2D CAMの費用|8製品とも非公開のなかで読めるライセンスと保守の条件
2D CAM(板金・切断加工向け)の主要8製品について、価格が公式にどこまで公開されているかを整理した記事。本体価格を掲載している製品はなく、価格ページも全社で404でした。使用許諾契約から読める永久と期間の違い、ポストプロセッサが別費用になる構造を見ていきます。

2D CAMの費用を調べると、8製品とも金額が出てきません。価格ページのURLを試しても、全社で404が返ります。
この記事では、公式に確認できる範囲で費用の構造を整理します。金額は非公開でも、ライセンス形態や保守契約、ポストプロセッサの扱いは公式文書に書かれている場合があり、そこに総額を左右する条件が含まれます。
記載内容は、各社の公式サイトと公式PDF、公式の使用許諾契約を、編集部が2026年9月24日に確認したものです。想定される価格ページのURLは同日に実際にアクセスし、HTTPステータスを記録しています。
- 主要8製品のうち、公式に本体価格を掲載している製品は1つもなかった
- 永久ライセンスと期間ライセンスの区別を公式文書で確認できたのは2製品
- ポストプロセッサが本体と別のライセンス対象であることを明記した製品がある
この記事でわかること
2D CAMの価格は8製品とも公式に公開されていない
まず価格の公開状況を押さえます。この分野は例外なく非公開でした。
- 8製品とも本体価格の金額記載がない
- 価格ページのURLは全社で404または別ページへの転送
- 導線は問い合わせか見積もり依頼に限られる
価格ページが存在しない
アマダ、Lantek、SigmaNEST、Hypertherm、Bystronic、キャドマックの価格ページを想定したURLは、いずれも404でした。
Bystronicは少し違う挙動です。英語の価格ページにアクセスすると404ではなく日本語トップページへ転送されます。ステータス上は200が返るため、自動でリンク切れを検出する仕組みでは拾えません。
問い合わせ導線だけが置かれている
TRUMPFは見積もり依頼のフォームへ誘導しています。SigmaNESTとRADANは営業への問い合わせボタンです。
キャドマックは無料相談と資料請求の導線を持ち、フリーダイヤルも掲載しています。いずれも金額にたどり着く前に問い合わせが必要です。
旧URLが残っているものもある
アマダの旧製品ページは404を返します。製品詳細のページの1つはサーバーエラーで表示できませんでした。
Bystronicの旧BySoft CAM専用ページも廃止されています。検索結果に残っているURLからは、内容にたどり着けない状態です。
2D CAMのライセンス形態は永久と期間で分かれる
金額が非公開でも、契約の形は公式文書で確認できる場合があります。ここが総額の考え方を分けます。
- SigmaNESTは使用許諾契約で永久と期間の両方を定義している
- ProNestは永久ライセンス、下位版のProNest LTはサブスクリプション
- 残る6製品はライセンス形態の公式明記が確認できなかった
SigmaNESTの2つの形態
公式の使用許諾契約には、永久ライセンスと期間ライセンスの定義があります。永久ライセンスは一時金を支払った初期バージョンを使う権利で、保守は含まれません。
期間ライセンスは期限が来ると自動的に終了します。更新時にライセンス料が値上げされる可能性があること、値上げは告知から60日後に有効になることも明記されています。なお料金は税別であることも契約に書かれています。
ProNestとProNest LTの違い
ProNestは永久ライセンスです。公式の保守プランPDFに、永久ソフトウェアライセンスから最大限の価値を得る手段として保守プランが説明されています。
下位版のProNest LTはサブスクリプションです。製品ページのシステム要件に、サブスクリプションライセンスのためインターネット接続が必要と記載されています。別製品なので、LTの条件を上位版に当てはめることはできません。
明記が見当たらない6製品
残る6製品はライセンス形態の公式明記が確認できませんでした。AP100、Lantek Expert、TruTops Boost、BySoft CAM、RADAN、MACsheet ISTです。
買い切りかサブスクかで総額の考え方が変わります。この6製品については、見積もりを依頼する際に契約形態から確認することになります。
2D CAMの保守契約は本体と別建てになる
保守の扱いは、金額が非公開でも条件が公開されている領域です。
- SigmaNESTは永久・期間いずれも保守を含まないと明記している
- Hyperthermは保守料の決め方を公式PDFで説明している
- TRUMPFは年額固定の支払い方式であることを記載している
保守が含まれない契約
SigmaNESTの使用許諾契約は、永久ライセンスも期間ライセンスも保守を含まないと定義しています。保守は別に購入する形です。
