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比較#産業用PC#無料#フリーソフト

【2026年】産業用PCを無料で試す方法|デモ機・評価機の貸出・無償ツール・補助金を解説

産業用PCを無料で試す方法を、評価機の貸出、無償・試用のソフト、OSの評価版とフリーのOS、補助金の4つに整理します。商用利用の条件、貸出の期間、本体は有料という点を、2026年10月時点の公式情報で解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
【2026年】産業用PCを無料で試す方法|デモ機・評価機の貸出・無償ツール・補助金を解説

産業用PC本体を無料で使える形は、公式サイトでは確認できませんでした。一方で、評価機の無料貸出、フリーのOS、評価版や試用版のソフトなど、購入前に無料で試せる手段はあります。ただし、貸出機や評価版は評価用で、本番の運用には使えません。この記事では、2026年10月時点で公式に確認できた内容を、ITトレンド for 製造業編集部が整理しました。

本体を買う前に試すなら:CONTEC ボックスコンピュータの評価機貸出サービス(無料)、NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズのリアルタイム制御ソリューション貸出機

制御ソフトを試すなら:Beckhoff Industrial PCのTwinCAT 3(開発環境は基本機能が無料、ランタイムは7日間の試用)

OSを試すなら:Windows 11 IoT Enterprise LTSCの90日評価版、フリーソフトのLinux系OS(UbuntuやDebian)

継続して使うなら:産業用PCの比較記事や産業用PCのカテゴリページで製品を比較

産業用PCの無料は、本体ではなく、購入前に試す機会とソフトの無料です。補助金を使う場合は、対象の経費を公式ページで確認してから機種を決めましょう。


この記事でわかること

01

産業用PCの「無料」の内訳

産業用PCで無料になるのは、本体ではなく、評価機の貸出、ソフト、OS、補助金の4つです。それぞれ条件が異なるため、先に整理しておきましょう。産業用PCの定義は産業用PCとはをご覧ください。

種類

内容

商用利用・条件

例

評価機・デモ機の貸出

製品を一定期間、借りて現場で試す

評価用。本番の常用は購入が前提

CONTEC ボックスコンピュータ、NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズ

無償・試用のソフト

制御ソフトや画像検査ソフトを、無料または期間限定で試す

評価や開発向け。本番は有償ライセンスが前提の場合がある

Beckhoff Industrial PC、三菱電機 産業用PC MELIPC、Siemens SIMATIC IPC、Advantech 産業用コンピュータ

OSの評価版・フリーのOS

Windows IoTの評価版や、Linux系のフリーソフトのOSを試す

評価版は評価用。フリーのOSはライセンスに従う

Windows 11 IoT Enterprise LTSC、Ubuntu、Debian

補助金

導入費用の一部を国の補助金で賄う

対象経費と締切の確認が必要

デジタル化・AI導入補助金、中小企業省力化投資補助金

産業用PCの基本

産業用PCは、工場や屋外設備などの過酷な環境で、連続して動かすことを前提にしたコンピュータです。粉塵や振動、温度変化への耐性や、ファンレス構造、長期の供給保証を備えています。

主な用途は、生産設備の制御や監視、PLCやセンサーからのデータ収集、AI外観検査の画像処理です。オフィス用のPCでは足りない場面で選ばれます。

本体は有料で、価格は見積もりが中心

産業用PCの価格は、多くが個別見積もりです。公式で価格が確認できる例は、CONTEC ボックスコンピュータです。BX-T1000が約36万円と、公式eショップに載っています(2026年5月時点)。

