特殊仕様の系列を最初から指定して問い合わせましょう。常温と低温を1つの設備に混ぜたい場合は、複数の温度帯を併存できる方式が候補です。

10年以上の保守体制を重視する企業

長期の稼働を支えられるかは、保守体制と提供元の安定性で判断しましょう。自動倉庫は10〜20年使い、保守と部品供給が長期に及びます。

2026年から2027年にかけて、提供元の体制が変わるメーカーが4社あります。契約前に、保守契約の相手方と法定点検の代行の有無を確かめておきましょう。


05

自動倉庫の費用相場

自動倉庫は、主要12製品すべてが個別見積もりです。金額を公式に公開している製品は1つもなく、相場の金額は示せません。代わりに、何が見積もりを動かすのかを整理しました。

費用の内訳

費用を左右する要因

本体(ラック・搬送装置)

荷姿と最大重量、格納数、必要な入出庫能力

建屋・設置工事

天井高と床面積、ユニット式かビル式か、受電設備の追加

特殊環境仕様

冷凍・冷蔵、防爆・危険物、クリーンへの対応

上位システム(WMS・WCS)

自社WMSを使うか、生産管理システムとの連携範囲

保守・法定点検

24時間対応の契約、定期自主検査の代行

WMSは本体とは別に発注される対象で、機器とは別にソフトの費用が乗ります。条件を揃えて複数社に見積もり、保守と法定点検まで含めた総額で比べてください。


06

【比較表】自動倉庫のランキング

在庫管理・工程管理・生産管理・現場操作性・中小適合の5項目を、5段階で評価しました。比較軸のうち製品データとして数値化できるものを、製造業適合性スコアとして並べた表です。並びは中小適合の高い順です。上から下へ向かうほど、想定する企業規模と導入の重さが上がります。評価が設定されていない項目は「-」としています。

順位

製品

提供元

在庫管理

工程管理

生産管理

現場操作性

中小適合

価格の目安

1

三進金属工業 パタノスター

三進金属工業株式会社

3

3

2

5

5

非公開。機高2,250〜6,000mm・棚積載100/200/350kgの仕様表は公開

2

三進金属工業 シャトルXP

三進金属工業株式会社

3

3

3

5

5

非公開。500kg/段・設置2〜3m四方の仕様は公開

3

西部電機 バケットフィードシステム

西部電機株式会社

4

4

3

4

5

非公開。全高5m以下・定格50kg・5〜8KVAの仕様表は公開

4

西部電機 ユニットラックシステム

西部電機株式会社

5

4

4

4

4

非公開。全高6〜30m・定格1,000kgの9型式の仕様表は公開

5

ダイフク ファインストッカー

株式会社ダイフク

4

4

3

4

4

非公開。576コンテナ・30kg/コンテナの構成例は公開

6

ダイフク コンパクトシステム

株式会社ダイフク

5

4

4

4

3

非公開。139〜3,600パレットのモデル構成は公開

7

トヨタL&F Rack Sorter P

株式会社豊田自動織機

5

4

4

4

3

非公開。可搬1〜2t・ラック高さ21mは公開

8

トーヨーカネツ マルチシャトル

トーヨーカネツ株式会社

4

4

3

4

3

非公開。処理能力の数値も一次情報では未確認

9

住友重機械搬送システム マジックラック

住友重機械搬送システム株式会社

4

3

3

4

3

非公開。公表値は相対比較のみで絶対値なし

10

AutoStore

AutoStore System AS

5

4

3

5

3

非公開。AutoStore・オカムラ公式とも金額記載なし

11

村田機械 自動倉庫システム

村田機械株式会社

4

4

3

3

2

非公開。仕様数値もサイト移転で非公開になった

12

IHI物流産業システム ラックパック

株式会社IHI物流産業システム

5

4

4

4

2

非公開。仕様もカタログ請求が前提


07

自動倉庫の主要製品の詳細

ここからは表に挙げた12製品を、順位の並びのまま見ていきます。仕様は2026年7月時点の公開情報で、価格は全製品が非公開です。強みだけでなく、注意すべき点もあわせて示しました。

三進金属工業 パタノスター

天井が低く床面積も限られる中小工場や、金型・治具を工程脇に集約したい現場に向きます。

垂直回転式で、機高2,250〜6,000mmから選べる製品です。棚積載100/200/350kgなど、標準仕様表が公開されています。電力容量は2.0〜4.0kVAで、受電設備の追加工事が要らないことが多い構成です。

