設備保全とは|保全の種類・CMMSとEAMの違いをわかりやすく解説
設備保全の定義と目的、予防保全・予知保全・事後保全の種類、CMMSとEAMの違い、紙・Excel管理との違い、システム導入のメリットと注意点、向いている企業の条件までを整理した用語解説記事。
設備保全とは、工場や設備が止まらないように点検・修理・部品交換を計画的に行い、設備を使える状態に保つ活動の総称です。生産設備が突然止まると、ライン全体の停止や納期遅延、安全上のリスクに直結します。そのため製造業では、保全をどう仕組み化するかが生産性と直結するテーマになっています。
一方で、「設備保全」という言葉の中には、予防保全・予知保全・事後保全といった複数の方式が含まれ、これを管理するシステムにもCMMSとEAMという区別があります。言葉の関係が整理できていないと、自社が何を強化すべきか、どんなシステムが検討対象になるのかが見えてきません。
この記事では、設備保全の定義から保全の4つの種類、設備保全管理システム(CMMS)とEAMの違い、紙・Excel管理との差、導入の向き不向きまでを順番に整理します。
結論:設備保全は「事後保全(壊れてから直す)」「予防保全(壊れる前に定期的に手入れする)」「予知保全(状態を監視して兆候を捉える)」の3系統に大別されます。これを支えるシステムが、保全業務の効率化に特化したCMMSと、資産のライフサイクル全体・会計連携まで含むEAMです。設備台数が多い、多拠点、保全が特定の人に依存している企業ほどシステム化の効果が出やすく、設備が少なく単一拠点ならExcelでも当面は回せます。
この記事でわかること
設備保全とは(定義・目的)
設備保全とは、設備を正常に稼働できる状態に維持し、故障や性能低下を防ぐための点検・整備・修理・部品交換などの活動全般を指します。英語ではmaintenanceにあたり、日本の製造現場では「保全」と略して呼ばれます。
保全の目的は、大きく3つに整理できます。1つ目は設備の安定稼働です。設備が計画外に停止すると生産が止まり、機会損失が発生します。2つ目は故障リスクとコストの低減です。突発故障は緊急対応費用や予備品の割高な調達を招くため、計画的な保全のほうがトータルコストを抑えられる場合が多くなります。3つ目は設備寿命の最適化で、適切な手入れによって設備を想定された期間しっかり使い切ることを狙います。
「メンテナンス」とほぼ同義で使われますが、保全はより計画的・体系的な管理を含むニュアンスで使われることが多い言葉です。日常の清掃・給油から、定期点検、故障時の修理、設備更新の判断まで、設備のライフサイクルに関わる活動が保全の範囲に入ります。日本の製造現場では、設備総合効率(OEE)の維持や、TPM(Total Productive Maintenance、全員参加の生産保全)の枠組みの中で保全を位置づける企業も少なくありません。
設備保全は、誰がどこまで担うかという切り口でも整理されます。オペレーターが日常点検・清掃・給油などを担う自主保全と、保全部門が専門的な点検・修理・分解整備を担う専門保全に分かれ、この2つを組み合わせて運用するのが一般的です。日常の異常に最初に気づくのは現場のオペレーターであることが多いため、自主保全で拾った兆候を専門保全につなぐ流れが、設備を止めないうえで効いてきます。
設備保全を統括するのは、保全課や生産技術部門の担当者です。設備台数が増え、点検項目や履歴が膨大になると、人の記憶や紙の記録だけでは管理が追いつかなくなります。どの設備をいつ点検したか、過去にどんな故障が起きたか、予備品の在庫はいくつあるかといった情報が分散すると、保全の判断そのものが遅れます。ここから、保全をどう種類分けし、どう仕組み化するかという話につながります。
設備保全の種類(予防保全・予知保全・事後保全)
設備保全は、いつ・どのタイミングで手を入れるかによって、事後保全・予防保全・予知保全の3系統に分けられます。さらに予防保全は、時間で区切るTBMと状態で判断するCBMに分かれます。自社がどの方式を主軸に置くかで、必要なシステムや投資の重さが変わります。
事後保全(BM:故障してから対応する)
事後保全は、設備が故障・停止してから修理する方式です。Breakdown Maintenanceの頭文字でBMと呼ばれます。手間をかけずに済むため、止まっても生産への影響が小さい設備や、予備機がある設備には合理的な選択です。
