産業用ロボットメーカー11社とシェア|世界4強・日本の統計と業種・規模別の選び方【2026年】
産業用ロボットのメーカー11社を、IFR(国際ロボット連盟)と日本ロボット工業会の公表データとあわせて整理した記事。2024年の世界の導入台数は54万2000台で日本は2位、日本は世界の生産の約4割を担う。シェアは何を数えるかで数字が変わり、メーカー別の公的データはないことを明記。業種別に強いメーカー、中小規模の工場に向くメーカー、選ぶときの判断軸を編集部の製造業適合性スコアで比べる。

産業用ロボットのメーカーを調べると、世界シェアの数字やランキングが数多く見つかります。ただ、数字の出典や数え方がそろっていないものも多く、どのメーカーが自社の工場に合うのかまでは分かりにくいのが実情です。
この記事では、当サイトに掲載している産業用ロボットのメーカー11社を、国際ロボット連盟(IFR)や日本ロボット工業会の公表データとあわせて整理します。シェアの数字の読み方、業種ごとに強いメーカー、中小規模の工場に向くメーカー、選ぶときの判断軸までを、編集部の製造業適合性スコアを使って比べます。
- 産業用ロボットの世界の導入台数は2024年に54万2000台で、日本は4万4500台で国別2位(IFR)
- 産業用ロボットのメーカーは、自動車の溶接・搬送に強い会社と、電子部品の組立・検査に強い会社に分かれる
- 中小規模の工場では、協働ロボットを持ち、現場で教示しやすいメーカーから比べると導入の負担を抑えやすい
この記事でわかること
産業用ロボットの主要メーカー11社【早見表】
当サイトに掲載している産業用ロボットのメーカー11社を一覧にします。本社、得意な工程、向く規模に加えて、編集部の製造業適合性スコアのうち中堅/中小製造業との相性を載せています。
- 産業用ロボットの掲載11社のうち、日本のメーカーは8社、海外はUniversal Robots・ABB・KUKAの3社
- 11社すべてが協働ロボットまたは小型機を持ち、セイコーエプソン以外の10社は協働ロボットを公式に掲載している
- 中堅/中小製造業との相性が最も高いのはUniversal Robotsの5で、デンソーウェーブとオムロンが4
メーカー | 本社 | 主な製品シリーズ | 得意な工程 | 向く規模 | 中小相性 |
|---|---|---|---|---|---|
ファナック | 山梨県忍野村 | FANUC Robot各シリーズ、協働CRX | 溶接、搬送、組立、パレタイジング | 中堅〜大手 | 3 |
安川電機 | 福岡県北九州市 | MOTOMAN-GP、人協働HC、MotoMINI | 溶接、搬送、組立 | 中堅〜大手 | 3 |
Universal Robots | デンマーク | e-Series、UR Series、g-Series | 組立、ピッキング、検査、ねじ締め | 中小〜中堅 | 5 |
デンソーウェーブ | 愛知県阿久比町 | VS/VM/VLA、協働COBOTTA | 組立、検査、ピッキング | 中小〜中堅 | 4 |
川崎重工業 | 東京都港区・神戸市 | RS、BXP、CP、双腕duAro | 溶接、搬送、パレタイジング、組立 | 中堅〜大手 | 3 |
三菱電機 | 東京都千代田区 | MELFA FR、CR、協働ASSISTA | 組立、搬送、ハンドリング | 中堅〜大手 | 3 |
オムロン | 京都市 | 協調TM、モバイルLD/MD/HD | ピッキング、検査、搬送 | 中小〜中堅 | 4 |
セイコーエプソン | 長野県諏訪市 | スカラGX/RS/LS/LA/T、6軸C/N/VT | 組立、ハンドリング、検査 | 中堅〜大手 | 3 |
不二越 | 東京都港区・富山市 | MZ、EZ、協働COPARO MZS | 溶接、搬送、ハンドリング | 中堅〜大手 | 3 |
ABB | スイス・チューリッヒ | IRB、協働GoFa/YuMi/PoWa | 溶接、搬送、組立、パレタイジング | 中堅〜大手 | 3 |
KUKA | ドイツ・アウクスブルク | KR AGILUS/CYBERTECH/QUANTEC、協働LBR iisy/iiwa | 溶接、搬送、組立、ハンドリング | 中堅〜大手 | 3 |
