ハンディターミナルメーカー10社の特徴|シェアの実態と事業再編の動き
ハンディターミナルの主要メーカー10社がどんな会社なのかを1社ずつ整理した記事。メーカー別シェアは公表データが存在せず、国内唯一の専用統計も2025年度で更新を終えている。自動認識を本業とする6社、端末以外が母体の国内3社という構成と、CT/CKシリーズのBrady Corporationへの移管、パナソニック コネクトと富士通フロンテックの現行品消滅までまとめる。

ハンディターミナルのメーカーを調べると、デンソーウェーブやキーエンスのような国内勢から、ZebraやCipherLabのような海外勢まで並びます。母体となる事業が違うため、端末の作りも供給の考え方も変わります。
この記事では、主要10社がどんな会社なのかを1社ずつ見ていきます。よく検索されるシェアの実態、各社の母体、この1〜2年で続いている事業再編までを会社単位で整理します。
記載内容は、各社の公式サイトと公式のプレスリリースを、編集部が2026年9月22日に確認したものです。販売終了や事業譲渡が相次いでいるため、検討時には最新の情報を確認してください。
- ハンディターミナルのメーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータは存在しない(2026年9月22日時点)
- CT/CKシリーズの事業は2026年8月3日付でハネウェルからBrady Corporationへ移っている
- パナソニック コネクトと富士通フロンテックは、日本向けの現行ハンディターミナルを持たない
この記事でわかること
ハンディターミナルの主要メーカー10社【早見表】
ハンディターミナルを手がけているのは、自動認識機器を本業とする会社だけではありません。ラベルプリンタやパソコンを母体とする会社も参入しています。まずは全体像を一覧で押さえます。
- 主要10社のうち、日本に本社を置くのはデンソーウェーブ・キーエンス・アイメックス・サトー・パナソニック コネクト・富士通フロンテックの6社
- 主要10社のうち、端末を自社で開発していないのはサトーの1社
- 主要10社のうち、日本向けの現行ハンディターミナルを持たないのは2社
メーカー | 本社 | 母体となる事業 | 主な製品 | 日本向けの現行品 |
|---|---|---|---|---|
株式会社デンソーウェーブ | 愛知県知多郡阿久比町 | 自動認識機器・FA機器 | BHTシリーズ/Xnavis | あり |
株式会社キーエンス | 大阪市東淀川区 | センサ・計測機器 | BT-Aシリーズ/DXシリーズ | あり |
アイメックス株式会社 | 東京都大田区 | 光学電子機器・産業用電子機器 | BW-220/BW-230 | あり |
Zebra Technologies Corp. | 米国イリノイ州 | 自動認識機器・サーマルプリンタ | TCシリーズ | あり |
Brady Corporation | 米国ウィスコンシン州 | 識別ソリューション | CTシリーズ/CKシリーズ | あり |
CipherLab Co., Ltd. | 台湾台北市 | 自動認識機器 | RKシリーズ/RSシリーズ | あり |
Unitech Electronics Co., Ltd. | 台湾新北市 | 自動認識機器 | HT730 Plus/EA660 | あり |
株式会社サトー | 東京都港区 | ラベルプリンタ・自動認識 | 他社端末の組み合わせ提供 | あり |
パナソニック コネクト株式会社 | 東京都中央区 | 現場向け機器・ソフトウェア | TOUGHBOOK(現行はタブレット) | なし |
富士通フロンテック株式会社 | 東京都稲城市 | 流通・金融向け端末 | Patioシリーズ | なし |
端末を自社で作っている会社と、そうでない会社
10社のうち9社は、自社で端末を開発しています。サトーだけは立ち位置が異なります。
サトーの公式サポートページには、他社メーカーのリーダーやハンディターミナルも保守対象だと明記されています。自社製はラベルプリンタで、ハンディ端末は他社製を組み合わせて提供する会社です。
