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用語解説#2D CAM#板金CAD/CAM#ネスティング

2D CAMとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

2D CAMとは、板金・切断加工でレーザーやパンチを動かすNCプログラムを作るソフトです。ネスティングなどの主な機能、メリット・デメリット、3D CAMとの違い、費用相場、導入に向いている企業までをわかりやすく解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
2D CAMとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

2D CAMとは、平面の部品データから、加工機を動かすNCプログラムを作るソフトウェアです。対象はレーザー・パンチ・プラズマなど、板から部品を切り出す加工機です。立体を削る3D CAMとは扱う加工が違います。

図面はあるのに加工データの作成が追いつかない。端材が多く出て、材料費が下がらない。こうした板金・切断加工の現場で導入が検討されます。この記事では、基礎知識からメリット・デメリット、主な機能、費用相場、向いている企業までを整理しました。

  • できること:平面形状の部品データから、レーザー・パンチ・プラズマなどの加工機用NCプログラムを生成します。
  • 中核となる機能:1枚の板に複数の部品を効率よく並べるネスティング(板取り)です。
  • 3D CAMとの違い:立体を削るのではなく、輪郭の切り出しと穴あけを扱います。
  • 効果が出る現場:多品種を扱い、材料費が原価に占める割合が高い板金・切断加工です。

板取りの手間や端材のロスに悩む現場ほど、導入効果が金額に表れます。まず自社の歩留まりと、加工データ作成の工数を数値で把握するところから始めましょう。


この記事でわかること

01

2D CAMとは

2D CAMは、板材から部品を切り出すための加工データとNCプログラムを作るソフトウェアです。CAMは、設計データを加工機が読める形へ変換する役割を担います。ここでは、何をするソフトか、どの加工機が対象か、導入前の現場の課題を押さえます。

板から部品を切り出す手順を作るソフト

CADで描いた部品の輪郭をもとに、切る順番と経路、穴の位置を決めるソフトです。それを、加工機が読めるプログラムへ変換します。

図面そのものを描くのではなく、平面形状を「板から切る手順」へ落とし込むのが役割です。CADが図面を作る道具なら、CAMは加工機を動かす指示を作る道具という関係です。

対象となる加工機の種類

扱う加工機は幅広く、レーザーやタレットパンチプレス、プラズマなどが挙げられます。ガス切断、ウォータージェット、複合機も対象です。

ただし、対応する加工機は製品ごとに違います。特定メーカーの機械を前提にした製品もあれば、複数メーカーを1つの環境で扱える製品もあります。自社の保有機にデータを出せるかが、絞り込みの最初の条件です。

手作業の板取りが抱えていた課題

以前は、板への部品配置を担当者が経験と手作業で行うのが一般的でした。部品数が少ないうちは柔軟に対応できます。

ところが多品種・短納期になると、配置の検討に時間がかかります。担当者ごとに歩留まりが変わる属人化も課題でした。2D CAMは板取りをデータとして残し、誰が作っても近い品質を再現できるようにする道具です。

編集部メモ:検討の前に、どの加工機の、どの工数と材料ロスを減らしたいかを1つに絞ってください。目的が曖昧なまま多機能な製品を入れると、費用だけが残りがちです。


02

2D CAMのメリット

2D CAMの導入効果は、多品種で材料費の比率が高い現場ほど大きく表れます。材料費・作業時間・ノウハウの3つの面で変化が出ます。

  • 材料費を抑えられる
  • 加工データ作成の時間を短縮できる
  • 板取りのノウハウが人に依存しなくなる

材料費を抑えられる

最大の利点は、自動ネスティングで歩留まりが上がり、材料費を抑えられることです。経験に左右されていた歩留まりが、計算で安定します。

扱う部品の種類が多いほど、組み合わせの余地が広がり、削減できる金額も大きくなります。端材を登録して次の加工に割り付けられる製品なら、新しい板を使う前に端材を消化できるでしょう。

