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選び方・ノウハウ#産業用ロボット#協働ロボット#選び方

産業用ロボットの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

産業用ロボットの選び方を、目的・部門・企業規模の3つの切り口から整理しました。垂直多関節・スカラ・協働という種類の違い、可搬重量とリーチの決め方、協働運転の要否、SIerの選び方、主要11製品の比較表までを解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
産業用ロボットの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

産業用ロボットは、人手不足への対策としてどの製造現場でも検討の対象になりました。それでも選定の段階で手が止まる企業は少なくありません。どの軸で測れば自社の工程に合うかが、整理されていないためです。本体価格だけで決めた結果、ハンドや安全装置まで含めた設備一式を組み直す例も起きています。この記事では、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品を調べる前に、まず測る物差しを決めてください。

  • 工程を決める:自動化する工程とタクトタイム、年間生産量を数値にする。
  • 可搬とリーチ:ワークとハンドの合計重量から必要な性能を確定する。
  • 協働の要否:人と並べて使うかで、協働ロボットと従来型が分かれる。
  • 体制と総額:教示の担い手とSIerの実績を確かめ、総額で稟議を組む。

産業用ロボットの選定では、対象工程と可搬重量・リーチの2点を確認すると、系統の見当がつきやすくなります。残りの条件を順に確認すれば、見積もりを同じ前提で比べやすくなるでしょう。


この記事でわかること

01

産業用ロボットの基礎知識

選び方に入る前に、産業用ロボットが何を担う設備なのかを押さえます。ここが曖昧なままだと、工程に合わない機種を選んでしまいます。3点に絞って確認しましょう。

産業用ロボットができる作業

産業用ロボットは、人が担ってきた作業を自動で繰り返す設備です。対象はアーク溶接やスポット溶接、組立、ねじ締め、部品の搬送、箱詰めやパレタイジングまで広がります。ビジョンを組み合わせれば、ばら積みからのピッキングや外観検査にも広げられるでしょう。

動作はティーチングペンダントによる教示か、オフラインプログラミングで設定します。本体単体では動かず、ハンドや架台、搬送装置、安全装置と組み合わせて初めて一つのシステムになります。基礎は産業用ロボットの解説記事で確かめてください。

協働ロボットと従来型の違い

従来型の産業用ロボットは、人と隔離するための安全柵を前提とします。高速かつ高可搬で、生産量の多い工程に強い構成です。協働ロボットは人との接触を想定し、力と速度を制御します。リスクアセスメントを前提とすれば、安全柵なしで人の近くへ設置できるでしょう。

設置面積を抑えられるため、既存ラインへの後付けにも向きます。ただし速度と力を制限する運用では、サイクルタイムが長くなりがちです。生産量の大きい工程では、かえって不利になる場合もあります。

選定でつまずきやすい理由

産業用ロボットは、本体のカタログ値だけでは優劣を判断できません。導入効果は、ハンドや架台、センサまで含めたシステム全体の設計に大きく依存するためです。統合を担うSIerの力量も、結果を大きく左右します。

価格が公開されない点も、比較を難しくしています。機種と周辺機器、据付の内容によって総額が変わるためです。だからこそ、軸を先に決めてから見積もりを取る順序が要ります。見積もりは、同じ条件を示したうえで複数社から取りましょう。

編集部コメント:本体価格はシステム総額の一部にすぎません。ハンドや安全装置、SIerの統合費まで含めた姿で比べてください。


02

産業用ロボットの種類

産業用ロボットは、機構と人との関わり方で大きく3つに分かれます。この分類を押さえておくと、候補を比較しやすくなります。まず全体像をつかみましょう。

  • 垂直多関節ロボット
  • スカラロボット
  • 協働ロボット

垂直多関節ロボット

人の腕に近い動きをする、6軸前後のロボットです。姿勢の自由度が高く、溶接やハンドリング、パレタイジングまで幅広い工程に対応します。可搬数kg級から数百kg級まで、機種の幅が広い点も強みでしょう。

