メインコンテンツへスキップ
選び方・ノウハウ#デジタルピッキング#DPS#DAS

デジタルピッキングの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

デジタルピッキングの選び方を、目的別・部門別・企業規模別の3つの切り口から解説。摘み取り型(DPS)や種まき型(DAS)など4種類の違い、WMS連携や配線方式の確認の順番、品種増による費用の膨張など4つの失敗と回避策まで整理します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
デジタルピッキングの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介

デジタルピッキングは、表示器のランプと数字で取り出す品目と数量を指示する仕組みです。紙のリストや目視の照合に頼る現場でも、経験の浅い作業者が迷わず動けるようになります。ただし、導入すれば必ず楽になるわけではありません。出荷形態や品種数、現場環境を見誤ると、表示器の台数が膨らんで費用が想定を超えます。この記事では、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。

  • 摘み取り(DPS)か種まき(DAS)かを最初に確定する
  • WMSや検品システムとの連携方式を早い段階で突き合わせる
  • 表示器の配線方式と拡張性が、将来の増設費用を左右する
  • 費用は要件を満たす候補に絞ってから最後に比べる

デジタルピッキングの選定は、出荷形態と品種数を整理すると、候補を絞り込みやすくなります。製品ありきではなく、自社の出荷データを起点に候補を絞ってください。


この記事でわかること

01

デジタルピッキングの基礎知識

選び方に入る前に、デジタルピッキングが何をする仕組みなのかを押さえます。ここが曖昧なままだと、各社の提案を横並びで評価できません。3点に絞って確認しましょう。

デジタルピッキングが担う業務

デジタルピッキングは、棚の間口に付けた表示器で「どこから何個取るか」を作業者に指示します。上位のシステムから受け取った出荷データをもとに、該当する間口が点灯する仕組みです。出荷ピッキング、部品のキッティング、店舗別の仕分けが主な対象になります。

指示どおりに取ってボタンを押すだけなので、紙のリストを読み合わせる手間が要りません。新人でも作業の精度が安定し、教育の期間を短くできます。誤出荷の削減と作業の標準化が、導入の主な目的になります。

DPSとDASの違い

DPSは、1件の出荷オーダーごとに棚を回って品物を集める摘み取り方式です。対してDASは、入荷した品物を複数の出荷先やオーダーへ振り分ける種まき方式になります。

個別出荷や少量多頻度の部品出荷では、DPSが適しています。店舗別・得意先別の一括仕分けや、製造ラインへの部品供給ではDASが向くでしょう。両者は表示器の置き方も運用も違うため、どちらが主体かを最初に明確にしましょう。ここが定まらないと、後の比較の前提がそろいません。

選定でつまずきやすい理由

デジタルピッキングは、現場の条件に強く依存する設備投資です。同じ製品でも、品種数や間口数が変われば必要な台数と費用が大きく動きます。

カタログの機能表を並べても、自社にいくらかかるかは読み取れません。差が出るのは、表示器の台数を左右する品種数と、配線工事の範囲です。品種が増えた数年後に、増設費用で行き詰まる例も少なくありません。だからこそ、自社の出荷データを数字で押さえてから製品を見る順序が要ります。

編集部コメント:見落とされやすいのが品種数の将来予測です。導入時のSKU数で表示器の台数を設計すると、取扱品目が増えた途端に増設費用がかさみます。後述する配線方式の選定にも影響する部分です。


02

デジタルピッキングの種類

デジタルピッキングは、作業者への指示のしかたと設備の組み方で4つに分かれます。この分類を押さえると、候補を絞り込みやすくなります。まず全体像をつかみましょう。

  • 摘み取り型(DPS)
  • 種まき型(DAS)
  • 音声ピッキング型
  • 搬送一体型

摘み取り型(DPS)