加工データ作成の時間を短縮できる

毎回ゼロから板取りを考えていた時間が、条件を指定して自動配置させる作業に変わります。加工順序や切断条件も再利用できます。

効果が分かりやすいのは、新しい加工機のデータ作成が追いつかず、稼働率が上がらない場面です。急な差し込み注文の組み替えも短時間で済み、納期対応に余裕が生まれます。

板取りのノウハウが人に依存しなくなる

属人化していた板取りの判断を、ソフトの設定として残せます。担当者が変わっても近い品質を保ちやすくなるのが利点です。

熟練者が不在のときに加工が止まる事態も避けられます。新人の教育では、過去の板取りデータを見本に使えるので、口頭で伝えるより早く水準に近づけるでしょう。


03

2D CAMのデメリット

2D CAMは、導入すれば自動で最適な板取りができる道具ではありません。どちらも事前に手を打てる範囲なので、対処法とあわせて押さえておきましょう。

  • 使いこなすには加工の知識が要る
  • ライセンス以外の費用が発生する

使いこなすには加工の知識が要る

部品の優先順位や納期、板の在庫といった条件は人が設定します。条件を誤れば、自動ネスティングでも期待した歩留まりにはなりません。

多機能な製品ほど設定項目が多く、教育期間も要ります。

対処法:導入と同時に、担当者と教育の方法を決めておきます。まず1つの加工機や製品群に絞って立ち上げ、効果を確かめてから広げるのが現実的です。

ライセンス以外の費用が発生する

ライセンス費用に加え、加工機ごとのポストプロセッサの整備費用と、年間の保守費用がかかります。加工機を追加するたびに整備が要る場合もあります。

対処法:導入前に、現状の歩留まり、1部品あたりの作成時間、端材の量を数値で記録しましょう。削減できる金額を見積もってから判断すれば、過大な投資を避けられます。


04

2D CAMの主な機能

2D CAMが備える機能は、大きく次の4つです。製品ごとに作り込みの深さが違うため、比べる際もこの4つが軸になります。

  • ネスティング(板取り):1枚の板に複数の部品を、材料の無駄が少なくなるように並べる
  • 切断経路と加工順序の生成:どの順番で、どの経路で切るかを決める
  • 板金の展開:曲げた後の立体形状から、平らに開いた展開図を作る
  • NCプログラムの出力:加工機ごとの形式へ変換して出力する

それぞれの中身を見ていきましょう。

ネスティング(板取り)

1枚の板に複数の部品を、材料の無駄が最も少なくなるように並べる処理です。2D CAMの中核機能にあたります。

部品の回転を許すか、共通する辺を重ねて切るかといった条件を指定できます。自動配置の後に手作業で微調整することも可能です。端材を登録して次の加工に割り付ける機能は、製品によって対応に差があります。

切断経路と加工順序の生成

部品をどの順番で、どの経路で切るかを決める処理です。切り込みを始める位置や加工条件もここで設定します。

熱で材料が変形しないよう順番を組み、共通する辺をまとめて切って加工距離を縮めます。タレットパンチの場合は、どの形状をどの金型で打つかの割り当てが中心です。設定はテンプレートとして再利用できます。

板金の展開

曲げた後の立体形状から、平らに開いた展開図を作る処理です。この展開図がなければ、切り出す形状が決まりません。

板を曲げると伸びる分を見込んで寸法を計算します。伸びる量を左右するのは、材質・板厚・曲げ半径です。反映しないと、加工後の寸法が合わなくなります。3D CADの立体データから展開図を作れる製品もあります。

NCプログラムの出力

加工データを、加工機が読める形式のNCプログラムへ変換して出力する処理です。この変換を担う部分をポストプロセッサと呼びます。

書式は、加工機のメーカーや機種、制御装置によって違います。複数の加工機を持つ工場では、1つの部品データから機械ごとに出力し分けるのが一般的です。加工機を増やす際は、ポストプロセッサの追加や改修が要ります。


05

2D CAMの主な活用場面

2D CAMが使われるのは、板から部品を切り出す工程を持つ現場です。加工機の種類によって、担当者が求めるものが変わります。代表的な3つの場面を見ていきましょう。

レーザー加工機での切断

レーザー加工の担当者が、切断経路と加工条件を作る場面です。経路の取り方で、加工時間と切断面の品質が変わります。

求められるのは、熱による変形を抑える順序と、材質・板厚ごとの切断条件の管理です。新しいレーザー機を入れたのに、データ作成が追いつかず稼働率が上がらない。そんな現場では効果が見えやすいでしょう。

タレットパンチプレスでの打ち抜き

タレットパンチプレスは、金型を回転式の台に並べ、板を打ち抜く機械です。ここでは金型の割り当てが作業の中心になります。

金型の交換回数が増えるほど、加工時間は延びます。割り当ての巧拙が、そのまま生産性に響くわけです。パンチとレーザーを併せ持つ複合機では、どちらで加工するかの使い分けもまとめて行えます。