注意点:1台1ステーションで入出庫能力が低く、高頻度の出荷には向きません。パレットや重量物も扱えません。

三進金属工業 シャトルXP

金型・治具の置き場が足りないのに、建屋を増やせない中小工場に向きます。

垂直昇降式で、設置2〜3m四方に収まり、最大積載は500kg/段です。荷の高さを25mmピッチで自動計測して空いた段に詰めるため、高さがばらばらな金型でも無駄が出ません。

注意点:最大収納物高さは730mmで、必要な天井高は公開されていません。対応温度帯と上位システム連携も未公開です。

西部電機 バケットフィードシステム

小物部品を多品種扱う中小〜中堅の工場や、天井高と受電設備の制約が厳しい既存建屋に向きます。

BS-5Bは全高5m以下・一次側電力5〜8KVAで、12製品の中でも設置条件が緩い構成です。走行300m/min・昇降125m/minという速度まで、仕様表で公開されています。

注意点:定格荷重50kgの軽量物専用です。荷姿は350〜700(W)×300〜500(L)に限られます。入出庫能力と対応温度帯は、仕様表に記載がありません。

西部電機 ユニットラックシステム

パレット単位で原材料・製品を保管したい中堅製造業や、生産管理と在庫を繋ぎたい工場に向きます。

全高6m以下から30m以下まで9型式を標準化し、定格は1,000kgです。WMSのPASFICSがホスト連携を明記し、法定の定期自主検査の代行も明文化しています。実名事例には前田金属工業の河内長野工場があります。

注意点:荷姿が標準化されており、規格外パレットや超重量物は別機種が必要です。

ダイフク ファインストッカー

多品種少量の部品を扱う自動車部品・電子部品メーカーに向きます。

ケース単位のミニロードで、576コンテナの構成例は横幅2m×奥行13.8m×高さ5.3mです。保守体制は24時間365日受付・全国約55拠点・保守部品約90,000点を公表しています。保守の公表情報は12製品で最も厚い水準です。

注意点:1コンテナ30kgまでで、重量物は扱えません。対応温度の具体値と、企業名入りの事例も確認できていません。

ダイフク コンパクトシステム

パレット単位の保管スペースが限界に達している中堅〜大手に向きます。

公表されているモデル構成は、7m級・139パレットから20m級・3,600パレットまでです。最大積載は1,000kg/パレットで、冷凍・高温・クリーン・防爆の仕様も揃います。実名事例には佐久間特殊鋼の西尾支店があります。

注意点:最小構成でもラック高さ7m級・奥行25.5mあり、天井高5m未満の建屋には入りません。

トヨタL&F Rack Sorter P

冷凍冷蔵や危険物という条件付きのパレット保管に向きます。

可搬重量1,000/1,500/2,000kgfの3タイプで、ラック高さは最大21mです。冷凍冷蔵と防爆の両方に対応します。DMG森精機・TOPPAN・有楽製菓など、社名を公表した製造業の事例が多い製品です。

注意点:提供元の豊田自動織機は、2026年6月1日に上場廃止・非公開化しました。以降の開示情報は減ります。

トーヨーカネツ マルチシャトル

ケース単位で高密度に保管したい工場や、冷凍冷蔵の保管を無人化したい企業に向きます。

シャトル式で、冷凍・冷蔵倉庫での使用への対応が明記されている製品です。従来機器比で25%の省スペース、35〜70%の省エネを公表しています。実名事例には、多品種少量生産の松田電機工業所があります。

注意点:可搬重量や処理能力の数値は一次情報で確認できません。物流事業は2027年4月1日に新会社へ承継予定です。

住友重機械搬送システム マジックラック

天井が低い既存建屋で保管量を増やしたい、少品種大ロットのパレット保管に向きます。

2台1組の無人台車でパレットを多重配列する方式です。天井高5.5mクラスの建屋に、1.5mの荷物を3段格納できます。保管量は、従来のパレットラック比で約2倍と公表されています。

注意点:先入れ先出しやランダムアクセスは構造的に不利です。導入事例は全件匿名で、2027年1月1日に住友重機械工業へ吸収合併される予定です。

AutoStore

小物部品を高密度に保管し、ピッキングの歩行も減らしたい工場に向きます。

通路を持たないキューブ構造で、同一床面積あたり最大4倍の保管容量を確保できます。常温・冷蔵・冷凍を1システムに併存できる点も特徴です。国内ではファナックパートロニクスなど、製造業6社の実名事例があります。