日本向けの現行品がない2社
パナソニック コネクトと富士通フロンテックは、日本向けのハンディターミナルを現在は持ちません。どちらも撤退や事業移管が完了しています。
検索で古い製品ページにたどり着くことがあるため、検討候補に入れる前に現行品の有無を確認してください。詳しくは後半の事業再編のセクションで扱います。
海外勢は日本法人の有無で分かれる
Zebraにはゼブラ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社があり、Bradyが引き継いだCT/CKシリーズも日本ハネウェル株式会社が窓口を担ってきました。
ユニテックは日本法人のユニテック・ジャパン株式会社を持ちます。一方CipherLabは、公式サイトに日本向けの担当者名とメールはあるものの、登記社名や所在地の記載がありません。
ハンディターミナルのメーカー別シェアの実態
10社が並んだところで、どこが国内で最も使われているのかが気になります。ただしハンディターミナルには、メーカー別のシェアを示すデータがありません。
- 日本自動認識システム協会が公表するのは市場全体と分野別の合計金額のみで、メーカー別の内訳はない
- 電子情報技術産業協会のハンディターミナル出荷統計は、2025年度分をもって更新を終了している
- 公式に業界での地位を数値で主張しているのは、主要10社のうちZebraのみ
業界団体の統計は合計値しかない
一般社団法人日本自動認識システム協会の市場統計委員会は、会員企業を中心に104社から回答を集めています。2025年の自動認識機器の出荷金額は2,633億円で、前年比0.9%増でした。
ただし公開されているのは分野別の合計までです。ハンディターミナル単独の区分もメーカー別の内訳も公開されていません。
専用統計は2025年度で終了した
一般社団法人電子情報技術産業協会は、ハンディターミナル出荷統計を公開してきました。国内で唯一、この製品だけを対象にした出荷統計です。
2024年度は54,244台・84億99百万円、2025年度は15,597台・17億47百万円でした。ただし公式ページには更新を終了した旨が記載されており、2025年度分が最後になります。
この減少をそのまま市場の縮小と読むことはできません。参加はカシオ計算機・NECプラットフォームズ・シャープ・富士通フロンテック・デンソーウェーブ・キヤノン電子の6社で、キーエンスやZebraを含まないためです。
「シェアNo.1」の根拠を確かめる
Zebraは2026年2月12日の投資家向け資料で、エンタープライズモバイルコンピューティングで1位だと記載しています。ただし同じ資料が、根拠をVDCの調査と自社推計、公開財務情報としています。
デンソーウェーブとキーエンスの公式サイトを検索しても、シェアやNo.1という表現は出てきません。国内向けにシェアを数値で主張しているメーカーは、10社のなかにありません。
ハンディターミナルメーカーは母体となる事業で分かれる
順位で選べない以上、各社が何を母体としているかで整理するのが現実的です。母体の違いは、端末の設計思想と供給の続け方にそのまま出ます。
- 自動認識機器を本業とする会社は、読み取り性能と堅牢性の数値を細かく公開する傾向がある
- 端末以外を本業とする会社は、ラベル発行や基幹システム連携との組み合わせで提案する
- 台湾発の2社は、日本法人や代理店を経由した販売体制を取っている
自動認識を本業とする会社
デンソーウェーブ、キーエンス、アイメックス、Zebra、CipherLab、ユニテックの6社がここに当たります。読み取り距離やタグの処理速度といった数値を、機種ごとに公開しています。
Bradyが引き継いだCT/CKシリーズも、もとは自動認識を本業とする事業部門の製品です。落下高さやタンブル試験の回数まで公開する点が共通しています。
端末以外を本業とする会社
サトーはラベルプリンタ、パナソニック コネクトは現場向け機器、富士通フロンテックは流通・金融向け端末が母体です。端末単体ではなく、業務全体の仕組みとして提案してきました。
