自動倉庫比較12選|荷姿・天井高・冷凍対応で選ぶAS/RS
製造業向け自動倉庫(AS/RS)の主要12製品を、荷姿と可搬重量・必要な天井高・環境対応・標準仕様の公開状況・上位システム連携・保守体制の6軸で比較。全メーカーが価格非公開という前提で、どこまで事前に判断できるかを整理した記事。

自動倉庫の検討でまず壁になるのは、価格ではなく「自社の建屋に入るのかが分からない」ことです。編集部が主要12製品の公式情報を2026年7月時点で確認したところ、寸法・積載荷重・電力容量まで含む標準仕様表を公開していたのは三進金属工業と西部電機の2社だけでした。残る各社は仕様の一部を出すか、カタログ請求を前提にするか、数値の掲載自体がありません。「天井高6mの既存工場に置けるか」という最初の問いに、Web上で答えを出せる製品は限られています。
価格はさらに徹底しています。12製品・8社すべてで、金額の公式公開は1件も確認できませんでした。検索で出てくる相場はメーカーの公表値ではありません。荷姿・格納数・天井高・温度帯・上位システムの組み合わせで構成が変わるため、金額は個別見積もりでしか出てこない設備だと割り切って比較を進めることになります。
ここでは主要12製品を、荷姿と可搬重量・必要な天井高・設置環境・標準仕様の公開状況・上位システム連携・保守体制の6軸で並べます。あわせて、2026年から2027年にかけて提供元の体制が変わる(変わった)メーカーが4社ある点も、10年以上使う設備の比較材料として整理しました。
結論:絞り込みは「荷姿」と「使える天井高」でほぼ決まります。金型・治具を工程脇に置きたく天井が2〜3m台なら三進金属工業のパタノスター(機高2,250mmから)とシャトルXP(設置2〜3m四方)、小物部品をコンテナ単位で扱い天井5m前後なら西部電機バケットフィードシステム(全高5m以下・5〜8KVA)、パレット単位で6mから伸ばせるなら西部電機ユニットラックシステム(全高6〜30mの9型式)が入口です。天井5.5mの既存建屋で保管量だけ増やしたいなら住友重機械搬送システムのマジックラック、冷凍や危険物という条件付きならIHI物流産業システムのラックパック(−31℃の実績・−60℃対応可)とトヨタL&F Rack Sorter P、小物の高密度保管ならAutoStore(ビン30kg・内寸603×403mmが上限)が候補です。価格は12製品すべて非公開のため、比較は仕様の公開度と実名事例の有無から入ることになります。
この記事でわかること
比較の前に:自動倉庫が必要かを切り分ける
自動倉庫は10年から20年使う設備で、建屋条件や消防要件まで絡みます。比較の前に保管設備が要る案件かを確かめておくと投資判断がぶれません。切り分けは「在庫の置き場そのものを持たせるか」の1点で付きます。
工程間で荷を運ぶ手間が課題で置き場は今のままでよいなら無人搬送車(AGV・AMR)で足ります。階をまたぐ移動だけが目的なら垂直搬送機が該当し、JILSの統計でも自動倉庫とは別機種として計上されています(2024年度の売上は自動倉庫147,098百万円に対し垂直搬送機13,725百万円)。ピッキングの歩行と誤取りを減らしたいだけならデジタルピッキングシステムのほうが投資が軽く済みます。
自動倉庫が要るのは、保管スペースが物理的に限界に達しているか、在庫の所在と数量が合わなくなっているか、冷凍・危険物のように人が長く入れない環境で保管を続ける場合です。垂直回転式や移動棚との位置づけの違い、AGVやWMSとの役割分担は自動倉庫とはで整理しています。
自動倉庫を比較する6つの軸
本記事の比較は、編集部が荷姿と可搬重量・天井高とラック構造・設置環境・標準仕様の公開状況・上位システム連携・保守体制の6観点で12製品を並列に整理したものです。
6軸は「調べれば分かる事実」の軸です。これとは別に、編集部では各製品を製造業適合性スコア(在庫管理・工程管理・生産管理・現場操作性・中小適合の5項目を5段階評価)で採点し、後述の比較表に横並びで掲載しています。6軸が「どういう設備か」を示すのに対し、スコアは「自社の規模と用途にどれだけ噛み合うか」を示します。たとえばIHI物流産業システムのラックパックは在庫管理5・中小適合2で、高密度保管の能力は最上位だが小さく始める設計ではないという位置づけが数値に出ます。逆に三進金属工業のパタノスターは中小適合5・現場操作性5でありながら在庫管理3・生産管理2で、置き場の改善には効くが在庫基盤としては小さいことが読み取れます。仕様が近い製品で迷ったときは、このスコアの差が判断材料になります。
1つ目は扱う荷姿と可搬重量で、候補を最初に3つに割る軸です。パレット単位は西部電機ユニットラックシステム(定格1,000kg)、ダイフク コンパクトシステム(1,000kg/パレット)、トヨタL&F Rack Sorter P(1t/1.5t/2tの3タイプ)。ケース・バケット単位は西部電機バケットフィードシステム(定格50kg、ツインで100kg)とダイフク ファインストッカー(30kg/コンテナ)が数値を出しています。ビン単位のAutoStoreは1ビン30kg・内寸603×403mmが上限です。パレット単位で番地管理する製品は在庫管理スコアが5に並ぶ一方、1台1ステーションの垂直回転式・垂直昇降式は3にとどまります。金型と小物部品を1台でまとめて扱える製品は存在せず、荷姿ごとに機種を分けるのが前提です。
