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選び方・ノウハウ#RFID#ICタグ#製品比較

RFID比較|主要メーカー10製品をタイプ別に並べる選び方ガイド

RFIDリーダー・ゲートの主要メーカー10製品を、周波数帯(UHF/HF/LF)・読取距離と一括読取・固定/ハンディ/ゲート・WMS/トレーサ連携・タグと運用費用の5軸で中立に比較。ハンディ棚卸/金属環境/ゲート一括読取/FA工程管理/ラベル一体/基幹連携の用途別に、自社に合うタイプを絞り込めるよう整理しました。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部

RFIDを比較しようとして製品名と機能の一覧を並べても、なかなか絞りきれないのは、同じ「RFIDシステム」でも周波数帯・読取機の形・想定する使い方がメーカーごとに大きく違うからです。在庫の棚卸を速くしたいのか、入出荷ゲートで一括読取したいのか、金属部品の工程を追いたいのかで、向いている製品はまったく変わります。リーダー単体のスペックだけを横並びにしても、自社の用途に合うかは見えてきません。

この記事では、RFIDリーダー・ゲートの主要メーカー10社の製品を、編集部の比較軸に沿って中立に整理します。国産ハンディの定番、全周波数帯・FA組込みに強いタイプ、金属・長距離に特化したUHF専業、固定ゲートで大規模一括読取に向くタイプ、ラベル発行からトレーサビリティまで一体化したタイプ、基幹連携の国産まで、性格でグループ分けして向き不向きを並べます。自社の用途(在庫・トレーサビリティ・入出荷)から逆算して、どのタイプを起点に候補を絞ればよいかを判断できる形に整えました。

結論:在庫棚卸や現場運用をハンディから段階的に始めたいならデンソーウェーブ(SPシリーズ)やマーストーケンソリューション、FA工程管理でPLC・制御機器とつなぐならオムロン(V680S)・タカヤ・IDECが起点になります。金属面や金属環境の読取が課題ならフェニックスソリューション、入出荷ゲートでの大規模一括読取はNECプラットフォームズやZebra、RFIDラベルの発行から個品・期限のトレーサまで一体で組むならサトー、基幹システムと国産サポートで連携させたいなら富士通フロンテックが有力です。まず周波数帯と読取機の形を決め、次に連携先と運用費を詰める順序が迷いにくくなります。

この記事でわかること

01

RFID比較の前提|周波数帯と構成の違いを押さえる

RFIDの比較に入る前に、製品の性格を最も大きく左右する二つの前提を確認します。一つは周波数帯(UHF・HF・LF)、もう一つはシステムの構成(タグ・リーダー・アンテナ・ミドルウェアの組み合わせ)です。ここを曖昧にしたまま製品名を並べると、読取距離や金属耐性といった現場で効く差が見えないまま比較が空回りします。

周波数帯はおおまかに三つに分かれます。UHF帯(920MHz帯)は読取距離が長く、複数のタグを一括で読めるため、入出荷ゲートや在庫の棚卸など「離れた距離で大量に読む」用途に向きます。一方で金属や水分の影響を受けやすく、対策タグや設置調整が要ります。HF帯(13.56MHz帯)は近接での読取が安定し、金属環境にも比較的強いため、工程内の個品認証やFAラインの確実な読み書きに向きます。読取距離は短く、一括読取には不向きです。LF帯(135kHz以下)は水分や金属の影響を受けにくく、近接の確実な認証に使われますが、通信速度と距離は限られます。つまり「離れて大量に=UHF」「近くで確実に=HF/LF」という性格の違いが、用途選定の出発点になります。

構成の面では、RFIDは読み取る機器(リーダー・アンテナ・タグ)と、読んだデータを受け取って蓄積・活用する仕組み(在庫管理・トレーサビリティ・WMS・PLCなど)の二層で成り立っています。読取機の形にはハンディ(持ち運んで読む)、固定型(定点に置いて読む)、ゲート型(通過時に一括で読む)があり、用途によって最適な形が違います。比較するときは、自社に足りないのが読取の精度・距離なのか、読んだデータを束ねる仕組みなのかを切り分けると、見るべき製品の種類が定まります。読取機だけ選んでデータの蓄積先を後回しにすると、読んだ情報が各設備に散らばって活用できない、という落とし穴に陥りやすいので注意してください。

