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選び方・ノウハウ#電磁界解析#磁場解析#選び方

電磁界解析・磁場解析ソフトの選び方|7軸の選定フレームワークでモーター・電機設計の失敗を防ぐ

電磁界解析・磁場解析ソフトを選ぶ7軸(解析対象・ソルバー方式・マルチフィジックス連携・CAD/回路連携・最適化AI・習得性サポート・ライセンスコスト)のフレームワークを解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
電磁界解析・磁場解析ソフトの選び方|7軸の選定フレームワークでモーター・電機設計の失敗を防ぐ

この記事でわかること

01

電磁界解析ソフトの選定で設計者が止まる理由

電磁界解析・磁場解析ソフトの選び方で多くのモーター・電機設計者が止まるのは、製品名は知っていても「自社の解析対象に対してどの軸で評価すれば外さないか」のフレームワークがないためです。検索すると「電磁界解析とは」の用語解説か、特定ベンダーの製品紹介ばかりが並び、解析対象とソルバー方式から逆算して候補を絞る視点が抜け落ちています。低周波のモーター設計に強いソフトと、高周波のアンテナ・EMC解析に強いソフトは、そもそも内部のソルバー方式が違うため、ここを取り違えると導入後に「狙った解析が回らない」事態になります。

この記事は電磁界解析・磁場解析ソフトを選ぶうえで外せない7軸(解析対象・ソルバー方式と精度・マルチフィジックス連携・CAD/回路連携・最適化とAI・習得性と日本語サポート・ライセンスとHPCとコスト)を順に整理し、用途別の出発点、導入の進め方、費用、典型的な失敗パターンと回避策まで踏み込みます。個別製品のスペック比較表は別記事「電磁界解析・磁場解析ソフト比較」で扱うため、本記事は製品を横並びにせず、選定フレームワークそのものに特化します。用語の定義を先に確認したい場合は「電磁界解析とは」を、製品一覧は電磁界解析・磁場解析ソフトのカテゴリページを参照してください。

結論:最初に決めるべきは「解析対象(低周波モーター/高周波アンテナ・EMC)」と「すでに社内にあるCAE・CADエコシステム」の二つです。この二点でソルバー方式の系統がほぼ決まり、そのうえでマルチフィジックス連携・CAD/回路連携・最適化/AI・習得性/日本語サポート・ライセンス/HPC/コストを順に確認すれば、候補は2〜3製品に絞れます。低周波モーター主体なら国内事例の厚い専用系、高周波アンテナ・EMC主体なら高周波ソルバーを持つ系、設計者自身が手早く回したいなら設計者向けCAE、という分岐が出発点です。本記事の7軸を上から評価し、最後に3年TCOで稟議の数字を組み立てるのが、手戻りを最小化する選び方です。

02

選定フレームワーク全体像

電磁界解析・磁場解析ソフトの選定は、七つの軸を上から順に評価すると漏れと手戻りが減ります。解析対象→ソルバー方式と精度→マルチフィジックス連携→CAD/回路連携→最適化とAI→習得性と日本語サポート→ライセンスとHPCとコストの順で各軸を確認し、候補を2〜3製品に絞り込んでから比較記事に進む流れです。編集部はこの解析対象・ソルバー方式と精度・マルチフィジックス連携・CAD/回路連携・最適化とAI・習得性と日本語サポート・ライセンスとHPCとコストという7軸の観点で整理しました。

選定軸

確認内容

失敗時の影響

解析対象

低周波モーター・磁場か、高周波アンテナ・EMCか、両方か

対象外の物理を選びソルバーが目的に合わない

ソルバー方式と精度

FEM・MoM・FDTDのどれを持つか、検証事例と精度

狙った周波数帯で精度や計算効率が出ない

マルチフィジックス連携

熱・構造・振動など他物理との連成可否

損失起因の温度上昇や騒音を評価できない

CAD/回路連携

使用中CAD・回路シミュレータとの連携

形状変更や駆動条件の反映に手戻りが発生

最適化とAI

パラメータ最適化・AIサロゲートの有無

設計探索が手作業になり工数が膨らむ

習得性と日本語サポート

テンプレート・教育・国内サポート体制

立ち上げが長期化し定着しない

ライセンスとHPCとコスト

ライセンス形態・並列計算・3年TCO

運用継続が予算を圧迫する

編集部コメント:7軸は独立ではなく、上流の軸ほど後戻りのコストが大きい順に並べています。とりわけ「解析対象」と「ソルバー方式」を曖昧にしたまま価格や知名度で選ぶと、後から系統ごと乗り換える事態になりやすい点に注意してください。