棚の間口に表示器を並べ、1オーダー分の品物を作業者が回って集める方式です。個別出荷や少量多頻度の部品出荷のように、オーダーごとに品目が変わる現場で使われます。

表示器の点灯を追えば動けるため、新人の教育にかかる負担は軽くなるでしょう。一方で、間口の数だけ表示器が必要になり、品種が多い現場では台数と費用が膨らみます。出荷頻度の高い品目だけを表示器のエリアに集め、台数を抑える設計も、あわせて検討の対象になります。

種まき型(DAS)

入荷した品物を、出荷先やオーダーごとの間口へ振り分ける方式です。店舗別・得意先別の一括仕分けや、製造ラインへの部品供給で使われます。

同じ品目をまとめて扱うため、間口の数は品種数より出荷先の数に左右されます。入荷のタイミングでまとめて仕分けるので、出荷直前の作業を平準化しやすいでしょう。摘み取りと種まきの工程が混在する現場では、両方式に対応する製品が候補です。両対応の製品は、比較表の中にも複数含まれています。

音声ピッキング型

ヘッドセットの音声で指示を受け、作業者が声で応答する方式です。表示器を設置しないため、間口ごとの配線工事が要りません。

両手と目が空くので、天井の高い大空間や、手袋で作業する冷蔵・冷凍環境に向いています。棚の入れ替えが多い現場でも、配線の制約を受けにくいでしょう。ただし、騒音の大きい環境では認識の精度が落ちます。作業者ごとの音声登録と、慣れるまでの教育も必要になります。表示器型と比べて、端末の単価は事前に確認しておきたい項目です。

搬送一体型

コンベヤや自動倉庫と組み合わせ、ピッキングを搬送ラインの一部として組む方式です。棚やケースのほうが作業者の元へ運ばれる構成も含まれます。

歩行の時間を減らせるため、物量の多い現場では処理能力を大きく伸ばせます。生産ラインへの部品供給まで一体で設計できる点も利点です。自動倉庫と連動させれば、保管から出荷までを一体で構築できます。ただし設計と施工が前提になり、費用と期間はほかの方式より大きくなります。表示器だけを小さく導入したい現場には向きません。


03

【目的別】デジタルピッキングの選び方

同じデジタルピッキングでも、何をしたいかで優先する軸が変わります。製造業の出荷・仕分けでよくある3つの目的を取り上げました。自社に近いものから読み進めてください。

多品種・少量の出荷を正確にさばきたい

デジタルピッキングの効果が出やすい一方で、表示器の必要台数が膨らみやすい領域です。配線工事と増設費用を抑えられる構成を優先しましょう。

配線を簡素化できる省配線方式なら、間口が増えても工事の範囲を小さくできます。出荷頻度の高い品目だけを表示器のエリアに集め、低頻度品は別の運用にする分け方も有効です。フリーロケーション運用や台車型のDPSで、表示器の台数を抑える設計も考えられます。この目的では、初期費用と将来の増設費用のバランスが判断の軸になります。

少品種・大ロットを高速に流したい

品目が限られていれば表示器の台数を抑えやすく、費用対効果を出しやすい条件です。ここでは処理能力を軸に選びます。

物量がすでに大きいなら、コンベヤ搬送や自動倉庫と連動する構成が候補になります。歩行の時間を削れる分、作業者1人あたりの処理行数が伸びるためです。GTP型では、棚やケースのほうが作業者の元へ自動で運ばれます。物量がまだ読めない段階なら、表示器中心のシンプルな構成から始める方法もあります。後から搬送の自動化を足す段階導入も現実的な進め方です。

検品と連動して誤出荷を防ぎたい

速度より出荷品質を優先する現場では、バーコード検品と連動する仕組みを軸にします。指示と実際に取った品物を突き合わせ、取り違えをその場で止められるためです。

食品・医薬・精密部品のように、返品や再出荷の損失が大きい分野で効果が出やすくなります。ロットや期限の管理が要る場合は、トレーサビリティ機能の有無もあわせて確認しましょう。ピッキング後に検品で止める仕組みは、表示器による高速な摘み取りとは役割が異なります。ラベル発行まで一体で扱える構成なら、出荷の記録も残しやすくなります。


