2D CADとは?基礎知識やできること、選び方までをわかりやすく解説!
2D CADとは平面の図面を作成・編集するソフトです。3D CADとの違い、メリット・デメリット、レイヤーや寸法などの主な機能、無料から年10万円程度までの費用相場、導入に向いている企業までをわかりやすく解説します。

2D CADとは、平面の図面をコンピュータ上で作成・編集するソフトウェアです。3D CADが普及した今も、機械の部品図や建築・設備の施工図など、現場へ渡す図面の多くは2次元で作られています。
ただ、導入を考え始めると疑問が次々に出てきます。3D CADとどう使い分けるのか、無料のCADで足りるのか、取引先とはどの形式でやり取りするのか。この記事では、基礎知識からメリット・デメリット、主な機能、費用相場、向いている企業までを整理しました。
- できること:平面図・部品図・施工図の作図と編集。レイヤー分けや寸法の自動計算で、手描きより速く正確に描けます。
- 3D CADとの違い:立体モデルを作らない分、動作が軽く、習得しやすく、費用も抑えられます。
- 費用の目安:無料のJw_cadから、買い切り2万円台、サブスクで年3万〜9万円台まで幅があります。
- 選ぶときの起点:誰とどの形式(DWG/JWW)で図面をやり取りするかを先に決めると、候補が絞れます。
立体形状を検証する必要がないなら、2D CADのほうが費用対効果は高くなります。まず図面のやり取り相手と形式を確かめ、互換性・業種・予算の3点で候補を絞りましょう。
この記事でわかること
2D CADとは
2D CADは、CAD(コンピュータ支援設計)の2次元版です。紙と定規で行っていた製図を、画面上に置き換えたものと考えると役割がつかめます。ここでは、何を描くソフトか、なぜ使われ続けるのか、どう分類されるのかを押さえます。
平面の図面を描くためのソフト
2D CADが描くのは、平面図・立面図・断面図・部品図といった平面の図面です。線分・円・寸法・文字・記号を組み合わせて作ります。
手描きとの違いは、修正のしやすさに出ます。線のコピーや移動、寸法の自動計算ができるため、一部を直すたびに引き直す必要がありません。図面はデータとして残り、過去図面の流用や取引先への送付もそのまま行えます。
製造現場で2D図面が使われ続ける理由
3D CADが普及した今も、2D CADの需要は根強く残っています。加工現場へ渡す製造指示が、2次元の図面を前提にしているためです。
寸法・公差・表面処理・材質は、図面上に文字と記号で明記するのが基本です。3Dで設計しても、現場へ渡す最終図面は2Dに展開する例が多くあります。2D図面は、設計と現場をつなぐ共通言語であり続けています。
汎用CADと専用CADという分類
2D CADは、対応する業務の幅で「汎用CAD」と「専用CAD」に分かれます。
汎用CADは、機械・建築・電気・土木など業種をまたいで使えます。専用CADは特定業界の業務に特化し、その業界でよく使う部品データや専用コマンドを備えたタイプです。ただし業務が変わると使いにくくなります。
編集部メモ:まず自社に汎用と専用のどちらが要るかを決めると、候補が一気に絞れます。複数業種の図面を扱うなら汎用CAD、1つの分野の作図効率を上げたいなら専用CADが出発点です。
2D CADのメリット
2D CADのメリットは、3D CADと比べたときの「軽さ」に集約されます。動作・習得・費用のいずれも負担が小さく、導入のハードルが低くなります。
- 動作が軽く、一般的なPCで使える
- 習得しやすく、教育コストが小さい
- 導入コストを抑えられる
動作が軽く、一般的なPCで使える
2D CADは、オフィスにある一般的なPCでも快適に動きます。3D CADのように、高性能なPCへの買い替えが要らないのが利点です。
まず1台から試し、効果を確かめてから台数を増やす進め方もしやすくなります。図面を開くたびに待たされるストレスも少なく、ノートPCで現場へ持ち出して確認する使い方もできます。
習得しやすく、教育コストが小さい
紙の図面を描いた経験があれば、画面上でも同じ考え方が通用します。製図の延長として、比較的短期間で使い始められるでしょう。
人の入れ替わりがある現場ほど、この利点は大きくなります。新しい担当者がすぐ戦力になれば、特定の人しか図面を描けない属人化も避けやすくなります。解説書や記事が多く、独学しやすい点も心強いところです。
導入コストを抑えられる
2D CADは3D CADより価格帯が低く、無料で実務に使える製品もあります。有償でも買い切り2万円台、サブスクなら年3万円台から選べます。
必要な人数分を揃えやすいのも利点です。図面を直す事務担当や、現場で確認する担当にも配れます。体験版で自社の図面を試してから決められるので、費用面のリスクも抑えられます。