一方で、重要設備で事後保全に頼ると、突発停止による生産ロスや、緊急修理の割高なコスト、復旧までの長時間停止といったリスクを抱えます。深夜や休日に基幹設備が止まれば、人の手配や予備品の調達に時間がかかり、停止が長引くことも珍しくありません。どの設備を事後保全でよしとし、どの設備は予防保全に切り替えるかの線引きが、保全計画の出発点になります。一般的には、止まっても代替できる設備や、故障の影響が局所的な設備は事後保全、停止がライン全体に波及する設備は予防保全以上で守る、という重み付けで判断します。
予防保全(TBM・CBM:壊れる前に手を入れる)
予防保全は、故障が起きる前に定期的な点検・部品交換を行い、故障そのものを防ぐ方式です。さらに2つの考え方に分かれます。
TBM(時間基準保全、Time Based Maintenance)は、稼働時間や使用回数、経過月数といった「時間」を基準に、状態にかかわらず決まったタイミングで部品交換や整備を行う方式です。計画が立てやすく管理がシンプルな反面、まだ使える部品を交換してしまう過剰保全になりやすい面があります。
CBM(状態基準保全、Condition Based Maintenance)は、振動・温度・電流などの状態データを監視し、劣化や異常の兆候が出た部品だけを交換する方式です。無駄な交換を減らせる一方、状態を測るためのセンサーやデータ分析の仕組みが必要になり、導入のハードルは上がります。
予知保全(CBMを発展させた兆候の予測)
予知保全(予兆保全)は、設備の稼働データをリアルタイムで収集・分析し、故障の兆候を事前に予測して対応する方式です。CBMの考え方をさらに進めたもので、IoTセンサーやAIによる異常検知と組み合わせて運用されることが増えています。
予知保全がうまく機能すると、突発故障をほぼなくしながら、過剰な定期交換も避けられます。ただし、センサー設置・データ蓄積・分析モデルの構築に相応の投資と時間がかかり、すべての設備に適用するのは現実的ではありません。重要設備や停止コストの大きい設備から段階的に適用するのが一般的な進め方です。
予知保全を始める際の現実的な順序は、まず重要設備にセンサーを取り付けて状態データを集め、正常時のデータを一定期間蓄積したうえで、異常の判定基準を作っていく流れになります。データが少ない初期は精度が安定せず、誤検知や見逃しが起こりやすいため、最初は「異常の兆候を担当者に知らせる補助」として使い、判断は人が行う運用から始めると無理がありません。設備の状態データを蓄積する基盤としては、点検・故障履歴を一元管理するCMMS/EAMがそのまま土台になるため、まずCMMSで保全データをデジタル化し、その上に状態監視を載せていく企業が多く見られます。
整理すると、事後保全は「壊れてから」、予防保全は「定期的に(TBM)または状態を見て(CBM)」、予知保全は「兆候を予測して」手を入れる方式です。多くの工場では、設備の重要度に応じてこれらを組み合わせて運用します。たとえば、停止すると全ラインが止まる基幹設備は予知保全や状態監視で手厚く守り、定期交換で十分管理できる消耗部品はTBM、影響が小さい補助設備は事後保全、という具合に方式を使い分けます。
どの方式を主軸にするかで、必要な仕組みも変わります。事後保全とTBM中心であれば、点検計画と作業指示、故障・修理履歴を記録するCMMSで十分カバーできます。CBMや予知保全に踏み込むなら、設備にセンサーを取り付け、状態データを蓄積・分析する基盤が前提になり、IoTやAIとの連携が検討対象に入ります。自社が今どの方式を中心に運用していて、どこまで高度化したいのかを先に決めておくと、システム選定の軸がぶれません。
設備保全管理システム(CMMS)とEAMとは(違い)
設備保全をシステムで管理する場合、検討対象になるのがCMMSとEAMです。両者は守備範囲が異なり、どちらが自社に合うかは管理したい範囲によって変わります。
CMMS(Computerized Maintenance Management System、設備保全管理システム)は、保全業務のオペレーションに特化したシステムです。設備台帳の管理、点検計画の作成、作業指示の発行、故障・修理履歴の蓄積、予備品(スペアパーツ)管理、保全コストの集計といった機能を備えます。現場の保全業務を効率化し、属人化していた記録やノウハウをデータとして残すことが主な目的です。