この3社のうち2社が日本向けの現行品を持たない点は、母体事業の優先順位が端末以外にあることの表れとも読めます。
この先はグループごとに見る
ここからは10社を3つのグループに分けて、1社ずつ見ていきます。まず自動認識を本業とする国内3社、次に海外発の4社、最後に端末以外が本業の国内3社という順です。
各社の情報は、いずれも編集部が2026年9月22日に公式サイトで確認したものです。
自動認識を本業とする国内のハンディターミナルメーカー3社
まずは国内で自動認識機器を手がける3社です。規模も狙う層も違いますが、読み取り性能と現場での耐久性を数値で示す点が共通しています。
- デンソーウェーブは機種別の保守終了年月を公開しており、他の9社にはない開示である
- キーエンスはハンディターミナルでUHF帯RFIDを扱わず、DXシリーズの役割だと切り分けている
- アイメックスの現行品はAndroid端末ではなく、モノクロ画面のデータコレクタである
株式会社デンソーウェーブ
AndroidのBHT-M80/M70/M60と、自社開発のBHT-OSを載せたBHT-S40/S30/1336/1500を持ちます。BHT-OSは従来機種との互換性を重視した独自OSで、アップデートパッチを継続供給しています。
BHT-M80はIP65とIP67に対応し、動作温度は-20〜50℃です。コンクリート上3.0mの落下に耐え、5,800mAhのバッテリーで約29時間動きます。UHF帯RFIDに対応するのはBHT-1408QUMWBで、0〜2mを最大700タグ毎秒で読みます。
この会社の特徴は保守情報の出し方にあります。機種ごとの保守終了年月を公開しており、BHT-1400とBHT-1300のWindows OSモデルは2031年2月までと示されています。何年使えるかを先に確認できる数少ないメーカーです。
株式会社キーエンス
AIを載せたトリプルカメラでOCRまで読むBT-A2000/A1000と、ロングレンジのBT-A800が主力です。バーコード化されていない日付や文字も読めるため、印字だけで運用している工程に入れやすい構成になっています。
BT-A800の読み取り距離は、細いバーで0〜4,400mm、太いバーで5〜6,500mmです。IP68に対応し、コンクリート上3.0m、プロテクタ装着時は4.0mの落下に耐えます。無線はWi-Fi 7相当で、5G対応はBT-A2000MとA1000Mに限られます。
注意したいのは製品系統の分かれ方です。BT-W300/W200はWindows Embedded Compact 7世代で、現在の主力はAndroidのBT-AとDXシリーズになります。UHF帯RFIDはBTシリーズでは扱わず、DXシリーズの役割だと公式に切り分けています。
アイメックス株式会社
現行はBW-230シリーズとBW-220シリーズ、BW-100BTです。Androidスマートフォン型の端末ではなく、バーコードを読んで貯めることに用途を絞ったデータコレクタという位置づけになります。
BW-220は1次元コードのみに対応し、2次元コードとRFIDは扱いません。画面はモノクロの96×64ドット、重量は110〜115gです。IP54で動作温度は-10〜40℃、バッチモデルで約16時間動きます。
1974年設立の自社開発・国内製造のメーカーで、ニッチ分野と特殊用途への特化を自ら掲げています。大手へのOEM供給と自社ブランド販売の両方を手がけ、CipherLab製のRK26も取り扱っています。
海外発のハンディターミナルメーカー4社
続いて海外に本社を置く4社です。日本メーカーにはない通信規格や長期供給の年数を公開している一方、日本での窓口の作りには差があります。
- ZebraのTC73/TC78は5年の製品供給と10年のサービス・サポートを公表している
- CipherLabのRK95は、発売後5年間の四半期ごとのセキュリティアップデートを保証している
- ユニテックのHT730 Plusは最大34時間の連続駆動を公表しており、10社のなかで最も長い
Zebra Technologies Corp.
