設備保全システムの最適な選び方を徹底解説!おすすめの製品も紹介
設備保全システムの選び方を、目的・部門・企業規模の3つの切り口から整理しました。クラウド型・オンプレミス型・EAM型の違い、選定ポイント、主要11製品の比較表、導入で失敗しないための注意点まで、製造業の保全担当者向けにまとめています。

設備保全システムは、点検記録や故障履歴、予備品在庫をまとめて管理する仕組みです。ただし製品の幅は広く、無料枠から試せるクラウド型から、大規模な資産管理基盤まで並びます。選定でつまずく原因の多くは、知名度や機能の多さで決めてしまうことにあります。高機能な製品を選んでも、現場が点検入力を続けられなければデータは溜まりません。この記事では、目的・部門・企業規模という3つの切り口から選び方を整理しました。製品名を調べる前に、まず自社の保全方式と管理規模を測る物差しを決めましょう。
- 現状の保全方式(事後・予防・状態監視)を先に決める
- 設備台数と拠点数から、システム化の効果が出る段階かを見極める
- 現場が入力を続けられるか、規模と予算に合うかの順に確認する
- 効果測定の指標を決めてから導入に進む
設備保全システムの選定では、保全方式と管理規模の2点を先に整理すると候補を絞り込みやすくなります。そのうえで現場の入力のしやすさを確かめると、製品を比較しやすくなります。
この記事でわかること
設備保全システムの基礎知識
選び方に入る前に、設備保全システムが何を担う仕組みなのかを押さえます。ここが曖昧なままだと、自社に過剰な製品を選びかねません。3点に絞って確認しましょう。
設備保全システムが担う業務
設備保全システムは、工場設備の点検・修繕・予防保全を一元管理する仕組みです。中心にあるのは設備台帳で、そこに点検計画、作業指示、故障履歴、予備品在庫がひも付きます。CMMSとも呼ばれ、紙の点検表やExcel台帳の置き換えから入るのが一般的な使い方です。
効果が表れるのは、記録が一定量溜まってからになります。故障履歴が蓄積されれば、設備ごとの傾向やコストを比べられます。点検漏れの検知や、予備品の欠品・過剰在庫の抑制にもつながるでしょう。導入した日から成果が出る仕組みではありません。
対応する保全方式の違い
必要な機能は、自社が回している保全方式によって変わります。壊れてから直す事後保全と、周期を決めて点検する予防保全が中心の工場も多いでしょう。その場合は、点検計画と故障履歴を扱う標準的な製品で足ります。状態を見て判断する状態監視や予知保全に踏み込むなら、前提が異なります。
状態監視を狙う場合は、IoTセンサー連携とデータ分析の基盤が必要です。ただし正常時のデータを一定期間ためないと、異常の兆候は捉えられません。まず点検記録をデジタル化し、その上に状態監視を載せる順序が現実的です。
Excel・紙管理が限界になる場面
Excelや紙の点検表は、費用をかけずに始められます。一方で、設備や拠点が増えると管理が崩れやすくなります。記録が担当者の手元やローカルファイルに分散し、過去の故障履歴をすぐに探し出せません。点検漏れの検知も、人の目に頼ることになります。
拠点ごとに別々のフォーマットを使うと、全社での比較や集計ができなくなります。保全ノウハウが特定のベテランに集中し、退職や異動で失われる懸念も残るでしょう。これらが重なってきた段階が、システム化を検討する区切りです。
編集部コメント:製品を先に見ると、機能の多さで判断してしまいがちです。設備が何台あり、誰が点検を記録しているのかを先に書き出してみてください。それだけで必要な条件がかなり絞り込まれます。
設備保全システムの種類
設備保全システムは、提供形態と管理する範囲で3つに分かれます。この分類は、そのまま候補の絞り込みに影響します。まず全体像をつかみましょう。
- クラウド型CMMS
- オンプレミス型CMMS
- 資産管理まで含むEAM型
クラウド型CMMS
ブラウザやアプリから使う月額制の製品群です。サーバーを自社で持たずに済み、保守やバージョンアップはベンダー側が担います。タブレットやスマートフォンでの点検入力に強い製品が多く、現場へ展開しやすい点が強みです。