サイクルタイムと連続稼働を優先する工程では、この系統が軸になります。一方で安全柵を前提とするため、設置面積と初期投資は大きくなる点に注意してください。教示には専用ペンダントとロボット言語の習熟が要ります。複雑な軌跡を作り込める反面、教育には工数がかかります。

スカラロボット

水平方向の動作に特化した、4軸構成のロボットです。アームが水平に回るため、上から部品を置く動作を短時間で繰り返せます。上下の押し付けと水平移動が得意で、基板への部品実装やねじ締め、小物の組立で使われます。垂直多関節より動作が速く、単純な繰り返し作業では有利でしょう。

可搬重量は数kg程度までの機種が中心です。複雑な姿勢変化をともなう作業には向きません。工程が平面上で完結し、タクトタイムを詰めたい場合に検討するとよいでしょう。

協働ロボット

人と同じ空間で作業できるよう、力と速度を制御するロボットです。リスクアセスメントを前提に安全柵を省けるため、狭い既存ラインへ後付けしやすくなります。ダイレクトティーチやGUIに対応する機種が多い点も利点です。

可搬重量は数kgから十数kg級が中心で、サイクルタイムは従来型に劣ります。専任のプログラマがいない現場でも、段取り替えを内製しやすい設計です。多品種少量や、段取り替えの多い工程に向きます。リスクアセスメントの結果によっては、エリアセンサや囲いが必要になります。


03

【目的別】産業用ロボットの選び方

同じ産業用ロボットでも、何を自動化したいかで優先すべき軸が変わります。製造現場でよくある3つの目的を取り上げました。自社に近いものから読んでください。

溶接の品質と速度を安定させたい

まずは、求めるサイクルタイムを達成でき、連続稼働にも耐えられるかを確認しましょう。アーク溶接やスポット溶接では、軌跡精度とスパッタや高温への耐性が結果を左右します。人が常時近くにいない工程でもあり、高速で高可搬の垂直多関節が軸になるでしょう。

溶接は専用電源やトーチ、治具との統合が肝になります。同種工程の実績が厚いSIerと組むことが前提です。投資回収は、サイクルタイムの短縮と溶接品質の安定で試算しましょう。協働ロボットでは速度が足りず、生産量の大きい工程には向きません。

組立・検査の人手作業を置き換えたい

設置面積と教示のしやすさを軸に選びます。ねじ締めや小物組立、外観検査は可搬数kg級で足り、人手作業に近い動きが求められるためです。このため、まず協働ロボットから検討するとよいでしょう。ばら積みからのピッキングでは、ビジョンとの組み合わせも検討に含めておきたいところです。

既存ラインへ後付けしやすく、人と工程を分担する運用にも合います。ただし鋭利なハンドや高温のワークを扱う場合は、接触リスクの評価が欠かせません。安全柵レスで置けるかは、アセスメントの結果を踏まえて判断します。

搬送・パレタイジングを省力化したい

可搬重量とリーチに十分な余裕があるかを、先に確かめておきます。箱詰めや積み付け、工程間の搬送では、重量物を広い範囲で動かす必要があるためです。中可搬から高可搬の垂直多関節が候補になります。将来の最大ワーク重量も、この段階で確認しておきます。

ワークの形状が変わる場合は、ハンドの設計をSIerと詰めてください。工程間の移動をともなうなら、自律走行の搬送ロボットを組み合わせる構成も選べます。回収の根拠は、重量物作業の省力化と腰部負担の軽減に置きましょう。


04

【部門別】産業用ロボットの選び方

誰が使うかによっても、確認すべき点は異なります。産業用ロボットに関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有する場合は、条件の厳しいほうに合わせます。

生産技術部門

導入の要件定義とレイアウト設計を担う部門です。工程のタクトタイム、ワーク仕様、設置スペース、安全要件を数値で固める役割を負います。ここが曖昧だと、SIerへの引き合いも具体化しません。

確認したいのは、オフラインプログラミングやシミュレーションの対応範囲です。実機を止めずに動作を検証できると、立ち上げ期間を短縮できます。既存設備との通信仕様も、あわせて見ておきましょう。実機での検証項目を先に一覧にしておくと、SIerとの認識もそろいます。