2つ目は必要な天井高とラック構造で、既存工場に入るかを決める最大の分岐です。低い側から、三進金属工業パタノスターが機高2,250〜6,000mm、同シャトルXPが設置2〜3m四方、西部電機バケットフィードシステムのBS-5Bが全高5m以下、住友重機械搬送システムのマジックラックが5.5mクラスの建屋、西部電機ユニットラックシステムが6m以下から30m以下まで9型式、ダイフク コンパクトシステムが7m級・15m級・20m級、トヨタL&F Rack Sorter Pがラック高さ最大21m、村田機械が超高層50mの制振ラックという階段に並びます。中小適合スコアはこの軸をほぼそのまま反映し、三進金属工業の2製品と西部電機バケットフィードシステムが5、村田機械とIHI物流産業システムは2です。ラックと建屋を一体化するビル式は既存工場への後付けができません。
3つ目は対応できる設置環境です。低温はIHI物流産業システムが−31℃対応の冷凍自動倉庫に多数の納入実績を持ち、公式に−60℃の超低温まで対応可能と明記しています。トヨタL&F Rack Sorter Pは冷凍冷蔵仕様と防爆仕様の両方、トーヨーカネツ マルチシャトルは冷凍・冷蔵倉庫で使用可能と明記、AutoStoreはMulti-Temperature Solutionで常温・冷蔵・冷凍を1システムに併存させます。ダイフクは冷凍・40〜55℃の高温・ISOクラス6〜7のクリーン・2種場所の防爆まで揃えますが、温度の具体値は別製品シャトルラックMの−30℃だけです。村田機械は1973年から冷凍自動倉庫を納入しクラス10のクリーンにも対応する一方、現行サイトに数値がありません。低温や防爆が要件なら、標準機ではなく特殊仕様の系列を最初から指定して問い合わせるのが確実です。
4つ目は標準仕様が公開されているかで、このカテゴリ特有の軸です。三進金属工業と西部電機の2社だけが標準仕様表を公開しており、自社工場に入るかをWeb上で自力判断できます。三進金属工業は棚積載・機高・電力容量まで表にし、西部電機はユニットラック9型式とバケットフィード5型式の全高・定格荷重・速度・一次側電力を掲載しています。ダイフクはモデル構成、トヨタL&Fは可搬重量とラック高さを公開しています。一方、住友重機械搬送システムは保管量約2倍・容積約50%削減という相対比較が中心で絶対値がなく、IHI物流産業システムはカタログ請求前提、村田機械は2025年6月30日のサイト移転で数値の掲載がほぼなくなりました。公開度の差は、見積もり前に社内で検討を進められるかの差として効いてきます。
5つ目は上位システム連携です。自社WMSを持つのは西部電機のPASFICS(機能に「ホストコンピュータとのコミュニケーション」を明記)、ダイフクのAWC(FTP・HULFT・ソケット・DB連携に対応)、村田機械のMuratec E-LOGICS、住友重機械搬送システムのBEST eS、トヨタL&FのPE/IS-200、IHI物流産業システムはIS-WMSです。生産管理スコアはこの差を反映し、ホスト連携を明記する西部電機ユニットラックシステム、ダイフク コンパクトシステム、実名事例を持つトヨタL&F Rack Sorter PとIHI ラックパックが4。対して連携仕様が公開されていない三進金属工業パタノスターは2にとどまります。WMSは自動倉庫本体とは別に発注・計上される対象で、JILSの統計でも別機種として区分されています。機器費用とは別にソフト費用が乗る前提で見積もることになります。
6つ目は保守体制で、情報量の差が最も大きい軸です。ダイフクは24時間365日受付・24時間リモート監視・全国約55か所のカスタマーステーション・保守部品約90,000点を公表しています。トヨタL&Fは全都道府県282拠点と別途契約による24時間365日対応、IHI物流産業システムはメンテナンス15拠点と24時間電話受付、トーヨーカネツはカスタマーサポートセンター13カ所です。西部電機はオンコールで契約により夜間・休日に対応するほか、クレーン等安全規則に基づく定期自主検査の代行とスタッカクレーン整備プランを明文化しており、法定点検を自社で回せない企業には実務的に効きます。一方、村田機械と三進金属工業は24時間対応の有無・拠点数・部品供給年数のいずれも公式サイトで確認できませんでした。
主要12製品の比較表
比較軸のうち製品データとして数値化できる在庫管理・工程管理・生産管理・現場操作性・中小適合の5項目を、製造業適合性スコア(5段階評価)として横並びにしたものが次の表です。中小適合の高い順に並べており、上から下へ向かって想定する企業規模と導入の重さが上がります。評価が設定されていない項目は「-」としています。
製品 | 提供元 | 在庫管理 | 工程管理 | 生産管理 | 現場操作性 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