CMMSの中心になるのは設備台帳です。設備ごとに型式・設置場所・導入年・点検周期・関連する予備品などを登録し、これを軸に点検計画や故障履歴がひも付きます。台帳が整うと、「どの設備が」「いつ」「どんな保全を必要とするか」が一覧で見えるようになり、点検漏れの防止や、故障の多い設備の早期発見につながります。クラウド型CMMSの多くは、現場担当者がスマホやタブレットでQRコードを読み取って設備を特定し、その場で点検結果や写真を登録できる仕組みを備えています。事務所に戻って紙からExcelへ転記する手間がなくなり、入力のリアルタイム性が上がる点が、現場での定着を後押ししています。
EAM(Enterprise Asset Management、設備資産管理)は、CMMSの保全機能を含みつつ、資産のライフサイクル全体(調達→設置→運用→更新→廃棄)にわたる資産価値の最大化を狙う、より広い概念のシステムです。在庫管理・購買管理・予算管理・会計連携・ERPとの統合まで含み、保全を経営の資産管理の一部として捉えます。
EAMが扱う「資産」には、生産設備だけでなく、工場の建屋やインフラ設備、車両、計測機器なども含まれます。設備を取得してから廃棄するまでの累計コスト(保全費・エネルギー費・更新費など)を把握し、「この設備はまだ修理して使うべきか、更新したほうが安いか」といった投資判断を支えるのがEAMの狙いです。複数の工場を持つグローバル企業では、拠点ごとの資産情報を本社で横断的に見られることが、設備投資の優先順位付けや予算配分に直結します。CMMSが現場の保全効率を高めるのに対し、EAMは経営の意思決定に効く、という役割の違いがここに表れます。
両者の関係を一言でいえば、CMMSは保全業務の効率化に焦点を当てた「守り」のシステム、EAMは資産全体を経営目線で最適化する「攻め」のシステムです。実際の製品では両者の境界はあいまいで、CMMSとして始めて機能を広げた製品も、EAMの一部としてCMMS機能を持つ製品もあります。
選定の目安としては、まず現場の点検・故障・予備品管理を仕組み化したい段階ならCMMSの範囲で十分なケースが多くなります。複数拠点の資産を会計・購買と統合し、設備投資の意思決定まで一元管理したい大企業では、EAMが検討対象になります。
もう少し具体的に言うと、CMMSは「現場の保全担当者が日々使うシステム」として設計されており、点検結果の入力、作業指示への対応、故障時の記録といった日常業務を回すことに最適化されています。導入のスコープが保全業務に閉じている分、立ち上げが比較的早く、月額制のクラウド型なら小さく始められます。EAMは「経営・管理部門が資産全体を把握するためのシステム」という性格が強く、保全だけでなく、資産の取得から廃棄までのコスト、減価償却、購買、在庫を横断して管理します。その分、ERPや会計システムとの連携設計が必要になり、導入には時間と費用がかかります。
注意したいのは、製品名だけでCMMS/EAMを判断しないことです。CMMSとして売られている製品でも在庫・コスト管理まで備えるものがあり、EAM製品でも保全機能だけを切り出して使えるものがあります。重要なのは、自社が「現場の保全業務まで」を仕組み化したいのか、「資産・会計まで含めた全社最適」を狙うのかという目的の側です。目的が定まれば、製品のラベルに引きずられずに検討範囲を絞れます。
観点 | CMMS(設備保全管理システム) | EAM(設備資産管理) |
|---|---|---|
主な目的 | 保全業務の効率化・記録のデータ化 | 資産ライフサイクル全体の価値最大化 |
カバー範囲 | 点検・作業指示・故障履歴・予備品・保全コスト | CMMS機能+在庫・購買・予算・会計連携 |
位置づけ | 守り(オペレーション最適化) | 攻め(経営の資産管理) |
向く規模 | 中小〜大手の保全現場 | 多拠点・グローバルの大企業が中心 |
紙・Excel管理とシステム管理の違い
多くの工場では、設備保全をまず紙の点検表やExcelの台帳で管理しています。低コストで始められ、設備が少なければこれで回るのも事実です。問題は、設備台数や拠点が増えたときに管理が破綻しやすい点にあります。