無料枠や少人数プランを用意する製品もあり、本格契約の前に小さく試せます。一方で、自社固有の業務すべてに合わせ込めるとは限りません。オンプレミス版を提供しない製品もあるため、社内方針で外部保管が難しい場合は候補から外れます。
オンプレミス型CMMS
自社のサーバーに導入して運用する製品群です。国内大手の工場で長く使われてきた形態です。独自の業務フローや既存の基幹システムに合わせて作り込みやすくなります。セキュリティ方針でデータを社外に置けない場合も、この形態が前提になります。
反面、導入費用はクラウド型より重くなりがちです。サーバーの構築と運用、バージョンアップの作業も自社側に残ります。情報システム部門に体制があり、要件の複雑さが費用に見合う規模でないと、投資を回収しにくくなります。
資産管理まで含むEAM型
日常の保全に加え、資産のライフサイクル全体を扱う製品群です。設備投資の計画、資産台帳、会計システムとの連携までが守備範囲に入ります。グローバルの多拠点をまたいで資産を統合管理したい企業が主な対象になります。
その分、導入のプロジェクトは大規模になりがちです。パートナー企業によるシステム構築が前提で、費用も期間もかかります。単一拠点の点検記録をデジタル化したいだけなら、明確に過剰投資だと考えてよいでしょう。
【目的別】設備保全システムの選び方
同じ設備保全システムでも、何を実現したいかで優先すべき条件が変わります。製造業でよくある3つの目的を取り上げました。自社に近いものから読んでください。
点検記録のデジタル化から始めたい
まず比べたいのは、現場担当者にとっての入力のしやすさです。紙の点検表を置き換える段階では、担当者が入力を続けられるかどうかが成否に影響します。ここでつまずくとデータが溜まらず、故障履歴の分析にも進めません。
見るべきは、タブレットやスマートフォンでの操作性と、QRコードによる設備の呼び出しです。写真を添えて報告できるかも確認しておきましょう。無料枠や少人数プランのある製品なら、一部の設備で試してから範囲を広げられます。
複数拠点で保全のやり方を標準化したい
拠点をまたいだ集計と権限管理から確認します。拠点ごとに点検表の様式がばらばらだと、全社での比較ができないためです。多拠点での導入実績が厚く、クラウドで標準展開しやすい製品が向きます。
製品選びと同じくらい重要なのが、展開の順序です。共通の点検フォーマットと設備分類を本社で先に決めてください。拠点に運用を任せきると、独自の作り込みが進んで集計できなくなります。拠点固有の事情は補足項目で吸収する線引きが要ります。
状態監視・予知保全まで広げたい
IoTセンサー連携とデータ分析の拡張性を軸に選びます。時間基準保全と状態基準保全を統合できる製品なら、点検の運用と並行して状態データを蓄積できます。生成AIによる分析機能を備えた製品も出てきました。
ただし予知保全は、導入直後から効果が出るものではありません。センサーの設置、蓄積の基盤、判定基準を作り込む人手と時間が相応にかかります。止まると生産全体に響く重要設備に絞り、段階的に広げるのが堅実な進め方です。
編集部コメント:3つの目的は、そのまま導入の順序でもあります。点検記録のデジタル化を定着させ、次に拠点をそろえ、最後に状態監視へ広げる流れが無理なく進みます。最初から予知保全を狙うと、入力の手間だけが増えて止まりがちです。
【部門別】設備保全システムの選び方
誰が使うかによっても、確認しておきたい機能は異なります。設備保全システムに関わる3つの部門で整理しました。複数部門で共有する場合は、条件の厳しいほうに合わせます。
保全部門
設備台帳と故障履歴を管理し、保全計画を立てる部門です。日々の記録を分析に使う立場なので、履歴の検索性と集計機能が重要になります。点検計画の自動作成や、期限切れのアラート通知があると計画の抜け漏れを防げます。
予備品の在庫管理も、この部門が扱う機能です。故障履歴と予備品がひも付いていれば、欠品や過剰在庫の抑制につながります。ベテランのノウハウを作業手順として残せるかも、属人化を防ぐうえで確認しておきたい条件です。