導入の規模感も最初に持っておくと、比較がぶれにくくなります。ハンディ端末で一部の倉庫から始める構成は、読取機が数台と在庫アプリの設定が中心になるため、比較的小さく短期間で立ち上げられます。一方、入出荷ゲートに固定リーダーと複数アンテナを設置し、WMSや基幹システムと連携する構成は、電波環境の調整・設置工事・システム連携が絡むため、要件定義から本稼働まで数か月単位の期間と相応の投資を見込むのが現実的です。同じ「RFID導入」でも、ハンディ段階導入と大規模ゲート構築では費用も期間も桁が変わります。自社がどちらに近いかを先に決めると、過剰なSI前提の製品と、小さく始められる製品のどちらを軸に比べるべきかが見えてきます。

02

編集部が見るRFIDの比較軸

製品名を並べる前に、評価軸を絞ると、機能の有無ではなく自社にとっての重みで比較できるようになります。編集部はRFIDシステムを【周波数帯(UHF/HF/LF)・読取距離/一括読取・固定/ハンディ/ゲート・WMS/トレーサ連携・タグ/運用費用】の5つの軸で比較しました。それぞれが何を意味するのかを整理します。

一つ目の周波数帯は、これまで述べたとおりシステムの性格を最も大きく決めます。離れて大量に読むUHFか、近接で確実に読むHF/LFかで、適した製品が分かれます。二つ目の読取距離・一括読取は、どれだけ離れたタグを、何枚まとめて読めるかという運用効率の軸です。ゲートで台車ごと一括読取したいのか、手元で一点ずつ確認したいのかで重みが変わります。三つ目の読取機の形(固定/ハンディ/ゲート)は、現場の作業動線に合うかという物理面の評価です。棚卸はハンディ、入出荷は固定・ゲート、というように工程ごとに最適な形が違います。

四つ目のWMS・トレーサ連携は、読んだデータをどの仕組みにつなぐかという軸です。倉庫管理システム(WMS)や在庫管理、トレーサビリティ、PLCといった上位の仕組みと、CSVやAPIで無理なくつながるかが運用の成否を分けます。五つ目のタグ・運用費用は、見落とされやすい一方で総額に最も効く軸です。リーダー本体の価格だけでなく、貼り続けるタグの単価、設置工事、ミドルウェアのライセンス、保守費を含めた総保有コストで見ないと、後から費用が膨らみます。特にUHFタグは使い捨て前提なら累積枚数が費用を左右し、金属対応タグは一般タグより単価が上がる傾向があります。

この5つは独立しておらず、互いに連動します。たとえば入出荷ゲートで一括読取したいなら、UHF帯・長距離・ゲート型・WMS連携・大量タグという組み合わせが同時に決まってきます。金属部品の工程を近接で確実に追うなら、HF帯・固定型・PLC連携が自然な組み合わせになります。比較の順序としては、まず用途から周波数帯と読取機の形を決め、次に連携先、最後にタグ・運用費用を詰める流れが現実的です。なお本記事では各製品の詳細スペックや価格は横並びの一覧にせず、性格の違いを言葉で整理します。数値での横並び確認はページ下部の比較表で行えます。

03

目的別の選び方|用途からタイプを絞る

比較軸を踏まえると、自社の用途ごとに見るべきタイプがかなり絞れます。ここでは代表的な6つの用途別に、どのタイプ・どの製品が起点になるかを整理します。複数の用途がある場合は、最も重い課題を一つ決めて、その用途の起点から候補を広げると迷いにくくなります。

金属環境・金属面のタグを読みたい

金属部品やコンテナ、金属棚など金属の多い現場では、一般的なUHFタグは電波が反射・吸収されて読めないことが多く、ここが最大のつまずきどころになります。金属対応タグ(金属面に貼れる専用インレイ)と、それを安定して読むアンテナ設計が必要です。この用途では金属対応UHFに特化したフェニックスソリューションが起点になり、HF帯で金属環境に強いオムロンV680Sも工程内の近接読取で選択肢になります。汎用品で試して読めずに頓挫する前に、金属を前提にした製品から検討するのが近道です。