04

【部門別】デジタルピッキングの選び方

関わる部門ごとに、デジタルピッキングで確かめたいポイントは異なります。デジタルピッキングに関わる3つの部門で整理しました。複数の部門で使う場合は、条件の厳しいほうに合わせます。

出荷・物流部門

作業量が最も多く、処理能力と現場の操作性が成果を左右する部門です。1件あたりの短縮が、出荷件数の分だけ積み上がります。

見るべきは、繁忙期のピークを処理できるかどうかです。平均の物量で設計すると、月末や期末に作業が滞りかねません。表示器の視認性や、在庫が足りないときの例外処理のしやすさも確認しておきます。表示器の防塵防滴等級も、現場の温度や粉塵に合わせて確認が要ります。可能であれば、自社の実データを使ったデモで作業者の処理行数を確かめましょう。

生産管理・製造部門

ラインへの部品供給やキッティングで、ピッキングを使う部門です。出荷の速さより、生産計画に合わせた供給の正確さが問われます。

ここで重要になるのは、生産側の指示データとの連携です。品目コードの体系が生産管理のシステムとそろっているかを確認しておきます。連携データにロットの情報が含まれるかも、確かめておきたい点です。生産品目の変化で棚割りが変わりやすいため、表示器の移設や増減設に対応できる構成も条件になります。搬送と一体で組む選択肢も検討の対象です。

品質保証部門

誤出荷やロット違いを防ぐ立場として、品質保証部門が注目したいのは記録の残り方です。作業の速さより、出荷の経緯を追跡できるかどうかが判断軸になります。

ピッキングの実績、検品の結果、ロットや期限の情報がどこまで残るかを確認しましょう。出荷後に問い合わせを受けたとき、どこまで遡って調べられるかが対応の速さに影響します。ロット管理が要る現場では、トレーサビリティ機能の有無が選定の条件になります。取引先の要求に応える記録を取れるかも、早い段階で確かめておくと安心です。


05

【企業規模別】デジタルピッキングの選び方

企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。専任担当の有無、拠点数、稟議の通し方の3点です。自社の体制に近いところを見てください。

中小企業

情報システムの専任担当がいない前提で選びます。連携の設計やトラブル対応を、現場の担当者が抱えることになるためです。

ピッキング量がごく少ない現場では、費用に見合う効果が出にくい点にも注意が要ります。導入の範囲を1つの工程に絞り、表示器の台数を抑えた構成から始めるとよいでしょう。初期設定や教育まで支援してもらえるかも、確認したい条件になります。後から間口を足せる方式を選んでおけば、少ない投資で始めて段階的に広げられます。稼働後に相談しやすい窓口があるかも見ておきましょう。

中堅企業

複数の工程や拠点へ広げる段階で、運用の標準化が課題になります。拠点ごとに運用が分かれると、教育も保守も二重になるためです。

最初の1拠点を、横展開の型として設計しておきましょう。WMSとの連携仕様や作業手順を共通化すると、2拠点目以降の立ち上げが軽くなります。品種の入れ替わりに追従できる拡張性も、この規模から重要になります。増設1台あたりの単価と工事の範囲は、見積もりの段階で押さえておくと安心です。

大企業

物流全体の設計と、既存システムとの連携範囲が判断を左右します。自動倉庫や搬送設備を含めた大きな投資になりやすいためです。

保管から出荷まで一体で任せられる提供元が候補になります。稟議では単価より、初期費用と数年分のランニングを合わせた総額が問われるでしょう。24時間稼働の現場では、故障時の駆けつけ時間や代替機の有無も費用と同じ重みで比べます。全拠点に一斉導入せず、段階的に広げて影響範囲を抑える進め方も有効です。


06

自社に合ったデジタルピッキングの選定ポイント

目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な条件に落とし込みます。ここからは確認の順番が大切です。上から順に確認すると、手戻りを防ぎやすくなります。

  • 出荷データを数字で押さえる
  • 方式を選ぶ
  • WMS・検品システムとの連携を確認する
  • 配線方式と拡張性を見る
  • 総額と保守の範囲を比べる