本社と製品シリーズは2026年9月15日に各社公式サイトで確認。得意な工程・向く規模・中小相性は、当サイトの製品情報と編集部の採点(5段階)によるものです。
早見表の見方
「得意な工程」は、当サイトの製品情報で対象工程として登録しているものです。溶接とパレタイジングを含む会社は大型機の品ぞろえが厚く、ピッキングや検査を含む会社は小型機や協働ロボットが中心という傾向があります。
「向く規模」は、当サイトが各製品に設定した対象企業規模です。同じ会社でも協働ロボットは中小規模に向く場合があるため、詳しくは後半の「中小規模の工場に向くメーカー」の見出しで補足します。
本社が2か所あるメーカー
川崎重工業は東京本社と神戸本社の2本社体制で、登記上の本店は神戸市です。不二越は会社案内で東京都港区を本社、富山市を富山事業所としています。海外3社のうち、Universal RobotsはTeradyne(米国)の傘下、KUKAは美的集団(中国)の傘下です。
ABBは2025年10月8日に、ロボット事業をソフトバンクグループへ売却することで最終合意したと発表しています。売却の完了は2026年半ばから後半の予定で、2026年9月時点では完了していません。
産業用ロボットのシェアは「何の数字か」で変わる
産業用ロボットのシェアは、数える対象によって数字が大きく変わります。導入された国で数えるか、作った国で数えるか、メーカーの売上で数えるかを分けて読むことが大切です。
- 産業用ロボットの世界の導入台数は2024年に54万2000台で、中国が54%を占め、日本は4万4500台で2位(IFR)
- 世界の産業用ロボットの生産台数に占める日本の割合は、IFRの発表で2022年が46%、2023年が38%
- メーカー別の産業用ロボットのシェアは公的な統計がなく、出回っている数字は出典と基準の確認が必要
世界の導入台数と国別の順位
国際ロボット連盟(IFR)が2025年9月25日に発表した統計では、2024年に世界で導入された産業用ロボットは54万2000台です。国別では中国が29万5000台で、世界の54%を占めています。
日本は4万4500台で2位、米国が3万4200台、韓国が3万600台で続きます。日本の工場で稼働している産業用ロボットは45万500台です。これは「どの国に設置されたか」で数えた数字で、どのメーカーが作ったかは含みません。
日本は世界の生産の約4割を担う
「作った国」で数えると、日本の存在感は大きくなります。IFRは、世界の産業用ロボットの生産台数に占める日本の割合を、2022年は46%、2023年は38%と発表しています。2023年の日本からの輸出は16万801台で、生産の78%が輸出でした。
日本ロボット工業会の統計では、2025年の国内の生産は20万7004台、9,453億円です。出荷21万1139台のうち17万3323台が輸出で、約82%を占めます。国内向けの出荷は3万7816台で、前年から18.3%減りました。
メーカー別のシェアを読むときの注意
IFRや日本ロボット工業会の統計は、国別や業種別の集計で、メーカーごとのシェアは公表していません。解説記事などで見かけるメーカー別の割合は、出典や集計の基準が示されていないものが多くあります。
ファナック・安川電機・ABB・KUKAの4社は「世界4強」と呼ばれることが多いですが、順位を示す公的なデータではありません。この記事では、根拠を確認できないメーカー別の割合は載せず、各社の得意分野と工場への合い方で比べます。
産業用ロボットの世界4強と呼ばれる4社
ファナック、安川電機、ABB、KUKAの4社は「世界4強」と呼ばれることが多いメーカーです。いずれも溶接から搬送、パレタイジングまで大型機の品ぞろえがそろい、自動車の生産ラインで実績を持ちます。
- 産業用ロボットの世界4強と呼ばれるのはファナック・安川電機・ABB・KUKAで、いずれも編集部の工程管理適合性が5
- 4社とも協働ロボットを持ち、ファナックはCRX、安川電機はHC、ABBはGoFa、KUKAはLBR iisyを展開している
- 4社の中堅/中小製造業との相性は3で、本格導入ではSIerの設計費用が前提になる
ファナック株式会社
