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選び方・ノウハウ#予知保全#故障予測#選び方

予知保全システムの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

予知保全システムの選び方を、目的別・部門別・企業規模別に整理しました。後付けセンサー型など3つの種類、守る設備と故障モードから始める5つの選定ポイント、主要10製品の比較表、失敗しないための注意点まで解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
予知保全システムの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

予知保全システムは製品名を調べても、選ぶ段階で手が止まりがちです。理由は、どの軸で測れば自社の設備に合うかが整理されていないためです。デモで見た高度なAIに惹かれて契約し、後からセンサー配線や既存PLCとの接続でつまずく例が繰り返されています。この記事では、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品名を覚える前に、まず守りたい設備と捉えたい故障を決めましょう。

  • 守る設備と狙う故障モードを先に一文で決める
  • 兆候が出る物理量から、必要なセンサーと取得方式を選ぶ
  • 分析手法は、自社に溜まっているデータ量に合わせる
  • 既存PLC・SCADAとの連携とアラートの運用フローを確認する
  • 最後に3年分の総額と、回避できる停止損失で採算を見る

予知保全システムの選定は、対象設備と故障モードを整理すると、候補となるタイプを絞り込みやすくなります。そのうえで残りの軸を順に確認すれば、候補を2〜3製品まで比較しやすくなります。


この記事でわかること

01

予知保全システムの基礎知識

選び方に入る前に、予知保全システムが何を担うのかを押さえます。ここが曖昧なままだと、必要のない機能に費用を払うことになりかねません。3点に絞って確認しましょう。

予知保全システムが担う役割

予知保全システムは、設備の状態をセンサーで監視し、劣化の兆候を捉えるためのシステムです。振動・温度・電流といったデータを集め、正常な状態からの外れを検知します。

検知した結果は、部品交換や点検の計画へ反映させる使い方が基本です。守る対象は、モーターやポンプなどの回転機、工作機械の主軸、生産ライン全体の稼働データと幅があります。狙う故障によって、必要なデータの種類も変わってきます。監視の対象は、工場全体ではなく止まると困る設備から選ぶのが基本でしょう。

予防保全・事後保全との違い

予防保全は、時間や稼働量を基準に一定周期で部品を交換する方式です。まだ使える部品も交換するため、過剰整備になりやすい弱点があります。事後保全は壊れてから直す方式で、突発停止の損失を避けられません。

予知保全は、状態を見て必要なときだけ手を打つ方式です。突発停止と過剰整備の両方を抑えられます。劣化の兆候を検知してから部品を手配するため、交換の時期を状態に合わせられます。ただしセンサー設置とデータ運用の体制が要る点は、事前に見込んでおいてください。

選定でつまずきやすい理由

予知保全システムは製品数が多く、どれも高度なAIをうたいます。カタログ上の差は読み取りにくいのが実情です。実際に差が出るのは、狙う故障の兆候を取れるか、既存設備からデータを出せるかという運用面です。

この部分はカタログに載りません。だからこそ、守りたい設備と捉えたい故障を先に決め、その条件で製品を見る順序が要ります。順序を逆にすると、PoCのまま止まりやすくなります。自社の設備で狙った物理量を取れるかを、先に確かめておいてください。

編集部コメント:製品を先に見ると、AIの機能の多さで判断してしまいがちです。どの設備のどの部位が、どのように壊れるのかを先に書き出してみてください。それだけで必要な条件が絞り込まれます。予知保全そのものの考え方は、予知保全の解説記事で扱っています。


02

予知保全システムの種類

予知保全システムは、データをどこから取るかで3つに分かれます。この分類は、そのまま候補の絞り込みに影響します。まず全体像をつかみましょう。

  • 後付けセンサー型
  • 既存データ活用型
  • 製造IoTプラットフォーム型

後付けセンサー型

設備に振動や温度のセンサーを貼り付け、ゲートウェイ経由でデータを集める構成です。既存設備を改造せずに始められるため、古い設備が多い工場でも取り組みやすくなります。