6インチ級のTC22/TC27、TC53/TC58、TC73/TC78を軸に、新機種のTC201を加えた構成です。TC201はWi-Fi 7とBluetooth 6.0に対応し、内蔵のUHF帯RFIDをオプションで選べます。
TC73/TC78はIP65とIP68に対応し、室温で3.05m、-20〜50℃の範囲で2.4mの落下に耐えます。1.0mのタンブル試験は2,000回です。TC201の内蔵RFIDは1.2mまでを200タグ毎秒超で読みますが、アジア太平洋向けの供給は2027年第1四半期の予定です。
供給年数を数値で示す点がこの会社の強みです。TC73/TC78は5年の製品供給と10年のサービス・サポート、TC53eとTC58eは4年間の販売とさらに4年間のサポートを公表しています。機種ごとの最終サポートAndroidバージョンも一覧で公開されています。
Brady Corporation(CT/CKシリーズ)
CT37、CT47、CT45、CT30 XP、CK65、CK62を揃えます。CT47はFlexRange XLRを載せ、約7.6cmから24mまでを1台で読み分けます。
CT47はIP65とIP68に対応し、保護ブーツ装着時はコンクリート上3.0mの落下に耐えます。タンブル試験は0.5mで3,500回超です。CK65は7,000mAhで最大28時間動き、冷凍倉庫向けのCK65 CSは画面の霜付きを防ぐデフロスト機能を持ちます。
Androidの保証範囲を機種ごとに明記する点が他社と違います。CT37はAndroid 14から18まで、CT30 XPは11から13までを保証し、14と15への対応を表明しています。CK65にはGoogleの最終パッチ提供から最大2年のセキュリティ更新が付きます。
CipherLab Co., Ltd.
現行はRK96、RK95、RK26、RS38、RS36、RS20、RS10です。RK95は産業用の位置づけで、冷凍倉庫向けの仕様では-30〜50℃に対応します。
RK95はIP65に対応し、1.8m、ラバーブーツ装着時は2.4mの落下に耐えます。冷凍倉庫向けは5,500mAhで-30℃でも最低5時間動きます。RS36はIP65とIP68の両方に対応し、UHF帯RFIDをオプションで追加できます。
長期供給を年数で明記している点が特徴です。RK95には発売後5年間の四半期ごとのセキュリティアップデート保証が付きます。年数を明示した製品は、今回調べた10社のなかでこれだけでした。
Unitech Electronics Co., Ltd.
現行はHT730 Plus、HT730 Plus UHF、HT330、EA530、EA660、PA768です。HT730 PlusはAndroid 14を載せ、ロングレンジモデルで最大32mまで読みます。
HT730 PlusはIP67とIP65に対応し、1.8m、バンパー装着時は2.4mの落下に耐えます。6,700mAhで標準モデル最大34時間動き、寒冷地仕様は本体内蔵のヒーターで-30〜50℃に対応します。UHFモデルはImpinj E710を載せ、約25mを1,000タグ毎秒以上で読みます。
駆動時間の長さと低温対応が持ち味です。日本法人のユニテック・ジャパン株式会社が2001年8月に設立され、輸入販売と技術サポート、修理までを担当しています。
端末以外が本業の国内ハンディターミナルメーカー3社
最後に、ハンディターミナル以外を母体とする国内3社です。このうち2社は日本向けの現行品を持たないため、候補に入れる前提が他の7社と変わります。
- サトーは他社製の端末を横断して並べており、Android・独自OS・Windowsの28機種を扱う
- パナソニック コネクトのハンドヘルドは2025年12月のFZ-N1販売終了で現行品がなくなった
- 富士通フロンテックの該当事業は2026年4月1日付で富士通本体へ移管された
株式会社サトー
Android、独自OS、Windowsを横断して28機種を一覧に並べています。他社の主力機種を同じ表で比べられるため、1社の製品群に縛られずに機種を選べます。
扱う端末には、ZebraのTC53/TC58やキーエンスのBT-A2000Mが含まれます。デンソーウェーブのBHT-S30/S40、CipherLabのRK26も同じ一覧に並びます。自社製のラベルプリンタと組み合わせ、発行から読み取りまでをまとめて設計できる点が持ち味です。
保守は他社メーカーの製品も対象で、補修用性能部品は販売終了後5年間保有されます。ただし各機種の防塵防滴等級や落下高さは公式に掲載されていないため、仕様の比較は端末メーカー側で確認する必要があります。