三進金属工業 パタノスター | 三進金属工業株式会社 | 3 | 3 | 2 | 5 | 5 | 非公開。機高2,250〜6,000mm・棚積載100/200/350kgの仕様表は公開 |
三進金属工業 シャトルXP | 三進金属工業株式会社 | 3 | 3 | 3 | 5 | 5 | 非公開。500kg/段・設置2〜3m四方の仕様は公開 |
西部電機 バケットフィードシステム | 西部電機株式会社 | 4 | 4 | 3 | 4 | 5 | 非公開。全高5m以下・定格50kg・5〜8KVAの仕様表は公開 |
西部電機 ユニットラックシステム | 西部電機株式会社 | 5 | 4 | 4 | 4 | 4 | 非公開。全高6〜30m・定格1,000kgの9型式の仕様表は公開 |
ダイフク ファインストッカー | 株式会社ダイフク | 4 | 4 | 3 | 4 | 4 | 非公開。576コンテナ・30kg/コンテナの構成例は公開 |
ダイフク コンパクトシステム | 株式会社ダイフク | 5 | 4 | 4 | 4 | 3 | 非公開。139〜3,600パレットのモデル構成は公開 |
トヨタL&F Rack Sorter P | 株式会社豊田自動織機 | 5 | 4 | 4 | 4 | 3 | 非公開。可搬1〜2t・ラック高さ21mは公開 |
トーヨーカネツ マルチシャトル | トーヨーカネツ株式会社 | 4 | 4 | 3 | 4 | 3 | 非公開。処理能力の数値も一次情報では未確認 |
住友重機械搬送システム マジックラック | 住友重機械搬送システム株式会社 | 4 | 3 | 3 | 4 | 3 | 非公開。公表値は相対比較のみで絶対値なし |
AutoStore | AutoStore System AS | 5 | 4 | 3 | 5 | 3 | 非公開。AutoStore・オカムラ公式とも金額記載なし |
村田機械 自動倉庫システム | 村田機械株式会社 | 4 | 4 | 3 | 3 | 2 | 非公開。仕様数値もサイト移転で非公開になった |
IHI物流産業システム ラックパック | 株式会社IHI物流産業システム | 5 | 4 | 4 | 4 | 2 | 非公開。仕様もカタログ請求が前提 |
目的別・環境別の選び方
天井が低く床面積も限られる中小工場
天井高が2〜3m台で床の空きも数平方メートルという条件では、パレット式もケース式も入りません。この帯域を狙うのが三進金属工業の2製品です。パタノスターは機高2,250mmから選べ、電力容量2.0kVA(PA10)で受電設備の追加工事が要らないことが多い構成です。シャトルXPは設置2〜3m四方で、荷物の高さを25mmピッチで自動計測して空いた段に詰めるため、高さがばらばらな金型・治具でもデッドスペースが出ません。両製品は中小適合5・現場操作性5と12製品中で最も高い組み合わせですが、1台1ステーションで入出庫能力は低く、置き場の改善が目的の設備です。
小物部品をコンテナ単位で多品種扱いたい場合
電子部品やねじ類を数千品目抱え、探す時間と在庫差異を同時に減らしたい場合はケース・バケット式が候補です。西部電機バケットフィードシステムのBS-5Bは全高5m以下・一次側電力5〜8KVAで、今回調べた中で最も設置条件が緩い構成です。ダイフク ファインストッカーは公式が自動車部品・電子部品の多品種少量品を用途として名指しし、576コンテナで横幅2m×奥行13.8mという細長い設置例まで公表しています。寸法がばらばらな段ボールが混在するなら、サイドフック移載機を選べるファインストッカーが噛み合います。
パレット単位で原材料・製品を保管したい場合
平置きしていた原材料や完成品を高さ方向に積み替える案件では、既存建屋の天井高と将来の拡張余地で機種が決まります。西部電機ユニットラックシステムは6m以下から30m以下まで9型式を標準化し、低層の既存工場から高層まで同じ系列でカバーできます。ダイフク コンパクトシステムは139/1,650/3,600パレットの3モデルで規模感が公表され、デュアルクレーンなら能力約1.5倍とダウン対策を両立できます。トヨタL&F Rack Sorter Pは1t/1.5t/2tの3タイプでラック高さ最大21mまで伸ばせます。この3製品はいずれも在庫管理スコア5で性格が近いため、天井高と可搬重量の適合で絞るのが速い進め方です。
冷凍・危険物など条件付きの環境を無人化したい場合
作業者が長く滞在できない環境の保管は、標準機ではなく特殊仕様の実績で選びます。IHI物流産業システムは−31℃対応の冷凍自動倉庫に多数の納入実績を持ち、栄屋乳業の関東工場佐野冷凍庫が実名で公表されています。危険物は阪本薬品工業の泉北工場、金型保管はアイシン九州と、難しい荷姿ごとに実名事例が並びます。トヨタL&F Rack Sorter Pは冷凍冷蔵と防爆の両方に対応し、品質管理スコア4と12製品中の上位に位置します。常温と低温を1つの設備に混ぜたい場合はAutoStoreのMulti-Temperature Solutionが候補です。
ピッキングの歩行まで含めて減らしたい場合