さらに、保守が切れた場合の扱いも書かれています。保守期間中に受け取った最後のバージョンが、以後の永久ライセンスの対象になるという内容です。保守を止めると、それ以降のバージョンは使えません。
保守料の決め方が公開されている例
Hyperthermの保守プランPDFには、保守料がソフトウェアの現行定価の小さな割合で設定されると書かれています。購入額に応じて見積もりが出る形です。
期間は注文を受けてから12カ月です。多くの顧客が毎年更新しており、更新は通常割引価格で提供されるとも記載されています。含まれるのは無制限の技術サポート、無制限のトレーニング、無償のアップデートとアップグレード、ナレッジベースへのアクセスです。
年額固定の方式
TRUMPFはサービス契約について、年額固定の支払いが計画の確実性と計算可能なコストをもたらすと説明しています。
ただし必須か任意かは書かれていません。金額も率も非公開です。プラン名や階層の記載もありませんでした。
2D CAMはポストプロセッサが別費用になる
板金や切断のCAMでは、機械ごとのポストプロセッサが必要になります。この扱いが費用に効きます。
- SigmaNESTはポストプロセッサを本体と別のライセンス対象として定義している
- ポストプロセッサには保証が付かないと明記されている
- 開発そのものが有償サービスとして位置づけられている
別ライセンスとして定義されている
SigmaNESTの使用許諾契約は、ポストプロセッサを工具経路データを特定のNC形式へ変換するソフトウェアと定義しています。契約の内容はポストプロセッサにも準用されると書かれています。
責任制限の条項では、ソフトウェアとポストプロセッサのライセンスまたはサービスが並記されています。本体とは別の対象として扱われていることが読み取れます。
保証の対象外
同じ契約に、ポストプロセッサには保証が提供されないと明記されています。本体ソフトとは扱いが違います。
またサービスの定義にポストプロセッサの開発が含まれています。機械に合わせて作る場合は、有償のサービスとして扱われることが読み取れます。
機械の構成で費用が動く
使う加工機の種類と台数が増えれば、必要なポストプロセッサも増えます。既存の機械に対応するものがあるかどうかで、初期費用が変わります。
金額は公式に書かれていないため、見積もりの際に台数と機種を伝えて別建てで出してもらう必要があります。
2D CAMのモジュール構成で費用が変わる
本体だけで完結するか、モジュールを足すかで費用構造が変わります。
- RADANはモジュール制であることを公式に明記している
- TRUMPFには既存契約内で追加費用なしと書かれた機能がある
- BySoft CAMはスイートの構成製品という位置づけ
モジュールを列挙している製品
RADANは、見積もり、チューブ切断、高度なプロファイリングのアドオンで機能を拡張できると記載しています。
モジュール名も公開されています。Radpunch、Radnest、Radan Bendingの3つがまず挙げられています。加えてRadquote、Radtube、Radprofile、DESIGNER Sheet Metalがあります。ただし各モジュールが別売かどうかは書かれていません。
追加費用なしと明記された機能
TRUMPFには、TecZone LaserがTruTops Boostに完全統合されているという記載があります。既存のサービス契約の一部として、追加費用なしで使えるとされています。
ただしこれは、サービス契約を結んでいる場合の話です。本体やサービス契約そのものが無償という意味ではありません。読み違えやすい書き方になっています。
スイートの一部という構成
BySoft CAMは、BySoft Suiteの構成製品として紹介されています。切断プラン、曲げ加工プラン、チューブレーザプランを作成する機能が挙げられています。
ただしモジュール単位の課金があるかどうかは公式に書かれていません。日本語の製品ページには、価格・料金・ライセンス・保守のいずれの語も出てきませんでした。
2D CAMの体験版で確認できる範囲
金額が非公開の製品でも、試せる手段があれば適合性は確かめられます。ただしこの分野は情報が限られます。
- 期間が公式に明示されているのはProNest LTの7日間だけ
- SigmaNESTは評価版の用途を本番利用以外に限ると定めている
- 残る製品は体験版の有無自体が確認できなかった
期間が分かる体験版
ProNest LTの製品ページには、7日間無料で試せると記載されています。この分野で日数まで公開されている唯一の例です。
ただし対象は下位版です。上位版のProNestについては、体験版の記載が確認できませんでした。
用途が制限されている評価版
SigmaNESTの使用許諾契約には、評価版、デモ版、試用版のライセンスが本番利用以外の目的で提供されると書かれています。
期間や機能制限の数値は公開されていません。教育機関向けの版についても、保証の除外条項に言及があるだけで、条件は書かれていませんでした。
導線はあるが体験版ではないもの
