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用語解説#CAM#CAD/CAM#NC加工

CAMとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

CAMとは、CADの形状データから工具経路を作りNCプログラムへ変換するソフトです。ツールパス生成などの主な機能、メリット・デメリット、CAD・CAEとの違い、費用相場、導入に向いている企業まで解説します。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
CAMとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!

CAMとは、CADで作った形状データをもとに、工作機械をどう動かして削るかを決め、NCプログラムを生成するソフトウェアです。コンピュータ支援製造の略で、設計したものを機械が削れる指示書に翻訳する役割を担います。

図面はあるのに、加工指示の作成に時間がかかっていませんか。5軸機を入れたのに、手作業のプログラム作成が追いつかない現場もあるでしょう。こうした場面で導入が検討されます。この記事では、基礎知識からメリット・デメリット、主な機能、費用相場、向いている企業までを整理しました。

  • できること:形状データから工具経路(ツールパス)を作り、工作機械用のNCプログラムへ変換します。
  • CADとの違い:CADが「何を作るか」を、CAMが「どう削るか」を担います。
  • 種類:2.5軸・3軸の汎用加工から、5軸・複合加工まで、対応範囲は製品によって異なります。
  • 費用の目安:クラウド型で年10万円台から、ハイエンドは3軸構成でも180万円規模から。

手作業でのプログラム作成が難しい加工ほど価値が高まります。形状が単純で点数も少なく、操作盤での手打ちで足りる現場では、費用対効果が見えにくくなるでしょう。


この記事でわかること

01

CAMとは

CAMは、加工の方法をデータとして組み立て、工作機械が読めるNCプログラムを出力するソフトです。工具・順番・経路・速度・切り込み量を設定します。ここでは、何をするソフトか、対象の加工、軸数による違いを押さえます。

削るための手順を作るソフト

CAMの中心的な成果物は、工具の移動経路(ツールパス)です。荒削りで大まかに材料を落とし、仕上げで面を整える一連の経路を作ります。

図面を描くのではなく、形状を「削る手順」へ落とし込むのが仕事です。以前は熟練工が経験で経路を組み、操作盤で直接打ち込むのが一般的でした。複雑形状や多品種では、それが属人化しやすかったのです。

対象となる加工の種類

扱う加工は切削が中心です。マシニングセンタの3次元加工や旋盤の旋削、複合加工機、ワイヤーカットまでが対象です。製品ごとに範囲が違います。

3Dプリンタによる付加製造に対応する製品も増えてきました。自社の工作機械にデータを出せるかが、絞り込みの最初の条件です。旋盤中心かマシニングセンタ中心かで、適した製品が変わります。

軸数による種類

3軸加工は、X・Y・Zの3方向に工具を動かす方式です。2.5軸はその一種で、高さ方向を段階的に下ろしながら平面で輪郭を削る加工を指します。多くの汎用部品はこの範囲に収まります。

5軸加工は、ここに回転や傾きの2軸を足した方式です。3軸で刃が届かない形状も削れるようになるのが特徴です。軸数が増えるほど、CAMにも高度な機能と習熟が求められます。

編集部メモ:2.5軸・3軸で足りるのか、5軸まで要るのかで、選ぶべき製品の性格が変わります。汎用加工を広くこなしたいのか、5軸の難削材加工を効率化したいのかを先に決めましょう。


02

CAMのメリット

CAMの導入効果は、複雑な加工ほど大きく表れます。プログラム作成の速さ、事前検証、ノウハウの共有という3つの面で変化が出ます。

  • 手作業では作れない経路を短時間で作れる
  • 加工前に干渉と削り残しを確認できる
  • 加工ノウハウが属人化しなくなる

手作業では作れない経路を短時間で作れる

最大の利点は、手作業では現実的でない経路を短時間で作れることです。自由曲面や5軸のプログラムを手で組むには、膨大な時間と熟練が要ります。

5軸機を入れたのにプログラム作成が追いつかず、稼働率が上がらない。そんな状況を解消できるでしょう。同じデータを機械ごとに出力し分け、空いている機械へ振り向けることもできます。

加工前に干渉と削り残しを確認できる

工具・機械・ワークがぶつからないかを、画面で確かめてから機械に渡せます。試し削りや事故を減らせる点は、現場で大きな安心につながります。

主軸を損傷させれば、修理のあいだ設備は止まったままです。削り残しを事前に把握でき、仕上げで工具が折れる事態も避けられます。試し削りが減れば、材料費と機械の占有時間も抑えられます。