本社は山梨県南都留郡忍野村です。公式サイトの機種一覧は、小型・中型、大型、アーク溶接、塗装、スカラ、パラレルリンク、大型物流、協働ロボットCRXに分かれています。協働ロボットCRXは可搬質量5〜30kgの6機種をそろえています。
編集部の評価では、工程管理適合性と生産管理適合性がともに5で、溶接から搬送まで幅広い工程を1社でまかなえる点を高く見ています。中堅/中小製造業との相性は3で、小型機や協働機があっても本格導入にはSIer費用がかかることが理由です。
株式会社安川電機
本社は福岡県北九州市八幡西区です。主力のMOTOMAN-GPシリーズは可搬質量4kgのGP4から400kgのGP400までそろい、超小型のMotoMINIもあります。人協働ロボットのHCシリーズは10〜35kg可搬で、食品仕様や防じん防滴仕様もあります。
公式サイトでは、タブレット型のスマートペンダントを使うと、操作未経験者でも約30分でピックアンドプレイスの教示を習得できるとしています。ロボット・コントローラ・ツールを台車に載せた人協働ロボットパッケージも用意しています。
ABB
ABB Ltdの登記住所はスイス・チューリッヒで、日本ではABB株式会社(東京都品川区)が事業を行っています。多関節のIRBシリーズに加え、協働ロボットのGoFa、双腕のYuMi、新製品のPoWaを展開しています。
編集部の評価では工程管理適合性5、自動車・輸送機器への適合は「最適」です。ロボット事業のソフトバンクグループへの売却は2025年10月に最終合意され、完了は2026年半ば以降の予定です。導入を検討する際は、サポート体制の移行状況を確認してください。
KUKA
KUKA SE & Co. KGaAの本社はドイツ・アウクスブルクで、美的集団(Midea Group)の傘下です。日本法人はKUKA Japan K.K.(横浜市)です。小型のKR AGILUS(4〜11kg)から大型のKR QUANTEC、KR titanまでそろっています。協働ロボットは、3〜15kg可搬のLBR iisyと7軸のLBR iiwaです。
公式サイトでは、LBR iisyはロボットやプログラミングの予備知識がなくても数分で立ち上げられるとしています。溶接やスポット溶接向けに事前構成したready2_useパッケージも展開しています。
組立・検査に強い国内メーカー4社
電気・電子機器の組立や検査では、小型機や協働ロボットに強い国内メーカーが評価されています。デンソーウェーブ、三菱電機、オムロン、セイコーエプソンの4社を紹介します。
- 電気・電子機器の組立・検査で、デンソーウェーブ・三菱電機・オムロン・セイコーエプソンは編集部の業種適合が「最適」
- デンソーウェーブとオムロンは中堅/中小製造業との相性が4で、協働ロボットの扱いやすさが評価されている
- セイコーエプソンは協働ロボットを公式ラインアップに持たず、スカラロボットの高速性が強み
株式会社デンソーウェーブ
本社は愛知県知多郡阿久比町で、株式会社デンソーが75%を出資しています。垂直多関節のVSシリーズやVM、VLA、水平多関節のHSシリーズに加え、協働ロボットのCOBOTTAとCOBOTTA PROを展開しています。
編集部の評価では、電気・電子機器への適合が「最適」で、電子部品の精密組立や検査での採用実績を理由にしています。中堅/中小製造業との相性は4、現場利用しやすさも4です。
三菱電機株式会社
本社は東京都千代田区です。産業用・協働ロボットMELFAは、FRシリーズ(MELFA FR PLUS)、CRシリーズ、協働ロボットASSISTAの3つのラインアップです。
編集部の評価では、電気・電子機器への適合が「最適」で、シーケンサなど同社のFA機器と組み合わせて統合しやすい点を理由にしています。中堅/中小製造業との相性は3です。
オムロン株式会社
本社は京都市下京区です。公式サイトでは協調ロボットTMシリーズと、モバイルロボットのLD/MD/HDシリーズを展開しています。掲載11社の中で、食品・飲料への適合を「適する」と評価している唯一のメーカーです。
編集部の評価では、電気・電子機器への適合が「最適」で、画像処理を使った小物のピッキングや検査を強みとしています。中堅/中小製造業との相性は4です。
セイコーエプソン株式会社
