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選び方・ノウハウ#トレーサビリティ#トレーサビリティシステム#品質保証

トレーサビリティシステムの比較|5つの軸と4タイプで選ぶ製造業向けガイド

トレーサビリティシステムを対象範囲・識別技術・記録方法・連携・価格の5軸と4つの製品タイプで整理し、自社の対象と連携要件から候補を絞る方法を解説した比較記事。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
トレーサビリティシステムの比較|5つの軸と4タイプで選ぶ製造業向けガイド

トレーサビリティシステムを比較するとき、製品名と機能の一覧を並べても選びきれないのは、製品ごとに「得意な識別技術」と「想定する使い方」が違うからです。同じ「トレーサビリティ対応」でも、食品のロット追跡に強い専用システムと、金属部品への刻印・読み取りに強い機器ソリューションでは、性格がまったく異なります。

この記事では、トレーサビリティシステムを比べるための5つの軸(識別技術・追跡の対象・生産管理やMESとの連携・読み取り機器・価格と導入規模)を整理し、製品を専用型・生産管理一体型・基幹統合型・ハードウェア軸の4タイプに分けて、代表的な製品を中立に並べて見ていきます。自社が追う対象と必要な連携から逆算して、どのタイプを起点に絞り込むかを判断できる形に整えています。

結論:トレーサビリティシステムは、識別技術・追跡の対象・生産管理やMESとの連携・読み取り機器・価格と導入規模の5つの軸で見ると自社との相性が判断でき、製品は専用型・生産管理一体型・基幹統合型・ハードウェア軸の4タイプに整理できます。早見でいえば、食品やプロセス製造業でロット単位の品質記録が中心ならサトーのTrace eyeシリーズなど専用型、生産管理ごと整えたい中小製造業ならネクスタのSmartFやSmart Craftなど生産管理・MES一体型、基幹システムの刷新と合わせるなら日立システムズのFutureStageなど基幹統合型、金属部品への刻印や高速読み取りなど物理的な読み取り精度が課題ならキーエンス・コグネックス・デンソーウェーブといったハードウェア軸が起点になります。まず追う対象がロットか個体(シリアル)かを決め、次に識別技術、連携の要否、機器と価格の順で詰めると迷いにくくなります。


この記事でわかること

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トレーサビリティシステムとは|比較の前提を確認する

トレーサビリティシステムは、製品や原材料にロット番号やシリアル番号を付け、各工程で読み取って記録し、その情報を一つの仕組みに集約して後からたどれるようにするものです。原材料から製品・出荷先へたどるトレースフォワードと、製品から原材料・工程へさかのぼるトレースバックの両方向を、番号を起点に引き出せる状態をつくります。

比較の観点で押さえておきたいのは、トレーサビリティが「読み取る機器」と「記録を蓄積する仕組み」の二層で成り立っている点です。前者はバーコードリーダやRFID、画像コードリーダといったハードウェアで、後者は生産管理システムやMES、専用のトレーサビリティ管理ソフトが担います。製品によってどちらに重心があるかが違い、ここが比較の出発点になります。トレーサビリティのIT化を検討するとき、自社に足りないのが読み取りの精度なのか、データを束ねる仕組みなのかを切り分けると、見るべき製品の種類が定まります。


02

トレーサビリティシステムを比較する5つの軸

製品名を並べる前に、評価軸を5つに絞ると、機能の有無ではなく自社にとっての重みで比較できるようになります。製造業の現場で実際に効いてくるのは、識別技術・追跡の対象・生産管理やMESとの連携・読み取り機器・価格と導入規模の5つです。編集部はこのうち特に【識別技術・追跡の対象・生産管理やMESとの連携】の三つの観点で各製品を整理し、残る読み取り機器と価格・導入規模はそれらに付随して詰める軸として位置づけています。

一つ目の識別技術は、システムの性格を最も大きく左右します。バーコードやQRコードのラベルで運用するのか、金属部品にレーザーで2Dコードを刻印して画像で読むのか、RFIDで非接触・一括読み取りをするのかで、適した製品が変わります。二つ目の追跡の対象は、食品のようにロット単位で足りるのか、自動車部品のように製造番号(シリアル)で個体を追う必要があるのかという粒度の問題です。三つ目の生産管理・MES連携は、トレーサビリティだけを単独で入れるのか、工程進捗や在庫の管理ごと一体で整えるのかの選択です。四つ目の読み取り機器(ハンディ・装置)は、現場で確実に読めるかという物理面の評価で、過酷な環境ほど重みが増します。五つ目の価格と導入規模は、専用ソフト単体なのか基幹システムごとの刷新なのかで桁が変わるため、他の軸とセットで見ます。