製造部門(現場オペレーター)
日常点検の結果を入力する部門です。作業の合間に記録するため、入力の手間が少ないことを何より優先します。保全部門が検索性を重視していても、現場では入力が面倒で形骸化していることがあります。
見るべきは、タブレットやスマートフォンでの操作性と、QRコードで設備を呼び出せるかどうかです。実際に点検する担当者にデモや評価版を触ってもらいましょう。管理側が使いやすいと感じても、現場が使いにくければ定着しません。
生産技術・DX推進部門
全社の保全データを横断して扱い、他システムとの連携を担う部門です。生産管理や会計、IoTプラットフォームとデータをつなげるかが検討の中心になります。拠点をまたいだ集計や、KPIダッシュボードの有無も確認しておきたい点です。
状態監視や予知保全を企画する場合も、この部門が主導することが多くなります。IoTセンサー連携やデータ分析機能の拡張性に加え、提供形態も重要です。社内のセキュリティ方針とクラウド利用の可否を、早い段階で整理しておきましょう。
【企業規模別】設備保全システムの選び方
企業規模そのものより、規模から来る制約が判断を分けます。設備台数、拠点数、保全担当の人数と予算の通し方の3点です。自社の体制に近いところを見てください。
中小企業
保全担当が少人数で、情報システムの専任もいない前提で選びます。設定や運用の負担が現場に直接かかるためです。サーバーを持たずに使えるクラウド型で、現場が迷わず操作できる製品が適しています。
設備が数台で単一拠点なら、Excel管理でも当面は回るケースがあります。システム化するなら、無料枠や少人数プランで点検記録から試す進め方が現実的です。一部の設備で使った実績を示せば、本格導入の承認も得やすくなるでしょう。
中堅企業
設備が数百台規模になり、複数の工場を持ち始める段階です。紙やExcelでは点検漏れや履歴の分散が起きやすく、システム化の効果が大きくなります。拠点をまたいだ集計と、担当者ごとの権限管理も求められる規模です。
ユーザー単位の月額制なら、利用人数に合わせて費用を調整できます。低価格の小規模向け製品は、複雑な権限管理や会計連携を想定していないことがあります。将来の拠点追加や資産管理への拡張計画があるなら、事前に確認しておきましょう。
大企業
多拠点、場合によっては海外拠点を含めた標準化が課題になります。既存の基幹システムとの連携や、資産ライフサイクル全体の管理まで求められることが多い規模です。オンプレミス型やEAM型も候補に入ります。
導入はパートナー企業による構築が前提で、費用と期間も大きくなりがちです。全社一斉ではなく、拠点単位で段階的に展開すると影響を抑えられます。海外拠点がある場合は、多言語対応と日本語サポートの体制を事前に確かめておく必要があります。
自社に合った設備保全システムの選定ポイント
目的・部門・規模で方向が見えたら、具体的な条件に落とし込みます。ここからは確認の順番が大切です。上から順に確認すると、手戻りを抑えられます。
- 設備台数と拠点数を数える
- 対応する保全方式を確かめる
- 現場の入力手段を確認する
- 他システムとの連携範囲を決める
- 費用と導入体制を見積もる
設備台数と拠点数を数える
最初に、管理対象の規模を数字で把握しておきます。設備の台数、拠点の数、保全に関わる担当者の人数の3つです。この規模が、システム化の必要性と製品の価格帯の両方に影響します。
あわせて、いま困っている課題を書き出しておきましょう。点検表の乱立、故障履歴の検索に時間がかかる、予備品の欠品や過剰在庫などです。保全担当者だけでなく、現場のオペレーターや生産管理の視点も入れると優先順位を見誤りにくくなります。
対応する保全方式を確かめる
現状の保全方式と、数年後に目指す方式を整理しましょう。事後保全と定期点検が中心なら、点検計画・作業指示・故障履歴を管理する標準的な製品で足ります。状態監視や予知保全を狙うなら、対応範囲の広い製品が候補になります。