本社は長野県諏訪市です。水平多関節(スカラ)のGX、RS、LS、LA、Tシリーズと、6軸のC、N、VTシリーズを展開しています。Tシリーズはコントローラー内蔵の一体型で、AC100Vでも動作します。
公式ラインアップに協働ロボットはありません。編集部の評価では、電子部品の実装や組立でスカラロボットの高速性が活きるとして、電気・電子機器への適合を「最適」としています。販売はエプソン販売と全国の代理店を通じて行われます。
溶接・搬送の国内2社と協働ロボット専業のUniversal Robots
川崎重工業と不二越は、自動車の溶接や搬送で実績を持つ国内メーカーです。Universal Robotsは、全機種が協働ロボットという点で11社の中でも独自の位置にあります。
- 川崎重工業と不二越は自動車・輸送機器への適合が「最適」で、溶接と搬送で長年の採用実績を持つ
- Universal Robotsは全機種が協働ロボットで、中堅/中小製造業との相性・現場利用しやすさともに5
- 不二越の協働ロボットは現行のCOPARO MZSシリーズで、2026年4月にMZS12とMZS18が発売された
川崎重工業株式会社
東京本社と神戸本社の2本社体制で、登記上の本店は神戸市中央区です。小・中型汎用のRSシリーズ、大型のBXP、パレタイズのCP、アーク溶接のBAなど用途別にシリーズが分かれ、協働ロボットは双腕スカラ型のduAroです。
編集部の評価では、自動車生産の溶接・搬送で長年の採用実績があるとして、自動車・輸送機器への適合を「最適」としています。中堅/中小製造業との相性は3です。
株式会社不二越(NACHI)
会社案内では東京都港区が本社、富山市が富山事業所です。MZシリーズは小型のMZ01から中可搬のMZ70Fまでそろい、スカラのEC、EZシリーズもあります。協働ロボットは現行のCOPARO MZSシリーズで、MZS05に加えてMZS12とMZS18が2026年4月に発売されました。
編集部の評価では、自動車部品の溶接・搬送で採用実績があるとして、自動車・輸送機器への適合を「最適」としています。
Universal Robots
デンマークの協働ロボット専業メーカーで、Teradyne(米国)の傘下です。日本ではユニバーサルロボット日本支社(東京都港区)が対応しています。製品はe-Series(UR3e〜UR12e)、UR Series(UR20、UR30)、g-Seriesの3系統で、全機種が協働ロボットです。
編集部の評価では、現場担当者でも教示でき、中小製造業でも採用しやすいとして、中堅/中小製造業との相性と現場利用しやすさをともに5としています。一方、可搬質量が限られるため、生産管理適合性は3です。
産業用ロボットメーカーは業種によって得意分野が分かれる
産業用ロボットのメーカーは、自動車の溶接ラインに強い会社と、電子部品の組立や検査に強い会社に大きく分かれます。自社の業種で採用が多いメーカーから候補にすると、比べる相手を絞り込めます。
- 日本で2023年に導入された産業用ロボットは、電気・電子が1万4692台、自動車が1万1881台、金属・機械が7854台(IFR)
- 自動車・輸送機器の溶接・搬送では、ファナック・安川電機・川崎重工業・不二越・ABB・KUKAの6社を編集部が「最適」と評価
- 電気・電子機器の組立・検査では、Universal Robots・デンソーウェーブ・三菱電機・オムロン・エプソンの5社を「最適」と評価
日本で産業用ロボットを多く使う業種
IFRが2024年9月24日に発表した統計では、2023年に日本で導入された産業用ロボットは4万6106台です。業種別では電気・電子が1万4692台、自動車が1万1881台で全体の26%、金属・機械が7854台で17%でした。
稼働台数でも、電気・電子が14万3768台で全体の33%、自動車が13万2766台で30%を占めます。日本の産業用ロボットは、この2つの業種を中心に使われています。
業種 | 編集部の評価が「最適」のメーカー | 主な用途 |
|---|---|---|
自動車・輸送機器 | ファナック、安川電機、川崎重工業、不二越、ABB、KUKA | 車体や部品の溶接、搬送 |
電気・電子機器 | Universal Robots、デンソーウェーブ、三菱電機、オムロン、エプソン | 小物の組立、実装、検査 |
