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メーカー・シェア#構造解析#CAE#メーカー

構造解析ソフトのメーカー8社の特徴|シェアの実態と親会社が変わった2年

構造解析ソフトの主要メーカー8社がどんな会社なのかを1社ずつ整理した記事。メーカー別シェアを無償公開している公的機関・業界団体は確認できず、判断材料になるのは各社が公表する解析規模と買収時の取引額です。2022年以降に提供元が変わった3社と、旧提供元のページが残っている問題を会社単位で見ていきます。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
構造解析ソフトのメーカー8社の特徴|シェアの実態と親会社が変わった2年

構造解析ソフトを調べると、海外の大手から国産の専業メーカーまで名前が並びます。ところが会社名で検索すると、資料によって親会社が食い違うことがあります。

この記事では、主要8社がどんな会社なのかを1社ずつ見ていきます。よく検索されるシェアの実態と、この2年で起きた資本関係の入れ替わりを会社単位で整理します。

記載内容は、各社の公式サイトと公式のプレスリリース、米国証券取引委員会への提出書類を、編集部が2026年9月24日に確認したものです。金額や日付は公式の表記そのままで記載しています。

  • 構造解析ソフトのメーカー別シェアを無償で公開している公的機関・業界団体は、編集部が確認した範囲では見つからなかった(2026年9月24日時点)
  • 主要8社のうち3社は、2022年以降に提供元または親会社が変わっている
  • 公式サイトに価格を記載しているのは、主要8社のうちムラタソフトウェア1社だけ

この記事でわかること

01

構造解析ソフトの主要メーカー8社【早見表】

構造解析ソフトを手がけているのは、CAEの専業メーカーだけではありません。半導体設計ツールの大手やインフラ向けソフトの会社も、買収を通じてこの分野に入っています。まずは全体像を一覧で押さえます。

  • 主要8社のうち、日本に本社を置くのはムラタソフトウェアとアライドエンジニアリングの2社
  • 主要8社のうち2社は、半導体設計ツールを本業とする会社の傘下または本体にある
  • 主要8社のうち、解ける規模を節点数で公表しているのはアライドエンジニアリング1社

メーカー

本社

資本関係

製品

軸足

Ansys, Inc.

米ペンシルベニア州

Synopsys傘下(2025年7月完了)

Ansys Mechanical

線形から非線形まで1環境

Dassault Systèmes SE

フランス

独立

Abaqus(SIMULIA)

接触・大変形の非線形

Siemens AG

ドイツ

独立

Simcenter 3D

CADと同じ環境で解析

Cadence Design Systems, Inc.

米カリフォルニア州

独立(2026年2月にMSC事業を取得)

MSC Nastran

大規模アセンブリと認証

Bentley Systems, Inc.

米ペンシルベニア州

独立(2022年にADINAを取得)

ADINA

非線形と流体構造連成

株式会社アライドエンジニアリング

東京都江東区

SCSKの連結子会社

ADVENTURECluster

1億節点超の大規模解析

MIDAS IT Co., Ltd.

韓国・城南市

独立

midas NFX

設計者向けの統合CAE

ムラタソフトウェア株式会社

神奈川県横浜市

村田製作所の100%子会社

Femtet

8つの物理現象を1ライセンスで

日本での窓口になる会社

海外に本社を置く5社は、いずれも日本法人または国内の販売会社を持ちます。Cadenceが取得したMSC製品は、エムエスシーソフトウェア株式会社が国内の販売と技術サポートを担当しています。

MIDAS ITの日本での販売は株式会社マイダスアイティジャパンです。国内メーカー2社は開発元がそのまま窓口になります。

親会社まで見ないと分からない会社

アライドエンジニアリングは1981年3月設立、資本金2億4,200万円、従業員52名の会社です。SCSK株式会社の連結子会社にあたり、ADVENTUREClusterはSCSKのサイトでも製品ページが展開されています。