構成や機種によって、十数万円台からと案内されています。本体の費用は別にかかるため、貸出で相性を確かめてから、購入の台数を決めましょう。


02

無料でできること・できないこと

無料の手段で確認できるのは、動作の相性と使い勝手です。長期の運用や量産の条件までは、無料では確かめられません。次の表で範囲を確認してください。

観点

無料でできること

無料ではできないこと

動作の確認

借りた評価機で、設備のソフトやドライバが動くかを試す

借りた機器を本番の設備に組み込んで、常用する

制御・開発

TwinCAT 3の開発環境や、評価版のソフトで、プログラムを作る

評価版のまま、本番の運転に使う

OSの選定

90日の評価版や、フリーのOSで、起動と周辺機器の認識を確かめる

評価版のOSを、そのまま製品版へ引き継ぐ

費用の把握

評価の結果をもとに、台数と構成を見積もりに反映する

見積もり前の概算だけで、予算を確定する

耐環境性の確認

現場に置いて、温度や振動の影響を観察する

長期の連続稼働や、供給期間の保証までは確認できない

評価機で確認しておきたい項目

評価機の期間は限られるため、確認する項目を先に決めておきます。例えば、設備のI/Oとの接続、使うソフトの動作、OSの設定、設置場所の温度の4点です。

NECの貸出は、貸出機材の着荷日から2週間です。期間内に検証を終えられるよう、チェック表を作りましょう。

OSは評価版と製品版で扱いが変わる

Windows 11 IoT Enterprise LTSCの評価版は、登録すれば90日間試せます。ただし、公式には評価目的のソフトとされており、本番の運用には製品版が必要です。

Linux系のOSには、フリーソフトとして配布されているものがあります。使える機種かどうかは、メーカーの対応OSの一覧で確認するのが前提です。


03

産業用PCを無料で試すときの選び方

無料の手段は、目的によって選ぶものが変わります。本体を試すのか、ソフトを試すのか、OSを決めるのかを、先に決めましょう。確認する項目は、商用利用、貸出の条件、必要な機能、本導入の費用、サポートの5つです。

評価版・試用版の商用利用の条件

貸出機や評価版は、評価のための利用です。TwinCAT 3のランタイムは、7日間の試用ライセンスを更新できます。恒久的な運用には、ライセンスが必要です。

Advantechのクラウドサービスの試用も、機能の評価とPoC向けです。本番環境には使えないため、利用条件を確認しましょう。

貸出の期間・費用・申込方法

CONTECは、無料で貸し出すと案内しています。申込は、myCONTEC会員として、型式と希望期間を入力する形です。NECは、貸出機材の着荷日から2週間です。

どちらも、返送の送料や延長の可否は、公式ページに記載がありませんでした。申込の段階で、担当窓口に確認しておきましょう。

必要な機能と対応OS

設備の制御に使うのか、データ収集か、画像処理かで、必要な機種は変わります。リアルタイム制御なら、リアルタイムOSに対応した機種が条件です。

NECの貸出機は、INtimeなどのリアルタイムOSを入れた状態で借りられます。OSと機種の組み合わせは、貸出の段階で確認しましょう。

本導入の費用と供給期間

産業用PCは、構成や台数で価格が変わります。評価機の段階から、本導入の見積もりも並行して取ると、予算を組みやすいでしょう。

長期の供給や保守の条件は、機種によって異なる点が特徴です。メーカーごとの違いは産業用PCメーカー8社の特徴で解説しています。

サポート・日本語・更新頻度

メーカーの貸出は、国内の窓口に相談できる点が利点です。フリーソフトのOSは、公式の問い合わせ窓口がなく、情報の多くはコミュニティや文書が頼りです。

Debianの日本語の紹介ページには、翻訳が古いため原文を見るよう注意書きがあります。更新状況は、導入前に確認しておきましょう。


04

【比較表】産業用PCを無料で試す手段8選

無料の種類、商用利用の条件、主な制限を8つで並べました。上の6つは、製品ページがあるメーカーの手段です。下の2つは、OSの評価版とフリーソフトのOSです。条件は2026年10月時点の公開情報に基づきます。

製品名

無料の種類

商用利用・条件

主な制限

本体の価格

CONTEC ボックスコンピュータ

評価機貸出サービス(無料)

評価用。購入前の仕様確認が目的

対象型式は申込時に確認。期間と送料は記載なし

BX-T1000で約36万円(2026年5月時点)

NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズ

リアルタイム制御ソリューションの貸出機

評価用

着荷日から2週間。費用の記載なし。INtime開発キットは対象外

要見積もり

Beckhoff Industrial PC

TwinCAT 3(開発環境は基本機能が無料)

ランタイムは7日間の試用。恒久運用はライセンスが必要

試用は更新できる。機能ごとに試用の条件が異なる

個別見積もり

三菱電機 産業用PC MELIPC

MI2532-WにMELSOFT VIXIOの6ヶ月無償の開発ライセンスが同梱

同梱は期間限定の開発用

MI2532-Wのみに同梱。VIXIOのテストラボは無料

定価非公開(販売店の見積もり)

Siemens SIMATIC IPC

無料のTIA Selection Tool、WinCC Unifiedの21日間の試用

試用は評価用

IPC本体の貸出は公式で確認できず

構成により変動

Advantech 産業用コンピュータ

WISEクラウドサービスの無料試用(標準30日)

機能評価とPoC向け。本番環境には使えない

最長90日(承認制)。IPC本体の貸出は公式で確認できず

数万円台〜50万円程度(2026年5月時点)

Windows 11 IoT Enterprise LTSC

90日間の評価版

評価用

登録が必要。製品版への切り替えは別途ライセンスが必要

機種に含まれる場合と別売の場合がある

Ubuntu・Debian

フリーソフトのLinux系OS

ライセンスに従う

対応機種と、サポートの範囲は自社で確認

OS自体は0円

製品の違いを見比べるなら産業用PCの比較記事をご覧ください。費用の目安は産業用PCの費用で整理しています。


05

【無料で試せる】産業用PC関連おすすめ8選

ここでは、製品ページがあるメーカーの無料の手段を先に紹介します。続いて、OSの評価版と、フリーソフトのOSを紹介します。本体は、いずれも有料です。

CONTEC ボックスコンピュータ

  • 無料の種類:評価機貸出サービス
  • 商用利用:評価用。購入前の仕様確認が目的
  • 向いている企業:購入前に、設備での動作を確かめたい企業
  • 注意点:貸出の期間と送料は、公式ページに記載がない

コンテックの公式サイトでは、製品を無料で貸し出すサービスが案内されています。購入前の仕様確認や評価に使う位置づけという点が特徴です。myCONTEC会員としてログインし、型式と希望期間を入力して申し込む形です。

会員でない場合は、先に会員登録が必要になります。電話とメールの窓口も公開されています。貸出の対象になる型式は、公式ページに一覧がなく、申込の際に確認が必要です。

編集部コメント:会員登録から申込までWebで進む点が特徴です。BX-T1000は約36万円のため、貸出で確かめてから発注を決めましょう。

NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズ

  • 無料の種類:リアルタイム制御ソリューションの貸出機
  • 商用利用:評価用
  • 向いている企業:装置の制御で、リアルタイムOSを試したい企業
  • 注意点:貸出の費用は記載がない。期間は着荷日から2週間

NECの公式サイトでは、リアルタイムOS入りの機器を貸し出しています。マニュアルも付き、機器はファクトリコンピュータです。OSはマイクロネット社のもので、INtimeなど4種類が入っています。

期間は、貸出機材の着荷日から2週間です。入っているのは、INtime、INplc、INplc開発キット、RT-edgeです。対象機種は、FC-S13G、FC-E20W、FC-E22K、FC-A22Kが挙げられています。問い合わせ先は、FCカスタマー事務局のメールです。INtime開発キットを入れた貸出は、していません。

編集部コメント:リアルタイム制御の検証に絞った貸出です。公式ページには貸出の費用が書かれていないため、無料かどうかは申込時に確認しましょう。

Beckhoff Industrial PC

  • 無料の種類:TwinCAT 3の開発環境(基本機能)、ランタイムの7日間の試用
  • 商用利用:ランタイムの試用は評価向け。恒久運用はライセンスが必要
  • 向いている企業:PCベースの制御を、ソフトから試したい企業
  • 注意点:機能ごとに、試用の条件が異なる