加工ノウハウが属人化しなくなる

加工の手順をデータとして残せるため、誰が見ても同じ経路を再現できます。熟練工の経験に頼った運用から抜け出せるのが利点です。

似た形状の部品なら、過去のデータを流用できます。工具や切削条件をテンプレートにすれば、社内でノウハウを共有できるでしょう。ベテランの退職で加工できる部品が減る事態も避けられます。


03

CAMのデメリット

CAMは、導入すれば自動で最適な加工ができる道具ではありません。どちらも計画に織り込めば対処できるので、進め方とあわせて押さえておきましょう。

  • 加工の知識と習熟が必要になる
  • ライセンス以外の費用が発生する

加工の知識と習熟が必要になる

工具や切削条件の知識を持つ人が使って、初めて成果が出ます。条件の与え方が適切でなければ、工具が折れたり面が荒れたりします。

高度な製品ほど、数か月単位の教育期間が要るでしょう。

対処法:導入と同時に、担当者と教育の方法を決めておきます。1つの加工や工程に絞って立ち上げ、効果を確かめてから広げるのが無理のない進め方です。

ライセンス以外の費用が発生する

ハイエンドなCAMはライセンス費用が高く、5軸や複合加工でさらに増えます。機械ごとのポストの整備費用と、年間の保守費用もかかります。

対処法:導入前に、プログラム作成の時間、試し削りの失敗回数、機械の稼働率を記録しておきましょう。削減できる工数を見積もって判断すれば、導入後の効果測定にも使えます。


04

CAMの主な機能

CAMが備える機能は、大きく次の4つです。製品ごとに作り込みの深さが違うため、比べる際もこの4つが軸になります。

  • ツールパスの生成:形状と加工条件から工具の移動経路を計算する
  • 加工シミュレーション:干渉や削り残しを画面上で検証する
  • ポストプロセッサ:経路を各機械が読めるNCプログラムへ変換する
  • 加工時間の見積もり:削り終わるまでの時間を算出する

それぞれの中身を見ていきましょう。

ツールパスの生成

形状と加工条件から工具の移動経路を計算する、CAMの中核機能です。工具・順番・経路・回転数・送り速度・切り込み量を設定して組み立てます。

荒削り・中仕上げ・仕上げの工程ごとに、形状に合った削り方を選ぶ仕組みです。作られる経路は、まだ機械に依存しないCLデータと呼ばれる形式です。負荷を一定に保って高速で荒削りする経路もあります。

加工シミュレーション

経路どおりに動かしたとき、問題が起きないかを画面で確かめる機能です。工具・機械・ワーク・治具の干渉チェックが中心になります。

削り残しを把握し、小さい工具で処理する経路を足すのにも使います。5軸加工は工具やワークが傾くため、3軸より衝突のリスクが高い点に注意が必要です。機械の構造まで再現して検証できる製品もあります。

ポストプロセッサ

CLデータを、対象の機械に合わせたNCプログラムへ変換する機能です。ポストと略して呼ばれます。

NCプログラムは、Gコード・Mコードの命令で工具の動きを指示します。3軸機と5軸機、メーカーごとのコントローラで、出力の内容は同じではありません。保有機それぞれにポストを用意できるかが、選定の実務上の要点です。

加工時間の見積もり

作った経路から、削り終わるまでの時間を算出する機能です。工具の移動距離と送り速度、工具交換の回数から計算します。

見積もりの精度が上がれば、受注時の価格や納期回答の根拠になります。どの機械に何時間要るかが分かれば、段取りの順番も組みやすいでしょう。経路の組み方を変えて加工時間を比べる検討にも使えます。


05

CAMの主な活用場面

CAMが使われるのは、手作業でのプログラム作成が現実的でない加工です。担当する立場によって、求めるものが変わります。代表的な3つの場面を見ていきましょう。

金型・自由曲面部品の加工

金型製作の担当者が、複雑に湾曲した面を削る場面です。経路を人が計算するのは困難な領域にあたります。

最優先されるのは面品位です。金型の表面はそのまま製品に転写され、後の磨き工数も左右します。長時間の加工が多く、夜間の無人運転なら途中で止まらないことが前提となります。事前のシミュレーションが欠かせません。

5軸・複合加工機のプログラム作成

5軸機や複合加工機を入れた現場の生産技術担当者が、機械の能力を引き出す場面です。経路を作れなければ、機械は稼働しません。

5軸では干渉が起きやすく、シミュレーションを備えたCAMが前提になります。複合加工機では、旋盤系の加工への対応が選定の決め手です。工程を1台に集約できれば、機械間の運搬や待ち時間もなくせます。