ムラタソフトウェアは2008年5月設立、資本金5,000万円で、村田製作所の有価証券報告書では議決権所有割合100.00%と記載されています。所在地も村田製作所みなとみらいイノベーションセンター内です。

02

構造解析ソフトのメーカー別シェアと市場規模

8社が並んだところで、どこが最も使われているのかが気になります。ただし構造解析ソフトには、無償で確認できるメーカー別のシェアがありません。

  • 構造解析ソフトのメーカー別シェアを無償公開している公的機関・業界団体は確認できなかった
  • 海外大手4社はいずれも、構造解析ソフト単独の売上を開示していない
  • 買収時の取引額は公表されており、事業の規模感はそこから読み取れる

シェアの数値は公開されていない

Ansys、Dassault、Siemens、Cadenceはいずれも上場企業または上場企業のグループですが、決算で示すのはセグメント単位の数値です。構造解析ソフトだけを切り出した売上は開示されていません。

民間の調査会社がCAE市場のレポートを出していますが、メーカー別の数値は有料版に限られます。無償で確認できるのは調査の対象企業名までです。

取引額なら公表されている

シェアの代わりに使えるのが、買収時に公表された取引額です。同じ土俵の数字ではありませんが、事業の規模感を比べる材料にはなります。

SynopsysによるAnsysの取得は企業価値約350億ドルでした。CadenceによるHexagonの設計・エンジニアリング事業の取得は約27億ユーロ、BETA CAEの取得は約12億4,000万ドルと公表されています。

SiemensによるAltairの取得については、両社の発表で金額が食い違います。Siemensは企業価値約100億ドル、Altairは米国証券取引委員会への提出書類で約106億ドルと記載しています。

03

構造解析ソフトのメーカーはこの2年で親会社が入れ替わった

構造解析ソフトの分野は、2024年から2026年にかけて提供元が大きく動きました。製品名はほとんど変わっていないため、外からは分かりにくい変化です。

  • Ansysは2025年7月17日にSynopsysの傘下に入り、Nasdaqの上場を廃止している
  • MSC Nastranは2026年2月23日にHexagonからCadenceへ移っている
  • 旧提供元のページが更新されないまま残っており、古い資本関係に着地することがある

Ansysは2025年7月にSynopsys傘下へ

SynopsysとAnsysの合意発表は2024年1月16日、買収の完了は2025年7月17日です。Synopsysの完了リリースには、Ansys株がNasdaqで取引されなくなる旨が記載されています。

製品名は変わっていません。最新版も2026年3月にAnsys 2026 R1として公開されています。ただしansys.comの全ページがansys.synopsys.comへ恒久リダイレクトされました。

MSC Nastranは2026年2月にCadenceへ

CadenceがHexagonの設計・エンジニアリング事業を取得すると発表したのは2025年9月4日、完了は2026年2月23日です。対象にはMSC Nastran、Patran、Adams、Actran、Cradle CFDが含まれます。

Cadenceは2024年5月30日にBETA CAEの取得も完了しており、ANSAとMETAも同じ傘下にあります。買収完了時点で、製品と契約内容とサポート体制に変更はないと案内されています。

ADINAは2022年からBentley傘下

Bentley SystemsがADINA R&Dの買収を発表したのは2022年4月7日です。発表文は完了形で書かれていますが、完了日と金額を明示した公式の開示は確認できませんでした。

ADINAという製品名は残り、BentleyのStructural WorkSuiteにも統合されています。adina.comはbentley.comの製品ページへリダイレクトされます。

旧ブランドのページが残っている

注意したいのは、売却された側のページが更新されないまま生きている点です。hexagon.comにはMSC Softwareを自社部門として紹介するページが2026年9月時点でも残っています。

さらにmscsoftware.comは、今もそのHexagonのページへリダイレクトします。旧URLから辿ると、売却前の資本関係に着地してしまいます。

日本語サイトでも同じことが起きています。cradle.co.jpの会社概要は、冒頭をケイデンスの一部門と更新しました。ところが同じ段落に、2016年にMSC Softwareのグループ企業となったという旧記述が残っています。

