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用語解説#3D CAD#2D CADとの違い#ソリッドモデリング

3D CADとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

3D CADとは、製品を立体モデルとして設計するソフトです。モデリングや干渉チェックなどの主な機能、メリット・デメリット、2D CADとの違い、費用相場、導入に向いている企業までをわかりやすく解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
3D CADとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

3D CADとは、製品の形状を立体のモデルとしてコンピュータ上で設計するソフトウェアです。平面の図面を描く2D CADと違い、実物に近い立体を画面上で組み立てられます。

2D図面では、干渉や組み付けの問題が量産直前まで見つからない。設計データを解析や加工に使い回せない。こうした課題から3D設計への移行が検討されます。この記事では、基礎知識からメリット・デメリット、主な機能、費用相場、向いている企業までを整理しました。

  • できること:製品を立体モデルとして設計し、形状・寸法・部品同士の関係をデータとして保持します。
  • 2D CADとの違い:干渉確認、体積・重量の算出、解析やCAMへのデータ連携ができます。
  • 製品のグレード:多くの機械・装置設計はミッドレンジで足り、自動車・航空宇宙のような大規模設計でハイエンドが選ばれます。
  • 費用の目安:ミッドレンジで年20万〜60万円程度、ハイエンドは個別見積もりが中心です。

導入効果は、立体形状や複数部品の組み付けを扱う設計ほど大きく表れます。形状の複雑さ、アセンブリの規模、後工程との連携のどこに課題があるかを整理すると、必要な範囲が絞れます。


この記事でわかること

01

3D CADとは

3D CADは、縦・横・奥行きを持つ立体モデルを扱う設計ソフトです。画面上のモデルは、体積や重量といった物理的な情報も持っています。ここでは、何を扱うか、立体の作り方、製品のグレードを押さえます。

製品を立体モデルとして設計するソフト

製品を立体のモデルとして組み立て、形状や寸法、部品同士の関係をデータとして持ちます。図面から頭の中で立体を組み立てる必要がありません。

材質や部品番号といった属性を持たせれば、部品表(BOM)も作れます。解析や加工への連携にもつなげられるでしょう。機械設計に限らず、治具や筐体、消費財のデザインまで、立体を扱うものづくり全般で使われるソフトです。

モデリングの手法

中身の詰まったソリッドは体積や重量を計算でき、機械部品の標準です。面の集まりで表すサーフェスは、なめらかな曲面に向きます。

作る過程の扱いでも分かれます。ヒストリ型は操作の履歴を残し、寸法を変えると形状全体が更新される方式です。履歴に縛られず形状を直接いじるダイレクト編集もあり、両方を併用できる製品が増えています。

製品のグレード

3D CADは、機能と価格の水準でハイエンド・ミッドレンジ・ローエンドの3段階に分かれます。

ミッドレンジは機械・装置設計の標準で、最も広く使われています。ハイエンドは複雑な曲面や大規模アセンブリ、PLM連携までを含む最上位です。ローエンドは機能を絞った低価格帯で、2Dからの移行初期に向きます。

編集部メモ:グレードは、今の設計だけでなく数年先に扱う製品の複雑さも見込んで選んでください。安さだけで選ぶと機能不足で買い替えになり、結果的に割高になりかねません。