回転機の軸受劣化やアンバランスを狙う場合、この型が適しているでしょう。ただし設置箇所や固定方法、サンプリング周期で精度が変わります。配線工事を抑えたい場合は、無線で送る構成も選択肢に入ります。対象を数台に絞って効果を確かめてから、台数を広げてください。

既存データ活用型

設備が元から持つPLCやインバーターのデータを吸い上げ、分析へ回す型です。電流値やトルク、アラート履歴といった既存の値を使うため、追加の配線を抑えられます。

ノーコードで予測モデルを作れる汎用の分析ツールも、この型に含まれます。専任のデータ人材がいない現場でも、手元のデータで小さく試せる点が利点です。一方で、必要な物理量が既存データに無ければ予兆は出ません。どこまで既設のデータで賄い、どこに新規センサーを足すかの線引きが要ります。

製造IoTプラットフォーム型

データの収集・蓄積・分析・可視化を、同一の基盤でまとめて扱う型です。予知保全だけでなく、生産や品質のデータ活用まで広げたい企業が対象になります。

複数拠点の設備を横断して監視する用途にも向きます。その代わり導入はプロジェクト規模になり、専任の担当と期間が必要です。比較表で多拠点対応の評価が高い製品は、この型に多く含まれます。まず1ラインで試したい段階には重すぎるため、体制と目的を見てから選んでください。


03

【目的別】予知保全システムの選び方

同じ予知保全システムでも、何をしたいかで優先すべき軸が変わります。製造業でよくある3つの目的を取り上げました。自社に近いものから読んでください。

回転機の突発停止をまず減らしたい

モーターやポンプ、ファンの軸受劣化を狙うなら、振動と温度を取る構成から入ります。後付けセンサーで始められ、兆候と物理量の対応もはっきりしている領域です。

振動だけでなく温度も併せて見ると、兆候の判断がしやすくなります。止まると代替の効かない設備を数台選び、そこから広げてください。回転機向けの分析知見をあらかじめ備えたサービスなら、立ち上げの期間を短縮できます。全設備を一度に監視する計画にはしないほうが確実です。

ライン全体の異常を広く捉えたい

狙う故障を一つに絞れない多品種や連続プロセスでは、異常検知を広く掛ける方向になります。多数のセンサー値の関係が崩れた点を、異常として拾う考え方です。

この目的では、扱えるセンサー点数と、既存の収集経路に載せられるかが判断材料になります。対象が多いぶん、誤報の頻度をどう抑えるかも確認しておきたい点です。特定部位の余寿命まで分かるわけではありません。まず異常を拾い、原因の切り分けは保全の知見と組み合わせてください。

蓄積データで予兆が見えるか試したい

すでに稼働データや故障履歴が手元にあるなら、まず分析で予兆が見えるかを確かめます。この段階では、センサーを増やすより既存データを使うほうが早く結論が出ます。

ノーコードで予測モデルを作れるツールなら、担当者だけで検証を回せる点が利点です。見えた領域から対象を広げる進め方なら、過剰投資も避けられるでしょう。予兆が出なければ、必要な物理量を足す判断に移ります。故障履歴が少なくても、正常時のデータがあれば異常検知から着手できます。


04

【部門別】予知保全システムの選び方

誰が使うかによっても、重く見る条件は変わります。予知保全に関わる3つの部門で整理しました。複数部門にまたがる場合は、条件の厳しいほうに合わせます。

保全・設備部門

アラートを受けて実際に動く部門なので、画面の見やすさと運用導線が最優先になります。検知結果から点検項目や部品手配へつながる形かを確かめてください。

誰がどの基準で判断するかが決まっていないと、警報は次第に無視されます。判断フローを導入と同時に設計できるかは、支援の範囲としてベンダーに確認したい点です。日常的に見続けられる画面かどうかが、定着を分けます。現場の端末から確認できるかも、運用のしやすさに響いてきます。