紙・Excel管理には、いくつかの限界があります。記録が担当者の手元やローカルファイルに分散し、過去の故障履歴をすぐに探せない検索性の問題があります。点検漏れや記入漏れがあっても気づきにくく、抜け漏れの検知が人の目に依存します。複数拠点で別々のフォーマットを使うと、全社で比較・集計できず、設備ごとの故障傾向やコストを分析しにくくなります。さらに、保全のノウハウが特定のベテランに集中し、退職や異動で失われる属人化のリスクも残ります。
システム管理に移行すると、点検結果や故障履歴が一元的に蓄積され、設備ごとの履歴を即座に呼び出せます。点検計画から作業指示、結果の記録までが連動し、抜け漏れをシステム側で検知できます。タブレットやスマホで現場入力すれば、転記の手間と転記ミスも減ります。蓄積したデータは、故障の多い設備の特定や保全コストの可視化、予知保全への発展にもつながります。
具体的な違いは、いくつかの場面で表れます。たとえば「この設備、前回いつ同じ故障をしたか」を調べるとき、Excelでは複数のファイルを横断して探す必要がありますが、システムなら設備を選ぶだけで履歴が時系列で並びます。点検の期日管理も、Excelでは担当者がカレンダーで管理するしかありませんが、システムなら期日が近づくと自動で通知され、対応漏れを防げます。予備品の在庫も、出庫のたびに数量が更新され、発注点を下回ったらアラートを出すといった運用が可能になります。こうした「探す・気づく・集計する」の手間を機械側に寄せられる点が、システム管理の本質的な価値です。
ただし、すべての企業に今すぐシステムが必要というわけではありません。設備が数台で、点検項目も少なく、担当者が1人で全体を把握できる規模なら、Excelで十分に管理できます。システム化の判断は、設備台数・拠点数・保全の属人化の度合いで見極めるのが現実的です。
設備保全システムを導入するメリットと注意点
設備保全システム(CMMS/EAM)の導入で得られる効果と、見落とされやすい注意点を両面から整理します。導入そのものが目的化すると、入力だけ増えて効果が出ない状態に陥るため、メリットと負担の両方を理解しておく必要があります。
主なメリットは3つです。1つ目は突発故障の削減で、点検計画の漏れをなくし、故障履歴から劣化しやすい設備を先回りで手当てできます。2つ目は保全コストの可視化です。設備ごとの修理費・予備品費・作業工数をデータで把握でき、更新か修理かの判断材料になります。3つ目は技能継承で、ベテランの点検ノウハウや故障対応の手順をシステムに残すことで、属人化を緩和できます。
一方で、注意点も明確にあります。最初の負担として、設備台帳や点検項目の整備、過去履歴の登録に手間がかかります。運用面では、現場の入力が定着しないと、データが溜まらず効果が出ません。タブレット入力やQRコード点検など、現場の負担を下げる工夫が定着のカギになります。コスト面では、月額数千円から始められるクラウド型もあれば、大規模EAMのように数千万円規模になるものもあり、規模に合わない製品を選ぶと費用対効果が合いません。効果が数字で見え始めるまでには、データが一定量蓄積される数カ月から1年程度の期間がかかる点も、あらかじめ織り込んでおく必要があります。
導入を成功させるには、最初から全機能を使い切ろうとせず、点検記録のデジタル化など効果が見えやすい範囲から始め、運用に乗ってから機能を広げる進め方が現実的です。現場の入力が続くかどうかは、システムの機能よりも、入力画面のシンプルさやモバイル対応など「現場が使いやすいか」に左右されます。導入前に、実際に点検する担当者がデモで操作感を確かめておくと、定着しないリスクを減らせます。
もう一つ見落とされやすいのが、効果測定の指標を最初に決めておくことです。突発故障の件数、計画外停止の時間、保全コストといった指標をシステム導入前に把握しておけば、導入後にどれだけ改善したかを数字で示せます。指標がないまま導入すると、「入力の手間が増えただけ」という現場の不満だけが残り、運用が形骸化しやすくなります。
設備保全システムが向いている企業・まだ不要な企業
設備保全システムは、すべての企業に等しく効果があるわけではありません。自社が今導入すべきか、まだExcelで十分かを切り分けるための目安を整理します。