出荷データを数字で押さえる

最初に押さえるのは、品種数、1日あたりのオーダー数と行数、繁忙期のピーク倍率です。これらが曖昧なままでは、必要な表示器の台数を見積もれません。

品種数は、台帳のSKU数ではなく、実際に間口を割り当てる品目の数で数えます。季節商品やスポット品も忘れずに含めましょう。物量は直近1年の実績を曜日別・時間帯別に見て、ピークの山がどこにあるかを把握しておきます。平均値で設計すると、繁忙期に作業が滞るおそれがあるためです。

方式を選ぶ

整理した数字と現場環境から、摘み取り・種まき・音声・搬送一体のどれを軸にするかを選びます。ここを飛ばすと、比較の前提がそろいません。

複数の工程が混在するなら、両方式に対応する製品を前提にしましょう。冷凍庫や大空間のように表示器が見づらい環境では、音声型も候補に入ります。温度や粉塵などの環境条件は、数値で各社に伝えられるよう整理しておくことが大切です。この段階では1社に絞らず、方式の候補を2〜3タイプ残しておくと比較しやすくなります。

WMS・検品システムとの連携を確認する

デジタルピッキングは単体では動かず、上位のシステムから指示データを受け取って初めて機能します。連携方式と責任の分担を、早い段階で確かめましょう。

連携方式には、API、CSV、専用のインターフェースがあります。必要な項目は、オーダー番号、品目コード、数量、ロットや期限などです。既存システムがそれらを出せるかを突き合わせておくと、後の手戻りを防げます。誰が連携を設計し保守するのかも、契約の段階で明確にしておきます。

配線方式と拡張性を見る

間口ごとに有線で結ぶ方式は、品種が増えるたびに配線工事が発生します。配線を簡素化できる方式なら、増設や移設の負担を抑えられます。

製造現場は、生産品目の変化で棚割りが変わる前提で考えましょう。年に何回棚割りを変えるのか、その都度の工数と費用を具体的に聞いておきます。1台あたりの増設単価だけでなく、増設に伴う停止時間も確認の対象です。品種が1.5倍に増えたときの追加費用と工事範囲を各社に出してもらうと、差が見えやすくなります。

総額と保守の範囲を比べる

費用は、要件を満たす候補に絞ってから比べます。初期費用・工事費・連携費・保守費の総額で見ないと、表示器の単価だけでは総額を読み違えるためです。

同じ出荷データと同じ将来想定を全社に渡し、見積もりの前提をそろえましょう。保守では、故障時の対応体制も比較の対象になります。費用の内訳はデジタルピッキングの費用の解説記事で扱っています。要件定義と連携設計には時間がかかるため、稼働希望日から逆算して動くことが大切です。


07

【比較表】デジタルピッキングの主要製品

製品データとして数値化できる4項目を、製造業適合性スコアで横並びにしました。在庫管理・工程管理・現場操作性・中小適合の4つを5段階で評価しています。並びは中小適合の高い順です。下へ向かうほど、想定する企業規模と導入の重さが上がります。

順位

製品

提供元

在庫管理

工程管理

現場操作性

中小適合

価格の目安

1

アイオイ・システム デジタルピッキング(DPS/DAS)

株式会社アイオイ・システム

4

4

5

4

表示器台数・WMS連携により個別見積

2

富士電機 デジタルピッキング/仕分け(DPS/DAS)

富士電機株式会社

4

4

4

3

構成・上位連携により個別見積

3

ホクショー デジタルピッキングライン

ホクショー株式会社

3

4

4

3

搬送・表示器構成により個別見積

4

Honeywell 音声ピッキング(Voice/Vocollect)

日本ハネウェル合同会社

3

4

4

3

端末・ライセンス構成により個別見積

5

サトー ピッキング/検品(ラベル連携)