保管だけでなく取り出し作業の人時も削りたい場合は、荷が作業者の手元まで来る方式が向きます。AutoStoreはポートに荷が運ばれてくるため歩行と探索がなくなり、現場操作性スコアは5です。国内ではオオサキメディカルが1,170ビン/時、レオン自動機が198ビン/時という処理実績を公表しています。トーヨーカネツ マルチシャトルは、保管に加えて順立て出庫まで1システムで担う設計です。
同業種の実名事例で社内の合意を取りたい場合
設備投資の稟議では、同業種の稼働実績が通りやすさに直結します。実名事例が豊富なのは西部電機(前田金属工業・三和繊維・シチズンマシナリーミヤノ)、IHI物流産業システム(アイシン九州・阪本薬品工業・栄屋乳業ほか)、AutoStore(ファナックパートロニクス・グローリーなど国内製造業6社)、トヨタL&F(DMG森精機・TOPPAN・有楽製菓)です。一方、村田機械と住友重機械搬送システムは公表事例が全件匿名で、企業名を出した実績を確認できませんでした。
主要12製品の詳細
主要12製品を比較表と同じ中小適合スコアの高い順に並べ、向いている企業・強み・注意点・価格感を冒頭で要約してから詳細に入ります。上から下へ向かって想定される企業規模と建屋条件が重くなります。仕様は2026年7月時点で公開情報から確認できた範囲で、価格は全製品が非公開です。収録製品の一覧は自動倉庫のカテゴリページで確認できます。
三進金属工業 パタノスター
向いている企業:天井が低く床面積も限られる中小工場、金型・治具を工程脇に集約したい現場。強み:機高2,250mmから選べ、寸法・積載荷重・電力容量の標準仕様表が公開されている。注意点:1台1ステーションで入出庫能力が低く、対応温度帯と実名事例が確認できない。価格感:非公開。仕様表から規模の当たりは付けられる。
垂直回転式で型式はPA10/PA20/PA35。棚積載100/200/350kg、棚奥行390〜620mm、機高2,250〜6,000mm、電力容量2.0〜4.0kVAという仕様が公開されています。目的の棚が自動で呼び出されテーブル高850mmで取り出せるため、現場操作性スコアは5です。
編集部コメント:天井高2.5m程度の作業場に置ける唯一の系列です。棚積載100〜350kgに収まる荷なら建屋を触らずに置き場問題を解けます。逆にパレットや重量物は範囲外で、生産管理スコア2のとおり連携仕様も保守体制も公開されていません。置き場の設備として評価するのが妥当です。
三進金属工業 シャトルXP
向いている企業:金型・治具の置き場が足りないが建屋を増やせない中小工場、高所の出し入れをやめたい現場。強み:設置2〜3m四方に収まり、25mmピッチの自動計測で高さがばらばらな金型を無駄なく詰められる。注意点:最大収納物高さ730mmの制約があり、必要な天井高は公開されていない。価格感:非公開。500kg/段の荷重条件は公開されている。
垂直昇降式(バーチカルリフト式)で、最大積載質量は等分布載荷で500kg/段。荷物の高さを25mmピッチで自動計測して空いた段に収納するため充填効率が高くなります。取り出し口のライトバリアとリフト昇降時のシャッターを標準装備し、公式に中小型の金型保管への対応を明示しています。
編集部コメント:500kg/段はパタノスターより重い荷を扱える水準です。取り出し高さが一定になる点は、腰への負担と落下リスクの低減という労働安全の説明材料になります。ただし対応温度帯・上位システム連携・実名事例が未公開である点はパタノスターと同じです。
西部電機 バケットフィードシステム
向いている企業:小物部品を多品種扱う中小〜中堅の工場、天井高と受電設備の制約が厳しい既存建屋。強み:BS-5Bは全高5m以下・一次側電力5〜8KVAで、今回調べた中で最も設置条件が緩い。注意点:定格50kgの軽量物専用で、荷姿が350〜700(W)×300〜500(L)に限定される。価格感:非公開。仕様表は公開されている。
型式はシングルフォークのBS-5B/BS-10B/BS-15BとツインフォークのBS-10BT/BS-15BT。定格荷重50kg(ツインは50kg×2または100kg×1)、全高5m以下から15m以下、走行300m/min・昇降125m/minという数値が公開されています。上位はパッケージのPASFICSまたはカスタム型のSICSです。
編集部コメント:全高5m以下・5〜8KVAは、受電設備を触らずに済む可能性が高い水準です。標準化により導入から実稼働までの期間が短い点も、繁忙期を避けて工事したい工場には効きます。一方で時間あたりの入出庫能力と対応温度帯は仕様表にありません。
西部電機 ユニットラックシステム
向いている企業:パレット単位で原材料・製品を保管したい中堅製造業、生産管理システムと在庫を繋ぎたい工場。強み:全高6m以下から30m以下まで9型式を標準化し、標準仕様表と実名事例の両方が揃う。注意点:荷姿と定格が標準化されており規格外パレットや超重量物は別機種になる。価格感:非公開。金額レンジも示されない。