04

設計環境と一体で使える構造解析メーカー3社

ここからは会社ごとに見ていきます。まずは自社のCADや設計環境を持ち、そこから解析へつなげる構成をとる3社です。

  • 3社とも自社または提携先のCADを持ち、形状データを受け渡さずに解析へ進める構成をとる
  • 3社とも公式サイトに価格の記載がなく、金額は問い合わせでしか分からない
  • 3社とも規模制限つきの無償版を用意しており、機能の範囲を事前に確かめられる

Ansys, Inc.(Ansys Mechanical)

Ansys Mechanicalは、線形から非線形までを同じ画面で扱う構造解析ソルバーです。破壊解析のSMART、非線形の自動再メッシュを行うNLAD、材料設計のMaterial Designerといった名前付きの機能を備えます。

エディションはPro、Premium、Enterpriseの3段構成です。ProにはHPCが4コア分同梱されますが、それ以上の並列計算は別のHPCライセンスを積む形になります。

ライセンスはConcurrent、Shared Web、Named User、Elasticの4種類が公式に示されています。Elasticは従量課金で、ソフトと計算リソースを同じ単位で消費する仕組みです。

無償版のAnsys Studentは規模制限が数値で明記されています。構造は128,000ノードまたは要素、流体は100万セルが上限で、教育目的に限られ商用利用はできません。

Dassault Systèmes SE(Abaqus)

Abaqusは、接触と大変形を主戦場にする汎用の有限要素法ソルバーです。陰解法のAbaqus/Standardと陽解法のAbaqus/Explicitを、同じAbaqus/CAEというプリポストから扱えます。

公式ブランドはSIMULIA Abaqusです。ゴムや複合材のような非線形材料、破壊、衝撃の解析で参照されることが多く、静的な問題と動的な問題を一つの運用に載せられます。

ライセンス形態は公式の製品ページに明示がありません。買い切りかサブスクリプションかトークンかが書かれておらず、この点はAnsysやCadenceとの大きな違いです。

無償のAbaqus Learning Editionは構造モデル1,000ノードが上限です。Windows 64bit専用で、3DEXPERIENCE IDの無料登録が必要になります。

Siemens AG(Simcenter 3D)

Simcenter 3Dは、構造だけでなく熱、音響、機構、疲労までを一つの環境で扱うプラットフォームです。主ソルバーはSimcenter Nastranですが、他社のソルバーも呼び出せます。

読み込めるのは自社のNXだけではありません。ANSYS、Abaqus、Nastran、LS-Dynaの各ソルバーをサポートしており、既存の資産を残したまま使える設計です。

ライセンスはトークン制です。公式にvalue-based token licensingと記載されており、モジュールを個別に買わずに必要な機能を呼び出せます。

ただしSiemensは2025年3月にAltairを取得したため、同じSimcenterブランドの中に構造ソルバーが2つ並ぶ状態になりました。Simcenter Nastranと、旧AltairのSimcenter Optistructです。

05

大規模モデルと非線形を軸とする構造解析メーカー3社

次は、部品単位ではなく製品まるごとのアセンブリを解くことを前提にした3社です。解ける規模と、その規模を回すときの課金の考え方に差が出ます。

  • 3社とも、数千万節点規模のモデルを前提とした機能や実績を公表している
  • Cadenceは並列計算も製品と同じトークンから消費する方式をとっている
  • アライドエンジニアリングは解ける規模を節点数で公表している

Cadence Design Systems, Inc.(MSC Nastran)

MSC NastranはNASA起源の汎用有限要素法ソルバーで、線形静解析から固有値、周波数応答、過渡応答までを単一のソルバーで扱います。非線形はSOL 400のソリューションシーケンスで対応します。

Cadenceが公式に強調しているのは、航空宇宙の規制・認証当局が解析結果を受理する点です。現行版は2026.1で、最適化とHPC、非線形接触が強化されています。