ベッコフの公式サイトでは、TwinCAT 3 Engineeringの基本機能が無料です。制御コードを動かすランタイムは、更新できる7日間のライセンスで試せます。

恒久的な運用では、ハードウェアの性能に応じたライセンスが必要です。個別の機能の試用は、開発環境のライセンス画面で、7日間の試用ライセンスを有効にします。

編集部コメント:ハードを買う前に、制御プログラムの書き心地を確かめられる点が特徴です。ただし、試用ライセンスの期間が切れると動作が止まるため、検証の計画を立ててから使いましょう。

三菱電機 産業用PC MELIPC

  • 無料の種類:MELSOFT VIXIOの6ヶ月無償の開発ライセンス同梱(MI2532-W)、体験版、テストラボ
  • 商用利用:開発用のライセンス。運用は有償が前提
  • 向いている企業:AI外観検査を、産業用PCで試したい企業
  • 注意点:同梱はMI2532-Wのみ。本体の価格は非公開

三菱電機の公式サイトによると、MI2532-Wには外観検査ソフトの開発ライセンスが同梱されます。ソフトはAI搭載のMELSOFT VIXIOで、期間は6ヶ月の無償です。他の機種には同梱されません。

VIXIOの製品ページには、体験版のダウンロード区分があります。専門技術スタッフが支援するテストラボも、無料で使えると書かれています。MELIPC本体の貸出は、公式で確認できませんでした。

編集部コメント:外観検査の画像処理を試すなら、ソフトの体験版とテストラボで先に可否を見ておけます。本体の定価は非公開のため、販売店に見積もりを依頼しましょう。

Siemens SIMATIC IPC

  • 無料の種類:TIA Selection Tool(無料)、WinCC Unifiedの21日間の試用
  • 商用利用:試用は評価用
  • 向いている企業:Siemensの制御環境で、構成を事前に検討したい企業
  • 注意点:IPC本体の貸出は公式で確認できず

シーメンスの公式ページでは、無料のTIA Selection Toolが案内されています。スマートコンフィグレーターと選択アシスタントで、ハードウェアを構成するツールです。

WinCC Unifiedは、エンジニアリングとシミュレーションが、21日間の試用版です。SiePortalから、無料でダウンロードできます。IPC本体の貸出やデモ機は、公式ページで確認できませんでした。

編集部コメント:機種を選ぶ前に、構成を整理する道具として使えます。試用版は21日間のため、使う準備を整えてからダウンロードしましょう。

Advantech 産業用コンピュータ

  • 無料の種類:WISEクラウドサービスの無料試用(標準30日)
  • 商用利用:機能評価とPoC向け。本番環境には使えない
  • 向いている企業:産業用PCでの遠隔監視を、試験的に始めたい企業
  • 注意点:IPC本体の貸出は公式で確認できず

アドバンテックのWISEシリーズは、クラウドサービスの試用プログラムを案内しています。PoCやアプリ開発向けです。標準の期間は30日で、承認があれば最長90日まで延ばせます。

試用環境は、機能評価とPoC向けです。本番環境としては使えず、そのまま正式な環境に切り替えることもできません。データの保管と管理は、利用者の責任です。

編集部コメント:産業用PCそのものではなく、周辺のサービスを試す手段です。本体の評価は、販売店や営業窓口に相談しましょう。

Windows 11 IoT Enterprise LTSC(90日評価版)

  • 無料の種類:90日間の評価版
  • 商用利用:評価用。本番の運用には製品版が必要
  • 向いている企業:産業用PCのOSを、Windowsにするか検討する企業
  • 注意点:登録が必要。評価版のまま本番には使えない

マイクロソフトは、評価センターで90日評価版を配布しています。対象はWindows 11 IoT Enterprise LTSCです。登録のうえ、ダウンロードする形です。IT担当者や開発者の評価用と案内されています。