パナソニック コネクト株式会社
TOUGHBOOKの現行ラインアップは、タブレットとノートPCの6機種のみです。ハンドヘルドのカテゴリ自体がなくなっています。
最後まで残ったFZ-N1は2025年12月に販売を終了しました。4.7型HDで約274g、標準バッテリーで約12時間、大容量で約19時間動く端末でした。IP66とIP68に対応し、210cmの落下試験と1mからの連続落下2,000回に耐える設計でした。
欧州や北米のサイトにはTOUGHBOOK N1の製品ページが残っており、日本と海外で状況が異なります。なお補修用性能部品の最低保有期間は製造打切後6年で、修理対応は国内のみと案内されています。
富士通フロンテック株式会社
公式サイトからハンディターミナルの製品ページが消えています。富士通が2025年12月23日に会社分割の契約締結を開示し、流通製品・流通関連サービス事業などが2026年4月1日付で富士通本体へ移りました。
移管直前の現行品はPatio720EとPatioPrinter/Sの2点でした。Patio720Eは10.1型WUXGAでWindows 10 IoTを載せ、約1,060g、4,900mAhで約7時間動きます。IP54に対応し、1.2mの落下に耐えます。
バーコードスキャナは本体内蔵ではなく、USBまたはBluetoothのオプションです。過去にはPatio100のリリースで、供給開始後5年間の販売とセンドバック方式での5年間保守を明記していました。
ハンディターミナルメーカーで続く事業再編
各社の顔ぶれが見えたところで、この分野でいま起きていることを押さえます。ハンディターミナルは5年以上使う機器ですが、この1〜2年で提供元の変更が相次いでいます。
- ハネウェルの該当事業は2026年8月3日付でBrady Corporationへの売却が完了している
- パナソニック コネクトと富士通フロンテックは、いずれも日本向けの提供を終えている
- デンソーウェーブのBHT-M80・M70・M60は、販売終了日が2027年3月31日と公示されている
CT/CKシリーズの提供元が変わった
ハネウェルは2025年7月8日に該当事業の戦略的選択肢の検討を発表しました。2026年4月20日にBrady Corporationへの売却を14億ドルの全額現金取引として発表し、2026年8月3日に完了しています。
ハネウェル本体も2026年6月29日に航空宇宙事業を分離し、オートメーション専業として発足しました。CT/CKシリーズをハネウェルの製品として紹介している資料は、現在の提供元と一致しません。
販売終了日が先に公示されている機種がある
デンソーウェーブのBHT-M80、BHT-M70、BHT-M60は、各製品ページに販売終了日が2027年3月31日と記載されています。製品一覧には現行品として並んでいるため、見落としやすい情報です。
ZebraもTC21とTC26を2025年2月28日、TC15を2026年3月19日に販売終了しています。いずれもサービス終了日は別に設定されており、TC15は2029年12月23日までです。
供給年数の考え方は会社ごとに違う
年数を公表するかどうかは会社によって分かれます。Zebraは機種別の供給年数とサポート年数、CipherLabはRK95のセキュリティ更新5年、Bradyは機種別のAndroid保証範囲を公開しています。
一方、デンソーウェーブは年数ではなく機種別の保守終了年月という形で示しています。年数の横並び比較はできないため、候補ごとにどの形で示されているかを確認してください。
ハンディターミナルメーカーが想定している企業規模
供給の続き方が見えたところで、次は各社がどの規模の現場を想定しているかです。編集部では製造業適合性スコアとして、製品ごとに5段階で評価しています。
- 中堅・中小製造業との相性が5点なのは、10製品のうちアイメックスの1製品のみ
- ユニテックとCipherLabが4点で続き、残る7製品は3点である
- 現場利用しやすさは10製品中6製品が4点で、会社ごとの差は小さい
小規模から始めやすい会社
中堅・中小製造業との相性は、予算や体制に対する導入のしやすさを見る軸です。アイメックスのBWシリーズが5点で最も高く、対象企業規模も中小と中堅に絞られています。
ユニテックとCipherLabが4点で続きます。どちらも台湾発でコスト性能比を持ち味とし、小規模からの導入にも対応する構成です。
中堅・大手を主戦場とする会社