ライセンスはMSCOneというトークン制です。製品やモジュール単位ではなくトークン数で契約し、共有プールからMSC NastranやMarc、Adamsを必要なときに呼び出します。

特徴的なのは、このフローティングトークンをクラウドやクラスタのHPCにも使える点です。AnsysやSiemensのようにHPCを別建てで買う方式とは思想が異なります。

Bentley Systems, Inc.(ADINA)

ADINAは、大変形、接触、材料非線形に加えて、熱と構造の連成や流体構造連成を一つの環境で扱う非線形ソルバーです。座屈やゴム、コンクリートのような扱いにくい材料挙動に使われます。

ラインアップは4つに分かれます。基本のADINA、熱と熱機械連成を含むADINA Advancedが2つ目までです。さらに流体構造連成と電磁気まで含むADINA Ultimate、ADINA Parasolid Add-Onが続きます。

ライセンスはVirtuosityでの12か月サブスクリプションです。学生と教員はBentley Education経由で無償利用できます。

最新のADINA 2026では、ADINA Cloud Serviceが追加されました。Bentley Analysis Cloud Service上でADINA Structuresのソルバーを実行する仕組みです。

株式会社アライドエンジニアリング(ADVENTURECluster)

ADVENTUREClusterは、CGCG法という独自解法で大規模モデルを解く国産の構造解析ソフトです。領域分割と反復法を組み合わせ、並列数を増やしても並列効率が落ちにくい設計になっています。

公式が示す規模は具体的です。一般的なソフトが最大100万節点程度のところ最大3,000万節点程度に対応し、2億節点の解析実績も公表されています。

プリプロセッサのBuilderは完全自動メッシャを備えます。形状を簡略化せずにモデルを作成でき、CAD要素への境界条件設定と接触の自動設定にも対応します。

元になったのは日本学術振興会の未来開拓推進事業の成果であるADVENTUREシステムです。初版は2001年にリリースされ、国内で100社を超える導入実績が公表されています。

06

中堅・中小でも導入しやすい構造解析メーカー2社

最後は、解析の専任者がいない会社でも使えることを前提にした2社です。画面構成と価格の出し方に、大手とは違う考え方が見えます。

  • 2社とも、設計者本人が操作することを前提にした画面構成をとっている
  • ムラタソフトウェアは年額を公式サイトに掲載しており、主要8社で唯一価格が分かる
  • 2社とも無償で試せる仕組みを用意している

MIDAS IT Co., Ltd.(midas NFX)

midas NFXは、構造、熱、流体、トポロジー最適化を一つにまとめた設計者向けのCAEです。線形やモード、熱伝達に加えて、接触や非線形、陽解法の動的解析にも対応します。

操作画面はCADに近い作りです。解析の専任者ではなく設計者が扱うことを想定しており、同社が建築・土木向けに提供するmidas Civilやmidas Genと開発元が同じという背景があります。

CADとの連携には条件があります。Parasolid、STEP、IGESの読み込みは無償ですが、商用3D CADのダイレクトインタフェースは別料金です。

無償のFree Trialが用意されています。最新バージョンの表記やライセンス形態、価格は公式サイトで確認できませんでした。

ムラタソフトウェア株式会社(Femtet)

Femtetは、応力や熱伝導だけでなく電磁波、磁場、電場、流体、圧電、音波まで8つのソルバを一つのライセンスで扱えるCAEです。構造解析だけのために入れる製品ではありません。

この分野で珍しいのは、価格が公式サイトに掲載されている点です。基本パックは1年238,000円、6か月129,000円で、いずれも税別の年間サブスクリプションになります。

アカデミック版はサポート付きが1年198,000円、サポートなしが49,800円です。買い切りの設定はありません。

トライアルは2種類あります。企業・団体向けは要素数制限なしで基本パックと全オプションを60日間、個人向けは3次元3,000要素という制限つきで基本パックのみを1年間使えます。