時間基準保全と状態基準保全の統合管理や、IoTセンサー連携への対応が確認点です。将来の拡張を見込む場合でも、最初に使う機能は点検記録に絞るほうが定着しやすくなります。拡張は段階的に進める前提で考えましょう。
現場の入力手段を確認する
現場が点検入力を続けられるかは、定着を大きく左右します。タブレットやスマートフォンで操作できるか、QRコードで設備を呼び出せるかが確認点です。写真付きで報告できると、現場で見つけた異常の共有も早くなります。
確認作業は、実際に点検する担当者に任せるのが確実です。デモや評価版で、普段の点検項目を入力してもらいましょう。手袋をしたままの操作や、電波の弱い場所での使い勝手も、現場ならではの確認点になります。
他システムとの連携範囲を決める
設備保全システム単体で使うか、他システムとつなぐかを整理しましょう。生産管理や会計、IoTプラットフォームとの連携が必要な場合もあります。その場合は、連携への対応の有無が候補を絞る条件になります。
連携機能は、提供形態やモデルによって使える範囲が異なる場合があるため注意が必要です。オンプレミス版の上位モデルに限られる機能もあります。見積もりの段階で、構成ごとの対応範囲を確認しておきましょう。資産や会計まで一体で管理したいなら、EAM型の検討も必要です。
費用と導入体制を見積もる
費用は、無料枠のあるクラウド型から個別見積もりの大規模製品まで開きがあります。候補の料金体系は、利用人数や設備数など同じ条件をそろえて比べましょう。ユーザー単位か設備単位か、初期費用の有無によっても総額が変わります。
体制面では、誰が導入を決裁し、現場展開を誰が主導するかを先に決めておきます。設備台帳の整備を担う担当者も必要です。ここが曖昧なままだと、製品を選んだ後に承認や合意の段階で止まる事態になりがちです。
【比較表】設備保全システムの主要製品
目的別の方向性が定まったら、実際の製品に当てはめて候補を絞ります。次の表は、製造業適合性スコア(5段階評価)で主要製品を横並びにしたものです。評価項目は保全管理・現場操作性・多拠点対応・中小適合の4つとしました。並びは中小適合の高い順です。上から下へ向かって、想定する企業規模と価格帯が上がります。評価が設定されていない項目は「-」としています。
順位 | 製品 | 提供形態 | 保全管理 | 現場操作性 | 多拠点対応 | 中小適合 | 価格の目安 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | MENTENA | クラウド | 5 | 5 | 4 | 5 | 初期費用200,000円+月額100,000円〜(ベーシック10ID込) |
2 | MONiPLAT | クラウド | 4 | 4 | 3 | 5 | 20設備まで無料/50設備で月額15,000円 |
3 | eServ | クラウド | 5 | 5 | 5 | 4 | 月額11,000円/ユーザー(税別・5ユーザーから) |
4 | eMaint CMMS | クラウド | 5 | 4 | 5 | 3 | 3プラン制(要問い合わせ) |
5 | COLMINA PLANTIA | オンプレミス中心 | 5 | 4 | 4 | 2 | 規模に応じた個別見積もり |
6 | SmartFAM | オンプレミス/クラウド | 5 | 4 | 4 | 2 | 300万円〜(オンプレミスのエントリーモデル) |
7 | IFS Cloud EAM | クラウド | - | 3 | - | 2 | 構成・モジュールで個別見積もり |
8 | IFS Ultimo | クラウド(SaaS) | - | 3 | - | 2 | ユーザー数・モジュールで見積もり |
9 | Octave Attune EAM(旧Infor EAM) | クラウド | - | 3 | - | 2 | ユーザー数・モジュールで見積もり |
10 | IBM Maximo Application Suite | クラウド/オンプレミス | 5 | 3 | 5 | 1 | PoC 250万円〜(パートナー提供パッケージ)/本体は要問い合わせ |