キャドマックは無料相談と資料請求の導線を持っていますが、体験版ではありません。アマダの研修講座も有償です。
Lantek、TRUMPF、Bystronic、RADANについては、体験版やデモの記載自体を確認できませんでした。試せるかどうかから問い合わせることになります。
2D CAMを調べるときに取り違えやすい情報
この分野には、別会社や別製品の情報が混ざりやすい落とし穴があります。
- MACsheet ISTの提供元は、よく似たドメインの別会社と混同されやすい
- ProNest LTの料金ページは現在ログインの背後にある
- BystronicとコマツのニュースはCAMではなく加工機の話
似たドメインの別会社
MACsheet ISTを提供するのは株式会社キャドマックで、公式サイトは cadmac.net です。よく似た cadmac.jp は株式会社ネオシステムという別法人のサイトです。
後者には料金表が載っていますが、それはTaktoryというクラウド生産管理システムの価格です。MACsheet ISTの価格ではありません。ドメインを取り違えると、まったく別の製品の金額を引用することになります。
公開されていない料金ページ
ProNest LTのサブスクリプション料金ページは、編集部が確認した時点でログイン画面へ転送されました。公式ニュースの記事も同様です。
検索結果のスニペットには月額の金額が残っていますが、一次情報として再現できません。仮に正しくても対象は下位版なので、上位版の価格としては使えない数字です。
ソフトとハードの提携を混同しない
Bystronicは2025年12月に、コマツ産機との日本国内における協業を発表しています。ただし対象は2次元レーザ切断加工機で、ハードウェアの販売協力です。
BySoft CAMなどソフトウェアの提供に関する発表ではありません。なお日本での窓口はバイストロニックジャパン株式会社です。
2D CAM主要製品と費用面での位置づけ
ここまでの内容を製品単位で整理します。金額が出ていない以上、契約条件の公開度で分かれます。
- 契約条件まで読めるのはSigmaNESTとProNest
- 構成が読めるのはRADANとBySoft CAM
- 公式情報が最も少ないのはAP100とMACsheet IST
契約条件から検討できる製品
SigmaNESTは使用許諾契約が公開されており、永久と期間の違い、保守が別建てであること、ポストプロセッサの扱い、税別であることまで確認できます。金額以外の条件は事前に把握できます。
ProNestは永久ライセンスであること、保守が定価の小さな割合で12カ月単位であること、更新が割引されることが公開されています。保守に何が含まれるかも列挙されています。
構成から検討できる製品
RADANはモジュール名が公開されているため、必要な機能を絞り込んでから見積もりを依頼できます。BySoft CAMはスイートの構成が分かります。
TruTops Boostはサービス契約が年額固定であることが分かります。ただし必須か任意かは書かれていません。
公式情報が限られる製品
AP100はライセンス形態も保守も体験版も記載がありません。現行の製品ページ自体が英語版と加工機ソフトのページに分散しています。
MACsheet ISTはVer.24が最新であることは分かりますが、費用に関する情報がありません。動作環境すら会員ログインの背後に置かれています。Lantek Expertも同様に、費用に関する記載が見当たりませんでした。
まとめ|2D CAMの費用の調べ方
2D CAMは、8製品とも公式に価格を出していない分野です。価格ページのURLを試しても全社で404か別ページへの転送になります。相場をまとめた情報があれば、それは公式以外の出典によるものです。
ただし契約条件は読める場合があります。SigmaNESTは永久と期間の違い、保守が別建てであること、ポストプロセッサが別ライセンスであることまで公式文書に書いています。Hyperthermは保守料の決め方と含まれるサービスを公開しています。金額が分からなくても、何にいくら払う構造なのかは把握できます。
見積もりを依頼する際は、本体、保守、ポストプロセッサ、モジュールの4つに分けて出してもらうのが確実です。特にポストプロセッサは使う加工機の台数と機種で変わるため、先に構成を確定させておく必要があります。
製品ごとの違いを機能面から整理したい場合は2D CAMの比較記事を、提供元の会社から見たい場合は2D CAMのメーカー記事をご覧ください。製品の一覧は2D CAM(板金・切断加工向け)のカテゴリページにまとめています。
2D CAM(板金・切断加工向け)のおすすめ製品
RADAN
Hexagon AB(Manufacturing Intelligence)
機械中立な板金CAMの定番
MACsheet IST
株式会社キャドマック
端材まで使い切る板取りに寄せた国産板金CAD/CAM
AP100(板金CAD/CAM)
株式会社アマダ
板金加工機メーカー純正のCAD/CAM
SigmaNEST