製造部門

日々ロボットを動かし、品種切り替えのたびに教示をやり直す部門です。作業者が交代しても同じ手順で扱えるかが、稼働率に直結します。操作画面の分かりやすさが、現場への定着に影響するでしょう。

ダイレクトティーチやGUIで教示できる機種なら、外注を待たずに段取り替えを進められます。異常停止からの復帰手順も、導入前に実機で確かめてください。日本語の表示とマニュアルの有無も判断材料になります。教示の手順書を社内で整えておくと、担当者が変わっても運用が続きます。

保全部門

稼働開始後の点検と故障対応を担う部門です。ロボットが止まればライン全体が止まるため、復旧までの時間が最も重い条件になります。保守拠点の距離と対応時間を確認しておくと安心です。

消耗品の供給年数と、同型機の部品の入手性も見ておきます。予知保全のために稼働データを取り出せるかも、あわせて確認したい点です。自社で一次対応できる範囲を決めておくと、停止時間を縮められます。点検周期と年間の保守費も、見積もりの段階で聞いておきましょう。


05

【企業規模別】産業用ロボットの選び方

企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。専任担当の有無、拠点数、稟議の通し方の3点です。自社の体制に近いところを見てください。

中小企業

ロボットの専任技術者がいない前提で選びます。設定も教示も現場の作業者が抱えることになるためです。教示を内製できる機種から検討すると、立ち上げの負担を抑えられます。

まず一工程に絞って小さく導入し、現場が慣れてから台数や工程を広げてください。SIerの伴走支援と、導入時のティーチング教育を計画に含めます。補助金の活用も、初期投資を抑える手段になります。一工程あたりの人件費と作業時間を先に押さえると、回収年数を示しやすいでしょう。

中堅企業

複数ラインへの横展開と、社内標準化が課題になります。1台目で得た教示データや安全の考え方を、2台目以降へ引き継ぐ必要が出てくるためです。同じメーカーで機種を揃えると、社内の標準化を進めやすくなります。

ハンドや架台の仕様を共通化すると、2台目以降の設計費を抑えられます。SIerを1社に固定するか複数を使い分けるかも、この規模で決めておきたい点です。保全の体制も、拠点をまたいで整理しましょう。教育を受けた担当者を各ラインに置けるかも、展開の速度を左右します。

大企業

拠点数の多さと、既存システムとの連携が判断を左右します。生産管理システムや設備データ基盤との接続要件が、機種の選択肢を狭める場合があるためです。通信仕様の確認を先に済ませてください。

稟議では単価より、数年分の総額と全社展開の見通しが問われます。海外拠点を持つ場合は、各国での保守網と安全規格への対応も条件に入ります。全社一斉ではなく、拠点単位の段階展開が現実的です。調達部門の基準や、既存の取引先SIerとの関係も選択肢に影響します。


06

自社に合った産業用ロボットの選定ポイント

目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な条件に落とし込みます。ここからは順番が大切です。上から順に確認すると、手戻りが減ります。

  • 対象工程とタクトタイムを数値で固める
  • 可搬重量とリーチを余裕込みで決める
  • 協働運転の要否を判断する
  • ティーチングの担い手を決める
  • SIerの実績と総額を確認する

対象工程とタクトタイムを数値で固める

最初に決めるのは、どの工程をどれだけ自動化するかです。溶接、組立、検査、搬送、パレタイジングのどれが対象かで、必要な機構と精度が変わります。対象が複数ある場合は、効果の大きい一工程に絞ってください。

あわせてタクトタイムと年間生産量を数値化してください。この2つが決まらないと、協働運転の可否も投資回収も試算できません。現行の作業人数と作業時間も、同じ段階で押さえておきます。既存設備のレイアウト図と搬入経路の寸法も、この時点で集めておきましょう。

可搬重量とリーチを余裕込みで決める

可搬重量は、ワークとハンドと治具の合計で考えます。カタログ値ぎりぎりで設計すると、加減速時にアラームが出たり精度が落ちたりします。高速動作時の慣性と偏心荷重も見込んでください。