注意点:ビン1つ最大30kg・内寸603×403mmが上限です。深い位置のビンは掘り起こしが発生し、低頻度品を下層に置く管理が前提になります。

村田機械 自動倉庫システム

冷凍・クリーン・危険物といった特殊環境や、高層ラックで保管量を確保したい中堅〜大手に向きます。

冷凍自動倉庫の納入は1973年からです。免震や超高層50mの制振ラック、クラス10のクリーンにも対応します。シャトル式のUni-SHUTTLE HPは、製造ラインへの生産順供給が公式に明記された機種です。

注意点:2025年6月30日のサイト移転で、数値仕様の掲載がほぼなくなりました。導入事例は全件匿名です。

IHI物流産業システム ラックパック

冷凍・危険物・金型など、条件の難しい保管を抱える中堅〜大手に向きます。

マイナス31℃の冷凍自動倉庫に多数の実績があり、マイナス60℃までの対応を明記した製品です。アイシン九州の金型保管、阪本薬品工業の危険物用など、難しい荷姿の実名事例が並びます。

注意点:製品ページに数値仕様がなく、カタログ請求が前提です。2027年4月1日を目途に、親会社がIHIから豊田自動織機へ変わる予定です。


08

自動倉庫の無料・有料でできることの違い

自動倉庫には、無料で使える版や試用の仕組みはありません。無料で進められるのは、公開仕様とカタログによる事前の絞り込みまでです。契約前に確かめられる範囲と、契約で決まることの線引きを整理しました。

項目

無料(公開情報・カタログ)

有料(契約・導入)

設置できるか

標準仕様表のある製品なら、天井高・床面積・電力容量から自力で判断できる

個別設計でラック構成と工事範囲が決まる

価格

公開なし。見積もりの依頼まで

本体・工事・WMS・保守を含む総額が確定する

特殊環境

冷凍・防爆などの対応有無を公式サイトで確かめられる

特殊仕様として設計・製作される

上位システム連携

WMSの名称と連携方式の概要まで

WMSを別途発注し、生産管理システムとつなぐ

保守

拠点数や24時間対応の公表情報を比べられる

保守契約で24時間対応や法定点検の代行を受けられる

数値仕様をカタログ請求の前提にしているメーカーもあり、無料で判断できる範囲は製品ごとに違います。まず標準仕様表の有無を確かめると、問い合わせ先を絞れます。


09

まとめ

自動倉庫の比較は、機能の一覧より「荷姿」と「使える天井高」の2点から入るほうが早く絞れます。天井の低い工場で金型や治具を置くなら、垂直回転式や垂直昇降式が向いています。小物部品ならケース式やキューブ型、原材料や製品ならパレット式が出発点です。冷凍や危険物が絡むなら、特殊仕様の実績で選んでください。

価格は12製品すべて非公開です。標準仕様の公開度と実名事例で候補を絞り、条件を揃えて見積もりましょう。10年以上使う設備なので、保守契約の相手方も確かめておくと安心です。進め方は自動倉庫の選び方で解説しています。製品は自動倉庫(AS/RS)カテゴリで比較できます。