生産技術部門

設備の立ち上げや改造を担う部門なので、センサーの設置方法と既存制御盤への影響を見ます。取り付け位置や固定方法で精度が変わるため、実機での検証が欠かせません。

設備の停止時間を確保できるかどうかも、設置計画では見込んでおきたい条件です。設備ごとに年式も制御環境もばらつきます。後付けセンサーで取る設備と、既存データを吸い上げる設備を組み合わせる前提で要件を整理してください。後からの追加工事を抑えられます。

情報システム・DX推進部門

データの経路とセキュリティが主な論点になります。制御側と情報側の境界をどう設計し、クラウドへ出す場合にどの経路を通すかを早い段階で決めてください。

分析のための通信が、生産系のネットワークを圧迫してはいけません。クラウドへ出さず工場内で処理する構成を選べるかも、確認点になります。対応プロトコルや標準規格への対応も、確認しておきたい条件です。全社展開を見据えるなら、拠点をまたいだ管理のしやすさもあわせて見ます。


05

【企業規模別】予知保全システムの選び方

規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。専任担当の有無、拠点数、稟議の通し方の3点です。自社の体制に近いところを見てください。

中小企業

専任のデータ人材も保全の専属担当も置けない前提で選びます。比較表でも中小適合が5の製品は限られ、多くは中堅以上を想定した構成になっています。

比較表の価格モデルを見ると、多くが個別見積もりである点も押さえておきましょう。まず止まると困る設備を1台か2台に絞り、手元のデータで小さく検証してください。初期設定や導入支援をどこまで頼めるかも確認したい点です。運用を担う人が兼務になる以上、手間の少ない構成を優先します。

中堅企業

複数ラインや2拠点目への横展開が視野に入る規模です。台数が増えるほどランニング費用も積み上がるため、契約形態を先に読んでおく必要があります。

保全の担当者は置けても、データ分析の専任までは難しい場合が多くなります。モデルの調整までベンダー側で支援してもらえるかも、確認したい条件です。拠点をまたぐ判定基準の標準化も、この規模から影響が大きくなります。1拠点で効果を確かめてから、同じ基準で2拠点目へ移す進め方が無難でしょう。

大企業

多拠点の設備を横断して監視し、保全の基準を揃える段階に入ります。比較表で多拠点対応の評価が高い製品群が、主な候補になります。

稟議では単価より、3年分の総額と回避できる停止損失が判断材料になるでしょう。既存の制御基盤や生産システムとの連携範囲も、判断を左右する条件です。海外拠点まで含める場合は、現地でのサポート体制の範囲も事前に確かめてください。全社一斉ではなく、代表ラインから段階展開する進め方が現実的でしょう。


06

自社に合った予知保全システムの選定ポイント

目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な条件に落とし込みます。ここからは順番が大切です。上から順に確認すると、手戻りが減ります。

  • 守る設備と狙う故障モードを決める
  • 兆候が出る物理量とセンサーを選ぶ
  • 分析手法を自社のデータ量に合わせる
  • 既存PLC・SCADAとの連携を確かめる
  • PoCの評価項目と3年分の総額を決める

守る設備と狙う故障モードを決める

最初に決めるのは、どの設備を止めたくないかです。代替が効かない設備、復旧に時間がかかる設備、突発故障の実績がある設備から優先順位をつけます。設備が止まったときの1時間あたりの損失も、この段階で見積もっておきます。

次に、その設備のどの部位がどう壊れるかを書き出してください。どの部位が、どう壊れ、どんな物理量に兆候が出るかを一文で書けるかが最初の関門です。ここが曖昧なまま製品を見ると、評価軸がぶれます。

兆候が出る物理量とセンサーを選ぶ

狙う故障モードが決まったら、その兆候が現れる物理量を選びます。軸受劣化なら振動と温度、モーターの負荷異常なら電流、エア漏れや異音なら音響が対応します。

対応を外すと、どれだけデータを集めても異常は捉えられません。既存のPLCやインバーターから取れる値がないかも、あわせて確認します。必要十分な物理量に絞り、足りなければ後から追加する設計にしてください。全部のセンサーを付ける発想は、費用と運用の負荷を押し上げます。