02

3D CADのメリット

3D CADの利点は、立体をデータとして持つことから生まれます。設計時の気づき、関係者との共有、後工程への引き渡しという3つの面で変化が出ます。

  • 組み付けの問題を設計段階で見つけられる
  • 完成形を関係者と共有できる
  • 設計データを後工程へ使い回せる

組み付けの問題を設計段階で見つけられる

部品を実際の位置関係で並べ、干渉が起きないか、可動部が想定どおり動くかを画面で確かめられます。2Dでは頭の中で確かめるしかなかった部分です。

試作や量産に入ってから問題が分かっていた現場ほど、効果ははっきり出ます。手戻りが設計の早い段階に移り、金型や部品を作り直す費用を避けられるでしょう。

完成形を関係者と共有できる

立体モデルは、図面を読み慣れていない人にも形が伝わります。製造・品質・営業、そして顧客との打ち合わせで、認識のずれが起きにくくなるのが利点です。

複雑な形状ほど、この差は大きくなります。複数の設計者で分担する場合も、自分の担当部分が全体にどう収まるかを確かめながら進められます。

設計データを後工程へ使い回せる

3Dモデルは、解析(CAE)や加工データ作成(CAM)へそのまま渡せます。図面から手作業でやり直す必要がありません。

モデルから製造図面を半自動で作れるため、モデルを直せば図面も追従します。立体と図面の食い違いが起きにくく、設計変更にかかる時間も短くなるでしょう。


03

3D CADのデメリット

3D CADは2D CADの上位互換ではなく、移行にともなう負担があります。どちらも進め方で軽くできるので、対処法とあわせて押さえておきましょう。

  • 作成の手間とPC・習熟の負担がある
  • 既存の2D資産と社外とのやり取りが課題になる

作成の手間とPC・習熟の負担がある

単純な板金の展開図や、既存図面の小さな修正のように、2Dのほうが速い作業も残ります。PCの処理能力も要り、導入と同時に更新が必要になる場合もある点が負担です。

操作の習熟にも時間が要ります。

対処法:すべてを3Dに置き換えず、立体で考える価値が高い設計から段階的に移してください。効果が見えやすい設計から始めれば、現場の混乱を抑えられます。

既存の2D資産と社外とのやり取りが課題になる

蓄積した2D図面の扱いは、移行前に決めておく必要があります。取引先が3Dを扱えないと2D図面を出し続けることになり、二重管理になりかねません。

対処法:移行前に、図面完成までの時間、試作回数、組み付け時の手戻り件数を記録しておきましょう。移行後に比べれば効果を示せ、次に広げる領域の判断材料にもなります。


04

3D CADの主な機能

3D CADが備える機能は、大きく次の4つです。製品ごとに対応範囲が違うため、比べる際もこの4つが軸になります。

  • 3Dモデリング:立体の形状を作成・編集する
  • アセンブリと干渉チェック:複数部品を組み付けた状態で検証する
  • 2D図面の作成:立体モデルから製造用の図面を生成する
  • 後工程との連携:CAE・CAM・データ管理(PDM/PLM)へデータを渡す

それぞれの中身を見ていきましょう。

3Dモデリング

立体の形状を作成・編集する機能です。断面の形を描いて押し出す、回転させる、角を丸めるといった操作を積み重ねて形を作ります。

ヒストリ型では操作の履歴が残り、寸法を変えると形状全体が更新されます。なめらかな曲面は、サーフェスで作り込んでからソリッドに変換するという使い分けです。曲面の機能の作り込みが、製品ごとの差になります。

アセンブリと干渉チェック

複数の部品を実際の位置関係で配置し、製品として組み上げた状態を作る機能です。部品同士の固定のしかたを、拘束条件として設定します。

組み上げた状態で、部品の重なりを検出できます。可動部なら、動かした範囲での干渉も確認可能です。部品点数が数万点を超えると動作が重くなるため、大規模アセンブリの扱いやすさが製品の差になります。

2D図面の作成

立体モデルから、製造に渡す2次元図面を生成する機能です。正面図や断面図をモデルから自動で配置し、寸法や公差、注記を加えます。

モデルと図面は連動し、モデルを直せば図面の形も追従します。加工現場への最終指示は2Dの図面であることが多く、欠かせない機能です。書式をテンプレートにしておけば、担当者が変わっても同じ図面を出せます。

後工程との連携

作ったモデルを、解析・加工・データ管理へ渡す機能です。CAEでは強度や熱を検証し、CAMでは工作機械用の加工データを作ります。

簡易な解析を内蔵し、本格的な解析は専用ソフトと連携する製品が一般的です。PDM/PLMとの連携は、版数と変更履歴の管理を担います。設計者が増えるほど、この仕組みの有無が開発の混乱を左右します。


05

3D CADの主な活用場面

3D CADが使われるのは、立体形状と部品の組み合わせを扱う設計です。担当する工程によって、求める機能が変わります。代表的な3つの場面を見ていきましょう。

機械部品・製品のモデリングと図面化

機械設計の担当者が、部品の形状を作り、製造へ渡す図面まで仕上げる場面です。3D CADの最も基本的な使い方にあたります。

求められるのは、寸法変更への追従性です。設計変更が繰り返される製品では、寸法を直すだけで形状と図面が更新される仕組みが効きます。属性を持たせれば、部品表もモデルから作れます。

装置のアセンブリ検討と干渉チェック

装置や生産設備の設計担当者が、多数の部品を組み上げた状態で成立するかを確かめる場面です。単体では問題なくても、組み合わせると干渉する事態を防ぎます。

配管やケーブルの取り回し、組み立て時に工具が入るかも、立体があって初めて検討できる項目です。装置は部品点数が多くなりやすく、大規模アセンブリでの動作の軽さが使い勝手を左右します。