評価版は、期間の終了後に使えなくなる点に注意が必要です。製品版は、機種に搭載されて販売される場合と、別に購入する場合があります。購入前に、OSのライセンスの扱いを確認しましょう。

編集部コメント:起動と周辺機器の認識を、OSの側から確かめられる手段です。評価の結果を、貸出機の検証と合わせて記録しておきましょう。

Ubuntu・Debian(フリーソフトのLinux系OS)

  • 無料の種類:フリーソフトのLinux系OS。Ubuntu Proには無料枠がある
  • 商用利用:ライセンスに従う。Ubuntu Proの無料枠は個人と小規模な商用で最大5台
  • 向いている企業:OSを自社で整えられる、IT担当者がいる企業
  • 注意点:対応機種とサポートは自社で確認する

Canonicalの公式ページでは、PREEMPT_RTの取り込みが完了したと案内されています。26.04以降は、リアルタイムカーネルを誰でも使える形です。導入のコマンドは1行です。

Ubuntu Proは、個人と小規模な商用で、最大5台まで無料になります。企業向けには、30日間の試用がある点が特徴です。DebianはフリーなOSで、公式の紹介ページに考え方が書かれています。

編集部コメント:OSの費用を抑えたい企業の選択肢ですが、保守は自社の責任です。使う機種がLinuxに対応しているかは、メーカーの資料で確認しましょう。


06

産業用PCの導入で使える補助金の確認先

本体の費用は、補助金で賄える場合があります。ただし、産業用PCが対象になるかは、補助金の種類と申請の内容で変わります。以下は、公式ページで確認できた範囲です。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

公式ページ(2026年10月26日確認)の通常枠は、ソフトウェア購入費が補助対象です。クラウド利用料(最大2年分)、オプション、役務も含まれます。補助率は1/2以内で、条件により2/3以内です。

PC・タブレット等のハードウェアが挙がるのは、インボイス枠です。会計・受発注・決済の機能を持つソフトと、組み合わせる必要があります。補助率は1/2以内、補助額は10万円以下で、ハードウェアのみの申請はできません。

中小企業省力化投資補助金

公式ページ(2026年10月26日確認)の一般型は、設備導入とシステム構築が対象です。個別の現場に合わせた省力化投資を支援すると案内されています。補助上限額は従業員数で異なり、5人以下は750万円(大幅賃上げ特例で1,000万円)です。

補助率は、中小企業が1/2(最低賃金引き上げ特例で2/3)、小規模事業者が2/3です。第8回は10月16日に締め切られました。第9回は、11月上旬の公募開始が予定されています。産業用PC単体の対象可否は、公募要領で確認しましょう。

申請前の確認の進め方

補助金は、機種を決める前に、対象の経費と締切を確認します。申請前に発注した費用は、対象外になる場合があります。公募要領で、交付決定の前後のルールを読んでおきましょう。

ものづくり補助金の総合サイトでは、従来の公募の終了が告知されています。新規の受付は、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金への案内です。金額や条件は、最新の公募要領で確認してください。


07

産業用PCを無料で試すメリットとデメリット・注意点

無料の手段には、購入前の失敗を減らせるメリットがあります。一方で、期間の上限、本体の費用、ライセンス条件には注意が必要です。製造業の実務に即して整理します。

購入前に設備と相性を確かめられる

評価機を使えば、実際の設備につないで、ソフトやドライバの動作を確かめられます。購入後に「つながらなかった」という失敗を、減らせる点が利点です。

複数のメーカーを比べる場合も、貸出機の費用はかかりません。小規模な導入では、検証の負担を抑えられます。

デメリット:本体は有料で、貸出は短期間

無料で借りられるのは、短期の評価用の機器です。NECの貸出は2週間で、本番の運用には本体の購入が必要です。台数が多いほど、費用は大きくなります。

貸出の期間内に確かめたい項目を、先に決めておきましょう。接続、動作、OS、設置場所の4点を、チェック表にして臨むのが基本です。

非商用・評価版を業務で使うライセンス違反のリスク

貸出機や評価版、試用版は、評価のための利用です。借りた機器を本番で常用したり、評価版のOSで業務を回したりすると、規約に反するおそれがあります。

非商用や個人向けの無償版も、業務には使えません。フリーソフトのOSも、ライセンスの条件を確認しましょう。評価版から製品版へ切り替える際は、ライセンスの購入が必要です。