機械・金属加工 | 「適する」の評価が9社(最適の評価はなし) | 工作機械へのワークの着脱、溶接、ハンドリング |
食品・飲料 | 「適する」の評価はオムロンのみ | 画像処理を使った選別や搬送 |
業種の評価は、当サイトに掲載している11社の製品を編集部が採点したものです(2026年9月時点)。
自動車・輸送機器に強いメーカー
自動車・輸送機器では、車体や部品の溶接と搬送に採用実績を持つメーカーが中心です。編集部の評価では、ファナック、安川電機、川崎重工業、不二越、ABB、KUKAの6社を「最適」としています。
自動車の車体や部品を扱う工場で、溶接や搬送の自動化を考えるなら、まずこの6社から比べると候補を絞り込めます。各社の得意な工程と製品の違いは、後半のメーカー別の見出しで紹介します。
電気・電子機器と機械加工に強いメーカー
電気・電子機器では、小さな部品の組立や検査に強いメーカーが評価されています。Universal Robots、デンソーウェーブ、三菱電機、オムロン、エプソンの5社が「最適」です。エプソンはスカラロボットの高速性、オムロンは画像処理を使ったピッキングや検査が強みです。
機械・金属加工では、工作機械へのワークの着脱(マシンテンディング)や溶接で、9社を「適する」と評価しています。食品・飲料で「適する」の評価はオムロンだけで、この業種は掲載メーカーの中でも選択肢が限られます。
中小規模の工場に向く産業用ロボットメーカー、大手向きのメーカー
産業用ロボットは、メーカーによって向く工場の規模が違います。編集部の製造業適合性スコアのうち、中堅/中小製造業との相性と現場利用しやすさの2軸で分けます。
- 中小規模の工場に向く産業用ロボットメーカーは、Universal Robots(中小相性5)、デンソーウェーブとオムロン(同4)
- ファナック・安川電機・川崎重工業・三菱電機・不二越・ABB・KUKA・セイコーエプソンは中小相性3で、中堅〜大手向き
- 中小相性が高い3社に共通するのは、現場の担当者が自分で教示できる協働ロボットが主力であること
中小規模の工場に向く3社
Universal Robotsは中堅/中小製造業との相性・現場利用しやすさがともに5で、掲載11社の最上位です。全機種が協働ロボットで、現場担当者が自分で教示できるため、品種を切り替えるたびにSIerを呼ぶ必要がありません。
デンソーウェーブのCOBOTTAとオムロンのTMシリーズは、いずれも中小相性4です。小物の組立・検査・ピッキングが中心の工場で、安全柵を最小限にして人の隣で動かす使い方に向いています。
中堅〜大手向きの8社
ファナック、安川電機、川崎重工業、三菱電機、不二越、ABB、KUKA、セイコーエプソンは中小相性3です。いずれも協働ロボットや小型機を持ちますが、溶接や搬送のラインを組む本格導入では、SIerの設計と周辺機器の費用が前提になります。
安川電機はスマートペンダントとすぐ使えるパッケージ、KUKAはLBR iisyとready2_useパッケージで導入の敷居を下げています。それでも、主な用途は大規模なラインです。セイコーエプソンはコントローラー内蔵で100Vで動くTシリーズがある一方、協働ロボットがなく価格も非公開です。
規模より先に決めること
中小相性が高いメーカーが、どの工場にも合うわけではありません。可搬質量が限られる協働ロボットでは、重いワークの溶接や搬送はできず、その場合は中小相性3の大手メーカーの小型機が候補になります。
自動化したい工程と扱うワークの重さを先に決めてから、規模のスコアを見ると、候補を絞りやすくなります。各製品のスコアと評価理由は産業用ロボットのカテゴリページで確認できます。
産業用ロボットメーカーを選ぶときの判断軸
シェアや知名度でメーカーを決めると、自社の工程に合わない機種を選ぶことがあります。得意な工程、業種の実績、サポートの体制、価格の出し方の4つで比べると、判断を誤りにくくなります。
- 産業用ロボットメーカーは、自動化したい工程(溶接・搬送・組立・検査)を得意とする会社から候補にする
- 産業用ロボットの本体価格は掲載11社とも非公開で、SIerを通じた見積もりで総額が決まる
- 海外メーカーは日本法人や日本支社の体制、国内メーカーは営業拠点とロボットセンターの場所を確認する