CAMへのデータ連携による加工準備

社内で加工する企業の生産技術担当者が、設計モデルから加工データを作る場面です。図面から手作業でプログラムを起こす工程がなくなります。

効くのは、設計変更が加工へ素早く反映されることです。図面を介した受け渡しで起きがちな、解釈のずれも避けられます。CADとCAMが統合された製品なら、環境を移さずに加工準備まで進められるでしょう。


06

3D CADの費用相場

3D CADの費用は、グレードによって大きく変わります。ミッドレンジのサブスクリプションで年20万〜60万円程度が中心です。上位構成やハイエンドでは年100万円を超えるものもあり、個別見積もりが一般的です。

製品ごとの価格やグレードは、ITトレンドの3D CAD(機械設計向け)カテゴリで比較できます。


07

3D CADと2D CADの違い

最大の違いは、平面の図面を描くか、立体のモデルを組み立てるかです。2D CADは図面が主役ですが、3D CADはモデルが主役です。図面はモデルから生成される成果物という位置づけになります。

観点

3D CAD

2D CAD

扱うもの

立体モデル(図面はモデルから生成)

平面の図面そのもの

干渉の確認

アセンブリ上で自動検出できる

設計者が頭の中で確認する

体積・重量

モデルから自動で算出

手作業で計算する

後工程との連携

CAE・CAMへモデルを渡せる

図面から作り直しが必要

必要なPC性能

高性能なPCが必要な場合が多い

一般的なPCで動作

ただし、3D CADが常に優れているわけではありません。単純な板金の展開図や既存図面の小さな修正では、2Dのほうが速い場面も残ります。

実際の現場では、3D CADで設計しつつ2Dの図面作成を併用する形が一般的です。立体で考える価値が高い設計から、3D化を進めていきましょう。


08

3D CADの導入が向いている企業・向いていない企業

3D CADは、すべての設計に同じように効くわけではありません。形状の複雑さ、部品点数、後工程との連携、設計変更の頻度で投資対効果が変わります。自社がどちらに当てはまるかを確かめてください。

3D CADの導入が向いている企業

立体的な形状や、複数部品の組み付けを扱う機械・装置設計の企業です。干渉確認が品質に直結する製品ほど、手戻りの削減という形で効果が表れます。

解析やCAMと連携し、設計から製造までをつなぎたい企業も適しています。複数の設計者で大きな製品を分担する企業も、恩恵を受けやすいでしょう。サプライヤと3Dでやり取りする企業も同様です。

3D CADの導入が向いていない企業

単純な板金や配管が中心で、2D図面だけで設計から製造まで完結している企業です。立体で検証すべき組み付けの問題が、そもそも起きにくいためです。

既存の2D図面資産が膨大なら、二重管理の負担が効果を上回る恐れがあります。PC環境や教育に投資できる体制がまだ無い場合も、全面導入は避けたほうが無難です。解きたい課題が先にあるかが分かれ目です。


09

まとめ

3D CADとは、製品を立体モデルとして設計し、形状や部品同士の関係をデータで持つソフトウェアです。2D CADと違い、干渉確認や重量の算出、解析やCAMへの連携ができます。

選ぶときに最初に決めるのはグレードです。製品はミッドレンジとハイエンドに分かれ、多くの機械・装置設計はミッドレンジで足ります。

一方で、マシン環境や習熟、既存2D資産の扱いといった移行コストも見込んでください。効果が見えやすい設計から段階的に移し、手戻り件数を比べながら範囲を広げるのが現実的です。グレードや連携範囲は3D CAD(機械設計向け)カテゴリで確認できます。

3D CAD(機械設計向け)比較表

ロゴ製品名ベンダー価格モデル特徴
Onshape ロゴ
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よくある質問

Q3D CADとは何ですか?
A

3D CADとは、立体形状をコンピュータ上でモデリングし、設計・検証・製造データ作成に活用するツールです。2D図面では把握しにくい干渉や組み立て、見た目を立体で確認でき、解析(CAE)やCAMとの連携の起点にもなります。

Q3D CADと2D CADはどう違いますか?
A

2D CADは平面図(部品図・施工図)の作図が中心、3D CADは立体モデルを作り干渉チェックや構造解析、3Dデータ連携まで行えます。図面中心の業務なら2D、立体検証やデータ活用が必要なら3Dが適します。

Qミッドレンジとハイエンドの3D CADはどちらを選ぶべきですか?
A

一般的な機械設計や中小〜中堅規模なら、コストと操作性のバランスに優れるミッドレンジ(SOLIDWORKS、Inventor等)が有力です。自動車・航空など大規模アセンブリや高度な曲面・PLM連携が必要ならハイエンド(CATIA、NX等)が選択肢になります。

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