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用語解説#デジタルピッキング#DPS#DAS

デジタルピッキングとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

デジタルピッキングとは、表示器や音声の指示で取る場所と数を作業者に示す仕組みです。DPSとDASの違い、主な機能、メリット・デメリット、ハンディターミナルとの違い、費用相場、向いている企業まで解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
デジタルピッキングとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

デジタルピッキングとは、棚に付けた表示器のランプや数字、あるいは音声の指示で、作業者が「どこから・何を・いくつ」取るかを判断できるようにする仕組みです。ピッキング作業を支援するためのものです。

紙のリストを目で追って探すやり方を置き換え、点灯した場所の物を表示された数だけ取る動作に作業を落とし込みます。この記事では、基礎知識からメリット・デメリット、主な機能、費用相場、向いている企業までを整理しました。

  • できること:表示器や音声で取る場所と数を示し、誤取り・誤数量と探す手間を減らします。
  • 2つの方式:注文ごとに集める摘み取り型のDPSと、品ごとに配り分ける種まき型のDASに分かれます。
  • 指示の出し方:表示器・音声・搬送一体の3つ。現場の環境と物量で選びます。
  • 費用の目安:間口数・表示器台数・連携範囲で変わるため、個別見積もりが基本です。

落とし穴は、表示器の設置・配線、品種が増えたときの増設費用、WMSとの連携が前提になる点です。品種数・物量・既存システムを踏まえて方式を選ぶことが、成功の前提になります。


この記事でわかること

01

デジタルピッキングとは

デジタルピッキングは、作業の「判断」を記憶やリストから機械の指示へ移す仕組みの総称です。上位システムの出荷データを、現場で扱える指示に翻訳する位置づけにあたります。ここでは仕組み、2つの方式、指示の出し方を押さえます。

紙のリストとの違い

棚の各間口(物を置く区画)に表示器を付け、出荷データに応じてランプを点けて数量を示します。作業者は光った間口から表示数を取り、ボタンを押して次へ進みます。

紙のリストでは、品番を読み、棚番を探して移動し、数を数える必要がありました。それを「光った場所から表示数取る」に置き換えます。ただし人の作業の支援で、搬送まで自動化するものではありません。

DPS(摘み取り)とDAS(種まき)

DPS(摘み取り方式)は、ある注文に要る品を、棚を回って順に集める方式です。注文を投入すると必要な間口が点灯します。

DAS(種まき方式)は、同じ品をまとめて用意し、複数の出荷先へ配り分ける方式です。1つの品をスキャンすると、要る出荷先の間口が点灯します。流れが正反対のため、自社の出荷がどちらの比重が大きいかが選定の出発点です。

指示方式の3種類

表示器方式は最も標準的で、間口ごとのランプと数字で指示します。直感的で、初めての作業者でも扱いやすい方式です。

音声方式は、ヘッドセットで取る場所と数を伝え、作業者が復唱しながら進めます。表示器が要らず、作業者の両手が自由になります。搬送一体方式は、コンベヤや自動倉庫と連動させ、物が作業者のもとへ流れてくるように組むものです。

編集部メモ:DPS/DASの軸と、指示方式の軸は別物です。「DPS×表示器」のように掛け合わせて具体化すると、メーカーへの相談が円滑に進みます。


02

デジタルピッキングのメリット

デジタルピッキングの利点は、判断を機械の指示に移すことから生まれます。精度・速さ・教育・標準化の4つの面で効果が表れます。

  • 誤取り・誤数量を防げる
  • 探す時間が短くなる
  • 新人でも一定の作業ができる
  • 作業が標準化され、進捗が見える

誤取り・誤数量を防げる

対象の間口だけを光らせ、取る数を数字で示すため、品違いや数量違いが起きにくくなります。似た品が並ぶ棚でも、光った場所だけ見れば済みます。

似た品番の読み違えや、行の読み飛ばしといったミスも消えるでしょう。検品と組み合わせれば、出荷ミスはさらに減ります。返品や再出荷の手間も軽くなるのが利点です。

探す時間が短くなる

どこから取るかを表示器や音声が示すため、リストと棚を見比べて探す時間がなくなります。同じ人数で扱える出荷量が増えます。

効果が大きいのは、品種が多く棚番を覚えきれない現場です。経験の浅い作業者は毎回探すことになり、その差が処理速度の差になっていました。DASなら棚を何度も往復せずに済み、歩行も減らせるでしょう。

新人でも一定の作業ができる

光った場所から表示数を取るだけなので、品番や棚番を覚えなくても作業を始められます。教育にかかる時間を圧縮できるのが利点です。

繁忙期に応援を入れる現場では、この立ち上げの速さが効きます。短期の作業者も当日から戦力になるでしょう。特定の人がいないと出荷が回らない、という状態から抜け出せます。

作業が標準化され、進捗が見える

確認操作の履歴が残るため、誰が作業しても手順が揃います。人によってやり方が違う状態もなくなるでしょう。

取った・取っていないという進捗が見え、作業の抜けや遅れをその場で検知できます。どの工程で時間がかかっているかが分かれば、棚割りや動線を見直す判断材料になるでしょう。