無償ソフトは、保守を自社で担う

フリーのOSは、更新やセキュリティ対応を自社で行います。止められない設備に使う場合は、検証用の環境で先に試し、保守の体制を整えましょう。

メーカー提供のソフトでも、試用の期間が切れると動作が止まります。本番に移す日程から逆算して、ライセンスを手配しておきましょう。

補助金は、対象の経費と締切に注意

補助金は、対象になる経費が決まっています。デジタル化・AI導入補助金の通常枠は、公式ページ上、ソフトウェアが中心です。ハードウェアが対象になる枠は、条件が限られます。

締切と交付決定の前後の扱いも、公募ごとに異なります。機種の見積もりと並行して、公募要領を読んでおきましょう。

編集部コメント:産業用PCの無料は、本体を買う前に試すための無料です。無料の手段だけで設備を動かそうとすると、期間や規約の壁に当たります。貸出機で相性を確かめたうえで、構成と台数を決めましょう。


08

無料の手段から本導入に切り替える目安

無料の貸出や評価版は、検証には十分な場面があります。一方で、台数が増えたり、本番の運転が始まったりしたら、本導入の段階に入ります。次の表で目安を確認しましょう。

観点

無料の手段で足りるケース

本導入を検討すべきケース

目的

動作の相性や、操作感を確かめる

設備の制御やデータ収集を、本番で動かす

期間

2週間程度の検証で、判断できる

長期の連続稼働や、供給期間の保証が必要

OS・ソフト

評価版で、起動と接続を確かめる

製品版のライセンスで、本番の運用を始める

台数

1台で検証する

複数の設備や拠点に、同じ構成を展開する

保守

検証の担当者が、自力で対応できる

メーカーや販売店に、保守を任せたい

切り替えのサイン

  • 評価の期間内に、確認したい項目をすべて試し終えた
  • 使うOSとソフトが決まり、評価版では足りなくなった
  • 設備の本番運転に向けて、納期と供給期間を確認したくなった
  • フリーのOSの保守に、社内の人員を割けなくなった
  • 補助金の締切に合わせて、見積もりと発注の時期を決める必要が出た

本体の価格帯

本体の価格は、構成と台数で変わります。公式に確認できる例では、CONTEC BX-T1000が約36万円です。Advantechは、モデルにより数万円台から50万円程度とされています(2026年5月時点)。

多くの機種は個別見積もりです。おおよその金額は産業用PCの費用で整理しています。見積もりでは、台数、使うソフト、設置環境を伝えましょう。

次に読む記事

機種を比べるなら、産業用PCの比較記事が参考になります。メーカーの違いは、産業用PCメーカー8社の特徴にまとめました。

製品の一覧は、産業用PCのカテゴリページで確認できる構成です。基本から知りたい場合は産業用PCとはをご覧ください。


09

産業用PCを無料で試す方法に関してよくある質問

産業用PCは無料で使えますか?

本体を無料で使える形は、公式では確認できませんでした。無料になるのは、評価機の貸出、評価版のソフト、フリーのOSなどです。

貸出は、CONTECとNECが案内しています。評価用が前提で、本番の運用には、本体の購入が必要になります。

無料で借りられる評価機はありますか?

CONTECは、評価機貸出サービスを無料と案内しています。NECは、リアルタイム制御ソリューションの貸出機を、着荷日から2週間で案内しています。

ほかのメーカーは、貸出の制度を公式で確認できませんでした。販売店や営業窓口に、直接相談してください。

産業用PCの購入に補助金は使えますか?