03

解析対象の見極めがすべての起点

解析対象の見極めが選定の出発点です。電磁界解析は大きく、低周波(モーター・トランス・電磁アクチュエータ・磁気回路)と高周波(アンテナ・高速基板・EMC/EMI・電波伝搬)に分かれ、必要なソルバーと得意製品が異なります。まず自社の主用途がどちらに寄るかを言語化します。

低周波のモーター・電機設計が主目的なら、回転機の損失・トルク・効率を精度よく求められる専用系が候補になります。JMAGは国内モーター設計の事実上の標準として圧倒的な事例と材料データベースを持ち、Altair Fluxもモーター・アクチュエータ向けに強みがあります。Ansys Maxwellは低周波電磁界ソルバーとしてAnsysエコシステム内での連成がスムーズです。

高周波のアンテナ・EMC/EMIが主目的なら、CST Studio Suiteが高周波領域とEMC/EMIの定番で、アンテナや電波伝搬の解析に向きます。逆に高周波解析を主用途外とする製品でモーター向けに最適化された系を選ぶと、目的の解析が回らないため、ここで方向を取り違えないことが最重要です。

両方を一定レベルで扱いたい、あるいは設計者自身が手早く回したい場合は、Femtetのように複数の物理現象を一つのライセンスで扱える設計者向けCAEが選択肢になります。ただし大規模な非線形動解析や専用モーターテンプレートでは専用系に劣る領域がある点は前提にしてください。

04

ソルバー方式と精度の確認

解析対象が定まったら、その対象に適したソルバー方式を製品が持っているかを確認します。電磁界解析の主要なソルバーは、汎用性が高く低周波から構造の複雑な問題まで扱えるFEM(有限要素法)、開放領域のアンテナ放射に向くMoM(モーメント法)、広帯域の時間応答やEMCに向くFDTD(時間領域差分法)に大別されます。

低周波モーター・磁場解析はFEMが主軸で、JMAG・Ansys Maxwell・Altair Flux・Simcenter MAGNET・FemtetはいずれもFEMベースの磁場ソルバーを備えます。高周波のアンテナ・EMCでは、対象に応じてMoMやFDTD、有限要素を使い分けられるCST Studio Suiteのような製品が有利です。一つの製品が複数ソルバーを内蔵していれば、対象の周波数帯や形状に応じて使い分けられます。

精度は方式だけでなく、メッシュ生成の自動化レベルと検証事例で判断します。Ansys Maxwellは自動アダプティブメッシュで収束まで自動で細分化する点が実務で効きます。精度を見極めるには、ベンダーが公開する検証事例や、自社の既知の実測値が出ている製品で試算する後述のPoCが有効です。「カタログ上の対応周波数」だけで判断せず、自社の代表モデルで精度と計算時間の両方を確認するのが安全です。

編集部コメント:ソルバーは「対応しているか」ではなく「自社の代表問題で実用的な精度と計算時間が出るか」で見るのが実務的です。同じFEMでも、モーター専用テンプレートの有無や非線形材料の扱いで使い勝手は大きく変わります。

05

マルチフィジックス連携の要否

電磁界解析は単独で完結しないことが多く、電磁損失が熱を生み、磁力や電磁加振が構造の変形・振動・騒音を生みます。モーター設計で効率と並んで重要な温度上昇やNVH(騒音・振動)を評価するなら、熱・構造・振動解析との連成(マルチフィジックス)の可否を確認します。

Ansys Maxwellはメカニカルや熱ソルバーを含むAnsysエコシステム内での連成がスムーズで、Altair FluxはAltairスイート、Simcenter MAGNETはSimcenter 3Dとの統合により他物理との連携が取りやすい構成です。Femtetは8つの物理現象を一つのライセンスで扱えるため、設計者が電磁・熱・応力を一通り自分で確認したいケースに向きます。

一方、連成を厚くすると操作・データ管理・ライセンスが複雑になり、コストも上がります。当面は電磁単独で十分という場合、連成機能をフルに揃えるのは過剰投資になりかねません。「今すぐ必要な連成」と「将来必要になりうる連成」を分け、将来分は拡張余地があるエコシステムを選ぶに留める判断が現実的です。

06

CAD・回路連携と設計フローへの組み込み

解析モデルの形状はCADから、駆動条件は回路・制御から来ます。使用中の3D CADとのインターフェース、インバータ駆動など回路シミュレータとの連携、形状変更を解析へ反映する手戻りの少なさは、日々の運用効率を大きく左右します。