03

デジタルピッキングのデメリット

導入すれば自動でうまくいくわけではなく、4つの制約があります。いずれも事前に見積もれる範囲なので、対処法とあわせて押さえておきましょう。

  • 表示器の設置・配線に手間がかかる
  • 品種・間口が増えると費用がかさむ
  • WMSとの連携が前提になる
  • レイアウト変更への追従が要る

表示器の設置・配線に手間がかかる

表示器方式では、間口ごとに機器を取り付けて配線します。間口数が多い倉庫ほど、工事の手間とコストがかさむ点に注意が必要です。

既存の棚に後付けすると、想定より大掛かりになることもあります。

対処法:省配線に対応した製品を選ぶか、設置範囲を効果の高いエリアに絞ります。表示器を置きにくい大空間なら、音声方式に切り替える手もあるでしょう。

品種・間口が増えると費用がかさむ

表示器は間口の数だけ要るため、品種や出荷先が増えるたびに追加の機器費が発生します。DASでは、出荷先の数だけ間口が必要です。

対処法:将来の品種増を見込み、拡張しやすい構成にしておきます。全品をデジタル化する必要はありません。出荷実績の上位品に絞るだけでも、効果の大半は得られます。

WMSとの連携が前提になる

出荷データを上位システムから受け取って動くため、WMSや基幹システムとの連携が前提です。連携を後から作り込むと、費用も期間も膨らみます。

対処法:導入の初期からシステム担当を巻き込み、やり取りするデータを明確にしてください。機器の費用と連携の費用は、分けて見積もりましょう。

レイアウト変更への追従が要る

表示器は物理的に固定されているため、棚割りを変えるたびに間口の割り当てや配線の見直しが要ります。変更が多い現場では、負担が続くでしょう。

対処法:変更のしやすさも選定基準に入れます。表示器を固定しない音声方式や、割り当てをソフト側で変えられる構成を検討してください。


04

デジタルピッキングの主な機能

デジタルピッキングシステムが備える機能は、大きく次の4つです。製品ごとに対応範囲が違うため、比べる際もこの4つが軸になります。

  • 間口への指示表示:対象の間口を点灯させ、取る数量を数字で示す
  • 確認操作と進捗の記録:作業完了をシステムに戻し、抜けを検知する
  • 上位システムとの連携:出荷指示を受け取り、実績を返す
  • 検品との連動:取った物をバーコードで照合し、誤出荷を止める

それぞれの中身を見ていきましょう。

間口への指示表示

出荷データに応じて対象の間口を点灯させ、取る数量を数字で示す機能です。デジタルピッキングの中核にあたります。

DPSでは注文単位で、DASでは1つの品を要する出荷先の間口が一斉に点きます。音声方式では、これがヘッドセットの指示に置き換わる仕組みです。どちらが速いかは、間口の数や移動距離で変わります。

確認操作と進捗の記録

取り終えた間口のボタンを押し、完了をシステムに戻す機能です。取った・取っていないが記録として残ります。

押し忘れは未完了として残るため、出荷前に気づけます。どの注文がどこまで進んでいるかも分かり、締め時間への遅れを早めに把握できるでしょう。人員の追加や優先順位の組み替えも、実績を見ながら判断できます。

上位システムとの連携

WMSや基幹システムから出荷指示を受け取り、完了結果を上位へ戻す機能です。デジタルピッキングが動くための土台にあたります。

この往復ができて初めて、誤出荷の防止や進捗の見える化が機能します。連携できる範囲は、製品ごとに異なるのが実情です。既存システムとの接続方式は、選定の段階で確かめてください。

検品との連動

取った物を、出荷前にバーコードで照合する機能です。取り間違いがあれば、出荷される前に止められます。

ピッキングで間違いを減らし、検品で最終確認する二段構えにすれば、出荷品質はより確実になるでしょう。ラベル発行やトレーサビリティと一体で運用できる製品もあります。医薬・食品のように記録が要る分野では、この連動が要件そのものになります。


05

デジタルピッキングの主な活用場面

デジタルピッキングが使われるのは、人が探して取る作業が繰り返される現場です。出荷の形によって、向く方式が変わります。代表的な3つの場面を見ていきましょう。

出荷ピッキング(摘み取り)

出荷担当者が、注文ごとに要る品を集める場面です。定番品の出荷が中心で、1注文にある程度まとまった品目を集めます。

ここではDPSが基本です。棚のレイアウトを固定しやすく、表示器の効果が安定します。出荷頻度の高い品を手前に置くなど、動線を意識した棚割りと組み合わせると効果が高まるでしょう。

店舗別・方面別の仕分け(種まき)

物流センターの担当者が、同じ品を多数の出荷先へ配り分ける場面です。店舗別の仕分けや、出荷先が多い通販が該当します。

この場面に向いているのは、種まき方式のDASです。総量をまとめて引き当ててから配るため、棚を往復せずに済みます。出荷先が非常に多いなら、DPSで方面ごとに集めてからDASで細分化する二段構えもあります。実務では珍しくない組み方です。