分析手法を自社のデータ量に合わせる

分析手法は、異常検知と余寿命予測の2つに大きく分かれます。異常検知は正常時のデータから外れを見つける方式で、故障事例がほとんど無くても始められます。多くの現場では故障データが乏しいため、まず異常検知から入るのが現実的です。

余寿命予測は、劣化の進行と故障に至った履歴が一定量ないと精度が出ません。自社にどちらのデータが揃っているかを棚卸ししてから選んでください。誤報と見逃しの調整が続く点も、運用工数として見込みます。

既存PLC・SCADAとの連携を確かめる

取得したデータが保全担当の画面まで届くかを、選定の段階で確かめます。PLCの対応プロトコル、OPC UAなど標準規格への対応、既存ネットワークへの影響が確認点です。

ここが弱いと、データは溜まるのに現場の判断に使われないまま終わります。接続実績のある設備の種類も、商談の段階で確認しておきたい点です。古い設備が多い工場では、後付けセンサーと既設データの併用になります。設備ごとに経路を整理しておいてください。

PoCの評価項目と3年分の総額を決める

1ラインや数台から検証できる契約形態かを確認し、PoCの合格ラインを先に決めます。データ取得の安定性、既知の不調を捉えられたか、誤報の頻度、運用導線の4点が評価項目です。検知できても現場が動けなければ意味がないため、運用導線まで評価項目に含めておきます。

費用は初期費用とソフトウェア利用料、運用工数の3つを積み上げ、3年分の総額として把握します。その額を、回避できる停止損失と比べて採算を判断してください。


07

【比較表】予知保全システムの主要製品

製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。予知保全・品質管理・多拠点対応・中小適合の4つを、5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。下へ向かうほど、想定する企業規模と導入の重さが上がります。評価が設定されていない項目には「-」を入れました。

順位

製品

提供元

予知保全

品質管理

多拠点対応

中小適合

価格モデル

1

Prediction One

ソニーネットワークコミュニケーションズ

3

3

3

5

クラウド版サブスク(デスクトップ版あり)

2

OMRON i-BELT / AI予知保全ライブラリ

オムロン

5

4

3

3

コンサル込みの総合見積もり

3

Impulse

ブレインズテクノロジー

5

4

5

2

サブスクリプション(規模で変動)

4

Lumada Manufacturing Insights

日立製作所

5

4

5

2

大規模プロジェクト・見積もり制

5

Senseye Predictive Maintenance

シーメンス

5

3

5

2

サブスクリプション(設備数で変動)

6

NEC Advanced Analytics インバリアント分析

日本電気

5

3

4

2

永久ライセンス400万円〜(税別・公表価格)

7

COLMINA 現場品質AI

富士通

4

4

4

2

テナント単位 月額64,800円/設備単位 月額36,000円(2021年発売時の公表価格)

8

Aspen Mtell

AspenTech(Emerson傘下)

4

2

aspenONE包括契約・個別見積もり

9

AVEVA Predictive Analytics

AVEVA(Schneider Electric傘下)

4

2

AVEVAスイート契約・個別見積もり

10

OpreX Asset Health Insights

横河電機

4

2

対象機器数・センサー連携で個別見積もり

中小適合が5なのは1製品だけで、多くは2にとどまります。予知保全は、止まると損失の大きい重設備を守る技術です。センサー設置とデータ蓄積には、相応の体制が要ります。対象設備や規模で絞り込む場合は、予知保全・故障予測システムのカテゴリページが便利です。製品ごとの詳しい比較は予知保全システムの比較記事で扱っています。


08

予知保全システムの選び方で失敗しないための注意点

導入でつまずく組織には共通したパターンがあります。事前に知っておけば、稟議の段階で対策をあわせて示せるでしょう。よくある4つを回避策とともに挙げます。

目的を決めずに製品から入る

狙う設備と故障モードを決めないまま、デモで見たAIの機能に惹かれて契約するパターンです。何の予兆を捉えたいのかが曖昧なため、効果の判定もできません。デモの評価軸が自社の設備と合っているかを、まず確かめます。