将来扱う可能性のあるワークまで含め、1〜2割の余裕を持たせるのが実務的です。ハンドは想定より重くなりやすく、軽く見積もると買い替えで二重投資になります。リーチは最遠点だけでなく、最も手前と最も低い姿勢でも干渉しないかをレイアウト図で確認します。

協働運転の要否を判断する

人と並べて使うかどうかを、ここで決めます。安全柵を置く余地がない、人と工程を分担したいという条件なら協働ロボットが候補です。設置面積を抑えられる分、システム費も下がります。

ただし生産量が大きく、人が常時近くにいない工程では従来型が有利です。ハンドやワークの形状によっては、結局エリアセンサや囲いが要ります。協働運転では、接触時の力の上限を定めた指針に沿って条件を詰めます。リスクアセスメントの結果と生産量の両方で判断してください。

ティーチングの担い手を決める

品種切り替えのたびに、誰が動作を教え直すかを決めます。外注に頼る前提だと、切り替えのたびに停止と費用が発生します。少量多品種の現場ほど、この条件の重みが増すでしょう。

自社で内製したいなら、ダイレクトティーチやGUIに対応した機種を選びます。導入前の検証で、自社のオペレーターに段取り替えを実演してもらってください。難易度を体感してから決めると、工数の見積もりが現実的になります。教示データの管理方法も、同じ段階で決めておきます。

SIerの実績と総額を確認する

産業用ロボットは本体単体では動かないため、SIerの技術力が稼働の安定に直結します。同種工程の実績、保守拠点と緊急時の対応体制、ティーチング教育の支援可否を確認してください。メーカーごとに得意なSIerが違うため、両者はセットで選びます。

費用は本体だけでなく、周辺機器とSIer費、保守、教育まで含めた3〜5年の総額で比べます。安全規格への対応も、この段階でスコープに入れておきましょう。保守契約の範囲と、故障時の駆けつけ時間は書面で確認しておきましょう。


07

【比較表】産業用ロボットの主要製品

製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。工程管理・現場操作性・中小適合・生産管理の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。下へ向かうほど、想定する企業規模と導入の重さが上がります。評価が設定されていない項目は「-」としています。

順位

製品

提供元

工程管理

現場操作性

中小適合

生産管理

価格の目安

1

Universal Robots URシリーズ

Universal Robots(ユニバーサルロボット)

4

5

5

3

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

2

デンソーウェーブ COBOTTA/VSシリーズ

株式会社デンソーウェーブ

3

4

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

3

オムロン TMシリーズ/モバイルロボLD

オムロン株式会社

4

4

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

4

ファナック ロボット(CRXシリーズ含む)

ファナック株式会社

5

4

3

5

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

5

Kawasaki Robotics Rシリーズ/duAro

川崎重工業株式会社(Kawasaki Robotics)

4

3

3

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

6

三菱電機 MELFA(FRシリーズ/ASSISTA)

三菱電機株式会社

4

4

3

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

7

不二越 MZ/CZシリーズ(協働CZ10)

株式会社不二越(NACHI)

4

3

3

3

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

8

ABB IRBシリーズ/YuMi・GoFa

ABB

5

3

3

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

9

安川電機 MOTOMAN(GP/HCシリーズ)

株式会社安川電機

5

4

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

10

EPSON スカラ/6軸ロボット

セイコーエプソン株式会社

4

3

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

11

KUKA 産業用ロボット/LBR iiwa

KUKA

5

3

4

機種・周辺機器・SIer導入費用により要見積

スコアが「-」の製品は、機能がないという意味ではありません。評価の登録がない項目です。製品ごとの詳しい比較は産業用ロボットの比較記事で扱っています。


08

産業用ロボットの選び方で失敗しないための注意点

導入でつまずく企業には共通したパターンがあります。事前に知っておけば、稟議の段階で対策を示せるはずです。よくある4つを回避策とあわせて挙げます。

本体価格だけで決めてしまう

よくあるのが、本体の安さで機種を決め、用途への適合や可搬・リーチを詰めずに契約する失敗です。ハンドや架台、安全装置、SIer費を含めると総額が膨らみます。工程に合わず、作り直しになる例もあります。