多品種少量の板金加工の段取り

中小の板金加工業で、形の違う部品を少人数で回している現場です。設計から展開、板取り、加工指示までを同じ担当者が担うことも珍しくありません。

効くのは、展開から加工データ作成までを一貫して扱える構成です。工程ごとにソフトを分けると、受け渡しで寸法の取り違えが起きやすくなります。自動ネスティングで検討を短縮できれば、段取りも速まります。


06

2D CAMの費用相場

2D CAMは公開価格を持つ製品がほとんどなく、個別見積もりが基本です。加工機の台数やメーカー、モジュールの構成で金額が変わります。加工機とセットで見積もられることもあります。ポストプロセッサの整備費用と年間の保守費用も、見積もりで確かめておきましょう。

対応加工機は、ITトレンドの2D CAM(板金・切断加工向け)カテゴリで比較できます。


07

2D CAMと3D CAMの違い

2D CAMは板から平面部品を切り出す加工を、3D CAMは材料を立体的に削る加工を扱います。この対象の違いが、入力データから中核機能までの差につながっています。

観点

2D CAM

3D CAM

主な加工

板金・切断(板から部品を切り出す)

切削(材料を立体的に削る)

対象の加工機

レーザー・パンチ・プラズマ・複合機

マシニングセンタ・旋盤・複合加工機

入力データ

平面の輪郭・板金の展開図

3次元の立体モデル

中核機能

ネスティング(板取り)・切断順序

工具経路生成・干渉チェック

重視される指標

歩留まり・材料費

加工時間・工具寿命・面品質

2Dと3Dは、優劣の関係ではありません。板金・切断が中心なら2D CAM、立体的な切削が中心なら3D CAMが合うというだけです。

両方の加工を行う工場では、用途に応じて使い分けることもあります。切削が中心なら、対応する軸数(2.5軸・3軸・5軸)を含めて3D CAMを検討しましょう。


08

2D CAMの導入が向いている企業・向いていない企業

2D CAMは、すべての加工現場に同じように効くわけではありません。板金・切断が中心か、多品種か、材料費の割合が高いかで、投資対効果が変わります。自社がどちらに当てはまるかを確かめてください。

2D CAMの導入が向いている企業

レーザーやパンチによる板金・切断が中心で、多品種の部品を扱う企業です。材料費が原価の大きな割合を占めるほど、歩留まりの改善が金額に表れます。

複数の加工機を持ち、機械ごとにデータを作り分けている工場も典型です。展開から加工までを少人数で回す中小の板金加工業にも向きます。新しいレーザー機の稼働率が上がらない企業も同様です。

2D CAMの導入が向いていない企業

部品の種類が少なく、同じ板取りを繰り返し使える企業では効果が出にくくなります。並べ方を工夫する余地が小さく、削減できる材料費も限られるためです。

加工機に付属する簡易ソフトで足りる範囲なら、高機能な製品は過剰になりやすいでしょう。切削加工が中心なら、そもそも必要なのは3D CAMです。迷ったら、まず付属ソフトで足りないかを確かめましょう。


09

まとめ

2D CAMとは、平面の部品データから加工機用のNCプログラムを作るソフトウェアです。対象は、レーザー・パンチ・プラズマなどの加工機です。中核は、1枚の板に部品を効率よく並べるネスティング(板取り)にあります。

最初に確かめるのは、自社の加工機に対応しているかどうかです。レーザーなら切断経路と順序、タレットパンチなら金型の割り当てと、担う範囲が変わります。

効果が大きいのは、多品種で材料費の比率が高い現場です。現状の歩留まりと作成工数を数値で記録し、対象を絞って確かめてください。対応加工機は2D CAM(板金・切断加工向け)カテゴリで確認できます。

2D CAM(板金・切断加工向け)比較表

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よくある質問

Q2D CAMと3D CAMの違いは何ですか?
A

2D CAMは板から平面部品を切り出す板金・切断加工向けで、輪郭の切断・穴あけとネスティングが中心です。3D CAMは材料を立体的に削る切削加工向けで、工具経路の生成や軸数対応が中心になります。対象の加工が異なるため優劣ではなく使い分けです。

Qネスティング(板取り)とは何ですか?
A

ネスティングとは、1枚の板に複数部品を材料の無駄が最も少なくなるよう並べる処理です。自動ネスティングで歩留まりを高め材料費を抑えられ、部品の種類が多いほど効果が大きくなります。端材を登録して再利用できる製品もあります。

Q2D CAMはどんな現場に向いていますか?
A

レーザーやパンチによる板金・切断が中心で、多品種を扱い材料費の比率が高い現場に向きます。逆に部品の種類が少なく同じ板取りを使い回せる現場や、立体切削が中心の現場では効果が出にくくなります。

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