2D CADのデメリット
2D CADのデメリットは、平面に特化していることの裏返しとして現れます。どちらも事前に手を打てば避けられる範囲なので、対処法とあわせて押さえておきましょう。
- 立体形状の検証ができない
- ファイル形式の互換性でつまずきやすい
立体形状の検証ができない
部品同士の干渉チェックや構造解析、デザイン検証はできません。組み立てて初めて不具合が分かる、という手戻りが起こりえます。3Dデータでの納品を求められたときも対応できません。
対処法:立体の検証が要るなら、3D CADを主軸にしてください。現場向けの図面作成に2D CADを組み合わせる構成です。導入前に、扱う形状の複雑さと求められるデータ形式を確かめてください。
ファイル形式の互換性でつまずきやすい
CADは製品ごとに保存形式が違い、相手と合わないと図面が開けないことがあります。「DWG対応」とあっても、フォントや線種、寸法スタイルの表示が変わる場合もあり、注意が必要です。
対処法:本格導入の前に、取引先と実際にやり取りしている図面で開き直しを試します。寸法・文字・レイヤーが再現されるかに加え、相手のDWGバージョンで保存できるかも確認しましょう。
2D CADの主な機能
2D CADの作業効率を支えているのは、次の4つの機能です。製品を比べるときも、この4つの使いやすさが判断材料になります。
- レイヤー管理:図面を層に分けて、表示・印刷を切り替える
- 寸法の自動計算:線を引くと長さや角度が自動で表示され、図形の変更に追従する
- 記号・部品の登録と再利用:よく使う要素を登録し、繰り返し呼び出す
- ファイル形式の変換:DWG・DXF・JWWなど、相手に合わせた形式で入出力する
それぞれの中身を見ていきましょう。
レイヤー管理
図面を層に分けて管理する仕組みです。建築図面なら、壁・電気配線・寸法線を別々の層に描き分けます。
層ごとに表示・印刷・線の色・編集のロックを設定できます。1つの図面から、施工用と説明用で違う見え方を作れるのが特徴です。層の構成は受け渡した相手のCADにも引き継がれるため、命名ルールの社内統一が要ります。
寸法の自動計算
線を引くと、長さや角度が自動で計算・表示される機能です。寸法値は図形に連動し、形状を変えると数値も更新される仕組みです。
寸法線や文字の大きさは「寸法スタイル」としてまとめて設定でき、社内標準を使い回せます。公差・表面粗さ・溶接記号といった製造指示の記号も、規格に沿った形式で入力できる製品が多くあります。
記号・部品の登録と再利用
よく使う記号や部品を登録し、必要なときに呼び出して配置する機能です。ボルトやナット、電気記号、配管継手などが対象です。
品番や材質といった属性を持たせられる製品なら、図面から部品表も書き出せるでしょう。業界の部品ライブラリを標準で備えた製品も多く、専用CADではとくに充実しています。
ファイル形式の変換
他社とやり取りする形式への対応機能です。実務で頻出するのは3つあります。
DWGはAutoCADの標準形式で、事実上の業界標準です。DXFはCAD間の交換用に作られた形式で、対応ソフトが多くあります。JWWは無料CADのJw_cadの形式で、国内の建築・設備で広く流通しています。海外製CADは標準で対応していないことが多い形式です。
2D CADの主な活用場面
2D CADが使われるのは、2次元の図面が最終成果物になる業務です。製造業では次の3つが代表的で、担当者と目的がそれぞれ違います。自社の業務がどれに当てはまるかを確かめてみてください。
機械部品の製作図・加工図の作成
機械設計の担当者が、加工を依頼するための図面を作る場面です。形状に加え、寸法・公差・表面処理・材質を明記します。
規格どおりの寸法記入を手早くできるかが重要です。図面は加工先へ渡すので、相手が開ける形式で出力できることも欠かせません。類似形状の図面を繰り返し作るため、過去図面の呼び出しやすさも作業効率に影響します。
設備レイアウト図・工場配置図の作図
生産技術や工務の担当者が、工場内の設備配置や動線を検討する場面です。ラインの増設や設備の入れ替えのたびに図面が要ります。
既存図面をもとに配置を試すことが多く、レイヤーの切り替えが効く用途です。製造・保全・安全管理など他部署も参照します。CADを持たない人向けに、PDFで出力できることも求められるでしょう。
受領図面の修正と紙図面の電子化
設計事務や小規模事業者が、受け取った図面に手を入れたり、紙図面をデータ化したりする場面です。
最優先になるのは、受け取った図面を正しく開ける互換性です。作図機能の豊富さより、確実に開いて直せることが求められます。紙図面のトレースは費用をかけにくいため、低価格の製品や無料CADが選ばれる傾向にあります。