この5つは独立しているわけではなく、互いに連動します。たとえば追跡の対象がシリアル単位の自動車部品なら、刻印+画像読み取りという識別技術と、個体ごとの履歴を保持できるデータの仕組みが同時に必要になります。食品のロット追跡が目的なら、ラベルのQRコードと、ロット単位の品質記録に強い専用システムの組み合わせが現実的です。つまり、対象を決めると識別技術が絞れ、識別技術が決まると相性のよいシステムのタイプが見えてくる、という連鎖になっています。比較の順序としては、まず追跡の対象と粒度を決め、次に識別技術、その次に連携の要否、最後に機器と価格を詰める流れが迷いにくくなります。

編集部コメント:5つの軸を同列に重視すると比較が発散しがちです。編集部としては、最初に決めるべきは追跡の対象(ロットか個体か)で、ここが固まると相性のよい識別技術が絞れ、そこから連携の要否、機器、価格へと自然に順序が決まると考えています。価格と導入規模を先に見て選びはじめると、対象の粒度に合わない製品を後から取り直すことになりやすい点に注意してください。

識別技術で性格が変わる(QR・RFID・画像コードリーダ)

識別技術は、現場の環境と読み取り頻度で選びます。バーコードやQRコードのラベルは低コストで運用でき、QRコードはデンソーウェーブが開発した2次元コードで、誤り訂正機能により一部が汚れても読み取れる(最大で約30%の欠損を復元できる)特性があります。ラベルが貼れない・はがれる金属部品などには、レーザーで2Dコードを直接刻印し、画像式のコードリーダで読み取る方式が向きます。RFIDは非接触で複数タグを一括で読めるため、開梱せずに在庫を読む・通過するだけで記録するといった運用に適しますが、タグ単価が高く、金属や液体の近くでは読み取りが不安定になりやすい制約があります。

注意したいのは、識別技術を一つに統一しようとしないことです。一般工程はラベル、過酷な工程は刻印、入出荷はRFID、というように工程ごとに使い分けるのが現実的で、システム側がそれぞれの読み取り結果を受け取れるかも比較の対象になります。識別技術だけを先に決めて、データの蓄積先を後回しにすると、読み取った情報が各設備に散らばって活用できないという落とし穴があります。

三つ目の生産管理・MES連携も、比較で見落とされやすい軸です。すでに生産管理システムや基幹システムを使っている企業がトレーサビリティだけを別に入れると、ロット情報を二重に入力したり、システム間でデータがつながらず追跡が分断したりします。逆に、生産管理ごと刷新する計画があるなら、トレーサビリティを内包した生産管理・MESを選ぶと一体で運用できます。既存システムを残す前提なら、トレーサビリティ製品が既存システムとCSVやAPIでデータ連携できるかが、比較の決め手になります。連携の可否と方法は製品ごとに差が大きいため、カタログの機能名だけでなく、自社の既存システムとの具体的な接続実績を確認すると安全です。

対象(食品・部品・製造番号)で必要な粒度が変わる

追跡の対象は、システムが扱うデータの粒度を決めます。食品やプロセス製造業では、原材料ロットと製造日・配合・検査結果をロット単位で残す形が中心で、衛生管理(HACCP)と結びつきます。自動車部品や電子機器では、製品一つずつにシリアル番号を振り、個体単位で実装履歴や検査データを追う厳密さが求められます。前者にはロット管理に最適化した専用システムが、後者には個体識別とシリアル管理に強い仕組みが向きます。

自社が追う対象がロットなのか個体なのかを最初に決めておかないと、「ロット単位で導入したが、後からシリアル単位が必要になった」という手戻りが起きます。対象の粒度は、製品の業界・取引先要請・リコール時に必要な特定範囲から逆算して決めるのが確実です。