株式会社サトー

3

3

4

3

端末・ラベル・運用構成により個別見積

6

ダイフク デジタルピッキング/仕分けシステム

株式会社ダイフク

4

4

3

2

システム構築前提で個別見積。投資規模は大きい

7

中西金属工業(NKC)ピッキング/搬送システム

中西金属工業株式会社(NKC)

3

4

4

2

搬送・施工構成により個別見積

8

村田機械 ピッキング/仕分けシステム

村田機械株式会社

4

4

3

2

システム構成により個別見積

提供体制の変化にも注意が要ります。Honeywellの音声ピッキング(Vocollect)は、日本での提供元が変わりました。日本法人が2025年8月の会社分割で、日本ハネウェル合同会社へ移っています。親会社は2026年4月、生産性ソリューション事業の売却で合意しました。売却先はBrady Corporationで、この事業に音声ピッキングも含まれます。2026年7月時点では、売却はまだ完了していません。村田機械のデジタルピッキング専用ページは、現在公式サイトで確認できない状況です。提供終了の告知も見当たらないため、検討時は直接の確認をおすすめします。

製品ごとの詳しい比較は、デジタルピッキングの比較記事が参考になるでしょう。各製品の一覧はデジタルピッキングシステム(DPS/DAS)のページで確認できます。


08

デジタルピッキングの選び方で失敗しないための注意点

導入でつまずく現場には、共通したパターンがあります。事前に知っておけば、稟議の段階で対策を示せるはずです。よくある4つを回避策とあわせて挙げます。

品種増で表示器の費用が膨らむ

取扱品目が増えた途端に増設費用がかさむのは、導入時のSKU数だけに合わせて表示器を配置した場合です。デジタルピッキングで最も多い落とし穴といえます。

回避策:将来の品種数を見込んだうえで方式を選びます。省配線やフリーロケーションのように、台数を抑えられる構成が候補になるでしょう。増設1台あたりの単価と工事の範囲は、見積もりの段階で確認しておきます。初期費用と数年分のランニングを合わせた総額で判断することが大切です。

WMS連携の設計を先送りする

連携部分を「あとで詰める」と先送りすると、稼働直前にデータ項目の不整合が発覚しかねません。立ち上げが遅れる原因になります。デジタルピッキングは、上位システムからの指示データがあって初めて動きます。

よくあるのは、品目コードの体系が既存システムと表示器側で食い違っていた例です。ロットや期限の情報が、連携データに含まれていなかった例もあります。回避策:誰が連携を設計し保守するのかを最初に決めましょう。連携仕様の責任範囲は、契約書のレベルで明確にしておきます。

配線を固定してレイアウト変更に対応できない

有線の表示器を固定して並べると、棚割りを変えたいときに大がかりな再工事が必要です。変更のたびに、工事の費用と現場の停止時間がかかります。

回避策:製造現場はレイアウト変更が前提だと考え、移設しやすい方式を選びます。変更の頻度を見込んだ契約にしておく方法もあるでしょう。導入時点の最適なレイアウトに固執しないことが大切です。半年後・1年後の変化を踏まえ、余白を持たせた設計にしておくと追従しやすくなります。

現場教育と例外処理の設計を軽く見る

注意したいのは、機器さえ導入すれば精度が上がると考え、教育とオペレーションの設計を省くことです。指示どおりに在庫がないとき、現場が止まってしまいます。

回避策:表示器の見方、検品の手順、エラー時の対応をマニュアル化します。作業者教育とトライアル運用も計画に組み込みましょう。数が合わないときの動き方まで決めておけば、無理な辻褄合わせによる在庫差異も防げます。現場のリーダー層を早い段階から検討に巻き込むと、定着もスムーズです。


09

まとめ

デジタルピッキングの選定は、出荷形態を明確にすることから始まります。摘み取りか種まきかで、表示器の置き方も運用も変わるためです。方式は摘み取り型・種まき型・音声ピッキング型・搬送一体型の4つに分かれます。