回避策:対象設備・故障モード・捉えたい物理量を一文で言語化してから、製品選定に入ってください。この一文が書けない段階では、まだ比較に進む時期ではありません。契約後に対象設備を決め直すと、センサー構成から組み直しになります。

センサーが過剰、または不足する

大量のセンサーを付けて初期費用が膨らむか、逆に必要な物理量を取らずに予兆が出ないパターンです。どちらも設置後に気づくため、やり直しの負担が重くなります。設置してからやり直すと、工事費と停止時間が二重にかかります。

回避策:狙う故障モードに必要十分な物理量へ絞ってください。どの物理量なら兆候が出るかは、実機のデータで確かめるほかありません。PoCでデータの品質を実機検証してから、台数と点数を決めます。足りなければ後から追加する設計にします。

データが現場に届かず孤立する

分析サーバーにデータは溜まるのに、現場の画面とつながっていないパターンです。既存のPLCやSCADA、保全担当の端末と接続できていない状態です。誰も見ない画面になり、検知結果が保全計画へ反映されません。

回避策:選定の段階で、連携方式とアラートの表示導線まで要件に含めてください。情報システム部門との擦り合わせを後工程に回さないことも、あわせて大切です。OPC UAなど標準規格に対応しているかは、要件として書き出しておきます。

アラートの対応フローが無い

警報は鳴るのに、誰が何を点検するかが決まっておらず、やがて無視されるパターンです。検知の精度が高くても、行動につながらなければ停止は減りません。誰が一次対応し、どこから保全部門へ上げるかを決めておきます。

回避策:検知から点検、部品手配、保全計画への反映までの担当と判断基準を決めてください。アラートのしきい値も、運用しながら見直す前提で決めます。運用ループとして稟議に組み込んでおくと、導入後の形骸化を防げます。


09

まとめ

予知保全システムの選定は、守りたい設備と狙う故障モードの特定から始まります。この2点を整理すると、必要な構成を絞り込みやすくなるためです。種類は後付けセンサー型・既存データ活用型・製造IoTプラットフォーム型の3つに分かれます。

方向が定まったら、5つの条件を順に確認します。対象設備と故障モード、物理量とセンサー、分析手法、既存連携、PoCと3年分の総額です。よくある失敗は、目的不在・センサーの過不足・データ孤立・運用断絶の4つといえます。

費用の内訳は予知保全の費用の解説記事、導入の効果は予知保全の導入事例の解説記事で扱っています。

予知保全・故障予測システム比較表

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よくある質問

Q予知保全と予防保全はどう違いますか?
A

予防保全は時間や稼働量を基準に一定周期で部品交換・点検を行う方式で、まだ使える部品も交換するため過剰整備になりがちです。予知保全は設備の状態をセンサーで監視し、劣化の兆候を検知して必要なときに手を打つ方式です。突発停止と過剰整備の両方を抑えられる一方、センサー設置やデータ運用の体制が必要になります。

Q予知保全システムの導入費用はどのくらいかかりますか?
A

費用は初期費用(センサー・ゲートウェイ・設置工事・初期設定)、月額または年額のソフトウェア利用料、運用工数の3つで構成され、対象設備の台数とセンサー点数で大きく変動します。一律の相場を当てはめるより、自社の対象台数で初期費用と3年分のランニングを積み上げた3年TCOとして把握し、回避できる停止損失と比較してROIを判断するのが実務的です。

Q故障の履歴データがなくても予知保全は導入できますか?
A

可能です。正常時のデータから外れを見つける異常検知の手法は、故障事例がほとんどなくても始められます。多くの現場では故障データが乏しいため、まず異常検知から入るのが現実的です。一方、あと何日で壊れるかを推定する余寿命予測は、劣化の進行と故障に至った履歴データが一定量ないと精度が出にくいため、データの蓄積状況に応じて段階的に取り組みます。

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