入出荷ゲートで一括読取したい

入出荷口やラインの通過点で、台車やパレット単位のタグをまとめて読みたい用途では、UHF帯の固定型・ゲート型で、高出力かつ複数アンテナでゲートを広くカバーできる製品が向きます。大規模・基幹連携前提ならNECプラットフォームズの固定型UHF、グローバル多拠点で同一構成を展開したいならZebraの固定リーダーFXシリーズが起点です。長距離・一括の読取設計に強いフェニックスソリューションもゲート構築で候補に挙がります。読み逃し(タグの未読)をどこまで許容できるかが、アンテナ配置と機種選定の焦点になります。

ハンディで棚卸・在庫を効率化したい

倉庫や現場で人がハンディ端末を持って棚卸・在庫照合をする用途では、持ちやすさ・読取速度・既存の在庫アプリとの連携が効きます。国産でハンディのシェアが高いデンソーウェーブのSPシリーズ、2次元コードリーダ内蔵のRFIDハンディを国内支援とセットで提供するマーストーケンソリューションが起点になります。バーコードからの置き換えや段階導入とも相性がよく、まず一部の倉庫で試してから広げる進め方に向きます。

FAライン・工程管理で制御機器とつなぎたい

生産ラインの工程管理で、個品やパレットを近接で確実に認証し、PLCや制御機器と連動させたい用途では、HF帯の産業用RFIDや、FA制御に組み込みやすい製品が向きます。PLC連携と耐環境性で工程管理に最適化されたオムロンV680S、全周波数帯と組込みモジュールを揃えFAライン認証に実績のあるタカヤ、制御・安全機器と組み合わせてライン実装しやすいIDECのAUTO-IDが起点です。データの蓄積より、ラインで確実に読み書きして制御に返すことが主課題の現場に向きます。

ラベル発行からトレーサまで一体で組みたい

RFIDラベル(インレイ)の発行・エンコードから、貼付・読取・履歴記録までを一気通貫で設計したい用途では、ラベル発行とトレーサビリティを一体で構築できるサトーが起点になります。食品・医薬・アパレルなどで、個品ごとの追跡やロット・使用期限の管理が必要なケースに向きます。読取機だけでなく「何を、いつ、どの粒度で記録するか」を発行段階から設計したい場合に強みが出ます。

基幹システムと国産サポートで連携したい

すでに在庫・生産・販売の基幹システムがあり、それとつないでRFID運用を国内体制で進めたい用途では、リーダー・タグ・ハンディと業務システム連携を国産開発・サポートで提供する富士通フロンテックが起点になります。流通・製造・物流と幅広い業務に対応し、基幹連携の在庫・トレーサ運用を前提にできます。海外製品の窓口やドキュメントに不安がある場合に、国内サポートの安心感が選定理由になります。

04

主要メーカー・製品の比較

ここからは、性格の近い製品をグループに分けて、各社の強みと弱み・適さないケースを並べて見ていきます。ITトレンドでは製造業向け製品を在庫管理・品質管理・工程管理・中小適合といった軸でスコア化しており、その傾向も併せて整理します。いずれも自社の用途と連携要件に照らして読むことを前提に、中立に紹介します。

国産ハンディの定番(デンソーウェーブ/マーストーケンソリューション)

デンソーウェーブのUHF RFID(SPシリーズ)は、QRコードを開発した同社のRFIDで、SP1ハンディリーダは偏波を自動で切り替えるアンテナにより、向きの異なるタグも安定して高速に読み取れるのが特長です。ハンディ・固定・ゲートを揃え、国産でハンディRFIDの市場シェアが高く、在庫・棚卸・入出荷の自動認識に広く使われています。在庫管理の評価が高く、ハンディから段階導入しやすい点が中小にも向きます。弱みとしては、UHF中心のため近接の確実な個品認証や金属環境の作り込みは専業・産業用に譲る場面があり、PLCと密に連動させる工程制御用途では制御連携前提の製品の方が収まりがよいことです。

マーストーケンソリューションのRFIDは、UHF/HF対応のリーダや、2次元コードリーダ内蔵のRFIDハンディ端末を、在庫・棚卸・トレーサのアプリと組み合わせて提供します。設計・PoC・導入・運用まで国内で伴走する体制が強みで、ハンディ中心で段階導入しやすく、中小適合の評価が高い製品です。バーコードとRFIDを1台で読めるため、既存のバーコード運用を残しつつRFIDを足したい現場に向きます。弱みは、固定型UHFの高出力・大規模ゲートのような構成では専用機に強みがあり、グローバル多拠点で同一構成を一括展開する規模では海外大手に分があることです。