回避策:本体と周辺機器、SIer費、保守を合わせた総額で比べてください。用途と可搬・リーチは要件定義の段階で固めます。先に要件を数値で固めれば、見積もりの内訳も比べやすくなります。浮かせたはずの費用を作り直しで失っては本末転倒です。

協働ロボットを万能だと考える

協働ロボットであれば安全柵なしで置けるという思い込みも、計画の見直しにつながりやすい誤解です。鋭利なハンドや高速動作のために結局囲いが必要になり、サイクルタイムも出ません。設置面積の利点も相殺されます。生産量が大きい工程では、従来型のほうが総額で有利になる場合もあるでしょう。

回避策:協働の要否は、生産量とリスクアセスメントの両方で判断します。事前検証で実ワークを使い、安全と速度を実測することが大切です。数値で確かめてから設計を確定させましょう。

ティーチングを外注任せにする

段取り替えのたびにSIerを呼ぶ前提で運用を組むと、外部に頼る状態から抜け出しにくくなりがちです。品種を切り替えるたびに停止時間と外注費が積み上がり、稼働率が想定に届きません。本体が安くても運用費で逆転します。

回避策:ティーチングの容易性を選定軸に組み込んでください。自社のオペレーターが教示まで担える機種を選び、導入時に教育を計画します。自社で教示できれば、切り替えにかかる時間そのものも短くできます。復帰手順の訓練も、あわせて組み込みましょう。

安全アセスメントを後回しにする

導入を急ぐ中でリスクアセスメントを軽視した場合、その影響は想像以上に大きくなりがちです。稼働の直前に安全要件を満たせないと判明し、立ち上げが遅れます。設備を作り直す費用まで発生しかねません。

回避策:要件定義の段階から、安全規格への対応をSIerとスコープに入れます。産業用ロボットにはISO 10218、協働運転にはISO/TS 15066が指針になります。安全設計は、後から足すほど費用が膨らむでしょう。国内の労働安全衛生規則への適合も、同時に確認しておくことが大切です。


09

まとめ

産業用ロボットの選定は、対象工程とタクトタイムの数値化から始まります。ここが決まれば、可搬重量とリーチ、協働運転の要否が順に定まります。種類は垂直多関節・スカラ・協働の3つです。

方向が見えたら、5つの条件を上から確認してください。対象工程、可搬とリーチ、協働の要否、教示の担い手、SIerと総額です。よくある失敗は、価格優先・協働の過信・教示の外注依存・安全の後回しの4つになります。いずれも選定軸のどれかを後回しにした結果といえるでしょう。費用の内訳は産業用ロボットの費用の解説記事で扱っています。

産業用ロボット(協働ロボット対応)比較表

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よくある質問

Q産業用ロボットと協働ロボットの違いは何ですか?
A

従来型の産業用ロボット(多関節など)は高速・高可搬で生産量の多い工程に強い一方、人と隔離するための安全柵を前提とします。協働ロボットは人との接触を想定して力・速度を制御するため、リスクアセスメントを前提に安全柵なしで人の近くに設置でき、設置面積を抑えやすい点が特徴です。生産量が大きい工程は従来型、人と工程を分担したい・既存ラインに後付けしたい工程は協働ロボットが向きます。

Q産業用ロボットの導入費用は本体価格だけで考えてよいですか?
A

本体価格だけで判断すると見誤ります。実際にはハンド・架台・搬送・センサ・安全装置などの周辺機器、これらを統合するSIer/システムインテグレーション費、導入後の保守・教育費が積み上がります。SIer費が本体価格を上回ることも珍しくないため、本体+周辺+SIer費+保守の3〜5年TCOで比較し、人件費削減や生産量増でROI(回収年数)を試算するのが現実的です。

Q専任のロボット技術者がいない中小企業でも導入できますか?
A

可能です。ダイレクトティーチやGUIで操作できる協働ロボットなら、専任プログラマがいなくても段取り替えを内製しやすく、まず一工程に絞って小さく導入し、現場が習熟してから台数や工程を広げるアプローチが現実的です。SIerの伴走支援や補助金の活用、導入時のティーチング教育を計画に組み込むと、立ち上げリスクと初期投資を抑えられます。

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