型式はSS-6CからSS-30Cまでの9段階。荷姿850〜1300(W)×1300(L)、定格荷重1,000kg、走行最大200m/min、一次側電力11〜25KVA(低層機)という仕様が公開されています。レーザー測長の絶対番地方式で在庫管理スコアは5、PASFICSがホスト連携を明記しているため生産管理スコアも4です。
編集部コメント:標準仕様表・ホスト連携・実名事例・法定点検の代行という4点が揃う製品は12製品中でこれだけです。中堅製造業のパレット保管では最初に当たる候補です。実名事例には前田金属工業の河内長野工場(組立工程への部品供給の自動化)があります。
ダイフク ファインストッカー
向いている企業:多品種少量の部品を扱う自動車部品・電子部品メーカー、保守対応の速さを重視する工場。強み:公式が自動車部品・電子部品の多品種少量品を名指しし、保守体制の公表情報が12製品中で最も厚い。注意点:1コンテナ30kgで重量物は不可、企業名入りの公表事例が確認できない。価格感:非公開。576コンテナの構成例は公開。
スタッカクレーン式のケース自動倉庫(ミニロード)で、モデル構成はクレーン1台・576コンテナ、設備寸法は横幅2m×奥行13.8m×高さ5.3m。コンテナ寸法530×320×300mm・最大積載質量30kg/コンテナです。荷の側面を2枚の板で掴むサイドフック移載機を選べば、寸法がばらばらな段ボールも高密度に保管できます。
編集部コメント:24時間365日受付・24時間リモート監視・全国約55拠点・保守部品約90,000点という体制は、ライン停止のコストが大きい工場では実質的な選定理由になります。食品倉庫向けの耐冷仕様はありますが、具体的な対応温度は公表されていません。
ダイフク コンパクトシステム
向いている企業:パレット単位の保管スペースが限界に達している中堅〜大手、出庫待ち時間を短縮したい工場。強み:格納数と設備寸法のモデル構成が3段階で公表され、特殊環境のバリエーションが広い。注意点:最小構成でもラック高さ7m級・奥行25.5mで、天井高5m未満の建屋には入らない。価格感:非公開。
モデル構成は7m級・139パレット(横幅3.9×奥行25.5×高さ6.6m)、15m級・1,650パレット、20m級・3,600パレットで、最大積載質量1,000kg/パレットです。冷凍の耐寒仕様、40〜55℃の高温仕様、ISOクラス6〜7のクリーン、2種場所の防爆(販売は日本国内限定)まで対応します。
編集部コメント:デュアルクレーンなら能力約1.5倍と1台運転によるダウン対策を両立でき、実名事例には佐久間特殊鋼の西尾支店があります。なお「売上高世界一」は9年連続についての表記で、出典がModern Materials Handling誌2023年5月号のため、現在形の順位としては使えません。
トヨタL&F Rack Sorter P
向いている企業:冷凍冷蔵や危険物という条件付きのパレット保管、同業種の実名事例を重視する製造業。強み:可搬1〜2t・ラック高さ最大21m・冷凍冷蔵/防爆対応と、公開されている仕様の範囲が広い。注意点:提供元が2026年6月1日に上場廃止・非公開化しており、以降の開示情報が減る。価格感:非公開。
1992年発売で、2018年1月に6〜15m級の新型へフルモデルチェンジしています。可搬重量は1,000/1,500/2,000kgf(パレット重量を含む)の3タイプ、ラック高さは1tonで2,000〜21,000mm。冷凍冷蔵と防爆の両方に対応し品質管理スコアは4です。上位は在庫管理システムのPE/IS-200です。
編集部コメント:DMG森精機・TOPPAN・有楽製菓と実名事例が並び、パレット・ケース・シャトルを同一ブランドで選べます。ただし2026年4月に欧米の庫内物流子会社をToyota Automated Logisticsへ再編し、2027年4月にはIHI物流産業システムも同グループに入る予定です。
トーヨーカネツ マルチシャトル
向いている企業:ケース単位で高密度に保管したい工場、冷凍冷蔵の保管を無人化したい企業。強み:シャトル式で冷凍・冷蔵倉庫での使用に対応し、保管と順立て出庫を1システムで担う。注意点:可搬重量・保管能力・時間あたり処理能力の数値仕様が一次情報で確認できない。価格感:非公開。仕様数値も公開されていない。
ケース(商品・部品・仕掛品・組立品)単位のシャトル式で、同社はピッキング・仕分け・補充・保管の4機能を1システムで実現すると説明しています。従来機器と比較して25%の省スペース、35〜70%の省エネを公表。リフタの左右に棚を置き、各々最大2ケースの入庫と出庫を1サイクルで処理します。
編集部コメント:松田電機工業所の本社工場という多品種少量生産工場の実名事例があり、品質不具合は稼働以来ゼロ件と公表されています。ただし2027年4月1日の持株会社移行で、物流事業はトーヨーカネツソリューションズへ承継される予定です。
住友重機械搬送システム マジックラック
向いている企業:天井が低い既存建屋で保管量を増やしたい企業、少品種大ロットのパレット保管。強み:天井高5.5mクラスの建屋に1.5mの荷物を3段格納でき、建屋新築を避けられる。注意点:ディープストレージ方式のため先入れ先出しや多品種少量のランダムアクセスは構造的に不利。価格感:非公開。絶対値の公表もない。