Ansys Maxwell・Altair Flux・Simcenter MAGNETはそれぞれAnsys・Altair・Simcenterという大きなCAE/CADエコシステムの一部であり、同一スイート内のCADや回路ツールとの連携が取りやすい構成です。すでに社内にいずれかのスイートが入っているなら、同系統を選ぶと既存資産とライセンス・スキルを流用でき、立ち上げが速くなります。JMAGは国内モーター設計で広く使われ、回路・制御連携や材料データの面で設計フローに組み込みやすい実績があります。

逆に、特定スイートに縛られず単体で導入したい、あるいはCADを将来切り替える可能性がある場合は、特定エコシステム依存が弱い製品を選ぶ判断もあります。CAD連携は「現在の主力CAD」だけでなく「3〜5年後の構成」まで見て決めると後悔が減ります。

07

最適化・AI活用と設計探索

近年はパラメータ最適化や機械学習を使ったサロゲートモデル(近似モデル)による設計探索が、解析ソフト選定の論点になっています。モーターのスロット形状やマグネット配置など多数のパラメータを振って最適解を探す作業を、手動の試行錯誤から自動探索へ移せると、設計工数とリードタイムを大きく削減できます。

JMAG・Ansys Maxwell・Altair Fluxなどの専用・準専用系は、最適化機能やスイート内の最適化ツールとの連携で多目的最適化を回せる構成が用意されています。AIサロゲートは「精度を担保しつつ大量ケースを高速に評価する」用途で効果を発揮しますが、学習データの準備や精度検証の運用が前提になります。

注意点として、最適化・AI機能は追加モジュールやトークン消費を伴うことが多く、コストとHPCの軸に跳ね返ります。導入初期から全機能を使い切れる組織は多くないため、まずは基本解析を定着させ、最適化は効果が見込めるテーマで段階的に広げる進め方が無理がありません。

08

習得性・日本語サポートと定着

高機能な解析ソフトほど、使いこなすまでの習熟コストが大きくなります。専用テンプレートの充実度、教育・トレーニングの提供、そして国内での日本語ドキュメント・技術サポート体制は、ソフトが現場に定着するかを左右する実務的な軸です。

JMAGは国内モーター設計での豊富な事例、充実した材料データベース、日本語ドキュメント・サポートが強みで、国内ベンダーへの相談のしやすさが導入理由として大きく挙がります。Femtetも国内ベンダー直接のサポートと価格の透明性で導入障壁が低く、設計者自身が立ち上げやすい構成です。海外発の製品でも国内代理店のサポートが手厚い場合がある一方、最新機能の情報やトレーニングが英語中心になるケースもあるため、選定段階でサポート言語・対応時間・トレーニング体制を具体的に確認します。

編集部コメント:習得性とサポートは軽視されがちですが、高機能でも誰も回せなければ宝の持ち腐れです。専任の解析担当を置けるか、設計者が片手間で回すのかで、必要な習得性とサポートの水準は変わります。

09

ライセンス・HPC・コストと3年TCO設計

電磁界解析ソフトはライセンス費が大きく、運用にHPC(並列計算環境)を伴うことも多いため、3〜5年の総保有コスト(TCO)で比較すると意思決定が安定します。ライセンス形態は、年額が明示されたサブスクリプション型と、個別見積もり・トークン消費型に大別され、後者は使い方次第で費用が変動します。

Femtetは通常ライセンスが年額23.8万円(税抜・1PC、価格はベンダー公表値)と価格が明示され、60日の無償トライアルもあるため、設計者CAEとして初期費用とリスクを抑えて始められます。JMAG・CST Studio Suite・Simcenter MAGNETは個別見積もり型で、モジュール構成や契約形態で費用が変わります。Ansys MaxwellはAnsysのトークン契約でHPC追加により変動し、Altair FluxはAltair Unitsというトークン制で柔軟にライセンスを割り当てられます。トークン制は大規模並列やピーク時利用に強い一方、利用量が読みにくい点に留意します。

TCOにはライセンス費だけでなく、HPC・サーバー費、教育・トレーニング費、立ち上げ支援費、年間保守費を積み上げます。ROIは「試作回数の削減」「設計手戻りの削減」「効率・温度・騒音の性能作り込みによる品質向上」「設計リードタイム短縮」で試算します。安価でも誰も使わなければ二重作業が残って高くつくため、コスト軸は次のPoCでの実機検証とセットで判断するのが現実的です。

編集部コメント:見積もり型・トークン型は「想定する解析の頻度と規模」を提示しないと精度の高い見積もりが出ません。代表的な解析ケースの本数とモデル規模を整理してからベンダーに当たると、比較可能な金額が揃います。