向いているのは、まず設備台数が多く点検項目が膨大な企業です。管理対象が増えるほど、紙・Excelでの抜け漏れリスクが高まり、システム化の効果が大きくなります。次に、複数の工場・拠点を持つ企業です。拠点ごとにバラバラだった保全情報を全社で標準化・比較でき、横展開が進みます。さらに、保全が特定のベテランに依存している企業では、ノウハウのデータ化による属人化の解消が大きな価値になります。状態監視や予知保全に取り組みたい企業も、データ蓄積の基盤としてシステムが前提になります。
判断に迷う場合は、いくつかのサインで見極められます。点検表のExcelが拠点や担当者ごとに乱立している、過去の故障履歴を探すのに時間がかかる、予備品の在庫を把握できず欠品や過剰在庫が起きている、ベテランが抜けると保全が回らなくなりそう、といった状況が複数当てはまるなら、システム化の効果が出やすい段階に入っています。逆に、これらがほとんど起きておらず、現状の管理で困っていないなら、急いで投資する必要はありません。
反対に、まだ導入を急がなくてよいのは、設備が数台で点検も単純な企業や、単一拠点で担当者が全体を把握できている企業です。この規模ではExcel管理でも回り、システムの月額費用や初期整備の手間が効果を上回ることがあります。ただし、設備増設や多拠点化、担当者の退職が見えてきたタイミングは、システム化を検討する区切りになります。無料や低価格で始められるクラウド型のCMMSも増えているため、本格導入の前に小規模に試して、現場が使えるかを確かめる進め方もあります。
自社に合う製品を具体的に探す場合は、設備保全管理システム(CMMS/EAM)のカテゴリで、対象設備・規模・価格などの条件から各製品を確認できます。
設備保全システムの選び方(比較記事へのブリッジ)
設備保全システムを選ぶときは、製品の知名度より、自社の保全方式・規模・現場の使い方に合うかで絞り込むのが失敗しにくい進め方です。ITトレンドでは、対象設備の種類、保全方式(予防/予知/CBM)への対応、現場でのモバイル入力のしやすさ、IoT・予知保全との連携、多拠点・規模、価格という観点で各製品を整理しています。
大まかな位置づけとしては、製品はCMMS寄りとEAM寄りに分かれます。CMMS寄りで中小から始めやすいのは、月額5,000円〜のMENTENAや、20設備まで無料のMONiPLAT、月額1万円/ユーザーのeServなどです。グローバル多拠点や資産管理まで含むEAM寄りでは、IBM Maximo Application SuiteやSAP Intelligent Asset Management、富士通のPLANTIA、日立産業制御ソリューションズのSmartFAMなどが挙がります。
ITトレンドでは、各製品に製造業適合性スコア(保全管理・多拠点対応・現場での使いやすさ・中小適合などの軸)を付与しており、自社の優先順位に近い製品を見つけやすくしています。たとえば、現場のタブレット入力のしやすさを最優先するならMENTENAやeServのように現場UIの評価が高い製品、グローバル多拠点の統合管理を重視するならIBM MaximoやSAP、eMaint CMMSのように多拠点対応スコアが高い製品、といった形で、自社が重視する軸からの絞り込みができます。製品ごとの比較軸の詳細や、対象設備・保全方式・価格までを並べた比較は、設備保全管理システムの比較記事や選び方記事で掘り下げています。
編集部コメント:用語整理の段階では、まず「自社が強化したい保全方式」と「管理したい範囲(現場の保全業務までか、資産・会計まで含むか)」の2つを決めると、CMMSとEAMのどちらを軸に検討すべきかが見えてきます。製品選定はその後で十分です。
まとめ
設備保全は、事後保全・予防保全(TBM/CBM)・予知保全という方式を、設備の重要度に応じて組み合わせて運用する活動です。これを支えるシステムには、保全業務の効率化に特化したCMMSと、資産ライフサイクル全体を経営目線で管理するEAMがあります。
システム化を検討する目安は、設備台数・拠点数・保全の属人化の度合いです。設備が多く多拠点で属人化が進んでいるほど効果が出やすく、設備が少なく単一拠点ならExcelでも当面は回せます。次のステップとして、自社の保全方式と管理範囲を整理したうえで、設備保全管理システム(CMMS/EAM)のカテゴリで条件に合う製品を比較するのが、具体的な検討の入口になります。
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