ラックとスタッカクレーンではなく、2台1組の無人台車「マジックドーリ」と「マジックカー」でパレットを多重配列保管します。従来のパレットラック比で保管量約2倍、従来方式364坪分を182坪で実現、従来の自動倉庫比で容積約50%削減という効果を公表。不整形な建屋や空きスペースにも設置できます。
編集部コメント:既存建屋を活かせる点は12製品の中でも独特の立ち位置です。ただし公表値が相対比較中心で可搬重量・入出庫能力・対応温度帯の絶対値がなく、導入事例も全件匿名です。さらに2027年1月1日付で住友重機械工業へ吸収合併される予定です。
AutoStore
向いている企業:小物部品を高密度に保管しピッキングも減らしたい工場、床面積が限られ増築できない拠点。強み:通路を持たないキューブ構造で同一床面積あたり最大4倍の保管容量、国内製造業6社の実名事例。注意点:ビン1つ最大30kg・内寸603×403mmが上限で、長尺物・大型品・パレット荷役は扱えない。価格感:非公開。
アルミグリッドにビンを直接積み上げ、上面をロボットが走行する方式です。ビンは3サイズ(603×403mmで高さ202/312/404mm)で最大積載30kg、積み上げ段数は220ビンで最大24段、425ビンで13段です。Multi-Temperature Solutionで常温・冷蔵・冷凍を1システムに併存でき、稼働率99.7%で単一障害点がないと公表しています。現場操作性スコアは5です。
編集部コメント:深い位置のビンは上を退かす掘り起こしが発生するため、低頻度品を下層に置くABC管理が前提です。オカムラは正規販売店ですが2026年時点で「日本唯一」の表記は外れ、TKSL・Fives Group・ソフトバンクロボティクスなど国内チャネルは複線化しています。
村田機械 自動倉庫システム
向いている企業:冷凍・クリーン・危険物といった特殊環境での保管、高層ラックで保管量を確保したい中堅〜大手。強み:1973年からの冷凍対応と、免震・超高層50m・危険物・クラス10クリーンまでの広い守備範囲。注意点:可搬重量・保管能力・入出庫能力・高さ・温度帯が公式サイトから確認できず、導入事例も全件匿名。価格感:非公開。
ラックとスタッカクレーンを組み合わせた構成で、荷姿はパレット・コンテナ・ロール・ケース・クレート・長尺物・重量物に対応します。免震自動倉庫と超高層50m制振ラックを自社開発し、振動実験設備で検証。シャトル式のUni-SHUTTLE HPは製造ラインへの生産順供給と同時パレタイズを公式に明記しています。
編集部コメント:国内2強の一社で技術の幅は広い一方、2025年6月30日のサイト移転で数値スペックの掲載がほぼなくなり中小適合スコアは2です。旧URLがトップページへ転送されるため過去のページも根拠にできず、保守体制も24時間対応の有無・拠点数が未公開です。
IHI物流産業システム ラックパック
向いている企業:冷凍・危険物・金型など条件の難しい保管、同業種の実名事例で判断したい中堅〜大手。強み:−31℃対応の冷凍自動倉庫に多数の実績があり、公式に−60℃の超低温まで対応可能と明記。注意点:製品ページに可搬重量・保管能力・入出庫能力・高さの数値が一切なくカタログ請求が前提。価格感:非公開。
シングルリーチとダブルリーチの2種があり、ダブルリーチは奥行2パレット格納でクレーン1台がラックパック2台分の格納量を担うため在庫管理スコアは5です。従来製品比でクレーン約30%・ラック約10%の軽量化、I-TASによる台形制御で荷崩れを防止します。危険物・鋼板・金型・長尺物・完成車と難しい荷姿の実績が豊富です。
編集部コメント:低温と特殊荷姿では12製品中で最も実績が厚い一方、中小適合スコアは2で小型パッケージ製品が公式ラインナップにありません。加えて2027年4月1日を目途に、親会社がIHIから豊田自動織機へ変わる予定です(2026年5月8日発表・80%取得)。
導入前に押さえておきたい注意点
価格は12製品すべて非公開で、検索で出てくる相場も当てになりません。JILS「2024年度 物流システム機器生産出荷統計」(2025年9月4日公表)では自動倉庫の売上が147,098百万円・前年比+11.4%で、物流システム機器全体の+3.8%を大きく上回りました。荷姿・格納数・天井高・温度帯・上位システムの条件を揃えて複数社に同時に投げるのが実務的です。進め方は自動倉庫の選び方で整理しています。
検索で出会うが本記事に収録していない製品があります。ExotecのSkypodは日本法人(EXOTEC NIHON株式会社、東京都港区、従業員42名)が実在しますが、公式サイトに可搬重量・走行高さ・処理能力・トート寸法の数値がなく、国内製造業の実名事例も一次情報では確認できませんでした。Hai RoboticsのHaiPickは日本法人(株式会社HAI ROBOTICS JAPAN、2021年設立、東京都大田区)がありますが、工場向けのA3は英語公式に「not available in Japan」と明記されており、日本で買えるA42/A42T/Climbは温度帯0〜45℃で冷凍冷蔵に対応しません。1箱30kg以下で、床面精度を2.25㎡あたり±3〜4mm要求するため既存工場では床改修が必要になることがあります。国内事例はコクヨ東北IDCとSBSグループの2件で、いずれも物流拠点です。