2D CADの費用相場
2D CADの費用は、無料から年間数十万円規模まで幅があります。多くの製品は、買い切りで2万〜33万円程度、サブスクリプションで年3万〜11万円程度の範囲です。国産のJw_cadのように無料で実務に使える製品もあります。
製品ごとの価格は、ITトレンドの2D CADカテゴリで料金体系から絞り込んで比較できます。
2D CADと3D CADの違い
2D CADと3D CADは、扱う次元だけでなく、必要なPC性能も習得期間も費用も違います。どちらが要るかは、立体形状を検証する必要があるかでほぼ決まるでしょう。
観点 | 2D CAD | 3D CAD |
|---|---|---|
扱う形状 | 平面(X軸・Y軸) | 立体(X軸・Y軸・Z軸) |
主な用途 | 部品図・施工図など製造指示の作成 | 製品設計・干渉チェック・構造解析 |
必要なPC性能 | 一般的なPCで動作 | 高性能なPCが必要な場合が多い |
習得のしやすさ | 製図の延長で短期間に習得できる | 概念の理解と操作の習熟に時間がかかる |
費用の目安 | 無料〜年10万円程度 | 年数十万円規模 |
3D CADは立体モデルから2次元図面も作れるため、機能の幅は広くなります。そのぶん操作は複雑で、習得にも時間を要します。2次元の図面作成が中心なら、機能の広さよりも、軽さと習得しやすさを重視するとよいでしょう。
干渉チェックや構造解析、3Dデータでの納品が要るなら、3D CADを選ぶことになります。後から3D設計が必要になりそうなら、最初から3D CADを検討する手もあります。
2D CADの導入が向いている企業・向いていない企業
2D CADが合うかは、企業規模ではなく業務の中身で決まります。分かれ目は「2次元図面が業務の中心か」と「立体形状の検証が要るか」の2点です。自社がどちらに当てはまるかを確かめてください。
2D CADの導入が向いている企業
2次元の図面作成が業務の中心にある企業です。部品図・施工図・配線図のように、指示が2次元でやり取りされる業務です。軽さと低コストがそのまま効きます。
手描きやExcelの作図をデジタル化したい段階の企業にも向きます。無料や低価格の製品から始め、効果を確かめながら台数を広げられるためです。取引先とDWGでやり取りするなら、DWG互換の有償CADが現実的でしょう。
2D CADの導入が向いていない企業
立体形状の検証が要る企業には、2D CADだけでは足りません。干渉チェックや構造解析、デザイン検討は平面図では行えないためです。
3Dプリンタや切削加工へデータを渡す企業や、3Dデータでの納品を求められる企業も同様です。この場合は3D CADを主軸にし、2D CADを補助に回す構成が合います。設計から製造まで3Dで一貫させたいなら、最初から3D CADで環境を整えましょう。
まとめ
2D CADとは、平面の図面を作成・編集するソフトウェアです。3D CADより動作が軽く、習得もしやすく、費用を抑えられます。3D化が進んだ現在も、加工や施工の現場へ渡す指示は2次元の図面が前提です。設計と現場をつなぐ共通言語であり続けています。
最初に決めるのは対応するファイル形式です。業界標準のDWG、交換用のDXF、国内の建築・設備で普及するJWWが代表的です。どれが要るかは、誰と図面をやり取りするかで決まります。
費用は無料から買い切り2万円台、サブスク年3万円台以上まで幅があります。互換性・業種適合・予算の3点で絞り込んでください。製品ごとの対応形式は2D CADカテゴリで比較できます。
2D CAD(汎用2次元CAD)のおすすめ製品
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2D CAD(汎用2次元CAD)比較表
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よくある質問
Q2D CADと3D CADはどちらを選ぶべきですか?
立体形状を検証する必要があるかで決まります。部品図や施工図など2次元の図面作成が中心なら、軽く・安く・習得しやすい2D CADが費用対効果で優れます。干渉チェックや構造解析、3Dデータ連携が要るなら3D CADが必要です。
Q無料の2D CADでも実務に使えますか?
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QDWG・DXF・JWWはどう違いますか?
DWGはAutoCAD標準の業界標準形式、DXFは異なるCAD間でやり取りする中間形式、JWWはJw_cadの形式で国内の建築・設備で普及しています。自社が誰とどの形式でやり取りするかが選定の分かれ目になります。