この2社は、いきなり全社展開せず、棚卸に時間がかかっている一拠点から試すといった段階導入と相性がよいのが共通点です。まず対象を絞ってハンディと在庫アプリを立ち上げ、棚卸時間がどれだけ短縮できたか・読取率が実用に耐えるかを確かめてから、対象倉庫や品目を広げる進め方が取れます。デンソーウェーブは偏波自動切替で向きの異なるタグも読みやすく、棚に雑然と置かれた在庫の一括読取で扱いやすさが出ます。マーストーケンは国内での設計・PoC伴走があるため、自社の品目や棚に合うタグ選定や運用ルールづくりまで含めて相談したい場合に向きます。

編集部コメント:まずハンディで棚卸・在庫照合を効率化し、効果を見ながら広げたい中小製造業には、この2社が現実的な入口です。読取機の前に、連携する在庫アプリ側のデータ設計を決めておくと、導入後の手戻りを減らせます。

全周波数帯・FA組込みに強い(タカヤ/IDEC/オムロン)

タカヤのRFIDリーダライタは、国産RFID専業大手として、HF・UHF・LFの全周波数帯と組込みモジュール・ソフトを揃え、用途に応じた構成を選べるのが強みです。FA・生産ラインの工程管理や製品認証で実績を持ち、工程管理・品質管理の評価が高い製品です。装置や機器への組み込みに対応するため、自社設備にRFIDを内蔵したいメーカーに向きます。弱みは、組込み・専業ゆえに、すぐ使える完成品のハンディ運用を求める現場ではマーストーケンやデンソーウェーブの方が立ち上げが速いことです。

IDECのAUTO-ID(自動認識)ソリューションは、制御機器大手として、RFIDリーダやバーコード機器をFAの制御機器・安全機器と組み合わせ、生産ラインに組み込みやすいのが特長です。FAライン組込みと部品認証・工程記録の評価が高く、ラインの工程管理が主課題の現場に向きます。弱みは、在庫の大量一括読取やトレーサのデータ蓄積が主目的なら、UHF専業やトレーサ一体型の方が適することです。制御連携の設計が前提になる点も、ソフト主体で素早く始めたい場合には負荷になります。

オムロンのRFID V680Sシリーズは、産業用のHF帯RFIDで、金属環境や油・水のかかる過酷な製造現場でも安定して読み書きでき、PLC連携によりFAの工程管理・トレーサビリティに使われます。耐環境性と制御連携が強みで、工程管理の評価が最も高い水準にあります。近接の確実な個品認証が必要なラインに最適です。弱みは、HF帯のため読取距離が短く一括読取には不向きで、入出荷ゲートでの大量読取用途にはUHFの固定型・ゲート型を別に選ぶ必要があることです。

編集部コメント:このグループは「ラインで確実に読み、制御に返す」ことが主課題の現場向きです。とくにオムロンV680SはPLC連携前提のFA工程に強く、タカヤ・IDECは自社設備への組込みやライン実装で選ばれます。逆に倉庫の棚卸や入出荷の一括読取が主目的なら、別タイプの方が合います。

金属・長距離のUHF専業(フェニックスソリューション)

フェニックスソリューションは、国産UHF RFID専業として、リーダ・アンテナ・タグを自社で揃え、独自のアンテナ設計技術と金属対応タグ(PMTシリーズ)で、これまで難しかった金属面・金属環境での読取や長距離・一括読取を実現します。金属の多い製造現場での在庫・棚卸の自動化に強く、在庫管理の評価が高い製品です。汎用UHFで読めずに困っていた金属部品・金属棚の用途で、本領を発揮します。弱みは、UHF特化のため近接の個品認証やHF/LFが必要な用途、ラベル発行からのトレーサ一体運用には別製品が必要になることです。金属対応タグは一般タグより単価が上がる傾向があるため、貼付枚数が多い場合はタグ費用の試算が欠かせません。

