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選び方・ノウハウ#3Dプリンター#業務用#比較

業務用3Dプリンター比較|4機種の造形方式と選び方

業務用3Dプリンター4機種を造形方式・サイズ・材料・価格の4軸で比較。FDMと光造形の違いを踏まえ、用途別の選定基準と導入時の注意点を中立的に整理した記事です。

製造業のシステム選定担当者ITトレンド編集部
業務用3Dプリンター比較|4機種の造形方式と選び方

業務用3Dプリンターの導入で迷いやすいのは、本体価格や知名度ではなく「自社の用途に方式が合っているか」の見極めです。同じ業務用でも、熱で樹脂を積み上げるFDM方式と、液状レジンを光で固める光造形方式では、得意な造形物も後処理の手間も大きく異なります。この記事では、Stratasys F123シリーズ、Markforged X7、Formlabs Form 4、Raise3D Pro3の4機種を、造形方式・造形サイズ・対応材料・本体価格と総コストという4つの軸で並列に比較します。用途別の選定基準、見落としやすいランニングコスト、選定でつまずきやすい失敗例まで、購入判断に直接使える情報を中立的に整理しました。

この記事でわかること

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業務用3Dプリンターを比較する4つの軸

機種を絞り込む前に、評価軸を固定しておくと比較がぶれません。業務用3Dプリンターは方式・材料・価格帯が幅広く、カタログ上の最大寸法や最高速度だけを見ると判断を誤ります。ここでは造形方式、造形サイズ、対応材料、本体価格と総コストの順に、それぞれ何を確認すべきかを整理します。

造形方式が用途の適合性を決める

最初に決めたいのは造形方式です。業務用で主流になるのは、熱で溶かした樹脂を一層ずつ積み上げるFDM(熱溶解積層、FFFとも呼ばれます)方式と、液状の光硬化性樹脂にUV光を当てて固める光造形方式の2系統です。FDMは強度と耐熱性が必要な用途に向き、製造現場の治具や機能部品の内製で選ばれています。光造形は表面が滑らかで寸法精度が高く、外観確認用のモデルや微細な部品の検証で強みを発揮します。

今回の4機種では、Stratasys F123シリーズとRaise3D Pro3、連続炭素繊維を扱うMarkforged X7がFDM系、Formlabs Form 4が光造形(MSLA方式)に分類されます。同じFDMでも、Markforged X7は連続繊維を部品内部に敷き込める点で一般的なフィラメント機と性格が異なり、用途次第で評価が分かれます。

造形サイズは「分割造形の発生」で考える

造形サイズは、一度に出力できる最大寸法を超える形状で分割造形が必要になり、接合の手間と精度のばらつきを生みます。4機種の造形エリアは、Formlabs Form 4が約20.0×12.5×21.0cm、Markforged X7が330×270×200mm、Raise3D Pro3が300×300×300mm前後です。Stratasys F123シリーズはF170が254mm角、F270が約308×254×308mm、F370が約356×254×356mmと、機種ごとに造形可能な範囲が段階的に広がります。

注意したいのは、最大寸法ぎりぎりの造形は反りや密着不良が起きやすい点です。カタログ値の8割程度を実用上の目安と捉え、最も大きく出力する部品の寸法から逆算して選ぶと、買い替えの後悔を避けられます。

対応材料と本体価格・総コスト

対応材料は用途の幅を直接左右します。汎用樹脂しか使えない機種と、炭素繊維やエンジニアリングプラスチックに対応する機種では、想定できる部品の種類も価格帯も変わります。本体価格は、Raise3D Pro3が税込90万円程度から、Markforged X7が保守を含めて1,000万円以上が目安とされ、Formlabs Form 4とStratasys F123シリーズはその間に位置します(価格は構成・代理店・時期で変動するため、最新の見積もりで確認してください)。本体価格だけでなく、材料費・後処理機材・保守費を合算した総コストで比較することが、導入後のコスト超過を防ぐ前提になります。

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造形方式の違いを実務でどう捉えるか

方式の違いは、出力物の性質だけでなく日々の運用にも影響します。FDM方式は積層の段差が表面に残りやすく、外観部品では研磨や塗装といった後処理が前提になる場合があります。一方で材料の保管がフィラメントのリール単位で済み、扱いやすさはFDMの利点です。Stratasys F123シリーズはABS-M30やASA、上位のF370ではPC-ABSにも対応し、現場の治具や機能検証に使える材料を備えています。Raise3D Pro3はデュアルエクストルーダーを搭載し、サポート材を別系統で出力できるため、複雑形状の取り外しがしやすい構成です。

光造形のFormlabs Form 4は、XY解像度50μmクラスの精細な造形と滑らかな表面が強みで、積層痕がほぼ目立ちません。最高100mm/時クラスの造形速度をうたい、試作のサイクルを短くしたい場面に向きます。ただし液状レジンを扱うため、洗浄と二次硬化という後処理工程が必須になり、レジンの保管や使用済み樹脂・アルコールの取り扱いといった手間が発生します。

Markforged X7は連続炭素繊維やケブラー、ガラス繊維を部品内部に敷き込めるため、金属加工部品の置き換えを狙える剛性が得られます。造形中にレーザーで寸法を計測する機能を備え、品質確認の工数を抑えられる点も特徴です。反面、Onyxなどの専用材料が前提となり、汎用フィラメント機より材料コストは高くなりがちで、設計時に繊維の配向を考慮する手間も加わります。利点が大きい分、専用材料の運用体制を組めるかが導入の分かれ目になります。