ここまでの軸を自社の状況に当てはめると、見るべき製品の種類がかなり絞れます。識別技術と対象、連携の要否を整理したうえで実際の製品を比べたい場合は、ITトレンドのトレーサビリティシステムのカテゴリで、対象業種や連携といった条件から候補を絞り込めます。トレーサビリティシステムの製品一覧と絞り込みはこちらから確認できます。


03

4タイプで整理するトレーサビリティシステム

トレーサビリティシステムは、重心の置き方で大きく4タイプに分かれます。専用型、生産管理・MES一体型、基幹統合型、ハードウェア軸の4つです。製品単体を見る前にこの分類で当たりをつけると、候補を一気に絞れます。

専用型は、トレーサビリティを主目的にしたシステムです。入荷から製造・出荷までのロット追跡に特化し、食品やプロセス製造業の規制対応に強い製品が多い領域です。品質管理・ロット管理の作り込みが深い反面、生産管理や原価管理など周辺機能は薄いことがあり、その部分は別システムと連携させる前提になります。

生産管理・MES一体型は、工程の進捗管理や在庫管理にトレーサビリティ機能を組み込んだタイプです。トレーサビリティだけでなく現場の管理ごと一つの仕組みに載せられるため、生産管理そのものを整えたい中小製造業に向きます。クラウド型なら初期投資を抑えやすい一方、自社特有の工程に細かく合わせ込む柔軟性は専用構築より限られることがあります。

基幹統合型は、生産・販売・在庫を一体管理する基幹業務パッケージに双方向ロットトレースを載せるタイプです。基幹システムごと刷新したい中堅製造業に向きますが、導入規模と費用は大きくなり、導入期間も長めになる傾向があります。トレーサビリティ単体の課題解決には過剰になりやすいため、基幹刷新の計画とセットで検討する対象です。

ハードウェア軸は、刻印・読み取りといった機器を中心に据えたタイプです。現場での確実な刻印・高速読み取りに強く、上位の生産管理や専用システムと組み合わせて使われます。ソフトウェアだけでは解決できない物理的な読み取り精度が課題になる現場では、このタイプの機器選定が成否を分けます。逆に、データの蓄積や帳票管理が主課題なら、機器だけでは完結しないため上位システムとの組み合わせを前提に考えます。

編集部コメント:4タイプは排他的なものではなく、ハードウェア軸で現場の読み取り・刻印を固め、専用型や生産管理・MES一体型でデータを束ねる、という組み合わせ運用が実際には一般的です。「どれか一つを選ぶ」発想ではなく、自社の最も切実な課題を担うタイプを起点に置き、不足する層を別タイプで補うと現実的な構成に落ちる、というのが編集部の見方です。


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主なトレーサビリティシステム・ソリューションの比較

4タイプそれぞれの代表的な製品を、対象・強み・評価の傾向で並べて見ていきます。ITトレンドでは製造業向け製品を品質管理・在庫管理・生産管理・工程管理などの軸でスコア化しており、その傾向も併せて整理します。いずれも自社の対象と連携要件に照らして読むことを前提に、並列で紹介します。

食品・プロセス製造業向けに強い選択肢

専用型で食品・プロセス製造業に強いのが、サトーのTrace eyeシリーズです。Trace eye FOOD-Proは食品工場向けで、入荷から製造・出荷までを一気通貫で管理し、ISO22000/HACCP対応を前提とした品質管理機能が高く評価される製品です。姉妹製品のTrace eye Material-Proは化学・素材・鉄鋼などプロセス製造業向けで、原料の配合・反応工程・品質検査をロット単位で追う設計です。どちらも品質管理の評価軸で最高水準にある一方、設備保全やコスト管理は主機能ではないため、それらが必要なら別システムとの組み合わせが前提になります。

生産管理・MESごと整えたい中小製造業向けの選択肢

生産管理・MES一体型では、ネクスタのSmartFと、Smart Craft社のSmart Craftが代表的です。SmartFは中小製造業向けのSaaS型で、生産管理とトレーサビリティを一体で提供します。生産管理の評価とロット別在庫管理の評価がともに高く、現場の進捗・在庫・履歴をまとめて載せたい企業に向きます。Smart Craftは国産のSaaS型MESで、ロットトレース機能を標準搭載し、帳票管理の負荷削減を狙う製品です。MES機能による工程管理の評価が高く、生産管理とトレーサビリティを同時に立ち上げたい中小製造業の選択肢になります。いずれもクラウド型のため、自社特有の工程への合わせ込みの範囲は事前に確認しておくと、導入後のギャップを避けられます。