11 | SAP Intelligent Asset Management | クラウド/オンプレミス | 5 | 3 | 5 | 1 | SAP基盤ライセンス込みで億円規模 |
保全管理の評価は、多くの製品が5で横並びです。機能の有無では差がつきにくいため、自社の規模と運用体制に合うかを比べましょう。製品ごとの詳しい比較は設備保全管理システムの比較記事で扱っています。条件での絞り込みは設備保全管理システム(CMMS/EAM)のカテゴリから確認できます。
設備保全システムの選び方で失敗しないための注意点
導入が効果につながらない原因は、機能不足よりも運用の設計にある場合が多くみられます。事前に知っておけば、稟議の段階で対策を示せるはずです。よくある5つを回避策とあわせて挙げます。
現場の入力が定着しない
導入そのものが目的化すると、入力の手間だけが増えてデータが溜まりません。効果が見えないまま現場の不満が募り、点検記録が紙に戻ることもあります。
回避策:入力画面がシンプルな製品を選びます。モバイルやQRコード点検など、現場の負担を下げる工夫があるかも確認しましょう。実際に点検する担当者がデモで操作感を確かめてから導入しましょう。点検記録のデジタル化など、効果を実感しやすい範囲から始めるのも有効です。
設備台帳の整備を後回しにする
設備台帳が整わないまま運用を始めると、途中で頓挫しやすくなります。点検計画も故障履歴も台帳にひも付くため、ここが欠けると機能しません。設備台帳の整備は、立ち上げ期に最も手間のかかる工程です。
回避策:全設備を一度に完璧に登録しようとせず、最初に対象とする設備群に絞って整備します。登録するのは、型式・設置場所・導入年・点検周期・関連する予備品です。運用に乗せてから範囲を広げると、無理なく進められます。
規模に合わない製品を選ぶ
中小規模なのに大規模EAM相当の製品を選び、費用対効果が合わず機能を持て余す例は少なくありません。逆に、多拠点・大規模なのに小規模向けの製品を選ぶと、権限管理や拠点横断の集計で行き詰まります。
回避策:設備台数・拠点数・将来の拡張計画を踏まえて候補を絞ります。製品名だけでCMMSかEAMかを判断しないことも大切です。現場の保全業務を仕組み化したいのか、資産・会計まで含めた全社最適を狙うのかを整理しましょう。
拠点ごとの運用を任せきる
共通ルールを決めないまま多拠点へ展開すると、標準化という狙いは果たせません。拠点ごとに独自の運用が育ち、全社での比較・集計ができなくなります。Excel時代のばらつきが、システム上で再現されるだけになります。
回避策:共通の点検フォーマットと設備分類は、本社が先に定めることが大切です。拠点固有の事情は補足項目で吸収する、という線引きを最初に決めておきましょう。標準テンプレートを整えてから、拠点を順に追加していく進め方が適しています。
効果測定の指標を決めずに導入する
見落とされやすいのが、突発故障の件数や計画外停止の時間を導入前に把握しておく作業です。導入後の改善を数字で示せず、入力の手間が増えただけという評価になりがちです。追加投資の判断材料も得られません。
回避策:突発故障の件数、計画外停止の時間、保全コストといった指標を導入前に記録しておきましょう。効果が数字に表れるまでには、数カ月から1年程度かかります。この点を経営層と現場の双方に説明しておくと、立ち上げ期を乗り越えやすくなります。
まとめ
設備保全システムの選定は、保全方式と管理規模の整理から始まります。設備が多い、多拠点、保全が属人化しているほど、システム化の効果が出やすくなります。種類はクラウド型CMMS・オンプレミス型CMMS・EAM型の3つです。
方向が見えたら、設備台数と拠点数、保全方式、現場の入力手段、連携範囲、費用と体制の順に確認します。どの製品でも、現場が点検入力を続けられるかが定着を左右します。点検記録のデジタル化を定着させてから、状態監視へ段階的に広げる進め方が現実的です。