海外大手だから日本でも買えるとは限りません。SSI シェーファー・Dematic・Swisslog・KNAPP・TGW Logisticsは、いずれも公式の拠点一覧や言語選択に日本がなく、国内提供体制を一次情報で確認できませんでした。「SSIシェーファーに日本法人がある」という記述がまとめサイトに見られますが、公式のアジア拠点17法人に日本は含まれていません(検索上位の「SSI Japan 合同会社」は破砕機メーカーの別会社です)。
2026年から2027年にかけて提供元の体制が変わるメーカーが4社あります。IHI物流産業システムは2027年4月1日目途で豊田自動織機が株式80%を取得予定、住友重機械搬送システムは2027年1月1日に住友重機械工業へ吸収合併され消滅会社となる予定、トーヨーカネツは2027年4月1日に物流事業をトーヨーカネツソリューションズへ承継予定、豊田自動織機は2026年6月1日に上場廃止・非公開化しています。自動倉庫は10〜20年使い保守と部品供給が長期に及ぶため、提供主体の変更は実質的な検討事項です。契約前に保守契約の相手方を確認しておくと、稼働後の窓口探しを避けられます。
まとめ
自動倉庫の比較は、機能一覧を並べるより「荷姿」と「使える天井高」の2点から入るほうが早く絞り込めます。金型・治具・小物で天井が2〜3m台なら三進金属工業の2製品、小物のコンテナ保管で天井5m前後なら西部電機バケットフィードシステム、パレット単位なら西部電機ユニットラックシステム・ダイフク コンパクトシステム・トヨタL&F Rack Sorter Pが候補です。冷凍や危険物ならIHI物流産業システムのラックパック、低天井で保管量だけ増やすなら住友重機械搬送システムのマジックラック、小物の高密度保管ならAutoStoreが入口です。
価格は12製品すべて非公開のため、比較の初期段階では標準仕様の公開度と実名事例の有無が実質的な判断材料です。標準仕様表を公開しているのは三進金属工業と西部電機の2社だけです。選定の進め方は自動倉庫の選び方、収録製品の詳細は自動倉庫のカテゴリページをご覧ください。
自動倉庫(AS/RS)のおすすめ製品
西部電機 ユニットラックシステム
西部電機株式会社
全高6mから30mまで9型式、標準仕様表を公開したパレット自動倉庫
- 全高6m以下から30m以下まで9型式を標準ラインナップ化しており低層から高層まで同一系列で選べる
- 荷姿・定格・全高・速度・電力容量の標準仕様表を公開している
- パッケージWMSのPASFICSがホスト連携機能を明記しており生産管理システムと繋ぎやすい
トヨタL&F Rack Sorter P
株式会社豊田自動織機
可搬1〜2t・ラック高さ21m、冷凍冷蔵と防爆まで数値公開
- 可搬重量1〜2t・ラック高さ21m・冷凍冷蔵/防爆対応と、公開されている仕様の範囲が広い
- DMG森精機・TOPPAN・有楽製菓など社名を公表した製造業の導入事例が多い
- パレット(Rack Sorter P)・ケース(Rack Sorter B)・シャトル(ADAPTO)を同一ブランドで選べる
西部電機 バケットフィードシステム
西部電機株式会社
全高5m以下・5〜8KVA、最も設置ハードルの低いバケット自動倉庫
- BS-5Bは全高5m以下・一次側電力5〜8KVAで既存工場に入りやすい
- 荷姿・定格・全高・速度・電力容量を含む標準仕様表が公開されている
- 走行300m/min・昇降125m/minで低層機でもスループットが高い
ダイフク コンパクトシステム
株式会社ダイフク
格納数139パレットから、モデル構成が公表されたパレット自動倉庫
- 格納数139/1,650/3,600パレットのモデル構成と設備寸法が公表されており規模の当たりを付けやすい
- 佐久間特殊鋼やMahindra & Mahindraなど実名の導入事例で効果が公表されている
- 24時間365日受付・全国約55拠点という保守網の広さ

IHI物流産業システム ラックパック
株式会社IHI物流産業システム
マイナス31度の実績とマイナス60度対応、難条件に強いパレット自動倉庫
- マイナス31度対応の冷凍自動倉庫に多数の実績があり、公式にマイナス60度の超低温まで対応可能と明記
- 危険物・鋼板・金型・長尺物・完成車といった難しい荷姿の実績が豊富
- メンテナンス15拠点と24時間電話受付、IULINKによる故障予測
AutoStore
AutoStore System AS
通路を持たないキューブ型、国内製造業6社が実名で稼働
- 通路を持たないキューブ構造で同一床面積あたり最大4倍の保管容量
- ファナックパートロニクス・ハヤブサ・グローリー・東亜ディーケーケー・オオサキメディカル・レオン自動機と、国内製造業6社の実名事例がある
- モジュール構造でビン・ロボット・グリッドを段階的に増設できる