10

目的別の選び方

これまでの7軸を踏まえ、自社のタイプ別に出発点となる候補系統を整理します。本記事で扱った製品・情報の範囲で、読者の立場ごとに先に検討すべき方向を示します。最終的な絞り込みは、別記事の比較とPoCで行ってください。

国内モーター・電機設計が主目的で、事例と日本語サポートを重視する場合

回転機の損失・トルク・効率を高精度に作り込み、国内の豊富な事例と材料データ、日本語サポートを重視するなら、JMAGが出発点になります。Altair Fluxもモーター・アクチュエータ向けに強く、Altairスイートを併用するなら有力な選択肢です。専用テンプレートと国内サポートで立ち上げを早めたい設計部門に向きます。

すでにAnsysなどのCAE資産があり、連成までスムーズに広げたい場合

社内にAnsysエコシステムがあるなら、低周波電磁界ソルバーであるAnsys Maxwellは既存資産と連成(熱・構造)を活かしやすく、自動アダプティブメッシュで精度の作り込みもしやすい構成です。同様にSimcenterスイートを使うならSimcenter MAGNETが、Simcenter 3Dとの統合で設計フローに組み込みやすくなります。スイート統一による運用効率を優先する組織に向きます。

高周波アンテナ・EMC/EMI解析が主目的の場合

アンテナ・電波伝搬・EMC/EMIが主用途なら、高周波領域の定番であるCST Studio Suiteが軸になります。対象に応じてソルバーを使い分けられる点が、形状や周波数帯の異なる課題を抱える設計に向きます。低周波モーター解析は他系統が優位な点を理解したうえで、用途を高周波に振り切る判断が有効です。

設計者自身が低コストで複数物理を手早く回したい場合

専任の解析担当を置かず、設計者が電磁・熱・応力などを一通り自分で確認したいなら、8物理現象を年額制で扱えるFemtetが候補です。価格が明示され無償トライアルもあるため、導入障壁とコストリスクを抑えて始められます。大規模非線形動解析や専用モーターテンプレートが要る局面では専用系の併用や乗り換えを視野に入れる前提で選びます。

11

導入の進め方とPoC評価項目

電磁界解析ソフトは費用も習熟コストも大きいため、本格契約の前にPoC(試用評価)でリスクを下げます。要件定義(解析対象・必要物理・連携先・体制を言語化)→候補2〜3製品の選定→トライアルやベンダー支援でのPoC→TCO比較と稟議→段階導入、という流れが基本です。トライアルやデモでは、カタログではなく自社の代表モデルを持ち込み、精度・計算時間・操作性を自分の手で確認するのが要点です。

評価軸

確認項目

合格ラインの目安

解析精度

自社の既知モデルで実測・理論値と照合

許容誤差内に収まる

計算時間

代表モデルの解析時間と並列効果

設計サイクルに耐える時間

マルチフィジックス

電磁→熱・構造への連成が回るか

必要な連成が実用的に動く

CAD・回路連携

使用中CAD・回路条件の取り込み

手戻りなく反映できる

習得性

担当者が支援なしで基本解析を回せるか

短期間で自走できる

サポート

日本語での問い合わせ対応・回答速度

業務に支障ない応答

12

失敗パターンと回避策

電磁界解析ソフトの導入で失敗する組織には共通パターンがあります。事前に把握しておくと稟議段階で対策を提示できます。

第一は「解析対象ミスマッチ」型です。低周波モーターが主目的なのに知名度や流行で高周波寄りの製品を選ぶ、あるいはその逆で、狙った解析の精度や効率が出ないパターンです。回避策は、選定の起点を解析対象とソルバー方式に置き、PoCで自社の代表問題を実機検証することです。

第二は「連成過剰・連成不足」型です。当面不要なマルチフィジックスをフルに揃えてコストと運用が複雑化する、あるいは逆に温度・騒音評価が必要なのに電磁単独で導入して後から困るパターンです。回避策は、今必要な連成と将来必要な連成を分け、将来分は拡張余地のあるエコシステムを選ぶに留めることです。

第三は「習熟・体制軽視」型です。高機能ソフトを導入したものの、担当者の教育や時間配分を確保できず、定着せずに塩漬けになるパターンです。回避策は、導入と並行してトレーニング・国内サポート・運用時間の確保を稟議に組み込み、習得性とサポートを選定軸に明示することです。