製品ごとの比較は設備保全管理システムの比較記事、基礎は設備保全の解説記事で扱っています。
設備保全管理システム(CMMS/EAM)のおすすめ製品
eServ
横河電機株式会社
月額1万円/ユーザー。360サイト・5,000ユーザーのクラウドCMMS
SAP Intelligent Asset Management
SAPジャパン株式会社
SAP ERP完全統合の大企業向けEAM
IFS Cloud EAM
IFS
資産集約型産業向けクラウドEAM
Octave Attune EAM(旧Infor EAM)
Octave Intelligence plc(旧Infor→Hexagon)
業種特化型クラウドEAMの定番
IFS Ultimo
IFS
現場保全特化のEAM/CMMS
MENTENA
八千代ソリューションズ株式会社
月額5,000円〜/ID。累計600社超、登録設備30万件
設備保全管理システム(CMMS/EAM)比較表
| ロゴ | 製品名 | ベンダー | 価格モデル | 特徴 | |
|---|---|---|---|---|---|
| eServ | 横河電機株式会社 | サブスクリプション | 月額1万円/ユーザー。360サイト・5,000ユーザーのクラウドCMMS | 詳細を見る | |
| SAP Intelligent Asset Management | SAPジャパン株式会社 | 要見積もり | SAP ERP完全統合の大企業向けEAM | 詳細を見る | |
| IFS Cloud EAM | IFS | 要見積もり | 資産集約型産業向けクラウドEAM | 詳細を見る | |
| Octave Attune EAM(旧Infor EAM) | Octave Intelligence plc(旧Infor→Hexagon) | サブスクリプション | 業種特化型クラウドEAMの定番 | 詳細を見る | |
| IFS Ultimo | IFS | サブスクリプション | 現場保全特化のEAM/CMMS | 詳細を見る | |
| MENTENA | 八千代ソリューションズ株式会社 | サブスクリプション | 月額5,000円〜/ID。累計600社超、登録設備30万件 | 詳細を見る | |
| eMaint CMMS | Fluke Corporation | サブスクリプション | グローバル展開のクラウドCMMS。多言語・多通貨対応 | 詳細を見る | |
| SmartFAM | 株式会社日立産業制御ソリューションズ | オンプレミス | 30年超の保全実績。2025年生成AI連携版リリース | 詳細を見る | |
| COLMINA 設備保全管理 PLANTIA | 富士通株式会社 | 要見積もり | 35年超・12,000ライセンス超の国内トップクラス設備保全 | 詳細を見る | |
| IBM Maximo Application Suite | 日本アイ・ビー・エム株式会社 | 要見積もり | EAM世界No.1。ガートナーMQ 10年以上連続リーダー | 詳細を見る | |
| MONiPLAT | 株式会社バルカー | サブスクリプション | 20設備まで無料。フリーミアムCMMSで1,500社 | 詳細を見る |
よくある質問
Q設備保全システムはいつ導入を検討すべきですか?
設備台数が多い・多拠点・保全が特定の人に依存している企業ほど効果が出ます。点検表のExcelが乱立、故障履歴の検索に時間がかかる、欠品や過剰在庫が起きる、といったサインが複数当てはまるなら検討の段階です。
Q中小工場でも設備保全システムを導入できますか?
できます。初期費用を抑えた月額制や、一定台数まで無料のフリーミアム型などスモールスタートできるクラウド型が増えています。点検記録のデジタル化から小さく始めるのが現実的です。
Q予知保全はすぐ効果が出ますか?
すぐには出ません。正常時データを一定期間蓄積して初めて兆候を捉えられます。まずCMMSで保全データをデジタル化し、停止コストの大きい重要設備から段階的に状態監視へ広げるのが堅実です。