編集部コメント:「汎用品で試したが金属で読めなかった」という相談は多く、その場合はこの専業から検討すると遠回りを避けられます。アンテナ配置とタグ選定を現場で詰める前提で、PoCを組むのが安全です。

固定ゲートで大規模一括読取(NECプラットフォームズ/Zebra)

NECプラットフォームズのUHF帯固定型RFIDリーダライタは、高出力・複数アンテナの接続に対応し、入出荷ゲートやライン上の一括読取など大規模システムを構築できます。NECグループのシステムインテグレーションと組み合わせやすく、ゲート一括読取による在庫・入出荷の自動化と工程管理の評価が高い製品です。基幹連携を含む大規模構築に向きます。弱みは、大規模SIが前提のため、ハンディ1台から小さく始めたい中小には過剰になりやすく、中小適合の評価は控えめです。導入規模と期間も相応に大きくなります。

ZebraのRFIDは、固定リーダーFXシリーズ、ハンディのRFDシリーズ、RFIDプリンタを揃え、WMSや端末管理基盤と連携して大規模・多拠点の物流RFID運用に向きます。グローバルで実績が豊富で、大規模在庫・出荷の自動化(在庫管理の評価が高い)と、多拠点・海外でも同一構成を取れる供給力が強みです。弱みは、大規模運用でこそ価値が出る設計のため、小規模では費用対効果が出にくいこと、国内専業のような細かな現場伴走より標準構成での展開が前提になりやすいことです。日本語ドキュメントやサポート窓口の体制は、導入前に確認しておきたい点です。

編集部コメント:通過するだけで一括読取し、WMSや基幹とつなぐ大規模運用なら、この2社が中心候補です。国内の大規模SI前提ならNECプラットフォームズ、海外拠点を含む標準展開ならZebra、という住み分けが目安になります。

ラベル・トレーサ一体(サトー)

サトーのRFID(プリンタ・ラベル一体)は、自動認識大手として、RFIDラベル(インレイ)の発行・エンコードから読取・トレーサビリティ運用までを一体で構築でき、食品・医薬・アパレル等のロット・期限・個品管理に強いのが特長です。入出庫・棚卸の自動化(在庫管理の評価が高い)に加え、期限・ロット・個品の記録(品質管理の評価が高い)まで、発行から運用まで一気通貫で設計できます。弱みは、金属環境での長距離・一括読取に特化したい用途や、PLCと密結合したFA工程制御では、専業・産業用の方が適することです。発行・運用を含む仕組みの構築規模により費用が変わるため、対象範囲を先に絞ると見積もりが読みやすくなります。トレーサビリティの観点でシステム全体を検討する場合は、トレーサビリティシステムのカテゴリも併せて見ると、識別技術とデータ蓄積の両面から候補を整理できます。

編集部コメント:「何を、どの粒度で、いつ記録するか」を発行段階から設計したい食品・医薬・アパレルには、ラベル発行とトレーサを一体で持つ強みが効きます。読取機単体での比較ではなく、運用設計込みで評価するのが向いています。

基幹連携の国産(富士通フロンテック)

富士通フロンテックのRFIDは、リーダ・タグ・ハンディと、流通・製造・物流向けの業務システム連携を国内開発・サポートで提供します。基幹システムとつないだ在庫・トレーサビリティ運用に向き、流通・製造・物流と幅広い業務に対応する点が強みです。国内体制で運用できる安心感があり、海外製品の窓口やドキュメントに不安がある企業の選択肢になります。弱みは、金属特化や全周波数帯の組込み、超大規模ゲートのような尖った要件では専業・大手専用機に分があること、突出した一点突破型ではなく幅広い業務適合を志向する製品である点です。既存の基幹システムとの接続方式(CSV/API)と連携実績は、導入前に具体的に確認しておくと安全です。

編集部コメント:既存の基幹システムを残したままRFIDを足し、国内サポートで運用したい中堅企業に向きます。連携の可否は製品仕様の機能名だけでなく、自社システムとの接続実績で確認するのが確実です。実際の製品比較はRFIDシステムの製品一覧から、用途や連携条件で絞り込めます。

05

RFID導入時の注意点

RFIDの選定でつまずきやすいのは、リーダーのカタログスペック比較に集中して、現場の物理条件と運用・費用を見落とすことです。失敗を避けるために確認しておきたい点を整理します。