部品キッティングとライン供給

製造現場の担当者が、ラインへ供給する部品を1セットに組み合わせる場面です。品目を集める点ではDPSと同じ流れになります。

効くのは、部品の取り違えを防げることです。似た形の部品が並ぶ棚でも、光った間口だけ取れば済みます。供給の遅れはラインの停止に直結するため、進捗の見える化も重要になるでしょう。


06

デジタルピッキングの費用相場

デジタルピッキングは公開価格を持つ製品がほとんどなく、個別見積もりが基本です。費用は、間口数と表示器の台数、指示方式、搬送設備の有無、WMS連携の範囲で大きく変わります。まず「どの範囲を・何間口・どの方式で」やるかを決め、複数社に見積もりを依頼してください。

対応方式は、ITトレンドのデジタルピッキングシステム(DPS/DAS)カテゴリで比較できます。


07

デジタルピッキングと紙リスト・ハンディターミナルの違い

ピッキングのやり方は、紙のリスト、ハンディターミナル、デジタルピッキングの3つに整理できます。どれを選ぶかは、物量と間口数、求める精度で決まります。

観点

紙のリスト

ハンディターミナル

デジタルピッキング

指示の出し方

紙を読んで自分で探す

端末の画面に表示

棚の表示器が点灯/音声で伝える

探す手間

棚番を探す必要がある

画面を見て探す

光った場所へ行くだけ

初期費用

ほぼ不要

端末台数分

間口数分の機器費と工事費

レイアウト変更

影響なし

影響が小さい

表示器の付け替えが要る

向く現場

物量が少なく品種も限られる

品種が多くレイアウト変更も多い

同じ棚から繰り返し取る物量の多い現場

ハンディターミナルは端末の画面を見る方式のため、探す動作が残るのが難点です。一方で表示器の設置が要らず、レイアウト変更にも柔軟に追従できます。品種の入れ替わりが激しい現場では、こちらが合う場合もあるでしょう。

デジタルピッキングは、同じ場所から繰り返し取る現場で本領を発揮します。物量が多いほど、1件あたりの効果が積み上がるでしょう。物量の多いエリアだけを表示器化する併用も現実的です。


08

デジタルピッキングの導入が向いている企業・向いていない企業

効くかどうかは、企業規模ではなく「同じ棚から繰り返し取る作業の量」で決まります。自社がどちらに当てはまるかを確かめてください。

デジタルピッキングの導入が向いている企業

出荷量が多く、ミスや遅れが顧客対応のコストに直結する企業です。件数が多いほど、効果の総量が大きくなります。

棚のレイアウトが安定し、同じ品を繰り返し出荷する企業も適しています。人手不足や入れ替わりが課題の企業も候補でしょう。新人の立ち上げが速くなり、特定の人に依存しない体制をつくれます。

デジタルピッキングの導入が向いていない企業

物量が少なく、品種も限られる企業です。機器費と工事費に見合う効果が出にくく、紙やハンディターミナルで十分まかなえます。

レイアウトを頻繁に変える企業も、慎重な検討が要ります。WMSが未整備で出荷データを渡せない企業は、時期尚早です。まず上位システム側の整備から始めましょう。


09

まとめ

デジタルピッキングとは、表示器や音声で「どこから・何を・いくつ」取るかを示す仕組みです。誤取りと探す時間を減らします。人の作業を支援するもので、搬送までは自動化しません。

最初に決めるのは方式です。注文ごとに集めるならDPS、品ごとに配り分けるならDASです。自社の出荷が「集める」のか「配る」のかで選びます。

一方で、表示器の設置・配線やWMS連携が前提になる点には注意が要ります。出荷データを棚卸しし、効果の出やすい範囲から段階的に導入してください。対応方式はデジタルピッキングシステム(DPS/DAS)カテゴリで確認できます。

デジタルピッキングシステム(DPS/DAS)比較表

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よくある質問

Qデジタルピッキングとは何ですか?
A

デジタルピッキングとは、棚に取り付けた表示器のランプや数字、または音声などの指示で「どこから・何を・いくつ」取るかを作業者に示すピッキング支援の仕組みです。紙のリストを読み解く作業を「光った場所の物を表示数取る」という単純な動作に置き換え、出荷・仕分けの誤りと探す時間を減らすことを目的としています。

QDPSとDASの違いは何ですか?
A

DPS(摘み取り方式)は1つの注文のために複数の品を棚から集める方式で、出荷頻度が高い品や1注文あたりの品目がまとまった作業に向きます。DAS(種まき方式)は1つの品を複数の出荷先へ配り分ける方式で、店舗別仕分けのように多品種少量で出荷先が多い作業に向きます。集めるならDPS、配るならDASが基本で、両方多い現場は併用も有効です。

Qデジタルピッキングを導入するデメリットはありますか?
A

あります。表示器方式では間口ごとの設置・配線の手間がかかり、取扱品種や出荷先が増えると表示器の増設費用がかさみます。また出荷データを受け取って動くためWMSや基幹システムとの連携が前提になり、レイアウトを変えると間口の割り当ても見直しが必要です。自社の品種数・物量・既存システムを踏まえ、効果の出やすい範囲から段階的に導入するのが安全です。

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