第四は「コスト見積もり甘さ」型です。ライセンス費だけを見て、HPC費・トークン消費・保守・教育費を含むTCOを過小評価し、運用段階で予算が逼迫するパターンです。回避策は、想定する解析の頻度と規模を提示して比較可能な見積もりを取り、3年TCOで稟議の数字を組み立てることです。

編集部コメント:四つの失敗パターンは、いずれも「選定軸のどこかを後回しにした」結果として生じます。本記事の7軸とPoC評価項目を稟議資料にそのまま落とし込むと、これらの典型的なつまずきを設計段階で先回りして潰せます。

13

まとめ:選定の判断基準

電磁界解析・磁場解析ソフトの選定は、七つの軸(解析対象・ソルバー方式と精度・マルチフィジックス連携・CAD/回路連携・最適化とAI・習得性と日本語サポート・ライセンスとHPCとコスト)を上から順に評価すると失敗が減ります。まず解析対象を低周波モーターか高周波アンテナ・EMCかで見極め、適したソルバー方式を持つ製品に絞り、必要な連成・CAD/回路連携を確認し、最適化やAIの要否を判断し、習得性と日本語サポートを見極め、最後に3年TCOで稟議の数字を組み立てる流れです。

国内モーター設計と事例・サポートを重視するならJMAGやAltair Flux、Ansysなどの既存CAE資産を活かすならAnsys MaxwellやSimcenter MAGNET、高周波アンテナ・EMC主体ならCST Studio Suite、設計者が低コストで複数物理を回すならFemtet、というのが典型的な分岐です。具体的なスペックを横並びで比べたい場合は別記事「電磁界解析・磁場解析ソフト比較」で製品比較を確認できます。本記事のフレームワークで自社要件を整理してから比較に進むと、選定が短期間で完了します。

電磁界解析・磁場解析ソフト比較表

製品名ベンダー価格モデル特徴
COMSOL MultiphysicsCOMSOL要見積もり
  • 強連成のマルチフィジクスが標準機能
  • モジュールで対象物理を拡張可能
  • CADとのLiveLink連携
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Femtetムラタソフトウェア株式会社サブスクリプション
  • 8物理現象を一つのライセンスで扱える
  • 価格の透明性と低い導入障壁
  • 国内ベンダー直接のサポート
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Ansys MaxwellAnsys, Inc.要見積もり
  • Ansysエコシステム内の連成のスムーズさ
  • 自動アダプティブメッシュ
  • 社内のAnsys資産を活かしやすい
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Simcenter MAGNETシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア要見積もり
  • Simcenter 3Dと統合
  • Siemensエコシステム
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JMAG株式会社JSOL要見積もり
  • 国内モーター設計での圧倒的な事例
  • 材料データベースの充実
  • 日本語ドキュメント・サポート
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CST Studio Suiteダッソー・システムズ(Dassault Systèmes)要見積もり
  • 高周波領域での定番
  • アンテナ・EMC/EMIに強い
  • SIMULIA統合
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Altair FluxAltair Engineering要見積もり
  • モーター設計に強い
  • Altairスイート統合
  • トークンライセンス柔軟
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よくある質問

Q電磁界解析ソフトは低周波と高周波で分けて選ぶべきですか?
A

はい、まず分けて考えるのが基本です。モーター・トランス・磁気回路などの低周波はFEM(有限要素法)ベースの磁場解析が主軸で、JMAGやAnsys Maxwell、Altair Fluxが向きます。アンテナ・EMC/EMIなどの高周波は対象に応じてMoMやFDTDなどを使い分けられるCST Studio Suiteのような製品が有利です。両方を一定レベルで扱いたい場合は、複数物理を一括で扱える設計者向けCAEを検討します。

QFEM・MoM・FDTDのソルバーはどう違いますか?
A

FEM(有限要素法)は汎用性が高く、低周波の磁場や複雑形状の問題まで幅広く扱えます。MoM(モーメント法)は開放空間のアンテナ放射解析に向き、FDTD(時間領域差分法)は広帯域の時間応答やEMC解析に向きます。解析対象によって適したソルバーが異なるため、自社の主用途に合う方式を備えた製品を選ぶことが重要です。一つの製品で複数ソルバーを使い分けられる場合もあります。

Q導入前に試用評価(PoC)で何を確認すればよいですか?
A

カタログ値ではなく自社の代表モデルを使い、実測値や理論値と照合した解析精度、設計サイクルに耐える計算時間、必要なマルチフィジックス連成や使用中CAD・回路条件の取り込み、担当者が支援なしで基本解析を回せる習得性、日本語サポートの応答速度を確認します。あわせてHPCや保守を含む3年TCOで費用を見積もると、本格導入後の手戻りを減らせます。