まずタグ単価と総保有コストです。RFIDの費用はリーダー本体だけでなく、貼り続けるタグの単価が累積で効きます。使い捨て前提の用途では、年間の貼付枚数×単価が無視できない金額になり、金属対応タグは一般タグより単価が上がる傾向があります。リーダー価格の安さだけで選ぶと、運用フェーズでタグ費用が膨らむことがあるため、3年程度の総額(本体・タグ・設置・ミドルウェア・保守)で比較するのが安全です。

費用対効果の見極めも、タグ単価とセットで考えます。汎用の使い捨てラベルタグと、金属対応や繰り返し使える堅牢タグでは単価が大きく異なり、後者は前者の数倍以上になることもあります。容器や治具のように繰り返し循環する対象には、単価が高くても再利用できる堅牢タグの方が総額で有利になる場合があり、逆に出荷品に貼って捨てる用途では安価なラベルタグが現実的です。RFID化で削減できる工数(棚卸時間・検品工数・探索ロス)を金額に換算し、本体・タグ・運用費の総額と突き合わせて、どの工程からRFID化すると投資を回収しやすいかを見ておくと、稟議でも説明しやすくなります。なお、ここで挙げた単価の倍率や費用感はあくまで一般的な傾向で、実際の金額はタグの種類・数量・構成によって変わるため、複数社からの見積もりで確認してください。

次に金属・水分の影響です。UHF帯は金属面や水分の近くで電波が反射・吸収され、読み逃しが起きます。金属部品・金属棚・液体製品が絡む現場では、金属対応タグや設置調整、場合によってはHF帯への変更が必要になります。カタログ上の読取距離が出ていても、自社の現場で同じ性能が出るとは限らないため、最も条件の厳しい場所での読取を前提に検証してください。

ミドルウェアと電波環境も見落とされがちです。読んだタグデータを在庫・トレーサ・WMS・PLCにどう渡すか(CSVかAPIか、リアルタイムかバッチか)で、運用負荷と必要なミドルウェアが変わります。また、920MHz帯のRFIDは電波を扱うため、出力や利用形態によって制度上の手続き(技適や免許・登録の要否)を確認する必要があり、要件は機種・構成・時期によって変わるため、メーカーと最新の前提で確認するのが確実です。複数のリーダーを近接設置すると電波が干渉して読取が不安定になることもあり、設置設計は現場で詰める前提に立ちます。

そして最も大切なのがPoC(試験導入)です。RFIDは現場の素材・動線・電波環境で読取率が大きく変わるため、いきなり全工程に展開せず、最も読取条件の厳しい工程で小さく試し、読取率と運用の手間を確かめてから広げるのが定石です。読取や運用の手間が増えすぎると現場が省略しはじめて記録が欠け、せっかくの自動化が形骸化します。PoCで読取率・作業時間・例外処理(未読時の運用)まで見たうえで、本格展開の範囲と機種を決めると失敗を減らせます。

06

まとめ|用途から周波数帯と読取機の形を決める

RFIDの比較は、周波数帯(UHF/HF/LF)・読取距離と一括読取・読取機の形(固定/ハンディ/ゲート)・WMS/トレーサ連携・タグと運用費用の5つの軸で整理すると、リーダー単体のスペックでは見えない自社との相性が見えてきます。製品は性格で分かれ、ハンディ棚卸ならデンソーウェーブ・マーストーケン、FA工程管理ならオムロン・タカヤ・IDEC、金属・長距離UHFならフェニックスソリューション、大規模ゲート一括読取ならNECプラットフォームズ・Zebra、ラベルからトレーサ一体ならサトー、基幹連携の国産なら富士通フロンテックが起点になります。

次の一歩は、自社の最も重い用途を一つ決め、そこから周波数帯と読取機の形を絞り、連携先と運用費用を詰めることです。そのうえで、最も条件の厳しい工程でPoCを行い、読取率と運用負荷を確かめてから展開範囲を決めると、導入後のギャップを避けられます。各製品の周波数帯・読取機の形・連携・費用感はページ下部の比較表で横並びに確認できるので、本記事のタイプ整理と突き合わせて候補を絞り込んでください。