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用途の条件から見た選び方

機種選定は「どの製品が優れているか」ではなく「自社の用途の条件に合うか」で考えると外しにくくなります。判断に迷う場合は、出力物を最終製品に近い形で使うのか、検証用にとどめるのかをまず切り分けると候補が絞れます。

機能部品・治具を内製したい場合

強度や耐熱性が求められる機能部品、組み立て用の実用治具を社内で作りたい場合は、FDM系のStratasys F123シリーズやRaise3D Pro3が候補になります。F123シリーズは産業用途で実績のある材料群と造形の安定性を備え、Raise3D Pro3は本体価格を抑えつつ300mm角の造形エリアを確保できるため、複数台での運用や部署単位の導入と相性がよい構成です。治具の更新頻度が高く台数を増やしたい現場では、Raise3D Pro3が初期投資の面で検討しやすい選択肢になります。

金属部品の置き換えを狙う場合

アルミ製の治具やブラケットなど、金属加工部品に近い剛性を樹脂で実現したい場合は、連続炭素繊維を敷き込めるMarkforged X7が選択肢です。切削加工の外注を内製に切り替えてリードタイムを短縮したい、軽量化と強度を両立したいといった目的が明確なほど投資対効果を判断しやすくなります。逆に、強度要求がそれほど高くない部品が中心であれば、高価な連続繊維機の能力を持て余す可能性があります。

外観モデル・精密検証が中心の場合

意匠確認用のモデルや、はめ合い・微細形状の検証が中心なら、表面品質と寸法精度に優れる光造形のFormlabs Form 4が向きます。試作の見た目で顧客や社内の合意を取りたい場面では、積層痕が目立たない光造形の仕上がりが評価しやすさにつながります。一方で、実使用に耐える強度や耐熱性が必要な部品にはレジンの特性上限界があり、その用途ではFDM系との併用が現実的です。

評価軸を一通り整理したうえで実際の製品スペックを横並びで見たい場合は、ITトレンドの3Dプリンターカテゴリで造形方式や価格などの条件を絞り込み、各製品を比較できます。

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導入前に確認したい注意点と失敗例

方式ごとの制約に加え、見落としやすいコストや運用の落とし穴があります。導入後に「想定と違った」となりやすいポイントを、よくある失敗例とあわせて整理します。

本体価格以外のランニングコスト

見落としやすいのが、本体価格以外に継続して発生するコストです。専用材料を使う機種は材料単価が高く、出力量が多い現場では年間の材料費が本体価格に迫ることもあります。Markforged X7のような連続繊維機やStratasys F123シリーズの専用材料は、汎用フィラメントより単価が上がる前提で年間コストを試算しておくと、予算超過を避けられます。光造形機ではレジン代に加え、洗浄用アルコールや交換部品の費用も積み上がります。本体だけで比較して「想定よりランニングコストが高い」と後で気づくのが典型的な失敗です。

後処理工程と設置環境

後処理を軽視した結果、造形機は動いても工程全体が回らないという失敗もあります。光造形のForm 4は洗浄機と二次硬化機をあわせて運用するのが基本で、設置スペースと作業時間を見込む必要があります。FDM系も、外観部品ではサポート材の除去や表面処理に手間がかかります。レジンや樹脂を扱うため、換気や保管環境の条件を満たせるかも事前確認の対象です。「造形時間は短いのに、後処理待ちで結局リードタイムが縮まらなかった」というケースは、後処理工程を導入計画に含めなかったときに起きやすくなります。

サポート体制と運用人材

もう一つの失敗例が、操作や保守を担う人材を想定しないまま導入を決めることです。連続繊維機や産業用FDM機は、設計時に造形方向や繊維配向を考える知識が成果を左右します。代理店の保守契約の範囲、トラブル時の対応スピード、消耗品の供給体制を導入前に確認しておくと、立ち上げ後の停滞を防げます。台数や運用部署の規模に応じて、保守費まで含めた総コストで4機種を見比べることが、選定の精度を上げる近道です。

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選び方のポイント整理

業務用3Dプリンターの比較は、造形方式を起点に、造形サイズ、対応材料、本体価格と総コストの順で絞り込むと判断がぶれにくくなります。強度のある実用部品や治具の内製ならStratasys F123シリーズやRaise3D Pro3、金属加工部品に近い剛性が要る用途ならMarkforged X7、外観モデルや精密な検証用ならFormlabs Form 4が、それぞれ有力な選択肢です。

最後に大切なのは、4機種を同じ用途条件で見比べることです。最も大きく出力する部品の寸法、必要な強度と耐熱性、年間の材料費を具体的な数値で書き出してから候補を当てはめると、カタログの印象に流されずに済みます。各製品の造形サイズ・対応材料・価格を条件で絞り込んで比較したい場合は、ITトレンドの3Dプリンターカテゴリから確認できます。

3Dプリンター(業務用)比較表

製品名ベンダー価格モデル特徴
Formlabs Form 4Formlabs(フォームラボ)オンプレミス高精細な試作に向くデスクトップ光造形機詳細を見る
Raise3D Pro3Raise3D(レイズスリーディー)オンプレミスコスト性能に優れる業務用FDM機詳細を見る
Markforged X7Markforged(マークフォージド)要見積もり連続炭素繊維で実用部品を造形詳細を見る
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