方向が見えたら、5つの条件を順に確認します。出荷データの数字、方式、上位システムとの連携、配線方式と拡張性、総額と保守の範囲です。よくある失敗は、品種増による費用の膨張、連携設計の先送り、配線の固定、教育不足の4つです。いずれも将来の変化を見込まずに選んだ結果といえます。

基礎から確認したい場合は、デジタルピッキングの解説記事もあわせてご覧ください。

デジタルピッキングシステム(DPS/DAS)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
アイオイ・システム デジタルピッキング(DPS/DAS) ロゴ
アイオイ・システム デジタルピッキング(DPS/DAS)株式会社アイオイ・システム要見積もり世界73ヶ国・累計500万台超、省配線AI-NETの国産DPSトップ詳細を見る
富士電機 デジタルピッキング/仕分け(DPS/DAS) ロゴ
富士電機 デジタルピッキング/仕分け(DPS/DAS)富士電機株式会社要見積もりDPS/DAS両対応で物流・製造の出荷を効率化する電機大手のシステム詳細を見る
ホクショー デジタルピッキングライン ロゴ
ホクショー デジタルピッキングラインホクショー株式会社要見積もり搬送コンベヤと連携した仕分け・ピッキングをライン化詳細を見る
Honeywell 音声ピッキング(Voice/Vocollect) ロゴ
Honeywell 音声ピッキング(Voice/Vocollect)日本ハネウェル合同会社要見積もりハンズフリーの音声指示で目と手を空けて正確にピッキング詳細を見る
ダイフク デジタルピッキング/仕分けシステム ロゴ
ダイフク デジタルピッキング/仕分けシステム株式会社ダイフク要見積もり自動倉庫・搬送と一体で構築する物流最大手のピッキング詳細を見る
村田機械 ピッキング/仕分けシステム ロゴ
村田機械 ピッキング/仕分けシステム村田機械株式会社要見積もり自動倉庫と連携した摘み取り・仕分けを構築詳細を見る
サトー ピッキング/検品(ラベル連携) ロゴ
サトー ピッキング/検品(ラベル連携)株式会社サトー要見積もりラベル・バーコード検品と連動して誤出荷を防ぐピッキング支援詳細を見る
中西金属工業(NKC)ピッキング/搬送システム ロゴ
中西金属工業(NKC)ピッキング/搬送システム中西金属工業株式会社(NKC)要見積もり搬送システムと一体でピッキング・仕分けを設計施工詳細を見る

よくある質問

QDPS(摘み取り方式)とDAS(種まき方式)はどう使い分ければよいですか?
A

1件の出荷オーダーごとに棚を回って商品を集めるのがDPS(摘み取り)、入荷した商品を複数の出荷先やオーダーへ振り分けるのがDAS(種まき)です。個別出荷や少量多頻度の部品出荷にはDPS、店舗別・得意先別の一括仕分けや製造ラインへの部品供給にはDASが向きます。両方の工程が混在する現場では、アイオイ・システムや富士電機、村田機械などDPS/DAS両対応の製品を選ぶとよいでしょう。

Qデジタルピッキングの導入費用はどのくらいかかりますか?
A

費用は主に「表示器・コントローラの台数」「配線工事」「WMS・基幹システム連携の開発費」「年間保守費」で決まり、規模や方式で大きく変動します。小規模なDPSなら数十万〜数百万円、間口が数百〜千を超える大規模では一千万円以上になることもあります。製品単価だけでなく、将来の品種増に伴う増設費用と5年程度のランニングを含めたTCO(総保有コスト)で比較することが重要です。

Qデジタルピッキング導入でよくある失敗は何ですか?
A

最も多いのは、導入時の品種数に最適化して表示器を配置した結果、取扱品目が増えて増設費用が膨らむケースです。次にWMSとの連携設計を先送りして稼働直前に不整合が発覚するケース、有線表示器を固定してレイアウト変更が難しくなるケース、現場教育を軽視して精度が上がらないケースが挙げられます。将来の品種数を見込んだ方式選定、連携の責任分担の明確化、トライアル運用と教育の計画化で回避できます。

デジタルピッキングをもっと詳しく探す