07

構造解析ソフトのメーカーが想定している企業規模

同じ構造解析ソフトでも、想定している使い手は会社ごとに違います。解析の専任チームがある前提の製品と、設計者が片手間で使う前提の製品が混在しています。

  • 解析専任チームを前提とするのはAnsys、Dassault、Cadence、Bentleyの4社
  • 設計者本人が使う前提で作られているのはMIDAS ITとムラタソフトウェアの2社
  • 大規模計算を前提とするCadenceとアライドエンジニアリングは、計算環境の用意も必要になる

小さく始めやすい会社

ムラタソフトウェアのFemtetは年額23万8,000円から始められ、金額が事前に分かります。MIDAS ITのmidas NFXもCADに近い画面で、設計者が直接扱う想定です。

SiemensのSimcenter Simsolidも、この文脈で候補になります。メッシュを切る工程そのものを省く設計で、CADモデルがそのまま解析モデルになります。

解析専任チームを前提とする会社

Ansys Mechanical、Abaqus、MSC Nastran、ADINAはいずれも、解析の知識がある担当者が条件を組み立てる前提です。非線形や接触の設定は、結果の妥当性を判断できる人がいないと扱いきれません。

この4社はエディションやモジュールの構成も細かく分かれます。どこまでの機能が必要かを決めてからでないと、見積もりの前提が固まりません。

計算環境まで考える必要がある会社

MSC NastranとADVENTUREClusterは、大規模なモデルを回すことが前提です。ソフトの費用だけでなく、並列計算を動かすサーバーやクラスタの用意が必要になります。

ここでCadenceのトークン制が効いてきます。並列計算も同じトークンプールから消費するため、HPCを別建てで買う方式とは総額の組み立て方が変わります。

08

構造解析ソフトを調べるときの注意点

最後に、調べる過程で引っかかりやすい点を整理します。この分野は情報の更新が追いついておらず、公式サイトの記述どうしが食い違っていることがあります。

  • 売却された旧提供元のページが残っており、古い資本関係に着地することがある
  • Siemensは公式内で旧Altair製品の表記が混在しており、製品名が一つに定まっていない
  • 公式サイトに価格を載せているのは8社のうち1社だけで、残りは問い合わせが前提になる

旧ブランド名で探してしまう

MSC Nastranを調べると、Hexagonの製品として説明しているページが今も上位に出ます。mscsoftware.comがそのHexagonのページへリダイレクトしているためです。

ansys.comも同様で、URLはansys.synopsys.comへ移っています。ブックマークや社内資料のリンクは、リダイレクト先の表記を確認してください。

同じ会社の資料でも表記がずれる

Siemensは2026年6月16日に旧Altair製品の名称対応表をブログで公開しました。一方でSiemens自身が2025年12月8日付のリリースでAltair HyperWorks 2026という表記を使っています。

日本語サイトの掲載日にも注意が必要です。cradle.co.jpは、Cadenceによる買収完了の告知を2026年1月15日付で掲載しています。一方でCadenceとHexagonの公式な完了日は2026年2月23日です。

価格は見積もりでしか分からない

公式サイトに金額を記載しているのは、8社のうちムラタソフトウェアだけです。他の7社はすべて問い合わせが前提になります。

検索すると年額らしき金額が出てくることがありますが、その多くは販売代理店が掲載したものです。構成によって変わるため、自社の条件で見積もりを取ってください。

09

まとめ|構造解析ソフトメーカーの全体像

構造解析ソフトのメーカー別シェアは、無償で確認できる公的な数値がありません。判断材料になるのは、各社が公表している解析規模の上限と、買収時の取引額です。

この2年で提供元が大きく動きました。Ansysは2025年7月にSynopsys傘下へ、MSC Nastranは2026年2月にCadenceへ移っています。ADINAは2022年からBentley傘下にあります。