SigmaTEK Systems(Sandvik傘下)
歩留まり最適化に強いネスティングCAM
Lantek Expert
Lantek(ランテック)
多機種対応の板金・切断CAD/CAM
ProNest
Hypertherm Associates(ハイパーサーム)
切断加工向けのネスティングCAM
2D CAM(板金・切断加工向け)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| RADAN | Hexagon AB(Manufacturing Intelligence) | 要見積もり | 機械中立な板金CAMの定番 | 詳細を見る | |
| MACsheet IST | 株式会社キャドマック | 要見積もり | 端材まで使い切る板取りに寄せた国産板金CAD/CAM | 詳細を見る | |
| AP100(板金CAD/CAM) | 株式会社アマダ | 要見積もり | 板金加工機メーカー純正のCAD/CAM | 詳細を見る | |
| SigmaNEST | SigmaTEK Systems(Sandvik傘下) | 要見積もり | 歩留まり最適化に強いネスティングCAM | 詳細を見る | |
| Lantek Expert | Lantek(ランテック) | 要見積もり | 多機種対応の板金・切断CAD/CAM | 詳細を見る | |
| ProNest | Hypertherm Associates(ハイパーサーム) | 要見積もり | 切断加工向けのネスティングCAM | 詳細を見る | |
| BySoft CAM | Bystronic | 要見積もり | Bystronic機械専用の板金CAM | 詳細を見る | |
| TruTops Boost | TRUMPF | 要見積もり | TRUMPF板金加工機と一体のCAD/CAM | 詳細を見る |
よくある質問
Q2D CAMの価格は公式に分かりますか?
編集部が確認した範囲では、主要8製品のいずれも公式サイトに本体価格の金額を掲載していませんでした。アマダ、Lantek、SigmaNEST、Hypertherm、Bystronic、キャドマックの価格ページを想定したURLは404を返します。Bystronicだけは挙動が異なり、英語の価格ページにアクセスすると404ではなく日本語トップページへ転送されるため、ステータス上は200が返ります。導線はいずれも問い合わせか見積もり依頼に限られます。
Q買い切りとサブスクのどちらですか?
公式に確認できたのは2製品です。SigmaNESTは使用許諾契約で永久ライセンスと期間ライセンスの両方を定義しています。永久ライセンスは一時金を支払った初期バージョンを使う権利で保守は含まれず、期間ライセンスは期限が来ると自動終了し、更新時に値上げされる可能性があること、値上げは告知から60日後に有効になることが明記されています。ProNestは永久ライセンス、下位版のProNest LTはサブスクリプションです。残る6製品はライセンス形態の公式明記が確認できませんでした。
Qポストプロセッサは別料金ですか?
SigmaNESTの使用許諾契約では、ポストプロセッサが本体と別のライセンス対象として定義されています。工具経路データを特定のNC形式へ変換するソフトウェアと定義され、契約の内容がポストプロセッサにも準用されると書かれています。責任制限の条項でもソフトウェアとポストプロセッサのライセンスが並記されています。さらにポストプロセッサには保証が提供されないと明記され、サービスの定義にはポストプロセッサの開発が含まれます。使う加工機の種類と台数が増えれば必要な数も増えるため、見積もり時に別建てで出してもらう必要があります。
Q保守契約の費用はどう決まりますか?
Hyperthermが公式PDFで決め方を説明しています。保守料はソフトウェアの現行定価の小さな割合で設定され、購入額に応じて見積もりが出るとされています。期間は注文を受けてから12カ月で、多くの顧客が毎年更新しており更新は通常割引価格で提供されると記載されています。含まれるのは無制限の技術サポート、無制限のトレーニング、無償のアップデートとアップグレード、ナレッジベースへのアクセスです。SigmaNESTは永久・期間いずれも保守を含まないと定義しており、保守が切れると以降のバージョンは使えません。
QMACsheet ISTの料金表を見つけたのですが正しいですか?
ドメインを確認してください。MACsheet ISTを提供するのは株式会社キャドマックで、公式サイトはcadmac.netです。よく似たcadmac.jpは株式会社ネオシステムという別法人のサイトで、そこに掲載されている料金表はTaktoryというクラウド生産管理システムの価格です。MACsheet ISTの価格ではありません。同様にProNest LTの月額として流通している金額も、公式ページが現在ログイン画面へ転送されるため一次情報として確認できず、仮に正しくても対象は下位版になります。