RFIDシステム(リーダー・ゲート)比較表

製品名ベンダー価格モデル特徴
オムロン RFID V680Sシリーズオムロン株式会社要見積もり
  • 過酷環境での安定読取
  • PLC/FA制御との連携
  • 産業用としての信頼性
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デンソーウェーブ UHF RFID(SPシリーズ)株式会社デンソーウェーブ要見積もり
  • 高い読取性能と偏波自動切替
  • 国産でハンディRFIDのシェアが高い
  • ハンディ/固定/ゲートの構成幅
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タカヤ RFIDリーダライタ(HF/UHF/LF)タカヤ株式会社要見積もり
  • 全周波数帯をカバー
  • 装置組込み向けモジュール
  • FAライン認証の実績
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サトー RFID(プリンタ・ラベル一体)株式会社サトー要見積もり
  • ラベル発行〜読取の一体運用
  • 期限・個品管理に強い
  • 自動認識の実績とサポート
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マーストーケンソリューション RFID(UHF/HF・ハンディ)株式会社マーストーケンソリューション要見積もり
  • RFIDハンディ運用に強い
  • アプリ込みの提案とPoC支援
  • 国内サポート
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IDEC AUTO-ID RFIDソリューションIDEC株式会社要見積もり
  • FA制御・安全機器との親和性
  • 生産ラインへの組込みやすさ
  • 制御機器大手の信頼性
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Zebra RFID(FX固定・RFDハンディ・プリンタ)Zebra Technologies(ゼブラ・テクノロジーズ)要見積もり
  • 固定〜ハンディ〜プリンタを網羅
  • WMS連携と大規模運用
  • グローバルの供給・実績
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フェニックスソリューション 金属対応UHF RFID株式会社フェニックスソリューション要見積もり
  • 金属対応タグで難所を読取
  • アンテナ設計による長距離・一括読取
  • UHF専業のチューニング力
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NECプラットフォームズ UHF RFIDリーダライタ(固定型)NECプラットフォームズ株式会社要見積もり
  • 高出力固定型で広範囲読取
  • 多アンテナのゲート構成
  • NECグループのSI力
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富士通フロンテック RFID(リーダ・タグ)富士通フロンテック株式会社要見積もり
  • 国産の開発・サポート
  • 基幹システム連携の実績
  • 流通〜製造の幅広い適合
詳細を見る

よくある質問

QRFIDの周波数帯(UHF・HF・LF)は用途でどう選べばよいですか?
A

離れた距離で複数タグを一括で読みたい入出荷ゲートや在庫棚卸にはUHF帯(920MHz帯)が向きます。読取距離が長く一括読取に強い一方、金属や水分の影響を受けやすく対策タグや設置調整が要ります。工程内で個品を近接で確実に読み書きしたいFAラインにはHF帯が向き、金属環境にも比較的強い反面、読取距離は短く一括読取には不向きです。LF帯は水分・金属の影響を受けにくい近接認証向けですが、通信速度と距離は限られます。まず用途から周波数帯を決めると候補が絞れます。

QRFIDで金属部品や金属棚がうまく読めません。どうすればよいですか?
A

UHF帯は金属面で電波が反射・吸収され読み逃しが起きやすいため、汎用タグでは金属環境で読めないことがあります。対策は、金属面に貼れる金属対応タグ(専用インレイ)を使い、それを安定して読むためのアンテナ設計・配置を現場で調整することです。フェニックスソリューションのような金属対応UHF専業や、HF帯で金属に強いオムロンV680Sといった金属を前提にした製品から検討すると遠回りを避けられます。金属対応タグは一般タグより単価が上がる傾向があるため、貼付枚数に応じたタグ費用の試算もあわせて行ってください。

QRFID導入の費用はどこに注意すればよいですか?
A

リーダー本体の価格だけで比較すると、運用段階で費用が膨らみやすい点に注意が必要です。RFIDはタグを貼り続けるため、使い捨て前提の用途ではタグ単価×累積枚数が大きく効き、金属対応タグはさらに単価が上がる傾向があります。本体・タグ・設置工事・ミドルウェアのライセンス・保守を含めた3年程度の総保有コストで比較するのが安全です。あわせて、自社の現場でどれだけ読めるかはPoC(試験導入)で読取率と運用負荷を確かめ、見積もりは自社の工程構成を前提に複数製品から取って構成ごとの差を比べると、判断がぶれにくくなります。

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