基幹統合・読み取り機器を軸にする選択肢

基幹統合型では、日立システムズのFutureStageが該当します。生産・販売・在庫を統合した基幹パッケージに双方向ロットトレース機能を搭載しており、生産管理・在庫管理の評価が高い製品です。基幹システムごと整えたい中堅製造業に向く反面、導入規模が大きくなる点は前述のとおりです。

ハードウェア軸では、キーエンスのトレーサビリティソリューション、コグネックスのDataManシリーズ、デンソーウェーブのQRコードソリューションが代表格です。キーエンスはレーザマーカ・コードリーダ・PLC連携を組み合わせたハードウェア統合型で、各工程での自動記録と品質管理の評価が高い領域です。コグネックスのDataManシリーズは産業用の画像ベースバーコードリーダで、AI搭載デコードにより難読コードも高速で読み取れる、読み取り工程の世界標準として使われる製品です。デンソーウェーブはQRコードを発明した企業で、SQRC(セキュリティ付QR)やrMQR(矩形マイクロQR)といった独自コード技術と読み取りソリューションを持ち、自動車業界での実績があります。いずれも現場の読み取り・刻印を担う層で、データの蓄積は上位システムと組み合わせて完成させる位置づけです。

製品を並べて見ると、同じ「トレーサビリティ」でも品質管理に寄った製品、生産管理に寄った製品、読み取り精度に寄った製品があることがわかります。自社が最優先する軸を一つ決め、その軸の評価が高いタイプから候補を絞ると、比較が現実的な数に収まります。

編集部コメント:同じ「トレーサビリティ対応」という表記でも、Trace eyeシリーズのように品質管理に寄った製品、SmartFやSmart Craftのように生産管理に寄った製品、キーエンスやコグネックスのように読み取り精度に寄った製品では評価の山が異なります。編集部としては、製品名を横並びにする前に自社が最優先する軸を一つ言語化し、その軸で評価の高いタイプから当たることを勧めます。全軸で高評価の製品を探そうとすると、候補が絞れないまま導入規模だけが膨らみます。


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目的別の選び方|読者タイプ別の起点

ここまでの5つの軸と4タイプを、読者のよくある状況に当てはめて、どこを起点に探すべきかを目的別に整理します。いずれもここまでに紹介した製品・タイプの範囲で、自社の事情に最も近いものから読んでください。

食品・プロセス製造業で規制対応と品質記録が最優先の企業

食品やプロセス製造業で、ロット単位の品質記録とHACCP・ISO22000などの規制対応が最優先なら、専用型を起点にするのが近道です。サトーのTrace eye FOOD-Pro(食品工場向け)やTrace eye Material-Pro(化学・素材・鉄鋼などプロセス製造業向け)は品質管理の評価軸で最高水準にあり、原料の配合・反応工程・品質検査をロット単位で追う設計です。設備保全やコスト管理は主機能ではないため、それらが必要なら別システムとの組み合わせを前提に考えます。

生産管理そのものを整えたい中小製造業

トレーサビリティだけでなく工程進捗・在庫の管理ごと一つの仕組みに載せたい中小製造業なら、生産管理・MES一体型が起点になります。ネクスタのSmartFは生産管理とトレーサビリティを一体で提供し、生産管理とロット別在庫管理の評価がともに高い製品です。Smart Craftは国産のSaaS型MESで、ロットトレースを標準搭載し工程管理の評価が高く、生産管理とトレーサビリティを同時に立ち上げたい場合の選択肢になります。いずれもクラウド型のため、自社特有の工程への合わせ込みの範囲は事前に確認しておくと安心です。

基幹システムごと刷新する計画がある中堅製造業

生産・販売・在庫を一体管理する基幹システムの刷新を計画しているなら、基幹統合型が起点です。日立システムズのFutureStageは基幹パッケージに双方向ロットトレース機能を搭載し、生産管理・在庫管理の評価が高い製品です。導入規模と費用は大きく導入期間も長めになるため、トレーサビリティ単体の課題解決ではなく、基幹刷新の計画とセットで検討するのが現実的です。