キーエンス、Zebra、Brady、パナソニック コネクト、富士通フロンテックは、対象企業規模が中堅と大手です。多拠点の端末管理や長期の保守契約を前提とした作りになっています。
デンソーウェーブとサトーは中小から大手まで対象としています。ただし相性のスコアは3点で、小規模だけを想定した構成ではありません。
現場での使い勝手は差が小さい
現場利用しやすさは、工場現場での端末操作やUIのしやすさを見る軸です。10製品中6製品が4点、残る4製品が3点で、大きな開きはありません。
つまり操作性では会社選びの決め手になりにくいということです。想定している企業規模と、前のセクションで見た供給年数の方が判断に効きます。なおこのスコアは編集部の評価で、2026年9月時点の採点です。
ハンディターミナルメーカーを調べるときの注意点
最後に、ハンディターミナルのメーカーを調べるときに引っかかりやすい点をまとめます。この分野は現行品と終売品が同じ一覧に並びやすく、古い情報も残りやすくなっています。
- 統計の数値をそのまま市場規模として使うと、参加企業が限られているため実態とずれる
- 同じシリーズ名でもOSの世代が分かれている場合があり、一括りにできない
- 公式サイト内で数値が食い違っている会社があるため、出典を確認する必要がある
統計の数値を市場規模として使わない
電子情報技術産業協会の出荷統計は、2024年度から2025年度で台数が7割ほど減っています。ただしこれは市場の縮小ではなく、報告企業の減少や集計終了に伴う変化の可能性が高いと考えられます。
参加6社にはキーエンス、Zebra、Bradyが含まれていません。国内市場全体の規模としては使えない数値です。
シリーズ名だけで判断しない
キーエンスのBTシリーズは、Windows系のBT-WとAndroid系のBT-Aで世代が分かれます。仕様も用途も違うため、BTシリーズと一括りにすると実態を外します。
アイメックスのBWシリーズも同様です。現行のBW-220とBW-230はAndroid端末ではないため、他社のAndroidハンディと同じ表に並べると誤解を招きます。
公式サイト内の食い違いに注意する
Zebraは会社概要ページが約10,700人・57カ国、拠点ページが約9,900人・54カ国と記載しています。従業員数を引用するなら、どちらの出典かを明記する必要があります。
CT47のAndroid保証範囲も、データシートが16まで、製品ページが15までと食い違います。数値を使う前に、どのページのどの版数を見ているかを確認してください。
まとめ|ハンディターミナルメーカーの全体像
ハンディターミナルは、自動認識を本業とする6社、端末以外が母体の国内3社、そして事業を引き継いだBradyという構成の分野です。母体の違いが、供給の続け方と保守の示し方の違いになります。
メーカー別のシェアは公表されていないため、ランキングで選ぶことはできません。国内唯一の専用統計も2025年度で更新を終えており、今後は数字での比較がさらに難しくなります。
読み取り性能や堅牢性の数値は各社が細かく公開しているため、比較の材料には困りません。むしろ確認すべきは、その機種が何年買えて何年保守されるかです。
なお本記事の各社の情報は、編集部が2026年9月22日に各社の公式サイトとプレスリリースで確認したものです。販売終了や事業譲渡が続いているため、問い合わせ前に最新の状況を確認してください。
ハンディターミナルのおすすめ製品
デンソーウェーブ BHTシリーズ
株式会社デンソーウェーブ
QRコードの開発元が手がける国産定番ハンディターミナル
キーエンス BTシリーズ ハンディターミナル
株式会社キーエンス
カメラ式の高速・一括読取と遠隔管理に強い高機能ハンディ
Zebra TCシリーズ
Zebra Technologies(ゼブラ・テクノロジーズ)
5G/Wi-Fi6E対応とMobility DNAで大規模・多拠点運用に強い定番機
アイメックス ハンディターミナル(BWシリーズ等)
株式会社アイメックス
小型・軽量で扱いやすい国産の在庫・棚卸向けハンディ
Honeywell CT/CKシリーズ
日本ハネウェル合同会社
堅牢性と長時間運用に定評のあるグローバルモバイルコンピュータ
サトー ハンディ端末/ラベル連携ソリューション
株式会社サトー
ラベル発行・トレーサビリティと一体で運用できる自動認識ソリューション
ハンディターミナル比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| デンソーウェーブ BHTシリーズ | 株式会社デンソーウェーブ | 要見積もり | QRコードの開発元が手がける国産定番ハンディターミナル | 詳細を見る | |