旧提供元のページが更新されないまま残っているため、調べる側が古い情報に着地しやすい状況です。会社名を確認するときは、リダイレクト先と掲載日の両方を見てください。

価格が公式に分かるのはムラタソフトウェアのみです。他の7社は、必要なモジュールと並列数を決めてから見積もりを取る流れになります。

構造解析ソフト比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
Femtet ロゴ
Femtetムラタソフトウェア株式会社サブスクリプション8物理現象を年額制で扱える設計者CAE詳細を見る
MIDAS NFX ロゴ
MIDAS NFXMIDAS Information Technology要見積もり設計者向けに構造・熱・流体・最適化を統合詳細を見る
ADVENTURECluster ロゴ
ADVENTURECluster株式会社アライドエンジニアリング要見積もりCGCG法で一億自由度超を解く国産の大規模構造解析ソフト詳細を見る
Ansys Mechanical ロゴ
Ansys MechanicalAnsys, Inc.(Synopsys傘下)要見積もりWorkbenchで多物理連成まで広げる汎用構造ソルバー詳細を見る
ADINA ロゴ
ADINAADINA R&D(Bentley Systems)要見積もり非線形・連成解析に強い構造CAE詳細を見る
MSC Nastran ロゴ
MSC NastranCadence Design Systems(日本: エムエスシーソフトウェア株式会社/株式会社ソフトウェアクレイドル)要見積もり大規模線形・固有値の業界リファレンス詳細を見る
Abaqus(SIMULIA) ロゴ
Abaqus(SIMULIA)ダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)要見積もり非線形・接触・大変形の精度に強い汎用FEM詳細を見る
Simcenter 3D ロゴ
Simcenter 3Dシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア要見積もりCAD-CAE統合の次世代マルチフィジクスプラットフォーム詳細を見る

よくある質問

Q構造解析ソフトの主要メーカーはどこですか?
A

汎用ソルバーを手がけるのがAnsys, Inc.(Ansys Mechanical)、Dassault Systèmes SE(Abaqus)、Siemens AG(Simcenter 3D)の3社です。大規模モデルと非線形を軸とするのがCadence Design Systems, Inc.(MSC Nastran)、Bentley Systems, Inc.(ADINA)、株式会社アライドエンジニアリング(ADVENTURECluster)の3社になります。設計者向けにはMIDAS IT Co., Ltd.(midas NFX)とムラタソフトウェア株式会社(Femtet)があります。

Q構造解析ソフトのメーカー別シェアはどこで分かりますか?
A

編集部が2026年9月24日に確認した範囲では、無償で公開している公的機関・業界団体は見つかりませんでした。上場している大手4社も、決算で示すのはセグメント単位の数値で、構造解析ソフト単独の売上は開示していません。民間調査のレポートはありますがメーカー別の数値は有料版に限られ、無償で確認できるのは対象企業名までです。

QAnsysの提供元は今どこですか?
A

Synopsysです。合意発表が2024年1月16日、買収の完了が2025年7月17日で、企業価値は約350億ドルと公表されています。Ansys株はNasdaqでの取引を終えており、ansys.comの全ページがansys.synopsys.comへ恒久リダイレクトされています。製品名は変わっておらず、最新版も2026年3月にAnsys 2026 R1として公開されました。

QMSC NastranはまだHexagonの製品ですか?
A

違います。CadenceがHexagonの設計・エンジニアリング事業を取得する発表は2025年9月4日、完了は2026年2月23日で、MSC NastranはCadenceへ移っています。ただしhexagon.comにはMSC Softwareを自社部門として紹介するページが2026年9月時点でも残り、mscsoftware.comは今もそのページへリダイレクトします。旧URLから辿ると売却前の資本関係に着地するため注意してください。

Q構造解析ソフトの価格は公式に分かりますか?
A

主要8社のうち公式サイトに金額を載せているのはムラタソフトウェアだけです。Femtetの基本パックは1年238,000円、6か月129,000円(いずれも税別)で、年間サブスクリプション型のため買い切りはありません。残る7社はすべて問い合わせが前提です。検索で出てくる年額の多くは販売代理店の掲載で、構成によって変わります。

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