自動倉庫(AS/RS)比較表
| 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|
| 西部電機 ユニットラックシステム | 西部電機株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| トヨタL&F Rack Sorter P | 株式会社豊田自動織機 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| 西部電機 バケットフィードシステム | 西部電機株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| ダイフク コンパクトシステム | 株式会社ダイフク | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| IHI物流産業システム ラックパック | 株式会社IHI物流産業システム | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| AutoStore | AutoStore System AS | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| トーヨーカネツ マルチシャトル | トーヨーカネツ株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| 三進金属工業 シャトルXP | 三進金属工業株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| ダイフク ファインストッカー | 株式会社ダイフク | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| 三進金属工業 パタノスター | 三進金属工業株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| 住友重機械搬送システム マジックラック | 住友重機械搬送システム株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
| 村田機械 自動倉庫システム | 村田機械株式会社 | 要見積もり |
| 詳細を見る |
よくある質問
Q自動倉庫の価格を比較するにはどうすればよいですか?
条件を揃えて同時に見積もりを依頼する以外に方法がありません。今回調べた12製品はすべて価格が非公開で、公式サイトに金額の記載があるメーカーは1社もありませんでした。時間あたりの入出庫能力も大半が非公開です。そのため、保管したい荷姿と最大重量、必要な間口数を現状と将来の2本立てで、設置場所の天井高と床面積、必要な入出庫能力、温度帯などの環境条件、ラック構造、WMS・WCSを含むか、年間保守費と法定点検の扱いという条件を明示し、5年または10年の総保有コストで出してもらう形にすると、はじめて比較が成立します。
Q中小規模の工場でも導入できる製品はありますか?
あります。設置条件が最も緩いのは三進金属工業のパタノスターで、機高2,250mmから選べ天井高2.5m程度の作業場にも入り、電力容量も2.0〜4.0kVAです。同社のシャトルXPは設置面積2〜3m四方で最大積載500kg/段のため、金型や治具の保管に向きます。ケース単位なら西部電機のバケットフィードシステムのBS-5Bが全高5m以下・一次側電力5〜8KVAです。この3製品を持つ2社は標準仕様表を公開しており、自社の工場に入るかを問い合わせ前に自力で判断できます。ただし価格はいずれも非公開です。
Q冷凍倉庫や危険物倉庫にも自動倉庫を入れられますか?
対応するメーカーが限られますが可能です。IHI物流産業システムはマイナス31℃対応の冷凍自動倉庫に多数の納入実績があり、公式にマイナス60℃の超低温まで対応可能と明記しています。危険物用自動倉庫の実名事例も公表しています。トヨタL&FのRack Sorter Pは冷凍冷蔵と防爆の両方に対応し、トーヨーカネツのマルチシャトルはシャトル式で冷凍冷蔵対応を明記しています。AutoStoreはMulti-Temperature Solutionにより常温・冷蔵・冷凍を1システムに併存させられます。冷凍や防爆は後から追加できない仕様のため、要否を早い段階で確定させる必要があります。
Q海外メーカーの自動倉庫は日本でも導入できますか?
メーカーによります。今回調べた範囲では、SSIシェーファー、Dematic、Swisslog、KNAPP、TGW Logisticsのいずれも、公式サイトの拠点一覧と言語選択に日本が含まれておらず、国内での提供体制を一次情報で確認できませんでした。とくにSSIシェーファーについて日本法人があると記載する解説記事がありますが、公式のアジア拠点一覧に日本はなく、検索上位に出る同名の日本法人は破砕機メーカーの別会社です。一方、AutoStoreは株式会社オカムラをはじめ複数のパートナーが国内で供給しており、製造業6社の実名導入事例があります。