得意な工程で選ぶ
産業用ロボットのメーカーは、得意な工程がはっきり分かれます。当サイトの製品情報では、溶接に対応するのは掲載11社のうちファナック、安川電機、川崎重工業、不二越、ABB、KUKAの6社です。パレタイジング(荷の積み付け)はファナック、川崎重工業、ABBが対応しています。
小物のピッキングや検査では、Universal Robots、デンソーウェーブ、オムロンが中心です。自動化したい工程を先に決め、その工程を得意とするメーカーから比べると、候補を短時間で絞り込めます。
価格の出し方と相談先
産業用ロボットの本体価格は、掲載11社のいずれも公式サイトで公開されていません。本体に加えて、ハンドやセンサーなどの周辺機器、システムとして組み上げる費用がかかり、構成によって金額が大きく変わるためです。
ロボットを設備として組み上げるのは、SIer(システムインテグレータ)の役割です。同じメーカーのロボットでも、どのSIerが組むかで設計や周辺機器が変わります。メーカーを決める前に、自社の工程に近い実績を持つSIerに相談すると、現実的な構成と費用が見えてきます。
サポート体制で選ぶ
海外メーカーは、日本法人や日本支社の有無を確認します。ABBはABB株式会社、Universal Robotsは日本支社、KUKAはKUKA Japan K.K.が窓口です。国内メーカーでも、安川電機は関東・中部にロボットセンターを置くなど、体制は会社ごとに違います。
導入後に教示の変更や保守を誰に頼むかで、運用の費用が変わります。メーカーの拠点だけでなく、自社の近くに実績のあるSIerがいるかも、メーカー選びの判断材料になります。
まとめ|産業用ロボットメーカーの選び方
産業用ロボットのシェアは、導入された国、作った国、メーカーの売上のどれで数えるかで数字が変わります。2024年の世界の導入台数は54万2000台で日本は2位、日本は世界の生産の約4割を担い、生産の8割前後を輸出しています。メーカー別のシェアを示す公的な統計はありません。
掲載11社は2つに分かれます。自動車の溶接・搬送に強いのはファナック・安川電機・川崎重工業・不二越・ABB・KUKAです。電子部品の組立・検査に強いのはUniversal Robots・デンソーウェーブ・三菱電機・オムロン・セイコーエプソンです。中小規模の工場では、中小相性5のUniversal Robotsと、4のデンソーウェーブ・オムロンから比べると導入の負担を抑えやすくなります。
本体価格は11社とも非公開のため、自動化したい工程とワークの重さを決めてから、その工程に実績のあるSIerに相談してください。製品ごとの違いを比べたい場合は産業用ロボットの比較記事を、費用の考え方は産業用ロボットの費用をご覧ください。
産業用ロボット(協働ロボット対応)のおすすめ製品
ファナック ロボット(CRXシリーズ含む)
ファナック株式会社
世界最大級の導入実績と高稼働率で工場自動化を支える産業用ロボット
Universal Robots URシリーズ
Universal Robots(ユニバーサルロボット)
協働ロボットのパイオニア、現場で組める手軽さとUR+の拡張性
安川電機 MOTOMAN(GP/HCシリーズ)
株式会社安川電機
溶接に強いMOTOMAN、産業用から協働まで揃えるロボットシリーズ
ABB IRBシリーズ/YuMi・GoFa
ABB
グローバル大手の産業用ロボット、双腕YuMiと協働GoFa
三菱電機 MELFA(FRシリーズ/ASSISTA)
三菱電機株式会社
FA機器と一体で組めるMELFA、協働ロボットASSISTAも
オムロン TMシリーズ/モバイルロボLD
オムロン株式会社
ビジョン内蔵の協働ロボTMと自律搬送ロボLDで現場を自動化
産業用ロボット(協働ロボット対応)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ファナック ロボット(CRXシリーズ含む) | ファナック株式会社 | 要見積もり | 世界最大級の導入実績と高稼働率で工場自動化を支える産業用ロボット | 詳細を見る | |