自動倉庫(AS/RS)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
西部電機 ユニットラックシステム ロゴ
西部電機 ユニットラックシステム西部電機株式会社要見積もり全高6mから30mまで9型式、標準仕様表を公開したパレット自動倉庫詳細を見る
トヨタL&F Rack Sorter P ロゴ
トヨタL&F Rack Sorter P株式会社豊田自動織機要見積もり可搬1〜2t・ラック高さ21m、冷凍冷蔵と防爆まで数値公開詳細を見る
西部電機 バケットフィードシステム ロゴ
西部電機 バケットフィードシステム西部電機株式会社要見積もり全高5m以下・5〜8KVA、最も設置ハードルの低いバケット自動倉庫詳細を見る
ダイフク コンパクトシステム ロゴ
ダイフク コンパクトシステム株式会社ダイフク要見積もり格納数139パレットから、モデル構成が公表されたパレット自動倉庫詳細を見る
IHI物流産業システム ラックパック ロゴ
IHI物流産業システム ラックパック株式会社IHI物流産業システム要見積もりマイナス31度の実績とマイナス60度対応、難条件に強いパレット自動倉庫詳細を見る
AutoStore ロゴ
AutoStoreAutoStore System AS要見積もり通路を持たないキューブ型、国内製造業6社が実名で稼働詳細を見る
トーヨーカネツ マルチシャトル ロゴ
トーヨーカネツ マルチシャトルトーヨーカネツ株式会社要見積もり冷凍冷蔵に対応し、多品種少量工場の物流DX事例を持つシャトル式詳細を見る
三進金属工業 シャトルXP ロゴ
三進金属工業 シャトルXP三進金属工業株式会社要見積もり設置2〜3m四方、高さの違う金型を25mmピッチで詰める詳細を見る
ダイフク ファインストッカー ロゴ
ダイフク ファインストッカー株式会社ダイフク要見積もり自動車部品・電子部品の多品種少量を名指しするケース自動倉庫詳細を見る
三進金属工業 パタノスター ロゴ
三進金属工業 パタノスター三進金属工業株式会社要見積もり機高2,250mmから、天井の低い既存工場に置ける垂直回転式詳細を見る
住友重機械搬送システム マジックラック ロゴ
住友重機械搬送システム マジックラック住友重機械搬送システム株式会社要見積もり天井5.5mの既存建屋に入る、無人台車方式の高密度保管詳細を見る
村田機械 自動倉庫システム ロゴ
村田機械 自動倉庫システム村田機械株式会社要見積もり冷凍1973年から、免震・超高層50mまでの守備範囲詳細を見る

よくある質問

Q自動倉庫の価格を比較するにはどうすればよいですか?
A

条件を揃えて同時に見積もりを依頼する以外に方法がありません。今回調べた12製品はすべて価格が非公開で、公式サイトに金額の記載があるメーカーは1社もありませんでした。時間あたりの入出庫能力も大半が非公開です。そのため、保管したい荷姿と最大重量、必要な間口数を現状と将来の2本立てで、設置場所の天井高と床面積、必要な入出庫能力、温度帯などの環境条件、ラック構造、WMS・WCSを含むか、年間保守費と法定点検の扱いという条件を明示し、5年または10年の総保有コストで出してもらう形にすると、はじめて比較が成立します。

Q中小規模の工場でも導入できる製品はありますか?
A

あります。設置条件が最も緩いのは三進金属工業のパタノスターで、機高2,250mmから選べ天井高2.5m程度の作業場にも入り、電力容量も2.0〜4.0kVAです。同社のシャトルXPは設置面積2〜3m四方で最大積載500kg/段のため、金型や治具の保管に向きます。ケース単位なら西部電機のバケットフィードシステムのBS-5Bが全高5m以下・一次側電力5〜8KVAです。この3製品を持つ2社は標準仕様表を公開しており、自社の工場に入るかを問い合わせ前に自力で判断できます。ただし価格はいずれも非公開です。

Q冷凍倉庫や危険物倉庫にも自動倉庫を入れられますか?
A

対応するメーカーが限られますが可能です。IHI物流産業システムはマイナス31℃対応の冷凍自動倉庫に多数の納入実績があり、公式にマイナス60℃の超低温まで対応可能と明記しています。危険物用自動倉庫の実名事例も公表しています。トヨタL&FのRack Sorter Pは冷凍冷蔵と防爆の両方に対応し、トーヨーカネツのマルチシャトルはシャトル式で冷凍冷蔵対応を明記しています。AutoStoreはMulti-Temperature Solutionにより常温・冷蔵・冷凍を1システムに併存させられます。冷凍や防爆は後から追加できない仕様のため、要否を早い段階で確定させる必要があります。

Q海外メーカーの自動倉庫は日本でも導入できますか?
A

メーカーによります。今回調べた範囲では、SSIシェーファー、Dematic、Swisslog、KNAPP、TGW Logisticsのいずれも、公式サイトの拠点一覧と言語選択に日本が含まれておらず、国内での提供体制を一次情報で確認できませんでした。とくにSSIシェーファーについて日本法人があると記載する解説記事がありますが、公式のアジア拠点一覧に日本はなく、検索上位に出る同名の日本法人は破砕機メーカーの別会社です。一方、AutoStoreは株式会社オカムラをはじめ複数のパートナーが国内で供給しており、製造業6社の実名導入事例があります。

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