公式ページで確認できた範囲では、デジタル化・AI導入補助金の通常枠はソフトウェアが中心です。ハードウェアが対象になるのは、インボイス枠に限られます。

省力化投資補助金の一般型は設備導入が対象ですが、産業用PC単体が対象かは、公募要領で確認が必要です。

フリーのLinux系OSを、産業用PCに入れて使えますか?

UbuntuやDebianは、フリーソフトとして配布されています。ただし、使う機種が対応しているかは、メーカーの資料で確認が必要です。

保守とセキュリティ対応は、自社の責任になります。IT担当者がいない場合は、メーカーが対応するOSから始めましょう。


10

まとめ

産業用PCの無料は、本体ではなく、購入前に試す機会とソフトの無料です。CONTECは評価機を無料で貸し出し、NECはリアルタイムOS入りの貸出機を案内しています。ソフトでは、TwinCAT 3の開発環境などが無料です。OSは、Windowsの90日評価版や、フリーソフトのLinux系OSが選択肢になります。ただし、貸出機や評価版は評価用で、本番には使えません。本体の費用も別にかかります。補助金は、対象の経費と締切を公式ページで確認しましょう。そのうえで、産業用PCのカテゴリページで機種を比較してください。

産業用PC(FA・組込みPC)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
ADLINK Industrial PC ロゴ
ADLINK Industrial PCADLINKジャパン株式会社(ADLINK Technology)要見積もりエッジAI対応の産業用コンピュータ詳細を見る
三菱電機 産業用PC MELIPC ロゴ
三菱電機 産業用PC MELIPC三菱電機株式会社要見積もりシーケンサと親和性の高いエッジコンピュータ詳細を見る
CONTEC ボックスコンピュータ ロゴ
CONTEC ボックスコンピュータ株式会社コンテック要見積もり長期供給と耐環境性に強いFA専用PC詳細を見る
NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズ ロゴ
NEC ファクトリコンピュータ FCシリーズ日本電気株式会社要見積もり長期保守に定評ある国産ファクトリコンピュータ詳細を見る
Advantech 産業用コンピュータ ロゴ
Advantech 産業用コンピュータアドバンテック株式会社要見積もり世界大手の豊富な産業用PCラインナップ詳細を見る
Beckhoff Industrial PC ロゴ
Beckhoff Industrial PCベッコフオートメーション株式会社要見積もりPCベース制御の代表格詳細を見る
Siemens SIMATIC IPC ロゴ
Siemens SIMATIC IPCシーメンス株式会社要見積もりFA世界標準の産業用PC詳細を見る
日立産業用コンピュータ HF-Wシリーズ ロゴ
日立産業用コンピュータ HF-Wシリーズ株式会社日立インダストリアルプロダクツ要見積もり供給終了日と修理可能期間を型番単位で公表する国産産業用PC詳細を見る

よくある質問

Q産業用PCは無料で使えますか?
A

本体を無料で使える形は、公式では確認できませんでした。無料になるのは、評価機の貸出、評価版や試用版のソフト、フリーのOSなどです。貸出はCONTECとNECが案内しており、評価用が前提です。本番の運用には、本体の購入が必要です。

Q無料で借りられる評価機はありますか?
A

CONTECは評価機貸出サービスを無料と案内しています。NECはリアルタイム制御ソリューションの貸出機を、着荷日から2週間で案内しています。そのほかのメーカーは、貸出の制度を公式で確認できませんでした。販売店に直接相談してください。

Q産業用PCの購入に補助金は使えますか?
A

公式ページで確認できた範囲では、デジタル化・AI導入補助金の通常枠はソフトウェアが中心で、ハードウェアはインボイス枠に限られます。省力化投資補助金の一般型は設備導入が対象ですが、産業用PC単体の可否は公募要領で確認が必要です。

QフリーのLinux系OSを、産業用PCに入れて使えますか?
A

UbuntuやDebianは、フリーソフトとして配布されています。ただし、使う機種が対応しているかは、メーカーの資料で確認が必要です。保守とセキュリティ対応は自社の責任になるため、IT担当者がいない場合は、メーカー対応のOSから始めましょう。

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