すでに上位システムがあり現場の読み取り精度が課題の企業

生産管理や基幹システムはすでにあり、金属部品への刻印やインラインでの高速読み取りなど物理的な読み取り精度が課題なら、ハードウェア軸を起点にします。キーエンスのトレーサビリティソリューション(レーザマーカ・コードリーダ・PLC連携)、コグネックスのDataManシリーズ(AI搭載デコードで難読コードも高速読み取り)、デンソーウェーブのQRコードソリューション(SQRCやrMQRなど独自コード技術、自動車業界での実績)が候補です。いずれも読み取り・刻印を担う層のため、データの蓄積は既存の上位システムと組み合わせて完成させる前提で選びます。


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トレーサビリティシステムを選ぶときの注意点

選定でつまずきやすいのは、機能一覧の比較に集中して現場の運用を見落とすことです。失敗を避けるために確認しておきたい点を、いくつか整理します。

まず識別技術の現場適合です。カタログ上の読み取り性能が高くても、自社の工程でコードが汚れる・はがれる・読み取りを飛ばされるといった事情があれば、記録が抜けてトレーサビリティが成立しません。最も過酷な工程で確実に読めるか、現場の作業手順に無理なく組み込めるかを、機器スペック以上に重視すると失敗を減らせます。

次に運用負荷による形骸化です。読み取りや入力の手間が増えすぎると、現場が省略しはじめて記録が欠けます。全工程を一度にカバーしようとせず、追跡が最も必要な工程から段階的に広げる進め方が現実的です。既存の生産管理や基幹システムとの連携も確認が必要で、データの受け渡しがCSVなのかAPIなのか、二重入力が発生しないかは導入前に詰めておきたい点です。

価格については、相場をそのまま鵜呑みにしないことが肝心です。トレーサビリティシステムの費用は、識別技術・読み取り機器の数・対象工程・連携範囲で大きく変わり、専用ソフト単体と基幹統合では桁が違います。クラウド型の中には初期費用と月額を抑えた構成を用意する製品もあり、IT導入補助金などの公的支援の対象になる場合もありますが、対象要件や金額は時期・制度によって変わるため、最新の公募要領で確認する前提で考えます。見積もりは自社の工程構成を前提に複数製品から取り、構成ごとの差を比べるのが確実です。

編集部コメント:注意点として挙げた三つ(現場適合・運用負荷による形骸化・価格の桁の違い)は、いずれもカタログの機能一覧には表れにくい運用面の落とし穴です。編集部としては、最も過酷な工程で確実に読めるかと既存システムとの連携方法(CSVかAPIか、二重入力が出ないか)を導入前に必ず確認し、見積もりは自社の工程構成を前提に複数製品から取って構成差を比べることを、機能比較と同じ重さで勧めます。


07

まとめ|自社の対象と連携要件から候補を絞る

トレーサビリティシステムの比較は、識別技術・追跡の対象・生産管理やMESとの連携・読み取り機器・価格と導入規模の5つの軸で整理すると、機能一覧では見えない自社との相性が見えてきます。製品は専用型・生産管理一体型・基幹統合型・ハードウェア軸の4タイプに分かれ、食品・プロセス系なら専用型、生産管理ごと整えたい中小製造業なら一体型、基幹刷新と合わせるなら統合型、読み取り精度が課題ならハードウェア軸が起点になります。

次の一歩は、自社が追う対象(ロットか個体か)と、生産管理・基幹システムとの連携要件を決め、最優先の軸の評価が高いタイプから候補を絞ることです。トレーサビリティシステムのカテゴリで、対象業種・識別技術・生産管理連携といった条件から製品を絞り込み、自社の工程構成に照らして比較するところから始められます。

トレーサビリティシステム比較表

製品名ベンダー価格モデル特徴
FutureStage株式会社日立システムズハイブリッド日立の統合基幹パッケージ。双方向ロットトレース詳細を見る
SmartF株式会社ネクスタサブスクリプションITトレンド生産管理レビューNo.1。初期30万円〜詳細を見る
Smart Craft株式会社Smart Craftサブスクリプション国産初SaaS型MES。ロットトレース標準搭載詳細を見る
コグネックス DataManシリーズコグネックス株式会社オンプレミス産業用画像ベースバーコードリーダのグローバルリーダー詳細を見る
デンソーウェーブ QRコードソリューション株式会社デンソーウェーブハイブリッドQRコード発明企業。SQRC/rMQR等の独自技術詳細を見る
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