| キーエンス BTシリーズ ハンディターミナル | 株式会社キーエンス | 要見積もり | カメラ式の高速・一括読取と遠隔管理に強い高機能ハンディ | 詳細を見る | |
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| サトー ハンディ端末/ラベル連携ソリューション | 株式会社サトー | 要見積もり | ラベル発行・トレーサビリティと一体で運用できる自動認識ソリューション | 詳細を見る | |
| ユニテック HT730 ほかAndroidハンディ | ユニテック・ジャパン株式会社 | 要見積もり | コストパフォーマンス重視の物流・製造向けAndroidハンディ | 詳細を見る | |
| パナソニック TOUGHBOOK ハンドヘルド | パナソニック コネクト株式会社 | 要見積もり | 国産の堅牢モバイルでハンディ〜タブレットを現場環境に最適化 | 詳細を見る | |
| CipherLab RK/RSシリーズ | サイファーラボ(CipherLab) | 要見積もり | コスト重視で世界展開する物流・製造向けAndroidハンディ | 詳細を見る | |
| 富士通フロンテック ハンディターミナル | 富士通フロンテック株式会社 | 要見積もり | 流通・製造・物流向けの国産ハンディと現場運用支援 | 詳細を見る |
よくある質問
Qハンディターミナルの主要メーカーはどこですか?
主要なメーカーは10社です。自動認識機器を本業とするのが株式会社デンソーウェーブ(BHTシリーズ)、株式会社キーエンス(BT-Aシリーズ)、アイメックス株式会社(BW-220/BW-230)、Zebra Technologies Corp.(TCシリーズ)、CipherLab Co., Ltd.(RK/RSシリーズ)、Unitech Electronics Co., Ltd.(HT730 Plus)の6社です。ほかに、CT/CKシリーズを引き継いだBrady Corporation、ラベルプリンタが母体の株式会社サトー、現行品を持たないパナソニック コネクト株式会社と富士通フロンテック株式会社があります。
Qハンディターミナルのメーカー別シェアはどこで分かりますか?
メーカー別シェアを示す公的・業界団体のデータはありません。一般社団法人日本自動認識システム協会が公開しているのは市場全体と分野別の合計金額のみで、2025年の自動認識機器の出荷金額は2,633億円です。一般社団法人電子情報技術産業協会のハンディターミナル出荷統計は機種形態別の内訳を持ちますが、参加が6社に限られるうえ、2025年度分をもって更新を終了しています。
Qハンディターミナルは何年くらい買えて、何年保守されますか?
会社によって示し方が違います。ZebraはTC73/TC78について5年の製品供給と10年のサービス・サポート、TC53eとTC58eについて4年間の販売とさらに4年間のサポートを公表しています。CipherLabのRK95には発売後5年間の四半期ごとのセキュリティアップデート保証が付きます。デンソーウェーブは年数ではなく機種別の保守終了年月を公開しており、BHT-1400は2031年2月までとしています。なおBHT-M80・M70・M60には販売終了日として2027年3月31日が公示されています(2026年9月22日時点)。
QハネウェルのCT/CKシリーズは今も買えますか?
提供元が変わっています。ハネウェルは2026年4月20日にProductivity Solutions and Services事業のBrady Corporationへの売却を14億ドルの全額現金取引として発表し、2026年8月3日に完了しました。製品自体は継続していますが、ハネウェルの製品として紹介している資料は現在の提供元と一致しません。問い合わせ先を確認してから検討を進めてください。
Qパナソニックや富士通のハンディターミナルはどうなりましたか?
どちらも日本向けの現行品がありません。パナソニック コネクトはTOUGHBOOKのハンドヘルドを終了し、最後まで残ったFZ-N1が2025年12月に販売終了となりました。現行ラインアップはタブレットとノートPCの6機種のみです。富士通フロンテックは、富士通が2025年12月23日に開示した会社分割により、流通製品・流通関連サービス事業などが2026年4月1日付で富士通本体へ移管されています。