| Universal Robots URシリーズ | Universal Robots(ユニバーサルロボット) | 要見積もり | 協働ロボットのパイオニア、現場で組める手軽さとUR+の拡張性 | 詳細を見る | |
| 安川電機 MOTOMAN(GP/HCシリーズ) | 株式会社安川電機 | 要見積もり | 溶接に強いMOTOMAN、産業用から協働まで揃えるロボットシリーズ | 詳細を見る | |
| ABB IRBシリーズ/YuMi・GoFa | ABB | 要見積もり | グローバル大手の産業用ロボット、双腕YuMiと協働GoFa | 詳細を見る | |
| 三菱電機 MELFA(FRシリーズ/ASSISTA) | 三菱電機株式会社 | 要見積もり | FA機器と一体で組めるMELFA、協働ロボットASSISTAも | 詳細を見る | |
| オムロン TMシリーズ/モバイルロボLD | オムロン株式会社 | 要見積もり | ビジョン内蔵の協働ロボTMと自律搬送ロボLDで現場を自動化 | 詳細を見る | |
| デンソーウェーブ COBOTTA/VSシリーズ | 株式会社デンソーウェーブ | 要見積もり | 小型・高速の組立検査ロボットと手軽な協働ロボットCOBOTTA | 詳細を見る | |
| EPSON スカラ/6軸ロボット | セイコーエプソン株式会社 | 要見積もり | スカラで世界シェア上位、高速・高精度な組立を実現 | 詳細を見る | |
| KUKA 産業用ロボット/LBR iiwa | KUKA | 要見積もり | 自動車向けに強いドイツ大手、力覚搭載の協働LBR iiwa | 詳細を見る | |
| Kawasaki Robotics Rシリーズ/duAro | 川崎重工業株式会社(Kawasaki Robotics) | 要見積もり | 溶接・搬送の老舗、双腕協働ロボットduAroで人手を補う | 詳細を見る | |
| 不二越 MZ/CZシリーズ(協働CZ10) | 株式会社不二越(NACHI) | 要見積もり | 溶接・搬送に強い国産ロボット、協働CZ10で人手作業も自動化 | 詳細を見る |
よくある質問
Q産業用ロボットの4大メーカーは?
ファナック、安川電機、ABB、KUKAの4社が「世界4強」や「4大メーカー」と呼ばれることが多くあります。ただし、国際ロボット連盟(IFR)や日本ロボット工業会はメーカー別のシェアや順位を公表しておらず、公的な定義や順位に基づく呼び方ではありません。自社に合うかどうかは、得意な工程や業種、協働ロボットの有無で比べるのが確実です。
Q日本の三大ロボットメーカーは?
「三大」を定めた公的な定義はありません。国内の産業用ロボットメーカーとしては、ファナック、安川電機、川崎重工業などがよく挙げられます。当サイトの掲載11社のうち日本企業は、ファナック、安川電機、デンソーウェーブ、川崎重工業、三菱電機、オムロン、セイコーエプソン、不二越の8社です。
Q産業用ロボットの世界シェアランキングは?
メーカー別の世界シェアを示す公的な統計はありません。国際ロボット連盟(IFR)が公表しているのは国別の数字で、2024年の産業用ロボットの導入台数は世界で54万2000台、1位は中国の29万5000台(54%)、2位は日本の4万4500台、3位は米国の3万4200台です(2025年9月25日発表)。解説記事などにあるメーカー別の割合は、出典と基準を確認してから参考にしてください。
Q産業用ロボットのシェアで日本は何位ですか?
数え方で答えが変わります。導入台数では、2024年に日本は4万4500台で中国に次ぐ2位です。作った国で数えると、世界の産業用ロボットの生産台数に占める日本の割合は、IFRの発表で2022年が46%、2023年が38%でした。日本ロボット工業会の統計では、2025年の国内の出荷21万1139台のうち約82%にあたる17万3323台が輸出です。
Q中小企業に向く産業用ロボットメーカーは?
当サイトの製造業適合性スコアでは、Universal Robotsが中堅/中小製造業との相性・現場利用しやすさともに5で最も高く、デンソーウェーブとオムロンが中小相性4です。いずれも協働ロボットを持ち、現場の担当者が教示しやすい点を評価しています。本体価格は各社とも公開されていないため、自社の工程に近い実績を持つSIerに相談して構成と費用を確認してください。