多品種少量でのプログラム作成

中小の加工業で、形の違う部品を少人数で回している現場です。設計から加工データ作成までを同じ担当者が担うことも珍しくありません。

効くのは、過去のデータを流用できることです。使っているCADと連携できれば、設計変更のたびに形状を作り直す手間も消えます。受注のたびに図面が変わる現場では、この差が納期の余裕を左右するでしょう。


06

CAMの費用相場

CAMの費用は、対応する加工の範囲で大きく変わります。CADと一体のクラウド型は年10万円台からで、試作や小ロットの現場でも導入しやすい価格帯です。ハイエンドは2〜3軸の構成でも180万円規模からで、5軸や複合加工は追加費用となる例があります。ポストの整備費用と年間の保守費用も見込んでおきましょう。

対応加工や軸数は、ITトレンドのCAMソフト(CAMシステム)カテゴリで比較できます。


07

CAMとCAD・CAEの違い

CAMと混同されやすいのがCADとCAEです。3つは対立する技術ではなく、設計・検証・製造という別の役割を担います。製品開発の流れの中で、組み合わせて使われるものです。

観点

CAD

CAE

CAM

担う役割

何を作るか(設計)

設計が妥当か(検証)

どう削るか(製造)

入力

要求仕様・寸法

CADの形状データ

CADの形状データ

成果物

3Dモデル・図面

強度・熱・流れの解析結果

工具経路・NCプログラム

使う担当

設計

設計・解析

生産技術・加工

流れで見ると、CADで形状を決め、CAMで工具経路を作り、NCプログラムで工作機械が削ります。CADがなければ形が決まらず、CAMがなければ機械への指示に落とせません。

CADとCAMが別ソフトの場合と、一体になったCAD/CAMの場合があります。一体型は設計変更を反映しやすいのが利点です。特定のCADを使う現場なら、そのCADに連携するCAMのほうが資産を活かせるでしょう。


08

CAMの導入が向いている企業・向いていない企業

CAMは、すべての加工現場に同じように効くわけではありません。加工形状の複雑さ、軸数、量産か試作か、プログラムを作り直す頻度で投資対効果が変わります。自社がどちらに当てはまるかを確かめてください。

CAMの導入が向いている企業

自由曲面を含む金型加工や、5軸・複合加工を行う企業です。手作業でのプログラム作成が難しいため、経路生成とシミュレーションの効果が金額に表れます。

多品種でプログラムの作成が頻繁に発生する企業も適任です。5軸機を入れたのに稼働率が上がらない企業にも向きます。少人数で設計から加工まで回す中小加工業も同様です。

CAMの導入が向いていない企業

単純な2.5軸の平面形状ばかりで、点数も限られている企業です。操作盤での手打ちで足りる範囲なら、高機能なCAMは過剰になります。

プログラムを作り直す頻度が低い現場も、投資の回収に時間がかかります。加工の知識を持つ担当者を確保できないなら、時期尚早でしょう。まず対象を絞った低コストな製品から試すのが現実的です。


09

まとめ

CAMとは、CADの形状データから工具経路を生成するソフトウェアです。それを工作機械用のNCプログラムへ変換します。CADが「何を作るか」、CAMが「どう削るか」を担います。

最初に確かめるのは対応する加工の範囲です。2.5軸・3軸の汎用加工から5軸・複合加工まで、製品によって扱える範囲が違います。

使いこなすには工具や加工条件の知識が要り、ポスト整備の費用と習熟期間も見込む必要があります。現状の作成時間を数値で記録し、対象を絞って効果を確かめてください。対応軸数はCAMソフト(CAMシステム)カテゴリで確認できます。

CAMソフト(CAMシステム)比較表

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TebisTebis Technische Informationssysteme要見積もり金型・多軸加工の高機能CAD/CAM詳細を見る

よくある質問

QCAMとは何ですか?
A

CAM(Computer Aided Manufacturing)とは、CADで作成した形状データをもとに、工具経路(ツールパス)を作成し、工作機械を動かすNCプログラムを生成するソフトウェアです。設計データから実際の加工までをつなぐ役割を担います。

QCADとCAMはどう違いますか?
A

CADは製品の形状を設計・モデリングするためのツール、CAMはその形状をどう削るか(工具・経路・加工条件)を決めてNCデータを作るツールです。設計がCAD、加工準備がCAMという役割分担で、両者を連携させて使います。

Q3軸CAMと5軸CAMはどちらを選ぶべきですか?
A

平面的な切削や2.5次元加工が中心なら3軸CAMで十分なことが多いです。複雑な曲面や多面の同時加工、工具の届きにくい形状を扱うなら5軸対応CAMが必要になります。自社の加工対象と保有設備に合わせて選びます。

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